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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

日本の灯台

日本は島国なので、海岸線を車で走っていると、
昼でも夜でも、普通に、灯台が見えてくる。

どんなに風光明媚な海岸線の中にあっても、
人工物の灯台は、そんなに違和感がない。

軽く調べてみると、灯台は、
日本全国に3000基もあるらしい。

今回は、そんな灯台の中で、
非常にわざとらしく、印象に残った5枚の写真を紹介したい。

別に自慢してるわけではないが、こうしてみると、
自分でも、結構いろいろな所へ行ってるなと思う。

  

納沙布岬灯台
 
2010年7月1日 納沙布岬・北海道

日本最東端の地に位置している洋式灯台。
ちょっと、イメージが違う訳だ。

訪れた日は、一寸先も見えない(?)濃霧であったが、
現地には、薄明るくなったころ到着した。

なんとこの写真の撮影時刻は、午前3時25分である。

さすが日本最東端である。

 
 

西崎灯台
 
2003年4月5日 与那国島西崎・沖縄

日本の最西端にある与那国島。
さらに、その一番西にある西崎(いりざき)灯台。

写真を撮った時刻は、午後7時ころで、
まだまだ明るくて、太陽はなかなか沈まない。

さすが日本最西端である。

 
 

大間崎灯台
 
2008年10月22日 下北半島・青森

本州最北端「沖の弁天島」白黒灯台。

今回は、そんな灯台を「マグロ」と「グー」の間に、
さりげなく配置してシャッターを押してみた。

 


佐田岬灯台

 
2002年8月16日 佐田岬半島・愛媛

地図を見るとよく分かるが、
約40kmのありえないほど細長い佐田岬半島。
その先端近くにある灯台。

一度、九州の臼杵港から、
半島の付け根にある三崎港までフェリーに乗ったが、
船が半島に近づいていくと、フェリー航路の関係で、
最初は灯台が小さな島にあるように見える。

しばらくすると、半島のそばをすり抜けるように航行すると、
上の写真のように見えるので、
「あぁ~、やっぱり半島の先端にあるんだ」と分かる。

 
 

日御崎灯台
 
2007年4月29日 日御崎・島根

資料によると、日本一の高さを誇る石造灯台とのこと。

独身の娘二人を連れて、
縁結びの神様がいる出雲大社に参拝した後、
この灯台を訪れたのが10年以上も前である。

上の写真は、さらなる状況改善のため、
4年前に夫婦で訪れたときのものである。

そして、幸か不幸か、今もその状態は変化していない。

(花婿募集中・・・・)

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不思議な金属光沢のムシ

昨年11月30日に「不思議な金属光沢」で、
衝撃的なを紹介した。

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101130/1/

今回は、なぜ、金属光沢の昆虫がいるのかを、
ちょっとだけ、考えてみたい。


日当たりの良い林道を歩いていると、
意外に多くの昆虫が、キラキラ光っている。

普通に考えれば、
生物ではない「金属のような生物」がいるのは、
さりげなく不思議である。

 

まず、下の写真をご覧ください。

注意して見ると、甲虫、チョウ、カメムシなど、
色んなタイプの金属光沢の生物がいる。
 

ルリハムシ
 
2010年7月5日 室蘭市・北海道

こちらでも、比較的多くの固体が、
ハンノキ(多分)の葉っぱのあちこちで、
キラキラ交尾中・・

 
 

カミナリハムシの一種
 
2010年6月24日 登別温泉・北海道

多分この名前の由来は、ゴロゴロ音を出すのではなく、
光っているからか・・

この仲間は、みんなキラキラで、種の特定は難しい!

 
 

ミヤマカラスアゲハ
 
2010年9月8日 白岩森林公園・青森

昔から、憧れのチョウである。
このキラキラは、晴れた日に飛んでいると、かなり目立つ。

このように、水場に吸水にオスが集まる習性があり、
キラキラ光る水面と関係あるのかもしれない?

 
 

チョウトンボ
 
2010年8月10日 東海村・茨城

トンボも、種類によっては、よく光っている。
この他にも、カワトンボの仲間は、キラキラである。

やはり、川面が光を反射して光るのと関係あるのか?

 


アカガネサルハムシ
 
2010年8月25日 白岩森林公園・青森

赤銅色と金緑色に輝くこのハムシも、
有名なタマムシと同じ色彩パターンを持った
小さな宝石のような美麗種である。

残念ながら、ブドウの害虫とされることもあるが・・・

 


このような金属光沢は、いったいどんな意味があるのだろうか?

