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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

虫たちの親子-15 イチモンジカメノコハムシ

このシリーズでは、特異な姿かたちの幼虫について、
たまたま、成虫の写真が撮れていたものを、
親子として、両方同時に紹介している。

普通に考えて「こんなにも奇妙な幼虫たちの親(成虫)は、
一体どんな虫なんだろうか?」というのが、その発端である。

 

 

今回は、ちょっとだけ不思議なイチモンジカメノコハムシの親子である。

 

 

まずは、幼虫から・・・・


(その前に)

鳥の糞に見せかけて、捕食者を騙す方法は大きく分けて二つある。

ひとつは、このブログで何度も紹介したように、
自分の姿かたちを、鳥の糞に似せる方法である。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130213/1/

もう一つは、本物の糞を体に背負って、その下に身を隠す方法である。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130203/1/

 


葉っぱの上に、鳥の糞のようなものが見える。
これは、擬態なのか? 本物なのか?



 


イチモンジカメノコハムシ幼虫(ハムシ科)

2013年7月15日 中泊町・青森

この程度の距離からだと、少なくとも、虫には見えない。

背中の黒いものは、脱皮した抜け殻や糞のようである。
その下に、派手に(!)見え隠れする姿は、明らかに虫の幼虫だ。

 

 

 

イチモンジカメノコハムシ幼虫(ハムシ科)

2013年7月15日 中泊町・青森

近づいてよく見ると、脱皮殻の脚のように見えた細長いものは、
どうやら、糸状に排泄した糞なのだ。

それを、うまい具合に、背中にくっつけたようだ。

ただ、隠れる程度が、恐ろしく中途半端である。

以前紹介した、フタモンクサカゲロウと比較すると、
その中途半端さ加減が、よく分かる。

 

 


イチモンジカメノコハムシ幼虫(ハムシ科)

2013年7月15日 中泊町・青森

しかし、幼虫自身の体には、鋭いトゲがある。

このトゲだけでも、十分身を守れるような気がするのだが・・・


むしろ、せっかくの鋭いトゲを、中途半端な糞で、
隠してしまっている気がしないでもない。


そんな不思議な幼虫なのである。

 

 

 


そして、こんな「不思議な幼虫」の親は、
一体、どんな姿をしてるのだろう。

 

 

 

イチモンジカメノコハムシ成虫(ハムシ科)

2011年6月1日 志賀坊森林公園・青森

成虫もまた、特異な姿かたちである。

まるで、透明なプラスチックの中に、虫がいるように見える。
どうして、わざわざ、こんな手の込んだことをするのか?

葉っぱに、ピタッと張り付いていると、引っ掛かるものがないので、
捕食者がうまく捕獲できない可能性は、十分あるのだが・・・

多くの場合、ハムシの仲間は、捕食者(人も含めて?)が、
近づいてくるのを察知すると、ポロッと下に落ちてしまうが、
この仲間は、そんな行動は見られない。


さらに、すぐに擬態とか言い出すという人もいるかもしれないが、
何かに擬態しているとしたら、やっぱり、鳥の糞なのだろうか?

    

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岩木山遠景

志賀坊森林公園から見る岩木山は、なかなか良い。

以前、岩木山遠景として、このブログでも紹介した。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121024/1/


写真の撮影地として良く出てくる志賀坊森林公園は、
弘前市周辺で、私のお気に入りの比較的虫が多い場所である。

かなり急な坂を登りきったところにある駐車場からは、
弘前市内をはさんで反対側に、独立峰(?)である岩木山が見える。

 


今回は、駐車場の街灯に来る虫を撮りにいったのだが、
ふとふりかえると、岩木山は、
北アルプスで見るような雲海の中にあった。

 

 


たまには、虫の写真以外でも・・・

⇒ちょっと前にリンゴの写真があった?!

