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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

素晴らしい配色? ミヤマツノカメムシ

今月は、さりげなく「カメムシ写真強化月間」です。
頑張って、不定期に(!?)ブログ更新します。

 

次は、美麗種ミヤマツノカメムシ。
Acanthosoma spinicolle Jakovlev,1880

赤・緑・黒色の3色が、絶妙に配置された、
背景が葉っぱでも、地面でも、どこにいても、
よく目立つツノカメの仲間である。

 


ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2011年11月1日 弘前市・青森

前胸背後縁と革質部後縁一帯が赤色で、
ツノアカツノカメムシ(次回掲載予定)に良く似る。

ただ、体型は細めで、前胸背側角(ツノ)は、
三角形に突出し、先端は黒色である。

 

 


ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2011年10月31日 玉川ダム・秋田

腹部結合板(黄色楕円)の各節の境界部分は、
黒くなるので、ツノアカツノカメムシとは、
よく見れば、識別可能である。

ネット上の写真では、誤同定の場合もあるようだ。

 

 


ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2011年10月9日 浅瀬石ダム・青森

脚の色が、先端部に近づくと赤っぽくなるのと、
中心部分にひとつだけある白点が、さりげなく良い。

 

 


ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2013年10月18日 浅瀬石ダム・青森

撮影場所のダムは、自宅から車で25kmほどのところにある。

10月から11月にかけて、曇りや雨が続いた後の晴天の日には、
ダムサイトに沢山のカメムシが集まってくる。

ときどき、思いもかけない珍品カメムシが見つかるので、
毎年の楽しみのひとつである。

 

 

    

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やっぱり君は肉食系だった? アオクチブトカメムシ

いよいよ、冬用タイヤの11月になりました。
今月は、さりげなく「カメムシ写真強化月間」です。
頑張って、不定期にブログ更新します。

 

最初は、美麗種アオクチブトカメムシ。
Dinorhynchus dybowskyi Jakovlev,1876

以前、「華麗なる吸血鬼」として紹介した。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111203/1/

ただ、2年前のこのときには、
彼らが「肉食系」である証拠写真は、
残念ながら、まだ撮れていなかった。

 

 

今回は、・・・・・・?

 

 

 

アオクチブトカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 七里長浜・青森

ちょっと見たところ、ツノアオカメムシに似ているが、
前胸背側角(ツノ)が鋭く突出することで、
比較的簡単に区別できる。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121026/1/

 

 


アオクチブトカメムシ(カメムシ科)

2013年8月2日 芝谷地湿原・秋田

直射日光下での自画自賛の一枚!!

と思ったのだが・・・・

なかなか、キラキラの写真は撮れない。

 

 


アオクチブトカメムシ(カメムシ科)

2012年7月20日 芝谷地湿原・秋田

カメラアングルは最悪だが、
色的には、この写真が一番か?

 

 


アオクチブトカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

こちらは、落ち着いた良い色が出ている写真。

形状は、文句なしに、素晴らしいのだが・・・

 

 

そして、次が!!


ブログタイトルにある衝撃の一枚!!!!


この一枚のために、今まで引っ張った????


 

 


アオクチブトカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

アオクチブトカメムシは、
間違いなく「華麗なる吸血鬼」であった。


でも、やっぱり、
美麗種は肉食系じゃない方が良い・・・

     


 

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擬態より完璧??? ニトベミノガ幼虫

このブログで何度か紹介したように、
自分自身の姿かたちを、枯れ葉や枯れ枝に似せて、
外敵から身を守っている虫たちは、少なくない。


マエグロツヅリガ 保護色から隠蔽的擬態へ
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120729/1/


 
隠蔽的擬態? 非食物擬態?? ムラサキシャチホコ
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130818/1/



しかし、これから紹介する子の考え方は、
ミラクル擬態するムラサキシャチホコの斜め上を行くのだ。

苦労して、自分自身の体を、
枯れ葉や塵に似せるなら、
最初から本物を体に付着させれば、
それに勝る隠れ蓑はないし、
より現実的で良いじゃないか?

その代表が、クサカゲロウの幼虫である。

擬態よりすぐれているか? クサカゲロウ幼虫
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110107/1/


 

そして・・・・・もっと有名な虫がいる。

 

 

ん!!! 枯れ葉? 枯れ枝??

