虫たちの親子⑧ サカハチチョウ
完全変態をする虫たちは、成虫と幼虫で、
全く異なる姿かたちをしている。
サカハチチョウも例外ではない。
まずは幼虫から・・・・・
サカハチチョウ幼虫(タテハチョウ科)
これだけ見事なトゲがあると、思わず触ってみたくなる。
よく見ると、2本のツノにも刺がある。
とりあえず、何らかの外敵に対する防御手段なのだろう。
カエルやカナヘビは、ちょっと躊躇するかも?
こんな「やりすぎの幼虫」の親は、
一体、どんな姿をしてるのだろう。
サカハチチョウ成虫(タテハチョウ科)
2011年6月5日 だんぶり池・青森
サカハチチョウの成虫は、春と夏の年2回出現するが、
両者は、まるで別種のように見えるのだ。
上の写真は、5~6月に見られる春型で、
オレンジ色の複雑な模様がよく目立つ警戒色である。
幼虫の食草は、イラクサ科のコアカソであるが、
有毒で、シカが食べないという報告例があるので、
カバマダラ類と同じような関係なのかもしれない。
しかし、不思議なことに、サカハチチョウ成虫の場合には、
野鳥類が食わないという観察例が報告されることはないようだ。
サカハチチョウ成虫(タテハチョウ科)
2010年7月26日 だんぶり池・青森
こちらは、7~9月に見られる夏型で、
焦げ茶の地色に、多分名前の由来の「逆さの八の字」がある。
むしろ、イチモンジチョウに似た目立たないタイプだ。
幼虫時代の日長条件によって、成虫の色彩が変化するようで、
成虫に蓄積される有毒成分に、何か変化がおきているのだろうか?
まだまだ、不思議なことが多いのだ!!!!!