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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

森のクマさん

弘前市周辺で、ツキノワグマが出没しているらしい。

だんぶり池周辺にも、写真のような看板が数ヶ所あり、
ちょっと怖いが、何となく、森のクマさんに会ってみたい気がする。

 


だんぶり池周辺道路
 
2010年6月1日 だんぶり池・青森

アイン君も、看板を見て、かなりビビっている。

白岩森林公園では、熊を脅すための「疑似鉄砲」の音がする。

しかし、青森へ来て、すでに3年ほど経過しているが、
幸か不幸か、未だ、直接クマと遭遇はしていない。


そんなある日、妻と次女とアイン君と十和田湖方面へ出かけた。
 

大型哺乳類の足跡
 
2011年4月24日 酸ケ湯温泉・青森

酸ケ湯温泉近くの国道から少し入った遊歩道で、
おそらく大型哺乳類と思われる足跡を、雪の上で見つけた。

 


大型哺乳類の足跡
 
2011年4月24日 酸ケ湯温泉・青森

となりに置いた形態電話と比較すると、
多少雪が溶けて大きくなったにしても、
この足跡はクマ以外にないだろう。

 


大型哺乳類の糞
 
2011年4月24日 酸ケ湯温泉・青森

足跡から数m離れた場所に、動物の糞があった。
かなりの確率で、足跡の主のものだろう。

あまり見たくないが、良く見る(?)と、
消化されていない白い動物の毛のようなものが数本見える。

ツキノワグマは肉食性ではないが、
動物の死体なども食うらしい。

 


カバノキ(?)の樹皮にかじられた痕跡
 
2011年4月24日 酸ケ湯温泉・青森

糞と足跡のすぐ近くにあった。
植林されたスギやヒノキの樹皮が被害にあう例は多いらしい。

これも、その痕跡なのか?


数日前(10月9日)に近くを通ったら、
クマの目撃情報の看板があった。

もう少し我慢して、紅葉の見ごろが終わるまで、
山の中にいて欲しい思う・・・

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蔦温泉の遊歩道 カメムシしかいない!!!

10月9日(日)は、珍品カメムシデーだった。

久々の晴れ間と、3連休と、紅葉の見ごろが、
見事に重なって、十和田・八甲田は、大混雑!!!

その中で、穴場的な存在の蔦沼周辺は、中混雑!!!


そして、奇跡は、さりげなく起こった

何と、蔦温泉駐車場から蔦沼までの遊歩道で、

わずか30分ほどの間に、連続で
1種を除いて
比較的珍しいカメムシ7種類に遭遇。

普通なら、チャバネアオカメ、トゲカメ、エゾアオカメ、セアカツノカメなど・・・
もちろん、甲虫類やチョウは、全くいない時期ではあるが・・・・

 

以下、経過時間とともに、発見順に紹介する。

 


アカアシクチブトカメムシ(カメムシ科) 11:03
 
2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

以前紹介した、比較的珍しいカメムシであるが、
遊歩道に入って、わずか数分で発見。

これが、この幸運な日のスタートだった。

⇒当初、イシハラカメムシとしていましたが、Nabita氏のご指摘により、
  アカアシクチブトカメムシに訂正しました。

 

 

 

キバラヘリカメムシ(ヘリカメムシ科) 11:06

2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

写真を数枚撮って、歩きだした直後に、2種類目を発見。
鮮やかな黄色のお腹が良く目立つ。

このカメムシの匂いは、かなり上品である。

 


ヒメハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科) 11:14
 
2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

少し歩いたところで、予定していた(?)ツノカメムシを見つけた。

今回だけで、雌も含めて、約10個体ほどに出会った。

 

 

セグロヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科) 11:16
2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

2種類目のツノカメは、比較的珍しい種類であり、
今回出会ったのは、この個体のみであった。

かなり小さいツノカメである。

 


クサギカメムシ(カメムシ科) 11:16
 
2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

すぐとなりの葉っぱで、今シリーズの例外種(果樹害虫!)を発見。
当然、発見個体数は、このカメムシが一番多かった。

そして、帰りに立ち寄った浅瀬石ダムでも、
佃煮にするほどの個体に遭遇した。

 

 

