虫たちの親子-31 ナナホシテントウ
もう半世紀以上も前の話なのだが、
私が小学生のころは、東京の下町にも、
沢山の池や雑草地が残っていた。
そこには、結構沢山のトンボやバッタがいた。
中でも、ギンヤンマとトノサマバッタは人気者で、
まず雌を捕まえて、飛べるようにうまく糸で結んで、
近づいてくる雄を捕まえる遊び(?)に夢中だった。
⇒最近の子供は、人工的なゲーム機に夢中で、
おそらく、自然の中で遊ぶことなどは、
場所も機会もなく、ちょっとだけ可哀そうだ。
ある雨の日、傘をさして雑草地を歩いていたとき、
得体のしれない奇妙な動かない虫を見つけた。
トンボとバッタしか知らない子供にとって、
それが、当時の子供向けの図鑑には載っていない、
ナナホシテントウの蛹であることを知ったのは、
ずいぶん後のことだったと思う。
・・・今回は、そんな懐かしいナナホシテントウ。
ナナホシテントウ幼虫(テントウムシ科)
2015年9月6日 弘前市・青森
灰色に薄いオレンジ色の斑紋で、
よく見ると(!)小さな突起が沢山ある。
この配色は、基本的には警戒色なのだが、
どちらかと言うと、地味な雰囲気もある。
成虫・幼虫ともに、危険を感じると、
疑死(死んだふり)をすることがあり、
さらに物理的な刺激によって、
関節部から体液(黄色の液体)を分泌する。
この液体には、異臭と苦味があるので
食べようとしてひどい目にあった捕食者は、
次からは、その体色を覚えて、攻撃することはない。
ナナホシテントウ幼虫(テントウムシ科)
2015年9月6日 弘前市・青森
手前が若齢幼虫で、奥が終齢幼虫だが、
斑紋のパターンは同じだ。
⇒若齢幼虫の方が、クッキリ鮮やかな理由を、
想像するのは、ちょっとだけ楽しい。
ナナホシテントウ成虫(テントウムシ科)
2015年6月21日 弘前市・青森
あまり良い写真とは言えないが・・・
成虫はおそらく、日本人が知ってる虫の名前、
ベスト10には入っているだろう【注】。
⇒実は、超普通種のナナホシテントウの写真は、
ほとんど撮っていなかったが、
今回、さりげなく判明したのだ
【注】昔、結婚式でよく歌われたチェリッシュの
てんとう虫のサンバという曲がある。
そこに出てくるテントウムシは、とくに根拠はないが、
ナナホシテントウのようである。
絵本やイラストでも、てんとう虫として、
ナナホシテントウが描かれることが多い。
どうでも良いことであるが、
虫マニアは、普通にテントウムシというと、
ナミテントウのことを指すようだ。