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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

昆虫クイズ【その2】


お待たせいたしました。

昆虫クイズ【その2】です。

以下の5匹のカメムシは、ある重要な基準により、
順番に掲載されています。


さて、この基準とは、いったい何でしょうか? 
・・・・・・・これが問題です。

 

今回は、カメムシに関する知識は全く必要としていません。
産卵数の多い順とか、平均生存期間の長い順とかではありません。
もちろん図鑑に載ってる順とか、体の大きさ順とかでもありません。

 

 

 それでは・・・・・・

 
2010年6月10日【アカスジカメムシ(カメムシ科)】だんぶり池

セリ科植物に寄生する。黒色の地に、5本の赤い縦筋があり、
白い花の上にいることが多く、よく目立つ警戒色である。
腹側の模様は、黒筋ではなく、赤斑である。
しかし、枯れたような種子にいると、逆に隠ぺい色となる可能性がある(?)。

 

2010年8月25日【キバラヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)】だんぶり池
 

マユミなどの種子を好む、お腹の黄色が鮮やかなカメムシである。
私は、この子が出す匂いが、比較的好きである。

 
2010年7月4日【セアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)】北海道・伊達市
 

大型のツノカメムシの中では、比較的目に付きやすく、
カメラマンの被写体となりやすい。
ミズキの葉の上で、発見されることが多い。

 

2010年6月22日【ツマジロカメムシ(カメムシ科)】青森・梵珠山
 

比較的簡単に目にすることができるカメムシで、
中央部(小楯板の先端)の白い部分が良く目立つ。
越冬時に民家に侵入することがある。

 

2003年4月6日【ナナホシキンカメムシ(キンカメムシ科)】与那国島 

沖縄諸島で発見される、金緑色の非常に美しいカメムシである。
腹部全体を覆うような小楯板に7個の青黒色の点がある。
このカメムシに出会うと、石垣島に来たんだと感じる。





正解に関しては、世界情勢および中国の動向を、
粛々と総合的に判断して、最も適切であると思われる時期に、
このブログ上で発表させていただきます。


すぐに正解が分かった方は、クリックお願いします。
↓   ↓   ↓ 

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なるほど、そうやって子孫を残すのか? だんぶり池のカメムシ


だんぶり池近くの林道を歩きながらカメムシを探していると、
よく目立つ葉っぱの表面で、
正々堂々と交尾しているカップルに出会う

こういうときは、ちょっと声を掛けてから(嘘!)
デジカメのシャッターを切るようにしているが・・・

よく見かける5組のカップルを紹介しよう。 


エゾアオカメムシ:


2010年6月10日【エゾアオカメムシ】だんぶり池

関東以西では、山地に多く見られるが、
東北では平野部にも多く、ダイズ、イネ、果樹などの害虫とされる。
だんぶり池の林道では、目につく範囲では、個体数が最も多い。


チャバネアオカメムシ:


2010年6月19日【チャバネアオカメムシ】だんぶり池

果樹害虫の代表的存在で、個体数も多い。
民家に侵入して集団で越冬することがある。
この場所では、たまにしか見かけない。
学生時代、サクランボの種子で、飼育しようとしたが・・・・


アカスジカメムシ:


2010年9月12日【アカスジカメムシ】だんぶり池

セリ科の花に集まる。赤と黒の警戒色で、
触ってもほとんど匂いを出さない。
近くに寄っても逃げないし、見栄えがするので、
多くのカメラマンの被写体になっている。


トゲカメムシ:


2010年9月7日【トゲカメムシ】だんぶり池

このカメムシも、関東以西では山地でしか見たことがない。
自宅から10分のところで、普通に見られるとは!
(思えば遠くへ来たもんだ・・・・ちょっと古いか?)


ベニモンツノカメムシ:


2010年6月10日【ベニモンツノカメムシ】だんぶり池

私にとって、何故か、ツノカメは高貴なイメージがある。
ツノカメムシ科の仲間は、昔から、山に行かないと採れないし、
他のカメムシ類とは、ちょっと違う雰囲気を持っている。


これで、少なくとも、また来年この子たちの子孫に、
必ず出会えるはずだ。
 

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だんぶり池


自宅から車で西へ軽く10分程度走ると、

弘前だんぶり池という「虫が沢山いるところ」がある。


 弘前市のHPによると、市が10枚の休耕田を購入し、
低水温湿原、暖水池、水路、湿原等を組み合わせて、
多様な生物が生息できるように工夫し、
生物観察がしやすいように木道や通路を整備して、
適宜、補修作業や草刈り作業を行い、維持管理しているとのことである。


 
2010年7月16日だんぶり池全景(遠くに子供たちが!)



