昨年11月30日に「不思議な金属光沢」で、
衝撃的なキラキラウンチを紹介した。
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101130/1/
今回は、なぜ、金属光沢の昆虫がいるのかを、
ちょっとだけ、考えてみたい。
日当たりの良い林道を歩いていると、
意外に多くの昆虫が、キラキラ光っている。
普通に考えれば、
生物ではない「金属のような生物」がいるのは、
さりげなく不思議である。
まず、下の写真をご覧ください。
注意して見ると、甲虫、チョウ、カメムシなど、
色んなタイプの金属光沢の生物がいる。
ルリハムシ
2010年7月5日 室蘭市・北海道
こちらでも、比較的多くの固体が、
ハンノキ(多分)の葉っぱのあちこちで、
キラキラ交尾中・・
カミナリハムシの一種
2010年6月24日 登別温泉・北海道
多分この名前の由来は、ゴロゴロ音を出すのではなく、
光っているからか・・
この仲間は、みんなキラキラで、種の特定は難しい!
ミヤマカラスアゲハ
2010年9月8日 白岩森林公園・青森
昔から、憧れのチョウである。
このキラキラは、晴れた日に飛んでいると、かなり目立つ。
このように、水場に吸水にオスが集まる習性があり、
キラキラ光る水面と関係あるのかもしれない?
チョウトンボ
2010年8月10日 東海村・茨城
トンボも、種類によっては、よく光っている。
この他にも、カワトンボの仲間は、キラキラである。
やはり、川面が光を反射して光るのと関係あるのか?
アカガネサルハムシ
2010年8月25日 白岩森林公園・青森
赤銅色と金緑色に輝くこのハムシも、
有名なタマムシと同じ色彩パターンを持った
小さな宝石のような美麗種である。
残念ながら、ブドウの害虫とされることもあるが・・・
このような金属光沢は、いったいどんな意味があるのだろうか?
実験的に証明するのが難しいが、
捕食者と被食者(食うものと食われるのも)との関係に限ってみれば、
現在以下のような説が出されている。
(1)単純に、キラキラ光るものを、捕食者は食べ物と認識しない。
(2)まわりの葉っぱや水面がキラキラ反射すると、保護色になる。
(3)逆に、そのキラキラがよく目立ち、警戒色となる。
(4)飛翔中にキラキラ光ると、小鳥をおびえさせる。
(5)全体の輪郭がわからなくなる分断色として、機能する。(*1)
実際に、上記のどれに相当するのかは、
見る方の捕食者の種類(サイズ、学習能力等)によって、
変わってくるのだろう。
あるいは、捕食者とと被食者との出会いの場面で、
微妙に変わってくるのかもしれない。
比較的多くの昆虫が金属光沢を持ち、その昆虫が、
捕食者にとって有害(不味成分や防御物質)な場合は、
警戒色として機能し、無害(!)な場合は、保護色となる・・・・・
こんなことが本当にあるのだろうか?
(*1) 動物の目は、光と影のコントラストが強いと、
そこに焦点が合ってしまい、輪郭があいまいになる。
そうなると、動物は、光るものをひとつの物体(生物)として、
認識できなくなってしまう。