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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

早春の美しい虫たち⑧/⑧

小さな天使: 



マドガは、タイトルのような、美しい虫とは言えないかもしれない。

しかし、静止しているのを良く見ると、
こげ茶色の地に、金色の斑点と純白の帯がある独特の容姿は、
なかなかのものである・・・
と思う。

マドガ科に属し、日本には1属1種しか確認されていない。

 
 

マドガ(マドガ科)
 
2011年6月3日 だんぶり池・青森

かなり活発に飛び回っているので、最初は蛾だとは思わなかった。

 


マドガ(マドガ科)
 
2011年6月4日 だんぶり池・青森

肉眼で見ると、こんな風に見える。
だんぶり池で昼間飛ぶ蛾の中で、一番小さい。

いろいろな花で吸蜜したり、
地面に降りて、吸水しているのも良く見かける。

 

 
マドガ(マドガ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

運よく、交尾中のカップルに出会った。

 


マドガ(マドガ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

触角の形状が雌雄であまり差がないようで、
おそらく、性フェロモンは使用せずに、
雌雄が出会うのだと思う。

 


マドガ(マドガ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

幼虫の食草は、有毒植物のボタンズルであり、
もしかしたら、マドガは捕食者に食べられない可能性がある。

香港産の近縁種では、幼虫が刺激を受けると
ある種のカメムシのような異臭を放つことも確認されている。

もう少し大きい昼間活動するシラフヒロオビナミシャクという蛾は、
だんぶり池で、しばしばクモに捕食されているのを見かける。

黒・黄色・白の警戒色っぽい体色のマドガに関しては、
もう少し観察が必要である。


 

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早春の美しい虫たち⑦/⑧

私だってタマ: シロオビナカボソタマムシ

 
タマムシというと、多くの人が、
キンキラキンのヤマトタマムシを思い浮かべ、
さらに、法隆寺にある「玉虫の厨子」を連想すると思う。

ところが、日本のタマムシは、ほとんどの種類が、
本日紹介するシロオビナカポソ夕マムシのように、
約1cm足らずの小さな虫である。

 


シロオビナカボソタマムシ(タマムシ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

だんぶり池の林道で、キイチゴの葉の上に、
何だか・何だか、虫が集まっているのが目にとまった。

 
 

シロオビナカボソタマムシ(タマムシ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

交尾中のカップルに、別の(多分雄?)が近寄っているようだ。
昆虫の世界では、まぁ、よくあることであるが・・・


 

シロオビナカボソタマムシ(タマムシ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

本種は、タマムシの中では、最も普通に見られる種類である。
だんぶり池で、キイチゴの葉っぱを探すと、たまに見かける。

個体数が多いとはいえ、腐ってもタマムシである。
イタドリハムシの発見個体数を100とすると、
この子は、0.1位である。

 
 

シロオビナカボソタマムシ(タマムシ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

サイズ的にも、こんな感じに見える。

 


シロオビナカボソタマムシ(タマムシ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

最初は、目立たない地味な色のイメージがあったが、
よく見ると微妙な金属光沢があり、なかなか美しい。

さすが、タマムシである。

 

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早春の美しい虫たち⑥/⑧

十字架を背負う: シロトラカミキリ


タイトルが美麗種となっているが、個人的には、
美麗種=キンキラキンではないと思っている。

本日紹介するシロトラカミキリは、
ドキッとするような独特の白黒模様を持っている。
個人的なイメージとして、西洋の魔術師のような模様である。

美麗種として今回紹介したい。

 

シロトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2011年5月27日 白岩森林公園・青森

おそらく、今回初めて出会ったカミキリである。
家に帰って、名前を調べるまで、
何を隠そう「これは珍品だ!」と密かに期待していた。

実際には、全国に分布する普通種だったのだ・・・・


 

シロトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2011年5月27日 白岩森林公園・青森

かなり遠くから見ても、
第一印象は、「何なんだこの模様は!!」である。


 

シロトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2011年5月27日 白岩森林公園・青森

今年1月にまとめて紹介した「昆虫アルファベット」以来、
文字や数字のように見える模様にかなり敏感になっている。
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110213/1/


 

シロトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2011年5月27日 白岩森林公園・青森

直線と曲線が巧みに配置された何とも言えないこの模様から、
一体、何種類の文字や数字が読み取れるのだろうか?

