枯れ葉? ミラクル擬態??
自分の体の色や形を枯れ葉のように変化させて、
外敵の目を欺き、捕食を免れている虫たちがいる。
一方で、前回紹介したミノムシやクサカゲロウ幼虫のように、
本物の枯葉を身に着けて、身を守っている虫たちがいる。
そういう事実を知ってしまった私は、今度は逆に、
本物の葉っぱを見つけても、虫に見えてしまうことがある。
気まぐれに撮った虫のような「本物の枯れ葉」の写真は、
パソコンの枯れ葉ホルダーに保存している。
今回、そんな写真を、まとめて紹介したい。
ただ、それだけでは、面白くもなんともないので、
さりげなく、本物の蛾の写真を混ぜてみた。
以下の11枚の写真の中に、「本物の蛾」が混ざっています。
どの写真か、分かりますか?
(写真はクリックすると大きくなります)
・・・・・・・・・・回答です。
実は、上の写真のタイトル部分に、
【?】マークが、2個ついているのが、
本物の蛾の写真なのである。
⑤マエグロツヅリガ(メイガ科)
2012年7月21日 白岩森林公園・青森
この蛾の凄いところは、前翅を周辺部でカールさせ、
頭部を枯れ葉の柄に似せているところだ。
⑦カバオオフサキバガ(キバガ科)
2013年5月29日 芝谷地湿原・秋田
この蛾の凄いところは、上半身をぐっと持ち上げて、
枯れ葉が落ちているような演技をしているところだ。
⑨ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科)
2013年8月14日 宮古市・岩手
この蛾の凄いところは、上のマエグロツヅリガと違って、
翅がカールしているように、鱗粉の濃淡で描いているところだ。
⑪ウスイロカギバ(カギバガ科)
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田
この蛾の凄いところは、雌雄がうまく重なり合って、
左右対称の蛾の輪郭を、うまい具合に消しているところだ。
以下の写真でお分かりのように、
緑の葉っぱの上にある本物の枯葉も、
枯れ葉に擬態した蛾も、よく目立つのだ。
だから、外敵に見つからないようにする「隠蔽的擬態」というより、
むしろ、見つかっても無視される「非食物擬態」という方が、
より適切であるのかもしれない。