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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

オオツマキヘリカメムシ交尾集団

カメムシの集団には、大きく分けて二つのタイプがある。

有名なのが、オオキンカメムシやアカギカメムシに見られるような
個体と個体が隙間なくピッタリと寄り添っている集団である。

このタイプは、以前紹介したように、主に越冬のために集団化するようで、
個々の個体は、ほとんど動かない。

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101024/1/

 

もうひとつのタイプが、これも以前紹介した比較的ルーズな集団である。

ルーズ集団は、カメムシの多くの種で認められており、
活動期の成虫や、幼虫にも見られる。

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110517/1/

 

今回は、オオツマキヘリカメムシを例に、もう少し詳しく紹介したい。

 

 

オオツマキヘリカメムシ交尾集団(ヘリカメムシ科)
2011年6月29日 白岩森林公園・青森
 
初夏のころ、青森県では、イタドリの茎などに良く見られる。

最初は、ツマキヘリカメムシだと思って撮影していたが、
雄の腹部末端に2個のこぶのような突起があることで、
オオツマキヘリカメムシと確認できた。

もちろん、全ての個体を確認したわけではないが・・・


北国では、ほとんどがオオツマキの方であるらしい。

 

 

オオツマキヘリカメムシ交尾集団(ヘリカメムシ科)
2010年6月8日 岩木川河川敷・青森

でも、何で集団で交尾しているのだろうか?

あたり一面は、イタドリの群落(?)であるが、
何故か、その中の一本の茎に、集まって交尾している。

しかも、交尾時間は、平均して3日間、最長では9日間に及ぶらしい。


集団交尾には、何らかのメリットがあると思われるが・・・

 

 

オオツマキヘリカメムシ交尾中(ヘリカメムシ科)
2011年6月26日 だんぶり池・青森

近縁種のホオズキカメムシの場合には、京大の藤崎憲治博士の研究により、
基本的な群れは、メスが中心であり、このメスの集団をめぐって、
オスがテリトリーをはり、群れているメスたちと独占的に交尾することが分かっている。

しかしながら、オオツマキヘリカメムシの場合には、
個々の交尾カップルが、集団化しており、
決して単独オスのハーレム状態にはなっていない。


明らかに、ホウズキカメムシとは、違った集団を形成しているのである。


では、一体何のために???

 

 


オオツマキヘリカメムシ交尾集団(ヘリカメムシ科)

2011年6月26日 白岩森林公園・青森

前述の京大の藤崎博士のグループは、カメムシのルーズ集団の適応的意義について、
数種のカメムシ類を材料として、調査されている。

その結果、幼虫の場合には、集団で生活した場合に生存率が増大し、
しかも、発育が促進されという、いわゆる集合効果が存在することが明らかになった。

もちろん、集団で生活するからには、たとえ集団内の一匹が攻撃されたとしても、
その個体から放出された臭気が、警報フェロモンとしての機能を持ち、
集団の他個体は、落下するか、その場から離れることができることが条件である。

 

でも、交尾集団は、これだけでは説明できない。

デメリットも、あるような気がするが・・・


雌雄のどちらかが、兄弟姉妹であることが証明されたら、
別な説明が可能であるが・・・・

 

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水族館【4】 海の中の防御法

水族館で見られる生き物のなかにも、
虫たちと全く同じように、色々な手段で外敵をだまして(?)、
身を守っているものも多い。


でも、何だか何だか、虫とは違う??

 


まずは、背景の中に溶け込むような保護色、
隠蔽的擬態の例からご覧ください。

 

キアンコウ(アンコウ科)
 
2011年12月24日 大洗水族館・茨城

この写真にキアンコウ君が3匹います。

わかりますか?


実は、写真をパソコンで拡大して見るまで、
2匹しかいないと思っていました。

でも、一番手前に、あっと驚くもう一匹が、さりげなく、いた!?


やられた!・・・・・

 

 


ウッディーシードラゴン(ヨウジウオ科)
 
2011年11月24日 大洗水族館・茨城

この子は、隠蔽的擬態なのか? あるいは標識的擬態なのか?

虫の世界では、木の葉にそっくりなコノハムシは、
典型的な隠蔽的擬態の例である。


確かに、上の写真では、体中の突起部分が、
近くに見える海草の葉の付け根(葉柄)に、良く似ている。

 

ところが、この子が単独で、海の中を漂っていたら・・・

明らかに良く目立つが、それは食べ物としてではなく、
海草の「かけら」にしか見えないだろう。


もしかしたら、葉っぱの上では、かなり目立つけれど、
食べ物ではないことをアピールする「鳥の糞擬態」のようなものか?