スコットカメムシ(カメムシ科) 11:34
 
2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

蔦沼周辺で、同行のアイン君と妻の写真を撮ったりして、
しばらく時間が経過した。

6種目のカメムシは、珍品かどうか、微妙である。

最初、普通種ツマジロカメムシに見えたが、
よくみると、スコットカメムシであった。

残念ながら、家屋内に侵入する不快害虫に属する・・・

 

 

チャイロクチブトカメムシ(カメムシ科) 11:39
2011年10月9日 蔦沼遊歩道・青森

そして、本日最後に、やや珍品発見。

最初は、ああまたクサギかと思ったが、微妙に色が違う。

良く見ると、チャイロクチブトカメである。

普段あまりお目にかかれない種類に出会うと、
やはり、ちょっとだけ興奮する。

写真を撮りまくった・・・・

 

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ハイイロセダカモクメ幼虫 これがミラクル擬態だ!!

今年の秋は、弘前も雨の日が多く、特に最近は外に出られない。

少しの晴れ間があると、ハイイロセダカモクメ幼虫を求めて、
だんぶり池のヨモギ花穂を、かなりの時間を使って探した。

そして、ようやく10月4日に、出会うことができた。

 


ハイイロセダカモクメ幼虫(ヤガ科)
 
2011年10月4日 だんぶり池・青森

この子に出会うためには、いつものように、
ブラブラと、だんぶり池の林道を歩いていては、ダメである。

ヨモギの花穂を見ながら、ほぼ立ち止まって、
近視用の眼鏡を外して、じっくりと探すのである。

そうしないと、多分絶対に見つからないだろう!!!

 

 

ハイイロセダカモクメ幼虫(ヤガ科)
 
2011年10月4日 だんぶり池・青森

やはり、出会ったときの第一印象は、

何でそこまで似せなきゃならないの?

・・・であった。


彼の容姿は、ミラクル擬態の典型である。

別に、紹介する予定であるが、
彼の周辺には、ほぼ同じサイズの別種の幼虫が沢山いる。

そして、ここまでやらなくても、
多分みんな普通に、子孫を残すことができているのである。

 

 

ハイイロセダカモクメ幼虫(ヤガ科)
 
2011年10月7日 弘前市・青森

当然のことであるが、ミラクル擬態の対象は、
視覚で獲物を探す鳥類だと思う。

逆に言うと、こんな恰好をしていても、
鳥類以外の(全体を見渡すことができないような)捕食者には、
おそらく、ほとんど防御効果を発揮することはないだろう。

次の写真が、それを示す衝撃の一枚である。

 


ハイイロセダカモクメ幼虫(ヤガ科)
 
2011年10月4日 だんぶり池・青森

なんとも、無残な姿である。

クチブトカメムシに対しては、このように、
ミラクル擬態の効果は、全く認められない。

おそらく、カマキリやハエトリグモにも、
防御効果は、ほとんどないのかもしれない。


以前、カメムシの匂いの防御効果のところで述べたように、
全ての捕食者に有効な防御手段などは、あり得ないのだろう。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101107/1/


 

 


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キスジセアカカギバラバチ これがミラクル生活史だ!!

キスジセアカカギバラバチという「ややこしい名前」のハチがいる。

下の写真のように、普通のハチには見られない体の色をしている。

 

キスジセアカカギバラバチ(カギバラバチ科)
2011年8月30日 だんぶり池・青森

この赤黄黒の3色の組み合わせは、
ベルギーやドイツの国旗と同じである。

だんぶり池で初めて出会ったこのハチ、
緑色の葉っぱの上では、よく目立つ。

しかも、色々調べてみると、
なかなかミラクルな生き方をしているのである。

 

 

キスジセアカカギバラバチ(カギバラバチ科)
2011年8月30日 だんぶり池・青森

このハチは、一般的には、2次寄生蜂に分類されるが、
寄生する相手がいる宿主に、直接卵を産みつける訳ではない。
 
チョウや蛾、ハバチなどの幼虫が食べる葉っぱに、
肉眼では見えないほど小さな卵を産みつけ、
それを食べたチョウや蛾の幼虫(イモムシ)の体に、
卵を噛み砕かれることなく入り込むのである。

 


