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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

擬態??②/④ 動物の顔


虫たちの中には、体の一部の模様ではなく、
全体(輪郭!)が、人や動物の顔に見える種類がいる。

当然、サイズもある程度大きくなるので、
前回紹介したような心霊写真のイメージは全くない。


中型以上の多くの蛾の仲間は、
前翅の先端が、多少とも離れて静止するので、
動物の耳のようなイメージになる。

さらに、前翅に左右対称の丸い目のような斑紋があると、
逆さに静止している場合に限って(!!)、
犬や猫の顔に見えてしまうことがあるのだ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130711/1/
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130714/1/


この逆さに静止するという行動(!)と、
左右対称の眼のような斑紋の存在が、
シンクロして起こることがしばしば認められるので、
これは、虫たちの生存戦略のように、私には思える【注】

 

今回は、とりあえず、一部は既出写真であるが、
左右対称の眼のような斑紋を持ち、しかも、
逆さに静止する蛾の写真を、まとめてみた。


予想以上に多くの例があることに、驚かされる・・・


 

 

動物の顔?

左上: マガリキンウワバ 矢立峠・秋田(20130831)
右上: ウチキシャチホコ 酸ヶ湯温泉・青森(20110831)
左下: タマナギンウワバ 酸ヶ湯温泉・青森(20130911)
右下: ゴマシオキシタバ 酸ヶ湯温泉・青森(20130911)

常夜灯の光に誘引されてくる蛾が、建物の壁などの垂直面に、
逆さ(頭を下に向けて)に静止していると、動物の顔に見えると、
私の娘も含めて、複数の人たちから別々に聞いたことがある。


確かに、実際の撮影現場で見たときには、
多分夢中で、あまりそんなことは考えなかったのだが、
改めてパソコンの画面で見ると、多少イメージが違って見えて、
もっともっと、動物の顔に見えてくるのだ。




 

 

動物の顔?

左上: クロスジコブガ 矢立峠・秋田(20130621)
右上: オスグロトモエ 乗鞍高原・長野(20110815)
左下: セダカシャチホコ 矢立峠・秋田(20130616)
右下: ベニモントラガ 志賀坊森林公園・青森(20130722)

このように、飛んできた蛾が、垂直面に止まるときには、
6本の脚の構造上、体重を支えるため、
横向きに静止することは、少ないようだ。

だから、上向きに止まるか、下向きに止まるかの、二者択一である。

この写真右上のオスグロトモエは、
今シリーズの例外で、上向きに静止しているが・・・
 
  

 

動物の顔?

左上: マルモンシロガ 矢立峠・秋田(20130802)
右上: ワモンキシタバ 木賊峠・山梨(20170819)
左下: アトジロシラホシヨトウ 矢立峠・秋田(20130616)
右下: オオアヤシャク 矢立峠・秋田(20130831)

多分、次に飛び立つ(逃げる)ことを前提とすると、
上向きに止まる方が、有利のような気がするのだが・・・

にもかかわらず、写真の被写体となった彼らは、
 多少の例外はあるが、垂直面に下向きに静止していたのだ。




 

 

動物の顔?

左上: ウスヅマアツバ 乗鞍高原・長野(20110815)
右上: オスグロトモエ 阿武隈高原・福島(20130812)
左下: ベニシタバ 酸ヶ湯温泉・青森(20130911)
右下: ヒメモクメヨトウ 木賊峠・山梨(20140819)

このように、下向きに静止することによって、
近づいてくる捕食者に、一瞬の間でも、
動物の顔を連想させることができるならば、
逃げる時の多少のハンデを上回る利益があるはずだ。

  
おそらく、視覚的に獲物を探す捕食者からの淘汰圧が、
上向きに静止するよりも、下向き静止の方が低ければ、
このような動物の顔擬態(仮称)は、そのまま進化し続けるだろう。




 

 

動物の顔?

左上: モンクロシャチホコ 矢立峠・秋田(20140621)
右上: アカシャチホコ 田沢湖・秋田(20100811)
左下: ニワトコドクガ 安曇野・長野(20130612)
右下: フクラスズメ 酸ヶ湯温泉・青森(20130612)

この写真左上のモンクロシャチホコは、
今シリーズの例外で、上向きに静止している。

下向き静止では、逆に動物の顔に見えないのだ。

この子が、上向きに静止する傾向があるのなら、
逆に自分の体がどう見られているかを、
知っている可能性だって、十分有り得るのだ。


 

という訳で、このような傾向(可能性?)があるというだけで、
実際にどの程度、外敵に対するの防御効果があるのかは、
現時点では、不明であると言うしかない。

詳細な観察結果や、数値データがないからである(多分?)。


とは、言うものの、実験的に確かめる術(すべ)はあるのだろうか?

 


次回は、もっともっとリアルな動物の顔をした蛾が、
さらに外敵を驚かす行動を伴っている例を紹介したい。

おいしいものを、後出ししているようではあるが・・・

 

 


【注】翅に左右対称の目立つ斑紋がある蛾は、
   逆さに静止して入れば、普通に、
   動物の顔に見えてしまうのかもしれない。


   気になるのは、左右対称の斑紋を持ちながら、
   逆さに静止しない蛾がどのくらいいるのだろうか?

   逆に、左右対称の斑紋を持たない蛾で、
   逆さに静止する蛾は、どのくらいいるのか?


   もちろん、今回紹介したように、
   モンクロシャチホコの場合には、
   上向きに静止しなければ、
   動物の顔に見えないという例外もある。

   

   

     

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