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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

早春の美しい虫たち①/⑧

動く宝石: アカガネサルハムシ


本日より、早春に見られる比較的美しい昆虫たちを、
連続8回に分けて紹介したい。

昆虫マニアの間では、「美麗種」と言う言い方があるが、
まずは、まさにそん言葉がピッタリ(?)の虫である。

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 だんぶり池・青森

弘前では早春(!)のだんぶり池の林道で、
比較的良く目にする美麗種である。

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月27日 だんぶり池・青森

緑色の葉っぱの上では、小さい虫ではあるが、
このように、金属光沢は良く目立つ。

 


アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月27日 だんぶり池・青森

思い切って拡大してみると、
上翅が赤銅色、その他の部分は金緑色に輝く美しい。

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 だんぶり池・青森

これは、まるでハムシ界のタマムシである・・・

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2010年8月22日 白岩森林公園・青森

成虫は、このように夏まで見られる。

昔、中国で、こんなイメージの生きている甲虫を、細い鎖で繋いで、
女性のブローチにしていたのを、テレビで見た記憶があるが・・・
 

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不思議な金属光沢のムシ

昨年11月30日に「不思議な金属光沢」で、
衝撃的なを紹介した。

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101130/1/

今回は、なぜ、金属光沢の昆虫がいるのかを、
ちょっとだけ、考えてみたい。


日当たりの良い林道を歩いていると、
意外に多くの昆虫が、キラキラ光っている。

普通に考えれば、
生物ではない「金属のような生物」がいるのは、
さりげなく不思議である。

 

まず、下の写真をご覧ください。

注意して見ると、甲虫、チョウ、カメムシなど、
色んなタイプの金属光沢の生物がいる。
 

ルリハムシ
 
2010年7月5日 室蘭市・北海道

こちらでも、比較的多くの固体が、
ハンノキ(多分)の葉っぱのあちこちで、
キラキラ交尾中・・

 
 

カミナリハムシの一種
 
2010年6月24日 登別温泉・北海道

多分この名前の由来は、ゴロゴロ音を出すのではなく、
光っているからか・・

この仲間は、みんなキラキラで、種の特定は難しい!

 
 

ミヤマカラスアゲハ
 
2010年9月8日 白岩森林公園・青森

昔から、憧れのチョウである。
このキラキラは、晴れた日に飛んでいると、かなり目立つ。

このように、水場に吸水にオスが集まる習性があり、
キラキラ光る水面と関係あるのかもしれない?

 
 

チョウトンボ
 
2010年8月10日 東海村・茨城

トンボも、種類によっては、よく光っている。
この他にも、カワトンボの仲間は、キラキラである。

やはり、川面が光を反射して光るのと関係あるのか?

 


アカガネサルハムシ
 
2010年8月25日 白岩森林公園・青森

赤銅色と金緑色に輝くこのハムシも、
有名なタマムシと同じ色彩パターンを持った
小さな宝石のような美麗種である。

残念ながら、ブドウの害虫とされることもあるが・・・

 


このような金属光沢は、いったいどんな意味があるのだろうか?

実験的に証明するのが難しいが、
捕食者と被食者(食うものと食われるのも)との関係に限ってみれば、
現在以下のような説が出されている。

(1)単純に、キラキラ光るものを、捕食者は食べ物と認識しない。
(2)まわりの葉っぱや水面がキラキラ反射すると、保護色になる。
(3)逆に、そのキラキラがよく目立ち、警戒色となる。
(4)飛翔中にキラキラ光ると、小鳥をおびえさせる。
(5)全体の輪郭がわからなくなる分断色として、機能する。(*1)
  

実際に、上記のどれに相当するのかは、
見る方の捕食者の種類(サイズ、学習能力等)によって、
変わってくるのだろう。

あるいは、捕食者とと被食者との出会いの場面で、
微妙に変わってくるのかもしれない。

比較的多くの昆虫が金属光沢を持ち、その昆虫が、
捕食者にとって有害(不味成分や防御物質)な場合は、
警戒色として機能し、無害(!)な場合は、保護色となる・・・・・

こんなことが本当にあるのだろうか?


(*1) 動物の目は、光と影のコントラストが強いと、
      そこに焦点が合ってしまい、輪郭があいまいになる。
    そうなると、動物は、光るものをひとつの物体(生物)として、
    認識できなくなってしまう。

 

拍手[52回]


不思議な金属光沢

背景に体の色を似せて、外敵から身を守る昆虫は多く、
その体色は、目立たせないタイプの「保護色」と呼ばれる。

一方で、良く目立つ色彩の昆虫も少なからずおり、
これらの昆虫は、毒針や有毒物質、悪臭を持ち、
捕食者が攻撃を避けるので、
こちらは、目立たせるタイプの「警戒色」と呼ばれる。


これから紹介する金属光沢を持った昆虫は、どっちなのだろうか?

