早春に咲く花たち②/⑧
スプリング・エフェメラルと呼ばれる植物は、
早春のごく短い一時期だけに、
大きな花、華やかな色彩を持って出現する。
いずれも小柄な草本でありながら、花が大きく、
独特の華やかな色彩を持つものが多く、
あっという間に姿を消してしまうことからも、
春の妖精とも言われている。
今回紹介する花も、さりげなく【SEL4】★★★★☆の、
そんな雰囲気が漂うものである。
背丈が低い(小柄)ということは、まだまだ寒い時期に、
もっと高く伸びると、寒気に耐え難くなる可能性があり、
まず花を咲かせることに力を注いだ結果とも考えられる。
スミレサイシン(スミレ科スミレ属)
2010年5月10日 西目屋・青森
この花も、雪が溶けるとすぐに咲きだす。
花の色は、白や淡紫色のものが多く、
他のスミレとの区別が難しい。
ミズバショウ(サトイモ科ミズバショウ属)
2010年5月5日 湯段温泉・青森
有名な尾瀬のミズバショウは、夏の花か?
江間章子の「夏の思い出」という歌の中のミズバショウは、
「夏が来れば思い出す~」と歌われており、
昔は、夏の花だと思っていた。
東北では、早春に雪が溶けると同時に咲きはじめる!!
基本的には、どこでも、雪が溶けるとすぐに咲きだすようだ。
ザゼンソウ(サトイモ科ザゼンソウ属)
2010年5月10日 湯段温泉・青森
花の形が、僧侶の座禅を組む姿に見えるらしい。
開花するとき、やや発熱し、周囲の氷雪を溶かすと言われる。
何故か、ミズバショウと同じ場所で見ることが多い。
ウラシマソウ(サトイモ科テンナンショウ属)
2010年3月28日 西伊豆・静岡
まるで、浦島太郎が持っている釣り竿の釣り糸のようにみえる?
それじゃ、浦島太郎は丸坊主ではないか?
面白いのは、この仲間の果実(?)である。
最初は緑色のトウモロコシ状であるが、
秋に成熟すると毒々しい真っ赤な色に変わる。
キクザキイチリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属)
2010年5月2日 早坂峠・岩手
昨日紹介した白い花のものと同種である。
たいてい、どちらかの色の花が群生しているが、
たまに、両方が同じ場所で見られることもある。