キスジセアカカギバラバチ(カギバラバチ科)
2011年8月30日 だんぶり池・青森

そして、体内でふ化した幼虫は、
そのまま宿主【イモムシ】を食べるのではなく、
宿主に寄生しているハチやハエの幼虫【ウジ】を食べるのである。

当然、最初の宿主【イモムシ】に寄生者【ウジ】がいなければ、
その時点で、彼らの一生が終わるのである。

 


キスジセアカカギバラバチ(カギバラバチ科)
2011年8月30日 だんぶり池・青森

例え話がなかなか思いつかないが・・・・

すごく正義感の強い泥棒がいたとする。
彼は、別の泥棒が狙いそうな大邸宅を探して、
その家に苦労して侵入し、
運よくそこに別の泥棒がいた場合にのみ、
その泥棒から金品を奪うことしかしていないと、
世間に言い訳しているようなものである。

何故、このようなミラクル生活史が進化してきたのか?
何がそうさせたのか?

これは、かなり興味深い問題であるが・・・

 


キスジセアカカギバラバチ(カギバラバチ科)
2011年8月30日 だんぶり池・青森

そして、まずもって、以下の確率を掛け合わせると、
一体どのくらいになるのだろうか?

①植物の葉っぱに海付けられた卵が、宿主【イモ虫】に食べられる確率:
②その卵が噛み砕かれることなく、宿主【イモ虫】の体に入る確率:
③その宿主【イモ虫】に、すでに寄生者【ウジ】がいる確率:
④最後に、何の事故もなく、宿主【イモ虫】から脱出できる確率:

 

実は、その確率がそんなに低くないことは、容易に想像できる。
③だけが、偶然に支配されているが・・・・

つまり、その生活史がすでに完成しているので、
毎年ほぼ同じ数の個体が、だんぶり池周辺に表れるとすると、
雌の産卵数が100個なら約1/100、
1000個ならば1/1000程度になるはずである。

この程度なら、十分現実的な数値であるだろう。

それにしても、不思議だ!!!

 


・・・・(蛇足)・・・・

上の③の確率に関して、
もしかしたら何らかの信号が、最初の宿主【イモムシ】から出ていて、
それをこのハチがキャッチして、
すでに寄生者がいる宿主だと判断している・・・?

でも、こんなことを人間が勝手に想像していると、
カマキリのような間違った結論になってしまうのかも!!

↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110611/1/

?!?!?!?!
 

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キカマキリモドキ これがミラクル擬態だ!!

このシリーズ最後のミラクル擬態の例は、
ちょっと笑ってしまうようなキカマキリモドキ君です。

セスジスカシバ君や、ジョウザンナガハナアブ君とは、
一味違うミラクル擬態です。

 

キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
 
2011年8月31日 酸ケ湯温泉・青森

アミメカゲロウ目カマキリモドキ科に属する昆虫である。

この子の所属は、我々古い人間は、脈翅目の方が良かったが、
最近では、アミメカゲロウ目と呼ばれ、
全く違う分類群のただのカゲロウ目とまぎらわしい。

多少分かりにくい呼び方になってしまったのか?



 

キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
 
2011年8月31日 酸ケ湯温泉・青森

このように、上半身だけ見るとカマキリ似ているので、
この名が付いたのだろう。

しかし、前脚(カマ)の折りたたみ方が、
普通のカマキリとは、明らかに違う。

同じ獲物を狩るための道具として、
進化してきたのだろうが、ちょっとだけ不思議である。


 


キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)

2011年8月31日 酸ケ湯温泉・青森

改めて、下半身だけを見てみると、
これは、もともとの分類群のウスバカゲロウそのものである。



 

そして、問題はここからである。

何と、このキカマキリモドキ君は、下の写真のように、
ホソアシナガバチにも似ているのである。 


ムモンホソアシナガバチ(スズメバチ科)

3527 2011年6月5日 だんぶり池・青森

 この黄色と黒のツートンカラーは、良く目立つ警戒色の典型である。

おいおい、君はカマキリに擬態しているのではなかったのか?

・・・・・

・・・・・

・・・・・

そうなんです。

カマキリとアシナガバチ両方に擬態するというミラクル擬態なのです。


でも・・・・・このカマキリにしても、ホソアシナガバチにしても、
何となく、か細くて、強そうにはとても見えない・・・・?!


このように、「あまり意味がない」とも思えるような擬態が、
何故進化してきたのか?

これが、ミラクル擬態なのかもしれないのだが・・・・

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