2013年10月7日 弘前市・青森

シロシキブの葉っぱの上に、枯れ葉が落ちている。
よく見ると、枯れ葉だけでなく、枯れ枝もある。

でも、葉っぱの表面に、何かにかじられたような痕跡が・・・

 

 


ニトベミノガ幼虫(ミノガ科)

2013年10月7日 弘前市・青森

別のとこにも、枯れ葉の固まりがあるが、
同じように、葉っぱの表面がかじられている。


この枯れ葉は、ミノムシのようだ(注)


ただ、良く知られているオオミノガは、
弘前にはいないので、どうやら、この子は、
ニトベミノガという別種の幼虫のようである。

 

 


ニトベミノガ幼虫(ミノガ科)

2013年10月7日 弘前市・青森

となりのハマナスの葉っぱにも、2匹発見。

こちらは、あちこちに食痕があって、
庭木が害虫に食害されている状況である。

このように、ミノムシは、
樹木の葉や果実の表面を食べて、
外観を損なわせるため、
昔から植木や果樹の害虫として良く知られている。

 

 


ニトベミノガ幼虫(ミノガ科)

2013年10月24日 弘前市・青森

この写真は、半月ほど経過してから撮ったのだが、
やっぱり、枯れ葉が落ちているようにしか見えない。

そして・・・・、
ハマナスにいるミノムシは、
枯れ枝を使用していないことに、
写真を見て、初めて気が付いた。

シロシキブにいるときには、
扱いやすい小枝も利用するようだ。


 


ニトベミノガ幼虫(ミノガ科)

2013年10月24日 弘前市・青森

ミノムシ(ミノガ幼虫)は、
落ち葉や枯れ枝のごみの中に、
隠れるのではなくて、自らの体に、
それをくっつけてしまうのである。

こうすれば、自由にどこでも歩き回ることができるし、
もし・仮に・万が一、捕食者に見つかってしまっても、
蓑の中に隠れていれば、蓑ごと食われてしまうことはない。

これは、2重に防御効果を持つことになるので、
枯れ葉に擬態するよりも、ほぼ完璧に、
捕食者から、自分の身を守ることができるだろう。

ちなみに、ニトベミノガは、若齢幼虫で越冬するので、
この写真のミノムシは、春に成虫が脱出した後の蓑である。


(注)ミノムシ(蓑虫)は、
   ミノガ科のガの幼虫の総称であるが、
   一般には、その中でもオオミノガの幼虫を指す。

   オオミノガの分布北限は、
   山形県(日本海側)と岩手県(太平洋側)とされており、
   仮に植木などについて運ばれたとしても、
   弘前での越冬は難しいと思われる。

   オオミノガを含めて、昔から日本では、
   ミノムシの存在は、広く知られていて、
   その蓑を加工した和風の財布やしおりが、
   民芸品として売られていた。

   ところが、1990年代後半からオオミノガは激減した。

   原因は、オオミノガにだけ寄生する外来種のオオミノガヤドリバエである。

   その寄生率は、5割~9割に達すると言われており、
   ミノムシは、各地で絶滅危惧種になってしたったのである。

   

     

 

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君も寄生するのか? クロバネツリアブ


休日の家族連れでにぎわう「ひたちなか海浜公園」で、
ちょっとだけ不思議な動きをするアブ見つけた。

今回は、2歳の孫と老犬も一緒の団体行動で、
皆が、かなりゆっくり歩いていたので、
普段はパスしてしまう虫を、観察することができたのだ(?)。

 


君はハチか? それともアブ??

2013年9月22日 ひたちなか海浜公園・茨城

この子は、歩いたり、止まったりしている我々の目の前を、
それに合わせるかのように、ヒラヒラ(?)と飛んでは、
数メートル先に着地するというように、
ちょっとだけ「不可解な行動」をしていた。


 

 


クロバネツリアブ(ツリアブ科)

2013年9月22日 ひたちなか海浜公園・茨城

襟元に茶色いスカーフを巻いて、
裾が真っ白のラインのあるミニスカート・・・???

