枯れ葉擬態 キンイロエグリバ
枯れ葉に隠蔽的擬態する蛾は、多くのグループ(科?)で、
独自に進化してきたようだ。
今回のキンイロエグリバは、常夜灯に来ているのを良く見かける。
キンイロエグリバ(ヤガ科)
2013年8月31日 矢立峠・秋田
でも、こんな感じで、建物の壁に止まっているのを見ても、
初めて見た人は「本当に枯れ葉に擬態してるの???」と思うかもしれない。
それでも、枯れ葉が沢山ある場所に、静止していたら、
私ごときには、絶対に見つけることはできないだろう。
しかし、緑色の葉っぱの上では、簡単に見つかる。
・・・・と言うか、偶然見つけると、ちょっとだけ感動!!
キンイロエグリバ(ヤガ科)
2013年9月9日 矢立峠・秋田
赤丸の中にある枯れ葉が、実は、キンイロエグリバなのだ。
真昼間に葉っぱの上で堂々と静止しているのを見つけると、
目立ちにくくする隠蔽的擬態というよりも、むしろ、
良く目立つ「非食物擬態」としか思えない。
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130818/1/
キンイロエグリバ(ヤガ科)
2013年9月9日 矢立峠・秋田
確かにこんな色合いの枯れ葉は、
緑の葉っぱの上に、沢山落ちている。
多分捕食者(野鳥類?)も、人間(私?)も、
この子たちを、普通に一度は見つけるのだ。
だが、少なくとも捕食者は、すぐに無視して通り過ぎる。
(人間は、シャッターを雄のだが・・・・)
キンイロエグリバ(ヤガ科)
2013年9月9日 矢立峠・秋田
でも、ここまでパーフェクトに似せるなら、
緑の葉っぱに擬態(⇒普通の隠蔽的擬態)して、
しかも、正しく緑の葉っぱの上にいる方が、
より捕食者に発見されにくくなるはず??
??
??
いやいや、そうではないと思う。
緑色の葉っぱに完璧に擬態する虫たちは、
静止する背景を間違えてしまうと、逆に、
よく目立って、捕食者の餌食となる可能性が高いのだ。
緑色の葉っぱが1枚だけ、目立つ場所に落ちていることは、
枯れ葉の場合とは違って、自然状態では基本的にないからだ!!
捕食者は、1枚だけ落ちてるそんな状況を、決して見逃さないだろう。
緑の葉っぱの上で、より目立ってしまう枯れ葉に擬態する方が、
1)いったん捕食者が発見するが、
2)それが食べ物でないことを認識して、
3)無視して通り過ぎる、
ことになるので、擬態の完成度はかなり高くなければならない。
だからこそ、より食べられにくくなっているのだと思う。
捕食者が、上記1)、2)、3)の段階を全てクリアしてこそ、
それが「非食べ物擬態」=「ミラクル擬態」になる理由なのだ。