 

 

ミドリフグ(フグ科)
 
2011年12月24日 大洗水族館・茨城

昆虫の世界では、典型的な警戒色(黒と黄色)であるが、
海の中では、どうなのだろうか?

良く言われるように、鮮やかな色彩の熱帯魚は、
標識的擬態(あるいは警戒色)というよりも、
サンゴの色や形状に合わせた「撹乱色」であるとされている。

外敵から見ると、逆に目立たなくなる隠蔽的擬態になるのかもしれない。


何となく、昆虫の世界とは違う雰囲気の世界ではある。

 

(⇒もちろん、このような派手な色彩は、近くに居る他種との識別の面から、
  同種間の繁殖に関するシグナルとなっている可能性もあると思うが・・・)

 

 


イガグリガニ(タラバガニ科)
 
2011年10月29日 大洗水族館・茨城

こちらは、間違いなく、物理的な防御の典型だろう。

ちょっと見た感じは、かなり堅そうであるが、
一方で、肉食の魚の歯は、予想以上に強靭であるのも確かである。


はたして、どっちが勝つのか?

 

 


メイタイシガキフグ(ハリセンボン科)
 
2011年11月24日 大洗水族館・茨城

こちらは、フグと名前が付いているが、
ハリセンボン科の魚は、基本的に無毒のようである。


君は、フグに擬態(ベイツ型擬態)しているというのか?

 


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スカイツリー出来上がりました!!

今月は、「非昆虫写真強化月間」なので、

突然ですが、今話題のスカイツリーでもどうぞ!!


出来上がっていく様子を記録しようと思って、
一応、東京に行くたびに、写真は撮っているが、
いつも同じ場所からではないので、ちょっと残念。

 

2009年11月7日
 

手持ちの写真の一番古いものがこれ。

隅田川の遊歩道から言問橋を手前に撮影したもの。

まだまだ、ちょっと高いビル程度に見える?

 

 

2010年3月22日

家のお墓がある法恩寺から撮影したもの。

(⇒私が死んだら、この場所からしか見れないのか・・・)


4ヶ月経過して、展望台が青色になっている!

 

 

2010年9月25日

さらに、6ヶ月経過したとき、足元(?)の業平橋から、
みんな上を向いている沢山の観光客に混じって撮影。

展望台から少しだけ上に伸びているが、
ここから見ると、やっぱりかなり高く感じる。

 

 

2010年10月13日

工事中の最初の点灯試験をしたときの貴重な写真。

当時浅草に住んでいた次女が、業平橋から撮影。

(⇒写真の撮影者のロゴが微妙に違っている?)

 

 

2010年11月10日

ひとつ前の写真から、わずか2ヶ月後に一気に伸びた。

吾妻橋から撮影したもので、ちょっとわかりにくいが、
有名なウンコビルも、並んで写っている。

これは、最初、隣の墨田区役所のシンボルのように思っていたが、
実は、アサヒビールの吾妻橋ビルの屋上にあるもので、
実体はウンコでも金斗雲でもなく炎のオブジェクトというらしい。


しかし、この形状は、絶対にまずいと思う。

 

 


2011年8月20日

そうこうしているうちに、9ヶ月経って、再び法恩寺から撮影。

さりげなく、アンテナ(?)部分が出来上がっている。

この場所は、直線距離で1kmちょっと離れているので、

もし、仮に、万が一、間違って、根元から倒れても、

私のお墓に、直接の被害が及ぶ範囲の外にある??

(⇒これは長女が撮影)

 

 

2011年12月11日

そして、これが、手持ちの最も新しい写真。

ほぼ完成しているか?

これも、間近の業平橋から撮影。

昔ながらの古びた下町の風情は、全くなくなっている。

何か、水族館もできるそうだ。

 

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だんぶり池のカメムシ【6】

自宅から車で西へ軽く10分程度走ると、
弘前だんぶり池という「トンボ以外の虫も沢山いるところ」がある。

その場所を知ってから約2年になるが、雪がない時期には、
一週間に数回、虫の写真を撮りに出かける。

 

そして、カメムシの標本を作らなくなって、
運命的昆虫撮影者同盟【運昆同】を設立してから、
早くも10数年が経過した。

というわけで、正式な記録には当然ならないが、
何かの参考にはなると思うので、だんぶり池周辺で確認された虫たちを、
これから、思い出したように(?)、順次紹介していきたい。

 


まず、カメムシ類に関しては、過去に5回に分けて、
「だんぶり池のカメムシ」というタイトルで、
以下の27種の写真を載せた。
 (⇒左のカテゴリー欄の「だんぶり池で見かけた虫たち」をクリックしてください)

 カメムシ科(12種)
 ツノカメムシ科(5種)
 ヘリカメムシ科(5種)
 サシガメ科(2種)
 その他の科(3種)

