カメムシのルーズな集団
昨年、日本のキンカメムシ類の
お互いの体が重なり合うような
かなり密な集団を紹介した。
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101024/1/
今回は、他のカメムシ類に比較的よく見られる
ややルーズな集団を紹介する。
多分ジュウジナガカメムシ
2001年8月18日 白樺湖・長野
もともと、カメムシの仲間は、特に幼虫期には、
同一卵塊起源(兄弟?)の集団を形成することが多い。
この場合には、主として、
捕食者からの防御行動に関係している可能性が高い。
一方で、成虫になっても、このように、
ルーズな集団になっていることがある。
これは、交尾のための集団である。
だから、以前紹介したキンカメムシの仲間に見られたような
完全にビタクッツキしていることはない。
このような成虫のルーズな集団は、
幼虫でみられたような兄弟同士の集団ではない可能性が高く、
多くは交尾の効率化のための集団であるらしい。
むしろ、交尾をめぐる「なわばり」のようなイメージである。
こちらは、石の下などで見られる集団で、
越冬のため、ただ単に好適な場所が選ばれて、
その結果として、ルーズな集団になっているのかもしれない。
いずれにしても、最近の多くの研究結果として、
ちょっとだけ不思議なカメムシ類の集団に関して、
生態学的な意味が少しずつ解明されているようである。