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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

カメムシの集団⑦ マルカメムシ

マルカメムシは、前回のオオツマキヘリカメムシと同様に、
繁殖期(注)には、交尾のための集団を形成する。

でも、その集団の性質は、どうも微妙に違うようだ。

 

 

マルカメムシ(マルカメムシ科)

2005年9月3日 徳島市・徳島

特異な容姿を持つマルカメムシは、市街地でも、
クズなどの雑草で、比較的よく見かける。

この写真のように、幼虫時代の名残り(?)のような、
かなりルーズな集団を形成していることが多い。

 

 


マルカメムシ(マルカメムシ科)

2012年5月29日 南湖公園・福島

こちらの集団は、明らかに、意識的(?)に、
寄り添っているようだ。

しかし、集団内で、交尾しているカップルは、
なかなか見つけることはできない。

 

 


マルカメムシ(マルカメムシ科)

2012年5月29日 南湖公園・福島

この集団のちょうど真ん中に見える2匹は、
良く見ると、交尾中のようである。

これだけ沢山集まっているのに、
カップルは、1組だけしか見つからない。


交尾相手を効率的に探すためだけに、
集団になっているのではないのだろうか?

 

 

マルカメムシ(マルカメムシ科)

2011年6月10日 ひたちなか市・茨城

この写真の2組のカップルは、かなり微妙である。
それぞれが、交尾しているように見えるが、どうだろうか?

 

前回紹介したオオツマキヘリカメムシの場合、
集団の中で、ほとんどがカップルになっていた。

ところが、マルカメムシの場合は、明らかに様子が違っている。
交尾カップルがいる集団と、全くいない集団が存在するのだ。


この辺は、多分研究者によって、調べられていると思うが、
羽化後の日数とか、集団内の雌雄の数のバランスとか、
雌の(卵巣の)成熟度とかが、かなり影響しているようだ。


いずれにしても、マルカメムシの集団は、
ちょっとだけ不思議だ。

 


(注)もちろん、繁殖期以外の時期にも、
   マルカメムシは、もの凄い集団を作る。
   好適な越冬場所を求めて、人家などにも、
   集まってくるのだ。

   寒い冬の時期を、成虫の状態でやり過ごすには、
   普通は、雑木林の樹皮の下などが適している。

   しかし、人間の作った建物は、
   他の場所とは、多分、比較にならないほど、
   暖かく、好適な場所なのかもしれない。

 

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