実験的に証明するのが難しいが、
捕食者と被食者(食うものと食われるのも)との関係に限ってみれば、
現在以下のような説が出されている。

(1)単純に、キラキラ光るものを、捕食者は食べ物と認識しない。
(2)まわりの葉っぱや水面がキラキラ反射すると、保護色になる。
(3)逆に、そのキラキラがよく目立ち、警戒色となる。
(4)飛翔中にキラキラ光ると、小鳥をおびえさせる。
(5)全体の輪郭がわからなくなる分断色として、機能する。(*1)
  

実際に、上記のどれに相当するのかは、
見る方の捕食者の種類(サイズ、学習能力等)によって、
変わってくるのだろう。

あるいは、捕食者とと被食者との出会いの場面で、
微妙に変わってくるのかもしれない。

比較的多くの昆虫が金属光沢を持ち、その昆虫が、
捕食者にとって有害(不味成分や防御物質)な場合は、
警戒色として機能し、無害(!)な場合は、保護色となる・・・・・

こんなことが本当にあるのだろうか?


(*1) 動物の目は、光と影のコントラストが強いと、
      そこに焦点が合ってしまい、輪郭があいまいになる。
    そうなると、動物は、光るものをひとつの物体(生物)として、
    認識できなくなってしまう。

 

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多摩動物園昆虫館

弘前に住んでいて、寒い~寒い~冬の間は、
さりげなく「水族館」や「動物園のチョウの温室」に行くのがベスト!!

東京にある「多摩動物園」は、軽く遠いが、
土曜・日曜の高速料金1000円ならば、何かの行事と引っかけて、
まあ、比較的簡単に行ける。

今年の冬は、12月と1月の2回、いずれも昆虫園だけ訪れた。

ちなみに、多摩動物園の入園料は、大人600円で、
周辺の駐車場料金は、その倍の1200円(休日)であった。


今回は、昆虫園で見たちょっとだけ不思議な生き物を、
ほとんどが、2枚のガラス越しに、さりげなく撮ったものである。

 


コノハムシ ナナフシ目コノハムシ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

これまでは、隠蔽的擬態の典型のように扱われてきた。

最近は、ペットショップでも販売され、
その人気は、クワガタに迫る勢いである。

ところが、このブログで何回も紹介した、
日本代表のハイイロセダカモクメ君が、
ついに、隠蔽的擬態の代表の座を脅かすところまで来ている(?)

 


ハナカマキリ カマキリ目ヒメカマキリ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

約1カ月の、間をおいて訪れたが、
彼女は全く同じ格好で静止していた。

でも、なんか卵、産んでる!!

攻撃擬態の例として取り上げられることが多いが、
以前述べたように、ピンクの花に静止している場合は、
隠蔽的擬態の典型であると思う。


 

タガメ カメムシ目コオイムシ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

もう20年以上も前の話であるが、
徳島の家でタガメを飼育していたときに、
テレビ局が取材に来たことがある。

その大きさに、当時大人気の女性レポーターが、
かなりオーバーに、ビックリしてくれたのを、覚えている。

自分より大きな獲物を捕らえることも多く、
その獰猛さから「水中のギャング」とも呼ばれるが、
普段はひっそりと、水草の陰に隠れている。

 


ゲンゴロウ コウチュウ目ゲンゴロウ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

タガメほどではないが、実際に見ると、
かなり迫力のある大きさである。

基本的には、水中生活であるが、写真のように陸にも上がり、
夜間の灯火採集でも採れることがある。
 



ナガサキアゲハ チョウ目アゲハチョウ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫生態園

日本では南の個体群ほどメスの白色部が広くなる傾向があり、
九州や沖縄では前翅にまで白い部分が広がる。

特に西表島の個体群は、翅全体に白い部分が広がることで知られる。
これで、オオゴマダラに擬態していると言われているが、
ちょっと、違うか?


冬の動物園に乾杯!!!

 


 

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ちょっと不思議な滝

車でさりげなく走っていると、「・・・・の滝」とかいう看板をよく目にする。
その看板を見ると、そこまでの距離が10km以内なら、
迷わずハンドルを切って、そこへ向かう。

娘は大賛成!!!
妻は微妙???

