隠蔽的擬態のアオマツムシ
今回は、有名なマツムシではなく、アオマツムシである。
(⇒ただのマツムシは、昔から歌になるほどだが・・・)
比較的高い木の上で鳴いていることが多く、
鳴き声はよく耳にするが、簡単にはその姿を見ることはできない。
私も、特にメスの写真を撮りたいとずっと思っていたが、
なかなかその機会がなかった。
今回、東海村の公園のベンチに座っていたとき、
全く偶然に、すぐ目の前にいたメスを発見した。
もちろん、鳴き声が聞こえたからではないので、
こんなラッキー(古い!!)な瞬間は、年に数度しかない。
アオマツムシ(マツムシ科)
2012年9月24日 東海村・茨城
どこにいるか、わかりますか?
⇒若葉のように見える・・・・
アオマツムシ(マツムシ科)
2012年9月24日 東海村・茨城
このように、触角を揃えて前方に伸ばして静止していると、
お尻の先が、細くなっているので、まるで葉っぱである。
しかも、背中が平らで、縁取りの黄色ラインが入っている。
アオマツムシ(マツムシ科)
2012年9月24日 東海村・茨城
この姿勢で静止していたら、おそらく目の目にいても、
簡単には、見つけることはできないかっただろう。
多分、私だけでなく、捕食者(鳥?)も・・・
アオマツムシの姿は、このように、バッタの仲間では珍しく、
姿かたちまで葉っぱに似せた隠蔽的擬態の範疇に入る。
普通は、いわゆる保護色だけで、身を守っているバッタの仲間より、
ちょっとだけ上を行くのだ。
アオマツムシ(マツムシ科)
2012年9月24日 東海村・茨城
この子は、今から100年以上も前に、
日本にやってきた外来種という説が一般的である。
初記録は、東京の赤坂とのことで、私が学生のころは、
東京近郊でしか、鳴き声が聞かれなかったはずである。
近頃は、茨城の東海村でも、住宅地の公園や街路樹で、
昼夜を問わず普通に鳴き声が聞こえるようだ。
アオマツムシ(マツムシ科)
2012年9月24日 東海村・茨城
桜の木にいる外来種というとアメリカシロヒトリが有名であるが、
アオマツムシの場合は、大きな害を与えていることはなさそうで、
薬剤散布などで駆除するような話も、あまり耳にしない。
いつか、弘前市でも、鳴き声が聞こえるようになるんだろうか?
(追記)
ふと、思い出したのがこの子!!
オオアオゾウムシ(ゾウムシ科)
2008年7月18日 霧ヶ峰・長野
ゾウムシとマツムシが、何となく似てる気がする。
色と形と模様が・・・・