 

 


2013年7月27日 志賀坊森林公園から

 

 


2013年7月27日 志賀坊森林公園から

 

 


2013年7月27日 志賀坊森林公園から

 

 


2013年7月27日 志賀坊森林公園から

 

 


2012年7月21日 志賀坊森林公園から

 

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飛翔中の虫たち(本章)

飛翔中のトンボやチョウを撮るときには、
デジカメの連射機能を使えば、そのうちの何枚かは、
ピンボケでない写真が撮れる。

そんな写真を、このブログでも、何回か紹介した。

 


ところが今日の写真は、連射機能を使用していない

普通にシャッター押して、偶然に(あるいは驚いて!)
飛び立ったときの写真である。

 

 

 

ジガバチ(ジガバチ科)

2013年6月2日 東海村・茨城

アザミの花にイチモンジセセリが来ている。

そっと近づいて(それでも1m以上離れているが)、
シャッターを押した瞬間、ジガバチが飛んで来た。

ジガバチは、イモムシを狩って、巣穴に運んでから産卵するが、
ときどき花にも、吸蜜にやってくるようだ。


実は、この写真がキッカケで、ある問題が解決したのである。

その問題と解答(?)は、文末に・・・・

 



 

 

ハナバチの仲間

2013年6月2日 東海村・茨城

上の写真と同じ場所で、今度は、
多分ハナバチが飛んでいる瞬間を、
偶然にも、撮ることができた。

後脚には、大きな花粉の塊が見える。


普段は、ほとんど起こらないような瞬間が、
同じ日に、連続して訪れたのだ。


⇒この日を「何か特別な記念日」にしても良いくらい???



 

 


スズメバチの仲間

2013年6月12日 安曇野・長野

こちらは、スズメバチ。

目の前を、もの凄い羽音を立てながら、横切った。

飛んでいく方向にカメラを向けて、ダメモト(?)で、
さりげなくシャッターを、一回だけ押した。

多少ピンボケの写真だが、これもミラクルな一枚だろう。

 

・・・・・・・



下の写真は、昨年末(2012年12月13日)のブログで、
かなり不思議な写真として、紹介したものである。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121213/1/


トガリハキリバチの仲間

2010年8月10日 御所湖・岩手

①このハチには、翅がない!!!
 どこから、どうやって、
 ここまで来たのだろうか????

②しかも、後ろの写っているキタキチョウの方は、
 翅に、ハチが止まっているにもかかわらず、
 平気で蜜を吸っている。


当時は、こんなことを書いていた。

 

しかし、一番上の写真のジガバチも、翅がない!!!!!!

シャッター速度が遅いので、
はばたきする翅が写らなかっただけのだ。


そう思って、写真を良く見てみると、
ハチは、ホバリングをしているので、
キタキチョウには、全く触れていない。

これで、②の謎も、一気に解決したことになる?!

   

 

 

 


 

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飛翔中の虫たち(序章)

飛翔中のトンボやチョウを撮るときには、
カメラのシャッターボタンを、「連射」にセットする。

あとは、フォーカスを「オート」にして、
被写体をカメラの中心になるように向けて、
そのまま、シャッターを押し続けるだけである。

そして、撮った直後に、液晶モニターで確認して、
ピンボケ写真は、その場で「削除」してしまう。

これで、昔は、プロのカメラマンしか撮れなかった写真を、
いとも簡単に撮ることができるのだ。


そんな写真は、このブログでも、何回か紹介した。

今日は、同じ被写体だが、別アングルから撮ったものを、
次回の序章として、まとめて紹介したい。

 

 

オニヤンマ(オニヤンマ科) 

2011年8月26日 だんぶり池・青森

オニヤンマも含めて、多くのヤンマ類は、
縄張りを形成し、その中をパトロール飛行している。

だから、時間さえあれば、撮影ポイントでじっと待っていると、
こんな写真が、比較的簡単に撮れる。



 

 

オオルリボシヤンマ(ヤンマ科) 

2011年8月27日 だんぶり池・青森

中でも、だんぶり池のルリボシヤンマは、
個体数も多く、写真に撮りやすい種類である。

カメラを構えているすぐ眼の前で、ホバリングすることもある。

 

 

カラカネトンボ(エゾトンボ科) 