日本では、ちょっと市街地を離れると、川は急流になり、
そこに注ぎ込む支流には、滝があることが多い。

ただ、そのような滝の場合は、『お宝発見!!』ということは、少ない。

遊歩道や登山道を苦労して登っていくと、
大抵は、「しょぼい滝」が目の前に現れる。


しかし、これから紹介する滝は、ちょっと違って、
なかなかユニークである。

 
 

白糸の滝
 
2010年3月26日 静岡

これまで、数回訪れているが、
そのときの条件がより、全然違う印象を受ける。

水量が多いときには、すごく雄大に見える。
逆に、少ないときには、か細く、繊細である。

早朝の人がいないときと、
遊歩道がすれ違えないほど混んでいるときとでは、
水量は同じでも、見える印象は全く違う。

本当に、「ちょっとだけ不思議な滝」である。

 
 

オシンコシンの滝
 
2009年8月24日 北海道

知床半島の付け根付近にある、
観光バスが止まるほど有名な滝らしい。
いや、滝と言うより、
大量の水が、斜面を滑り落ちてくるイメージだ!

急流と滝の中間の形態を持つ「微妙な滝」である。

 
 

暗門の滝
 
2010年6月13日 青森

白神山地の中心付近にある暗門第3の滝。
今は、立派な登山道が完備されているが、
昔は、簡単には行けなかったと聞く。

その登山道も、6月に雪が完全に溶けて、
整備されるまでは、通行止めである。

 


原尻の滝

 
2005年5月3日 大分

東洋のナイアガラと言われているらしい。
しかし、そのスケールは、
古い言い方であるが、多分「月とスッポン」である。

もちろん本物は見たことがないが・・・

ただ、当日は、周辺が濃い霧で覆われていて、
それが、夜明けとともに少しずつ晴れてきたときの、
ちょっと不思議な感動は忘れられない。


 

那智の滝
 
2002年12月29日 和歌山

日本で最大落差(133m)の有名な滝であるが、
水量のせいか、迫力は「いまいち」である。

写真を撮るのが難しい(?)滝であり、
建物などを同時に写し込まないと、
落差やスケールがわかりにくい。


滝を見ると、なぜか懐かしい。
マイナスイオンは、??????
 

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ハチに擬態する蛾 ホシホウジャクの不思議

ホシホウジャクという蛾がいる。
市街地でも、よく見かけるスズメガの仲間だ。

昨年12月10日に、「不思議な空中吸蜜」で、
紹介した「ハチのような蛾」である。

ちなみに、ホシホウジャクを漢字で書くと星蜂雀となるらしい。

ハチに似るということは、ベイツ型擬態の典型である。


しかし、それだけではない。

このホシホウジャク君の擬態は、
我々の想像の少し上を行く。

 


ホシホウジャク(スズメガ科)
 
2010年11月10日 新木場公園

まるで、ハチのように素早く、
キュインキュインキュイン という感じで、
アベリア(多分?)の花から花へと、蜜を吸い続ける。

 


ホシホウジャク(スズメガ科)
 
2010年11月10日 新木場公園

ハチと違うなと感じるのは、
長く丸まった口吻が見えたときである。

 


ホシホウジャク(スズメガ科)
 
2010年11月10日 新木場公園

ホシホウジャクは、ハチと違って、
このように花から少し離れた位置で、
飛びながら蜜を吸うことができる。

 


ホシホウジャク(スズメガ科)
 
2010年11月14日 中郷SA

この写真は、やや興味深いショットである。

前翅に隠された後翅表面のオレンジ色の模様が見える。

この非常に目立つ模様は、飛び立つ寸前に突然出現するので、
先に目玉模様の進化【1~4】で紹介したように、
外敵の攻撃を、ほんの一瞬ためらわせることができる。

 


ホシホウジャク(スズメガ科)
 
2010年11月14日 中郷SA

通常、ホシホウジャクの成虫は、
気の幹などに、翅を閉じて静止している。

このときは、前翅にある目立たない模様のおかげで、
枯れ葉のように見えるはずである。

これは、典型的な隠蔽的擬態のパターンである。


そして、飛び立つ寸前には、
後翅の表面のオレンジ色の鮮やかな模様を見せる。

この突然見せるという行動は、ビックリ効果を持ち、
捕食者の攻撃を、一瞬だけ躊躇させることができる。


実際に、一度だけホシホウジャクが飛び立つ瞬間を見て、
ちょっと驚いたことがある。
枯れ葉がちょっと動いたのかと思ったが、
はっきりオレンジ色が確認できた。

そして、飛び去っていく姿は、ハチのようであった。

 

このように、ホシホウジャク成虫は、

①気の幹などに静止しているときの枯れ葉のような隠蔽的擬態と、
②飛び立つ寸前のオレンジ色の突然のビックリ効果と、
③蜜を求めて飛びまわっているときのハチのような標識的擬態

三つの効果を合わせ持つ、なんとも贅沢な、そして複雑な色彩なのである。
 

ちょっとだけ、不思議なホシホウジャク君に、
さりげなく拍手をお願いします。
 ↓ ↓

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