アルファベット: B、C、D、E、I、L、M、O、U、W
数字: 1、3、4、8、9

 

 
シロトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2011年5月27日 白岩森林公園・青森

日本全土に分布するが、例によって、
その模様は、地域によって微妙に違うらしい。

ネットで見る限り、この子の模様が一番良い!!

 

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早春の美しい虫たち⑤/⑧

金色のバランス: ウスベニヒゲナガ


今回の蛾は、ちょっとだけ不思議である。
比較的目立ちやすい金属光沢の体に、
雄は体長の2倍以上ある長い触角を持っている。

昨年、同じ仲間のホソオビヒゲナガガを紹介した。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20100920/1/

このときもそうだったが、正式和名には、
最後のガが、いらないらしい。
したがって、ホソオビヒゲナガウスベニヒゲナガが正しい。

しかし、ネット上では、ほとんど人が、
科名が「ヒゲナガガ科」である影響か、
ガが一つ多いタイトルのような和名を用いているようである。


今回は、雌の写真も撮れた。、
触角は、まあ普通より、やや長いかという程度である。

どうやら雄の長い触角は、
交尾行動に関係している可能性がありそうである。

 

ウスベニヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
 
2011年6月1日 志賀坊森林公園・青森

最初に、見つけたときには、こんな感じで、
白くて必要以上に、長い長い触角が目立っていた。

 
 

ウスベニヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
 
2011年6月1日 志賀坊森林公園・青森

もちろん長い触角は、風の影響か、
あるいは自分で動かしているのか、
ゆらゆら微妙に、揺れていた


 

ウスベニヒゲナガ雌(ヒゲナガガ科)
 
2011年6月1日 志賀坊森林公園・青森

すぐ近くで、雌を見つけた。

こちらは、雄の触角の半分以下の長さで、
根元の半分ほどは、真っ黒だった。




ウスベニヒゲナガ雌(ヒゲナガガ科)
 
2011年6月1日 志賀坊森林公園・青森

別の角度から見ても、明らかに丈夫そうな触角である。

 
 

ウスベニヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
 
2011年6月1日 志賀坊森林公園・青森

最初に、雌雄の触角の長さの違いから、
交尾行動に何らかの関与をしている可能性があると書いた。
 

いつか、それを確かめてみたい。
 

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早春の美しい虫たち④/⑧

普通の非凡: イタドリハム


美麗種として、イタドリハムシを紹介するのは、
友人たちから何を言われるか分からないので、
少しためらったが・・・・

直射日光下でみると、微妙に輝いて見える。

しかし、もうすでに、ネタ切れなのか・・・・

 


イタドリハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 だんぶり池・青森

だんぶり池の林道で、イタドリやスイバの葉を探せば、
必ず見つかると思えるほど、個体数は多い。

 


イタドリハムシ(ハムシ科)
 
2011年6月2日 だんぶり池・青森

ただし、普通に歩いていると、こんな感じに見えるが、
良く目立つのは間違いない。

 


イタドリハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 白岩森林公園・青森

実は、この子は、昨年11月に紹介したように、
日本では珍しいミューラー型擬態の輪に入っている。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101114/1/

このグループは、お互いが毒を持っており、ほぼ同じように見える。
どれかの種の個体が、一度捕食者に食べられると、
その捕食者は、2度とその姿をした個体を攻撃しなくなる。




イタドリハムシ(ハムシ科)
 
2010年5月30日 白神山地・青森

この時期に見かけるのは、どうやら越冬した成虫らしい。
雪に埋もれる白神山地でも、例外ではない。




イタドリハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 白岩森林公園・青森

しかも、偶然とはいえ、選んだ写真が全て左向き!!
そして、さりげなく、手持ちのイタドリハムシの写真を、
数10枚確認してみると・・・・・・・・

これが、イタドリハムシの「ちょっとだけ不思議」なところなのか?
 

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