虫たちの親子-30 ハンノケンモン
このシリーズの写真を見てお気づきのように、
私の基本的なスタンスとして、歩きながら、
目についた虫だけを撮っている。
自然状態での虫たちの姿を、ありのままに、
できるだけ妨げないように撮りたいからだ。
そうすると、緑色の葉っぱの上にいる虫たちが、
被写体になることが多いことになる。
⇒しかも、その被写体は、緑色の葉っぱの上で、
どちらかというと、目立ちやすい虫たちだ。
ハンノケンモン幼虫(ヤガ科)
2012年8月8日 白岩森林公園・青森
この黄色と黒の縞模様は、かなり目立つ。
だから、我々人間も、道路の危険個所や、
工事現場などの特に注意を促す視覚信号として、
さりげなく使用している。
さらに、この子は、何故か「?」マークの姿勢で、
葉っぱの表面に静止していることが多い。
こんな不思議な格好で静止するイモムシは、
そんなに頻繁に見ることはない。
⇒鳥の糞に似せたカギバ類の幼虫も、
こんなイメージで静止していることがある。
ハンノケンモン幼虫(ヤガ科)
2012年8月8日 白岩森林公園・青森
さらに、ちょっとだけ不思議なことなのだが、
黄色と黒の色彩になるのは、終齢幼虫のみである。
若齢幼虫期では、アゲハ類と同じように、
鳥の糞のような色と模様のようだ。
ネット情報では、ハンノケンモンの食草は、
ブナ科、クルミ科、バラ科など、何でも食べるらしいが、
その中に、いわゆる有毒植物は含まれていない。
このような、良く目立つ色彩の幼虫は、
毒草を食べていることが多く、捕食者に対して、
自分は「不味いぞ!!」と警告している。
しかし、ハンノケンモンの幼虫は、
不味成分などの防御手段を持っていないようなのだ。
【これは警戒色なの? ハンノケンモン終齢幼虫】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120816/1/
・・・この不思議な幼虫の親は?
ハンノケンモン成虫(ヤガ科)
2013年6月16日 矢立峠・秋田
あらためて、コメントを書くのが辛くなるような、
いたって普通の、どこにでもいそうな蛾だ。
⇒幼虫が、特異な姿かたちでなければ、
当然、このブログでは、単独で、
取り上げられることはなかっただろう。
(もの凄い独断と偏見!!)
これだけでは、あまりに可哀そうなので、
もうひとつだけ・・・・
写真を見て気付いたのだが、この子の特徴と言えば、
身体全体にある「U」字型の黒い線だろう。
昔、虫たちの翅や体の一部にある模様の中に、
数字やアルファベットを探していたことがあった。
【昆虫クイズ【その7】の答 昆虫アルファベット】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110213/1/
今は、再探索する情熱は、なくなってしまったが・・・