 

 
2003年4月5日 ミヤコキンカメムシ 与那国島

キンカメを、遠景で撮った写真はこれしかない。

遠目にも、確かに2匹とも光って、よく目立っている。

 



 
2010年9月17日 多分ハムシダマシの一種 だんぶり池

この遠景の写真でも、種名は同定できないが、
中央付近に光を反射して、光っているのがわかる。

肉眼でみると、もっと鮮やかに光っているように見えるが・・・

 

逆に、直射日光下で葉っぱが光を反射すると、
このキラキラが、背景に溶け込ませる可能性もある。

また、動物の目は、光と影のコントラストが強いと、
そこに焦点が合ってしまい、輪郭があいまいになる。
そうなると、光るものをひとつの物体(生物)として、
認識できなくなってしまい、「分断色」として機能する。
 

ただ単に、捕食者にとって、キラキラと光を反射するものは、
生きているもの(餌)として認識されないだけかもしれない。

 


しかし、下の写真が、これらの可能性をさりげなく否定している。

 


 

・・・81歳未満、閲覧注意・・・・



 

・・・81歳以上、閲覧注意・・・・

 



・・・81歳未満、閲覧注意・・・・



 
2010年7月3日 クロテンの糞 日高町

北海道・日高町の林道を、夕方、ブラブラ歩いていると、
前方の道端に、キラキラ光るものが見えた。

道路によく落ちている、お菓子の包装紙のような感じだった。

しかし、近づいて見た時は、かなり驚いた。

明らかに動物の糞ではあるが、
沢山の金属光沢の翅の一部が残っている。
明らかに、集中して食べられたようだ。

一度「これは食べられる」と学習した捕食者にとっては、
キラキラは、よく目立つので、
格好の獲物となってしまったのかもしれない。


せっかく苦労して(?)金属光沢になった虫たちが、
それが逆効果になって、
むしろ選択的に食べられてしまった・・・・・??。

 

ある捕食者に対しては、ほぼ完璧な防御方法が、
別の捕食者に対しては全く無効になってしまうことは、
よくあることであるが・・・・・

 

**********************************

弘前大学の小原良孝名誉教授には、お忙しいところ調査していただき、
 ①この糞の主が、昼も夜も活動するクロテンの可能性が高いこと、
 ②タヌキの糞からも、アオオサムシ等の金属光沢の昆虫がよく見つかること、
 ③金属光沢の昆虫が大量に食われた状況
等について、ご教示いただきました。

また、学生時代からの友人である、
記野直人(にゃおと)氏・・・【当ブログ唯一のリンク先】・・・には、
食べられた金属光沢の昆虫類に関する情報をいただきました。
糞の中には、少なくともオオセンチコガネが入っており、
糞の周辺で比較的集団になりやすい種類だそうです。
また、オオルリオサ、アイヌキンオサ、スジオコガネの上翅はない、
とのことでした。
オオセンチコガネ等の金属光沢の甲虫類の写真については、
リンク先の(彼の)フォトギャラリーでご覧下さい。

**********************************
 

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アカスジキンカメムシ


先日、福島飯坂温泉近くの友人S氏宅を、夫婦で訪問した。
帰り際に、奥様に「庭に大きなカメムシが沢山いますよ」と教えられ、
ふと見ると、大きな梅の木の葉っぱの裏に、
何とアカスジキンカメムシの終齢幼虫集団があちこちに・・・・

 
2010年9月30日【アカスジキンカメムシ5齢幼虫】福島市


ちょっと前までは、すぐ横のヤマボウシの実に群がっていたとのこと。
越冬態勢に入ったのか?
 
 
 2010年9月30日【アカスジキンカメムシ5齢幼虫】福島市


それにしても、毎年、ほぼ同じ場所で沢山見かけるとは?!?!
自宅の庭に、キンカメが自然発生しているなんて!!!
まるで、夢のような話だ。すばらしい!!!!
 

実は、この写真を撮る6日前に、茨城の東海村の大きな公園の駐車場で、
同じアカスジキンカメムシの5齢幼虫を数匹目撃している。
このときは、みな必死に越冬前の食事をしていた。


2010年9月24日【アカスジキンカメムシ5齢幼虫】茨城・東海村 



ちなみに、あまりよい写真ではないが、
アカスジキンカメムシの成虫は、こんな感じである。 
なんとなく背中の模様が似ているのがわかりますか?


2005年5月8日【アカスジキンカメムシ成虫】千葉・印西市  

今回、 10匹ほど分けていただいたので、自宅の庭にも放す予定です。
来年、新成虫が誕生したら、写真撮りまくるぞ!
 

(筆者注): 
 尚、S氏は、性フェロモンを利用した果樹害虫防除に関して、
 圃場での実用化試験の草分け的な存在であり、著名人です。
 決して庭先に捕虫網を持って押しかけないでください。




(うう~ん)


(しか~し)



(どぉ~も)



・・・・・・・・・・・・





やっぱり、上の成虫の写真はちょっと恥ずかしい。
私の傑作、ニシキキンカメムシの成虫と幼虫のツーショットをご覧ください。





これが、日本の最美麗種と言われるカメムシです。


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