忍者ブログ
  • 2017.09
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2017.11
虫たちの防御戦略⑤ Ⅱ(4). 警戒色(標識色)

何らかの防御手段を持っている虫たちは、
一般的に、捕食者から攻撃されることはなく、
比較的よく目立つ赤や黄色の体色をしていることが多い。

そのような体色は、警戒色(標識色)と呼ばれる。

どうせ捕食者に食われることがないのなら、
別に体色は、どんな色でも関係ないと思われがちであるが、
実際には、武器を持った種や有毒種は、ほとんどが警戒色である。

その理由は、次のように考えられる。

有毒種とはいえ、捕食者から攻撃を受けたとき、
獲物を直接口の中に入れてしまうような捕食者の場合には、
あわてて吐き戻されたとしても、死んでいるか、
あるいはケガをしている可能性が高い。

だから、一度ひどい目にあった鳥やカエルなどの捕食者が、
次回からその色や模様を学習して、2度と攻撃しなくなるように、
より目立つ色をしている方が理にかなっているのだ。

そして、良く目立つ警戒色には、必然的(?)に、
ミュラー型擬態者が出現する可能性がある。

有毒昆虫は、独自に別々の警戒色を持っているよりも、
同じような形態・色彩であった方が、捕食者の学習の回数が増えて、
より効率的に、攻撃を避けることができるからである。


今回は、そんな警戒色の虫たちの写真を紹介したい。



2010年8月25日 だんぶり池・青森

黄色と黒の独特の縞模様のキイロスズメバチは、別項で紹介するように、
他の非力な虫たちが擬態するモデルになっているほどである。

人間でさえも、近づくのをためらうほどの迫力である。



2010年5月23日 梵珠山・青森

雪解け直後から、見かけるカクムネベニボタル。

早春の明るい開けた林道で、よく見かけるが、
カメラを近づけても、逃げないことが多いので、
多分「自分は、不味くて食べられないぞ!!」と、言っているようだ。

ベニボタルの仲間は、甲虫とはいえ、体は比較的軟らかく、
外敵に襲われたときに、不味い体液が外に出やすいのだ。

このタイプの色彩を持つ有毒種は多く、
典型的なミュラー型擬態の色彩パターンになっている。



2010年7月4日 厚真林道・北海道

これは、ヨツボシヒラタシデムシという良く目立つムシである。

普通、シデムシの仲間は、体は真っ黒で、
死体を食べる掃除屋として知られているが、
この子は、目立つ姿形で、樹上生活をして、
チョウや蛾の生きた幼虫を攻撃する。

外敵に襲われると、防御物質を放出する。



2012年6月16日 白岩森林公園・青森

如何にも不味そうな(?)カメノコテントウ。
体内の有毒成分を滲み出させるので、下手に掴むと手が黄色くなる。



2011年9月14日 だんぶり池・青森

ナガメは、成虫になってからは、防御物質を放出しない。
だから、カメムシの匂いはしないが、
植物起源の有毒成分を体内に持つので、鳥は食べない。



2006年2月12日 室戸岬・高知

オオキンカメムシは、大型のキンカメムシである。
限られた場所で、集団越冬する習性を持つ。

警戒色ではないカメムシは、隙間や落ち葉の下で、
隠れて、集団越冬する。



2004年1月12日 石垣島・沖縄

同じく南方系のアカギカメムシ。
こちらも、特定の樹木で、集団越冬する。

防御物質よりも、体内に持つ不味成分により、
捕食者が避けるようだ。



2003年4月7日 石垣島・沖縄

白い十字模様が特徴的なクロジュウジホシカメムシ。

黒地に白い十字があり、しかも赤い縁取りがある。
この組み合わせも、非常に目立つ警戒色の典型だろう。

やはり、体が比較的柔らかく、有毒成分を含んだ体液が出やすい。

 


2010年6月10日 だんぶり池・青森

アカヘリサシガメは、有毒種ではなさそうであるが、
次回紹介するセグロトゲアシガがベイツ型擬態をする。



2010年7月11日 筑波山・茨城

間違いなく有毒種のホタルガであるが、
同じ有毒種の本物のホタルに似ているので、
ミュラー型擬態だろう。



2010年9月26日 乗鞍高原・長野

良く目立つ場所で、交尾中のミノウスバ。
マダラガ科の蛾は、多分ほとんどが有毒種である。



2009年5月29日 多摩動物園・東京

同じく南方系の大型のチョウで、
幼虫時代に蓄積した有毒成分を体内に持つオオゴマダラ。

毒チョウの特徴である、ゆっくりした飛び方で、
現地では、新聞チョウとも呼ばれる。

民家の周辺を悠然と飛ぶ姿は、本当に、
新聞紙が風に舞っているように見える。

西表島の旅館の窓から、ずっと眺めていた記憶がある。

まあ、この白黒パターンも、警戒色なのだろう?


ここまでは、有毒種である。

 

しかし・・・・

 

最初のスズメバチにみられるような黄色と黒のしま模様は、
もしかしたら、その色彩パターンそのものの情報に、
全く意味がないとまでは、言い切れない部分もあるのだ。



2011年8月26日 だんぶり池・青森

オニヤンマも、典型的な黄色と黒色の警戒色である。

大型の強力な捕食者であり、素早い動き方をするので、
鳥などの捕食者は、最初から諦めて攻撃しないのだろうか?

 


2010年10月9日 弘前市・青森

ジョロウグモも、状況は全く同じで、
いかにも強そうなイメージではあるが、
有毒種ではないだろう。

 

では、下の写真の子はどうだろうか?


2012年8月8日 白岩森林公園・青森

この写真のハンノケンモンという蛾の幼虫は、
有毒植物を食べているわけではなく、
特に、Ⅱ(5)のベイツ型擬態とは考えられないのに、
このような黄色と黒のしま模様なのである。

おそらく、多くの捕食者は、オニヤンマやジョロウグモと同様に、
ハンノケンモンの幼虫を、食べることはないのだろう。


だから、生物がこのような色の組み合わせを、
本能的に嫌うということも、考えられないわけでもない。

その証拠に、この色の組み合わせは、
何も学習していない幼稚園児にでも良く目立つように、
道路の危険個所や、工事現場などで、
注意を促す視覚信号として使用されているのだ。

 

拍手[21回]

PR
【2013/02/09 07:14 】 | 防御行動 | 有り難いご意見(0)
<<虫たちの防御戦略⑥ Ⅱ(5). ベイツ型擬態 | ホーム | 虫たちの防御戦略④ Ⅱ(3). 隠蔽的擬態>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>