弘前の家に帰って調べたら、おそらく、
クロバネツリアブという種類らしい。

 

 


クロバネツリアブ(ツリアブ科)

2013年9月22日 ひたちなか海浜公園・茨城

ちょっとだけ観察を続けていると、
時々地面に降りては、お尻を砂地につけて、
少し歩くような行動をする。

ネット情報では、ツリアブ類の雌には、
このような腹先を地面につける行動が観察されている。

おそらく、雌は卵をそのまま地中に産むのではなく、
砂粒でコーティングしてから、地上にばらまいているらしいのだ。


だから、このクロバネツリアブも、
おそらく、そのような行動をしているのだろうが、
今回は団体行動なので、産卵までの観察はできなかった。
(そんな言い訳して、いいわけ?)

 

 


クロバネツリアブ(ツリアブ科)

2013年9月22日 ひたちなか海浜公園・茨城

これも、ネット情報であるが、
他のツリアブ科の幼虫と同じように、
ハチ類の幼虫に、寄生するようだ。

ただ、具体的なハチの種類や、
どのように寄生するのかについては、
また、詳しくは分かっていないらしい。

 


どうやら、今回は「ちょっとだけ不思議な虫」を、
さりげなく見てしまったようだ。

    

 


 

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君は働かないの? ハラアカヤドリハキリバチ

ひたちなか市内の前方後円墳のある史跡公園で、
日光浴(?)をしているお腹の赤いハチを見つけた。

 

こんな雰囲気の腹が赤い特徴的なハチの名前は、
図鑑で調べれば、すぐ分かる・・・・・・?

 


何か、いろいろ面白そうなハチだった!?

 


ハラアカヤドリハキリバチ(ハキリバチ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

撮影時刻は10時30分、かすかに翅を震わせて、
飛行のウォーミングアップをしているようだ。

白い壁に、赤と黒の色彩は、かなりよく目立つ。

 

 


ハラアカ(!)ヤドリ(?)ハキリ(?)バチ(!)

・・・・名前の由来を調べてみよう(注)

 

 

ハラアカヤドリハキリバチ(ハキリバチ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

近づくと、この一枚を撮った直後に、
飛び立って、あっという間に視界から消えた。

 

(ハキリ?)
多くのハキリバチの仲間は、その名前のとおり、
植物の葉を丸く切り取って、巣の材料にする。

普通は、丸く切り取った葉っぱを円筒状(葉巻?)にして、
その巣の中に、花粉と蜜を混ぜた花粉団子を蓄えて、
幼虫を育てるのだ。

 

 


ハラアカヤドリハキリバチ(ハキリバチ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

少し歩くと、すぐ近くの葉っぱの上で、
やはり翅を震わせている(おそらく)別個体を発見。

 

(ヤドリ?)
ところが、このハラアカヤドリハキリバチは、
お腹が赤いのに(?)腹黒いやつで、
同じハキリバチ科のオオハキリバチが作った巣の中に、
自分の卵を産みつけるのだ。

ただし、オオハキリバチは、葉っぱを丸く切り取ることはなく、
 天然あるいは人工的な孔などに、針葉樹の樹脂を入れて巣を作るようだ。

 

 

ハラアカヤドリハキリバチ(ハキリバチ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

だからこの子は、巣作りの苦労も、花粉団子作りの苦労も、
自分では全くしないで、みんなオオハキリバチにさせるのだ。

このような宿主の労働の成果を奪い取る行動は、
専門用語で「労働寄生」と呼ばれる。

 

 


ハラアカヤドリハキリバチ(ハキリバチ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

ハラアカヤドリハキリバチの体には、短い毛は生えているだけ。

他のハキリバチのように、目立つ毛はない。 
花粉を毛にくっつけて集める必要が無くなったからだろう。

 

(ハラアカ?)
でも、何故、ハラアカなのだろうか?
よく目立つので、何かに擬態してるのだろうか?


まさか、翅を震わせて、見えにくくして、
ベニボタルに擬態している????


 

(注)以前は、ハラアカハキリバチヤドリという和名だったようで、
   確かに、手元の古い昆虫図鑑には、その名前で掲載されていた。

   多分、古い和名は、多少誤解を招く恐れがあったので、
   タイトルの新しい名前に、変更されたものだと思う。
   (順番を変えただけ!)
   

     

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