だんぶりとは、津軽弁でトンボのことであり、
青森県のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定された、
ハラビロトンボやハッチョウトンボをはじめ、
40種近いトンボが確認されているらしい。


 
2010年8月3日オニヤンマ(珍しく葉っぱに静止している)



その他に、季節により様々な鳥類も飛来しており、
ニホンカモシカ、サル、テン、ノウサギ、リス等も確認され、
最近では、クマの目撃情報もあるほどである。


 
2010年9月17日だんぶり池林道(左側が沢、上流に民家はない)



池の両側には、二本の沢が流れており、平行して林道が伸びているが、
その林道沿いに様々なや植物が繁茂し、
そこをさりげなく歩くと、まるで昆虫の宝庫(?)のように、
色々な虫に出会うことができる。


 
2010年9月17日林道を100mほど入ったところ


今年は、この場所に毎日のように通って、写真を撮りまくった。
その数は、他の場所の分も含めて、半年で一万枚以上になった。

過去、数十年間、昆虫と付き合ってきたが、
一か所に居座って昆虫を見てきたことはあまりなく、
この「だんぶり池の林道」で新たな感動を与えられたことも多い。

おそらく、このブログで使用する写真の半分近くは、
この場所で撮ったものになりそうである。


 
2010年6月1日熊出没注意の看板におびえて尻尾が下がるアイン君


自宅から10分ほどで、こんな素晴らしい場所に行けるなんて、
まるで夢のような話である・・・・・・
 

でも、~~ある日、森の中、クマさんに出会った~~ら、やっぱり怖い! 
ちょっとだけ、びくびくしながら、写真撮ってます・・・・

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アカスジキンカメムシ


先日、福島飯坂温泉近くの友人S氏宅を、夫婦で訪問した。
帰り際に、奥様に「庭に大きなカメムシが沢山いますよ」と教えられ、
ふと見ると、大きな梅の木の葉っぱの裏に、
何とアカスジキンカメムシの終齢幼虫集団があちこちに・・・・

 
2010年9月30日【アカスジキンカメムシ5齢幼虫】福島市


ちょっと前までは、すぐ横のヤマボウシの実に群がっていたとのこと。
越冬態勢に入ったのか?
 
 
 2010年9月30日【アカスジキンカメムシ5齢幼虫】福島市


それにしても、毎年、ほぼ同じ場所で沢山見かけるとは?!?!
自宅の庭に、キンカメが自然発生しているなんて!!!
まるで、夢のような話だ。すばらしい!!!!
 

実は、この写真を撮る6日前に、茨城の東海村の大きな公園の駐車場で、
同じアカスジキンカメムシの5齢幼虫を数匹目撃している。
このときは、みな必死に越冬前の食事をしていた。


2010年9月24日【アカスジキンカメムシ5齢幼虫】茨城・東海村 



ちなみに、あまりよい写真ではないが、
アカスジキンカメムシの成虫は、こんな感じである。 
なんとなく背中の模様が似ているのがわかりますか?


2005年5月8日【アカスジキンカメムシ成虫】千葉・印西市  

今回、 10匹ほど分けていただいたので、自宅の庭にも放す予定です。
来年、新成虫が誕生したら、写真撮りまくるぞ!
 

(筆者注): 
 尚、S氏は、性フェロモンを利用した果樹害虫防除に関して、
 圃場での実用化試験の草分け的な存在であり、著名人です。
 決して庭先に捕虫網を持って押しかけないでください。




(うう~ん)


(しか~し)



(どぉ~も)



・・・・・・・・・・・・





やっぱり、上の成虫の写真はちょっと恥ずかしい。
私の傑作、ニシキキンカメムシの成虫と幼虫のツーショットをご覧ください。





これが、日本の最美麗種と言われるカメムシです。


ここで、クリックお願いいます。

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ヒメツノカメムシ、母は強かった


カメムシ類は、一般的に大きな卵を少数産むタイプが多い。

さらに、キンカメやツノカメの仲間では、
産卵した卵や幼虫を、母親が付き添って保護する種もいる。

実際に、母親がアリや寄生蜂から自分の卵や幼虫を、
たくみに防御する行動も詳細に観察されている。
 

今年6月、自宅近くの「だんぶり池」の林道のクワの木に、
卵を保護するヒメツノカメムシが沢山見られた。

 
2010年6月16日【ヒメツノカメムシ】弘前・だんぶり池林道


ときどき、卵塊を離れることはあるが、
ほとんどの時間は、卵塊の上に静止しているようであった。


2010年6月16日【ヒメツノカメムシ卵】


卵が孵化しても、母親はそこにとどまっていた。


 
2010年6月22日【ヒメツノカメムシ】弘前・だんぶり池林道


おそらく孵化幼虫は2齢になるまで摂食しない。
母親は、少なくともそれまでは、近くに留まっていると思われる。


2010年6月22日【ヒメツノカメムシ孵化幼虫】




ここまでが長い前ぶりで、本題はここからである。

別の日、少し離れた「梵珠山」のクワの木で、
2匹で卵を保護するヒメツノカメムシを見つけた。

なんだ! ヒメツノカメは夫婦で卵塊を保護するのか?

これは、新知見と思ったが・・・・
寄り添っているのは父親である確証はない。

もっとよく見ると、ヒメツノカメの母親は子供の上に覆いかぶさり、
体を相手の方に傾けて、見知らぬ男に近づかせないようにしているではないか。





 
2010年6月22日【ヒメツノカメムシ】青森・梵珠山



何となく、母親の気持ちもわかるし、
父親(?)の気持ちもわかる!

余談だが、最近はおじいちゃんの気持ちもわかる?!


 

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