2012年6月27日 蓮華温泉・新潟

このトンボには、まだ1回しか出会っていない。

蓮華温泉は、北アルプス白馬岳方面への、
信州側からの北の入口であるが、このときは、
除雪(?)ができていないので、温泉までは行けなかった。

でも、途中の池で、偶然にも、こんな写真が撮れたのである。




 

ホシホウジャク(スズメガ科) 

2010年11月7日 長者原SA・宮城

目の前を、せわしく飛びまわるこの蛾は、
まさにハチのように見える。

止まれば、蛾だと分かるが、なかなか止まらない。

適当に連射していると、こんな写真が撮れた。


 

 


ヒメクロホウジャク(スズメガ科) 

2010年11月7日 長者原SA・宮城

同じ日に、別のハチが・・・・

こちらも、ハチに擬態する蛾だった!!


有名なオオスカシバに似ているが、
翅に模様があるので、簡単に区別することができる。

 


そして、次回が本章(?)である。

    

 

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虫たちの親子-14 ミドリヒョウモン

このシリーズでは、特異な姿かたちの幼虫について、
たまたま、成虫の写真が撮れていたものを、
親子として、両方同時に紹介している。

普通に考えて「こんなにも奇妙な幼虫たちの親(成虫)は、
一体どんな虫なんだろうか?」というのが、その発端である。

 

 

今回は、ちょっとだけ不思議なミドリヒョウモンの親子である。

 

 

まずは、幼虫から・・・・

というか、この親子は、親の方がずっと有名だ!!

 

ミドリヒョウモン幼虫(タテハチョウ科)

2011年5月29日 だんぶり池・青森

この子は、今までのシリーズで見てきた蛾の幼虫にも見える。

ただ、蝶の幼虫と知っていても、なかなか手が出せない。
もちろん触っても、刺されることはないのだが・・・

タテハチョウの仲間は、このように、
何故か、奇抜なタイプが多いのだ。

この姿かたちと色彩は、普通に分類すれば、
良く目立つ警戒色・標識的擬態だろう。

 

 

ミドリヒョウモン幼虫(タテハチョウ科)

2011年5月29日 だんぶり池・青森

幼虫の食草は、スミレ類のはずだが、
この子は、何故かヨモギの葉っぱの裏側にいた。


なんで、こんなところに!!!


もちろん食痕は、見当たらないので、ヨモギを食べている訳ではない。

ただ、友人の話では、スミレ以外の植物で発見されるのは、
そんなに珍しいことではないらしい。

どうも、食事中以外は、スミレの葉っぱから移動して、
一休み(?)しているようなのだ。

この行動については、全く意味のないことではなさそうであり、
それが捕食者との関係であれば、面白いのだが・・・

 

 

そして、この子たちの親は、北国や山間部では、
最も良く見かけるヒョウモンチョウだ。

 

 


ミドリヒョウモン成虫(タテハチョウ科)

2010年8月27日 だんぶり池・青森

雑木林の周辺の明るい場所や、林道を活発に飛び回り、
いろいろな花で吸蜜しているのを見かける。

だんぶり池では、この時期、
おそらく9割がミドリヒョウモンだろう。

 

 

ミドリヒョウモン成虫(タテハチョウ科)

2010年8月27日 だんぶり池・青森

成虫は、年1化であるが、6月から10月まで、
かなり長い成虫期間がある。

ただ、夏の暑い時期は休眠するようで、
だんぶり池でも、良く見られるのは、初夏と秋だけである。


さらに、不思議なことに、秋になって交尾した雌は、
食草のスミレ類に、直接産卵することはない。

まぁ、もし真面目な(?)親がスミレの葉に産卵したとしても、
冬になると枯れてしまうので、全く意味がないのだが・・・

秋に孵化した幼虫も、スミレの葉を摂食することはなく、
そのまま越冬してしまうようだ。

そして、翌春、真っ先に出てくるスミレの葉っぱを食べるのだろう。


色々な場面で、ちょっとだけ不思議なことがある、
そんなミドリヒョウモンの親子でした。

 

 

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