今回は、新たに「だんぶり池」で確認されたカメムシ類6種を紹介する。

 (⇒昆虫名の前にある数字は、掲載順の種類番号です)

 


028 ベニモンツノカメムシの仲間(ツノカメムシ科)

2010年6月14日 だんぶり池・青森

腹部背面が黒っぽいベニモンツノカメムシ類【Elasmostethus属 】は、
北海道の山本氏によると、日本に数種いるとされ、
標本と寄生植物を確認しないと、正確な同定はできない。

   ベニモンツノカメムシ
   Elasmostethus humeralis Jakovlev, 1883 全国 ホスト:ハナウド、ウコギ

   和名なし(昔セグロベニモンツノカメムシ)
   Elasmostethus interstinctus (Linnaeus, 1758) 北海道 ホスト:ダケカンバ

   ヒメセグロベニモンツノカメムシ
   Elasmostethus kerzhneri Yamamoto, 2003 本州 ホスト:ダケカンバ

   和名なし
   Elasmostethus brevis Lindberg, 1934 北海道・本州 ホスト:ドロノキ

   和名なし
   Elasmostethus hasegawai Yamamoto, 2003 本州 ホスト:カツラ

   ヤナギベニモンツノカメムシ
   Elasmostethus amabilis Yamamoto, 2003 北海道・本州 ホスト:オオバヤナギ


上の写真のカメムシは、昔だったら、
迷わずセグロベニモンツノカメムシとしていただろう。

⇒当初、多分セグロベニモンツノカメムシとしていたが、Nabita氏のご指摘により、
 ベニモンツノカメムシの可能性が高いとご連絡いただきました。
 ただ、腹部背面が黒っぽく見えるので、現時点では、
 ベニモンツノカメムシの仲間に訂正しておきました。

 


 

029 チャイロクチブトカメムシ(カメムシ科)
 
2011年10月9日 だんぶり池・青森

どこにでもいるクサギカメムシと良く似ているが、
もともと多くない種であり、だんぶり池でも、
この個体のみが見つかっている。

 


030 ヨツボシカメムシ(カメムシ科)

2011年5月25日 だんぶり池・青森

だんぶり池では比較的良く見かける種である。

この子も、クサギカメムシに雰囲気が似ているので、
遠くから見ると、間違える可能性がある。

 


031 チャバネアオカメムシ(カメムシ科)
 
2010年8月29日 だんぶり池・青森

有名な果樹害虫であるが、だんぶり池では、少ない。

良く似た種に、ヒメチャバネアオカメムシがいるが、
だんぶり池では未発見である。

 

 

032 ハラビロヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
 
2011年10月11日 だんぶり池・青森

徳島にいた頃、クズの葉っぱにいるのは、
ほとんどホシハラビロヘリカメムシで、
ただのハラビロヘリカメムシは、むしろ希な種であった。

青森県では、この関係は逆転しているようである。

 

 

033 クロスジヒゲナガカメムシ(ナガカメムシ科)

2011年8月27日 だんぶり池・青森

近似種にヒゲナガカメムシがいるが、
前翅革質部に黒い筋はなく、写真での識別が可能である。

この仲間は、良く見かけるが、あまり写真は撮らない・・・(?)

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不思議なリンゴの木

ときどき、ここを見ていただいてる方は、
お気づきかもしれないが、
3月は「非昆虫写真強化月間」である。


あまり虫が好きでないという人も、
このブログを、無理やり見てくれているようだし・・・

 


さては、昆虫写真が、ネタ切れなのか?
 
と思った方、大丈夫です。 ご心配には及びません!!


虫の写真は、まだまだ沢山あります!!!!

 

 


サクランボのようなリンゴ(?)
 
2011年11月6日 弘前リンゴ公園・青森

この写真を普通の人に見せると、
おそらく99%の人が、サクランボだと言うだろう。

残りの1%程度の人が、
ちょっと見て「葉っぱが、リンゴのだ」と気付く??


でも、撮影日を見て欲しい。
これは、11月6日に撮ったもので、サクランボではありえない。

 

 

サージェンティ・リンゴ
 
2011年11月6日 弘前リンゴ公園・青森

これも、明らかにリンゴとは違う。

アメリカの観賞用樹木として有名で、
ハーバード大学のサージェント氏により、
室蘭市近郊の湿地で発見されたものと看板にあった。

 

 

アメリカン・ビューティー
 
2011年11月12日 弘前リンゴ公園・青森

こちらは、庭木として販売されているようである。

アメリカのニュージャージー州で造られた品種とのこと。


一度食べてみたい気がするが、どんな味がするのだろうか?

 

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