日本のセミ【2】
(4月22日のつづきです)
セミの写真を撮るのは、なかなか難しい。
多くのセミは、木の高いところで鳴いているからである。
だから、大好きなヒグラシの声が聞こえてきても、
樹上を探して、写真を撮ろうとは思えない。
でも、ひとつだけ(?)良い方法があるのだ!!!
それは、「早起きをする」ことである。
朝早く林道を歩くと、まだ湿って、
水滴がついているような下草の表面に、
日中では絶対見られない状態で、
セミが、さりげなくいることがある。
以下の5枚の写真は、全てセミが草の上にいる(???)
何を隠そう!!!
私は、日本の風景の中では、ブナ林も良いが、
唯一の落葉針葉樹であるカラマツ林も好きである。
特に、夕暮れ迫る頃に、ヒグラシが鳴いていると、
何となく涙が出て、泣いてしまいそうになる。
太宰治は「富士山には、月見草が似合う」と言ったが、
私は「カラマツ林には、ヒグラシの鳴き声が似合う」と、
昔からさりげなく思っていた。
北方系の種類で、ブナ林などで見られるが、
頭部を下向きに止まって鳴くらしい。
エゾゼミの方が個体数は多いと言われているが、
何故か、コエゾゼミしか撮影できていない。
たまたま、写真を撮りやすい場所にいるのが、
コエゾゼミなのかも知れないが・・・
それでも、早朝にしか撮れていないが・・・・
冷涼な地域の、ブナなどで構成された落葉広葉樹林に生息する。
成虫はハルゼミより少し遅く、5月下旬から7月にかけて発生する。
鳴き声は、風邪をひいたヒグラシのような感じで、
どこからともなく聞こえてくる。
ただ、純粋な森林性の種のようで、
市街地で鳴き声が聞かれることは少ない。
八重山諸島に生息する日本最小のセミである。
初めて見たときは、興奮して、写真を撮りまくったが、
サトウキビの害虫としても、よく知られている。
実は、同じ日の午前中に、すぐ近くの林道で、
世界最大の蛾(?)ヨナグニサンに出会っているので、
この日は、さりげなく「興奮の一日」であったのだ!!!
今回紹介した中で、唯一の希少種である小型の美しいセミ。
宮古島では、保護運動が起こっていると聞く。
前翅の先端部に黒い紋があるので、この名前がついたらしいが、
この写真では、分かりにくい。
実は、撮影時点では、イワサキクサゼミと思っていた。
後で調べると、ツマグロゼミと分かった。
もっと、沢山写真を撮っておけば良かった。