背景に溶け込む保護色 どこにいるかな?
偶然(?)見つけた保護色の虫たちである。
実際に、林道を歩きながら虫を見つけるときには、
(後で確かめると)時速1km程度の速さで歩いている。
このスピードだと、目に見える位置にいる、背景に溶け込む虫たちを、
(根拠はないが)多分半分くらいは、見つけているはずだ。
多分、餌を探しながら、飛んだり歩いたりしている捕食者も、
このくらいの距離から、全く同じように見ているのかもしれない。
だから、下の写真は、どんな感じで虫たちが背景に溶け込んで、
外敵から身を守っているかが、体感できると思う。
まずは、下の6枚の写真をクリックして、
拡大してから、タイトル名の虫を、探してみてください
タイトル名の後の星マークは、難易度を示しています。
エゾツユムシ(キリギリス科)★
2011年8月2日 だんぶり池・青森
ヒント: カメムシマークの右にいます。
これは、比較的分かりやすいと思う。
次の写真と比較すると、
葉っぱの色への溶け込み方が、多少甘いぞ!?
種名不詳のバッタ幼虫(キリギリス科)★★
2011年6月26日 白岩森林公園・青森
ヒント: カメムシマークの右にいます。
これは、びっくりするくらい、葉っぱの色にそっくりである。
中央の葉っぱと右上に見える葉っぱの色は、微妙に違う。
もし、この右上の葉にいれば、もう少し目立ったろう。
シロスジオオエダシャク(シャクガ科)★★★
2011年6月29日 白岩森林公園・青森
ヒント: カメムシマークの右にいます。
この子は、明らかに背景に溶け込むことを意図して、
枯れ枝を抱きかかえるように静止している。
ショウリョウバッタ(バッタ科)★★★★
2011年10月18日 東海村・茨城
ヒント: カメムシマークの左にいます。
実は、この写真はバッタが飛んで逃げたのを発見し、
着陸地点までそっと近づいて撮ったものだ。
でも、しばらく探してようやく見つけた・・・
エゾアオカメムシ(カメムシ科)★★★★
2011年6月25日 だんぶり池・青森
ヒント: カメムシマークの右にいます。
エゾアオカメムシを、このような雰囲気で撮れたのは、
自分でも奇跡だと思う。ちょっとびっくり!!!
白状すると、これは、歩きながら見つけたものではない。
立ち止まって、じっくり探した結果である。
マガタマハンミョウ(ハンミョウ科)★★★★
2012年5月30日 南会津・福島
ヒント: カメムシマークの左にいます。
この写真も、動いているのを見つけて、
付近をじっくり探して、ようやく撮ったものだ。
多分、この状態で静止しているのを撮るのは無理だろう。
以上の6枚の例は、典型的な保護色の例である。
このように、背景を上手に選んで静止していれば、
普通に視覚で獲物を探す捕食者に見つかることは、あまりないだろう。
ただし、保護色だけでは、きっちり背景を選ばないと、
本来の姿かたち(バッタやカメムシの形)が、そのまま現れてしまうので、
捕食者に食べ物として、簡単に見つかってしまう。
だから、このような弱点を見事に克服した進化系(?)の虫たちもいるのだ。
それが、以前紹介した、色彩だけでなく形態も模倣して、
色彩が溶け込むような背景にいなくても、逆に目立たせることによって、
捕食者に食べ物でないことを告知する虫たちである。