虫たちの親子-32 ナミテントウ
テントウムシの4種目となるナミテントウは、
日本全国どこへ行っても、全くの普通種だ。
ナミ○○○○と付く虫たちは、結構多いのだが、
おそらく、属以上の分類群を表わす名前と、
特定の種名が同じである場合に呼ばれるようで、
最近の子供用図鑑などにも、採用されている。
【ちょっとだけ不思議なムシの名前【3】 何でナミなの?】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120726/1/
⇒まあ、ナミアゲハやナミハンミョウなら分かるが、
ナミカブトムシとは、絶対呼ばないだろう。
まずは、ナミテントウの幼虫から・・・
ナミテントウ幼虫(テントウムシ科)
2015年9月6日 弘前市・青森
赤と黒のよく目立つ色彩の幼虫で、
写真では分かりにくいが、身体の表面にトゲがある。
テントウムシ科の多くのテントウは、
成虫・幼虫ともに、アブラムシを食べる肉食性だ。
ナミテントウ幼虫(テントウムシ科)
2015年9月6日 弘前市・青森
こちらは、かなり珍しい4匹の縦列歩行だ。
付近に餌であるアブラムシの姿がないので、
一体何が起こっているのか、不思議な光景だ。
ナミテントウ成虫と幼虫(テントウムシ科)
2015年9月6日 弘前市・青森
たまたま、成虫と幼虫が一緒に写っている写真があった。
良く知られているように、ナミテントウの翅の模様には、
大別して4種類の斑紋パターンがある。
【玉川ダムのナミテントウ(2014)】
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141107/1/
⇒上記ページで、ナミテントウの不味成分(防御物質)と、
警戒色の斑紋パターンについて、若干考察しています。
興味ある方は、是非ご覧ください。
この際なので、ナミテントウの話題を!!!
ナミテントウは、ハウス野菜の重要な害虫であるアブラムシ類を
大量に捕食する能力があるので、天敵製剤として注目されていた。
しかし、施設内に沢山放飼しても、徐々に飛び去ってしまうので、
定着しにくいという致命的な欠点があった。
そこで、研究機関では、自然界に存在する様々な個体の中から、
飛翔能力の低いナミテントウを選んで、それらを交配することで、
遺伝的に飛翔能力を欠くナミテントウを育成した。
⇒こんなことが、本当に出来るのか!!!
そして、ついに「飛ばないナミテントウ」は、
大量飼育した幼虫の段階で製剤化することで、
脱皮して成虫になった後も施設内に留まり、
防除効果が持続する生物農薬として販売されたのだ。