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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

もの凄い虫えい② ハンノキハイボフシ?

植物と虫たちの複雑な相互関係の中でも、
虫えい(=ゴール、虫こぶ)というのは、
かなり特殊で、しかも不思議な現象だと思う。

ほとんどの場合は、虫たちが、
単に、葉っぱを食べるだけの関係なのだが、
植物側が、その摂食(吸汁?)刺激に対して、
特別な反応を起こした結果だからである。

しかも、その反応の結果が多種多彩で、
出来上がった虫えいの形状は、半端ではなく、
「何でこうなるの?」というものばかりだ。


同じ植物でも、寄生する虫の種類が違うと、
全く異なる虫えいになる場合も多い。

【不思議な虫えい⑤ ヌルデの葉っぱ】
 ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141110/1/

 

 

 

ただ、今回紹介する「虫えい」も、
数が多過ぎることもあって(?)、
あまり気持ちの良い雰囲気ではない。

 

 


まずは、こんな写真から・・・

 


ハンノキハイボフシ?

2015年7月7日 薬研温泉・青森

赤、ピンク、黄色、うす緑色の粒々が、
緑色の葉っぱの表面に見えるので、
もの凄いというより、不気味な感じだ。


帰宅後、薄葉先生の「虫こぶハンドブック」で確認し、
ハンノキハイボフシらしいことが分かった。

でも、葉っぱがハンノキではなさそうだ。

 

 

 


ハンノキハイボフシ?

2015年7月7日 薬研温泉・青森

さらに、いつもの「北海道の虫えい」のページを見ると、
ケヤマハンノキハイボフシというのが載っていた。

 ⇒形成者は、フシダニの1種で、
  虫えいは6月中旬から出現するが、
  詳細は不明と書かれている。


ハンノキハイボフシとケヤマハンノキハイボフシは、
形成者のフシダニが同じ種類なのだろうか?


とりあえず、正式に植物を同定しなければならない??

 

 

 


ハンノキハイボフシ?

2015年7月7日 薬研温泉・青森

葉っぱの裏は、こんな感じで、
隆起しているイボの反対面側は、
完全に閉鎖されておらず、
開口部に毛が密生しているようだ。


 ⇒ただ、このときには、ルーペもなく、
  フシダニの姿を、確認することはできなかった。

 

 

 

 

ハンノキハイボフシ?

2015年7月7日 薬研温泉・青森

ネット情報によると、日本には、
ハンノキ、ケヤマハンノキ、ミヤマハンノキ、
サクラバハンノキの4種が知られているようだ。

 ⇒写真で見る限り、その4種の中で、
  葉っぱにギザギザがあるのは、
  ケヤマハンノキだけだ。


幸運なことに、場所は有名な観光地の薬研温泉であり、
遊歩道には樹木名の名札が、あちこちにぶら下がっている。

すぐ近くの木に、「ヤマハンノキ」という立派な看板があって、
学名まで記載されているので、間違いないだろう。


 ⇒えっ! 上の分類(4種?)の中に、ないぞ!!!

  写真で見る限り、ハンノキとケヤマハンノキは、
  葉っぱの形状が明らかに異なる。

  ケヤマハンノキは、ヤマハンノキに含まれるのか?

  でも、看板には、マルバハンノキの別名と書かれている。

 

別のネット情報では、
以下の4種が記載されているので、
ここでは、学名をそのまま記載する。

ただ、ここにも、別名とされるマルバハンノキの名前もなく、
どうも、分類が確立していないのかもしれない。

 ヤマハンノキ Alnus hirsuta Turcz. ex Rupr., 1857
 ハンノキ A. japonica (Thunb.) Steud., 1840
 ケハンノキ A. japonica (Thunb.) Steud. forma koreana (Callier) H. Ohba, 2006
 ミヤマハンノキ A. maximowiczii Callier ex C.K. Schneid., 1904

 

 

・・・と言う訳で、現時点では、
植物がハンノキの仲間と言うことしか分からず、
素人が見た「不思議な虫えい」という中途半端な紹介でした。

 

 

    

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