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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ちょっと不思議⑥ 多分ハモグリバエ幼虫の食痕


(昨年末からのちょっと不思議シリーズ、再開します)

 


多分ハモグリバエ食痕!!

2013年7月22日 白岩森林公園・青森

緑の葉っぱに、真っ白な波線の模様が見える。

このように、葉っぱに食痕を残す虫は、
ハモグリガ幼虫(チョウ目)と、
ハモグリバエ幼虫(ハエ目)が知られている。

おそらく、これはハモグリバエの食痕だろう。

幼虫が、葉の内部をトンネル状に食い進んでいくので、
緑色の葉に、あたかも白い線を描いたように見えるのである。


どんだけ平べったいのだ!!!

 

 


しかし・・・・

 

軽く調べたネット情報では、
白い食痕は、一筆書きのように線が重ならないはずだが、
この写真は、そんなことはない。

中央部右側に見えるラインは、明らかにクロスしている。

 

 

そして・・・・

 


多分ハモグリバエ食痕!!
 
2012年9月25日 東海村・茨城

これは、また凄いことになっている。

一枚の葉に、何匹の幼虫がいるのだろうか?


こんな状態の食痕は、あまり見かけることはない。

というか、私は初めて見た。

ちょっと不思議!!!

 

  

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枯れ枝? 枯れ葉?? 【その2】


(前回好評につき、続編を!!)

自分の体の色や形を、枯れ葉や枝のように変化させて、
外敵の目を欺き、捕食を免れている虫たちがいる。

そういう事実を知ってしまった私は、今度は逆に、
本物の枯れ葉や枝を見つけても、虫に見えてしまうことがある。

気まぐれに撮った虫のような「本物の枯れ枝や枯れ葉」の写真は、
パソコンの枯れ葉ホルダーに保存している。

今回も、そんな写真を、まとめて紹介したい。

ただ、それだけでは、面白くもなんともないので、
さりげなく、本物の蛾(シャチホコガ科)の写真を混ぜてみた。

 

以下の7枚の写真の中に、「本物の蛾」が混ざっています。
どの写真か、分かりますか?


 

①枯れ枝?

2013年7月22日 白岩森林公園・青森



 

②枯れ枝?

2011年7月13日 網走・北海道



 

③枯れ枝??

2013年8月2日 矢立峠・秋田


 


④枯れ葉??

2013年7月27日 志賀坊森林公園・青森



 

⑤枯れ枝??

2013年9月9日 矢立峠・秋田



 

⑥枯れ葉?

2013年6月12日 安曇野・長野



 

⑦枯れ葉?

2013年6月14日 おぐに林道・山形



 

⑧枯れ葉??

2013年10月10日 十和田湖・秋田


 

 

・・・・・・・・回答です。

 


 

実は、上の写真のタイトル部分に、
【?】マークが、2個ついているのが、
本物の蛾の写真なのである。


③ツマキシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年8月2日 矢立峠・秋田

樹皮が白っぽくなるのは、サクラの枝によく見られる。
この色合いは、まさに桜の枯れ枝だ。

さらに、この蛾の凄いところは、前翅を周辺部でカールさせ、
頭部を枯れ枝の切断部分に似せているところだ。

 

 


④セダカシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年7月27日 志賀坊森林公園・青森

この蛾の「色あいと形状」は、
静止している背景の葉っぱにそっくりである。

しかも、頭を下に向けて、小さな葉っぱにしがみつき、
触角や脚は、微妙に隠している。

 

 

 

⑤シロスジエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

木が腐るときに、コケや菌類が付着して、
こんな色合いになることが多い。

葉っぱの上に、こんな破片をときどき見かけるが、
この蛾が、腐った木の切り株にいたら・・・・

 

 

 

⑧キエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年10月10日 十和田湖・秋田

最初に載せた⑧の写真は、やや反則気味である。
本物の枯葉も、沢山写っているからである。

この写真の紫丸印の中に見える葉っぱが、
本物のキエグリシャチホコです。

(⇒クリックして、拡大してご覧ください)

 

 


⑧キエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年10月10日 十和田湖・秋田

そして、これが、拡大写真です。



さすが、ミラクル擬態!!!


 

             

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謹賀新年

 
 
 
迎春 2014


今年もよろしくお願いいたします。


恒例になった(?)昨年のベスト写真です。

・・・・【~~上】シリーズ?・・・・





昆虫部門:

緑葉上のムラサキシャチホコ

2013年8月14日 宮古市・岩手

まさに、ミラクル擬態の典型。

この蛾の翅は、枯れ葉のようにカールしている訳ではない。
鱗粉の濃淡で、「だまし絵」のように、描いているのだ

ここまでやらなくても、みんな騙されてくれるよ!!

【枯れ葉? ミラクル擬態??】
 ↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130821/1/

 

 


動物部門:

雪上のヤマアカガエル

2013年4月22日 だんぶり池・青森

変温動物のカエルが雪の上を飛び跳ねている。
外の気温は、車の温度計で何と5℃・・・・

はじめて見たときには、ちょっとだけビックリ。

【緊急報告 再びヤマアカガエル】
 ↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130424/1/


 

 


風景部門:

雲上の岩木山

2013年7月27日 志賀坊森林公園・青森

森林公園の展望台から、雲海が見えることも、
岩木山がこのように見えることも、珍しい。

まるで、北アルプスにいるようだ。

【岩木山遠景】
 ↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130731/1/


  

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一瞬の攻防 ハチとクモの戦い

津軽半島の西側の海岸線、ベンセ沼の遊歩道で、
ようやく気温が下がりはじめた頃、
黄色と黒色のベッコウハチを見つけた。

 



2013年7月15日 ベンセ沼・青森

この色合い(組み合わせ)は、
教科書に載っているような警戒色の典型・・・

でも、このハチの正確な種名が分からない。

この仲間は、ベッコウバチと呼ばれていたが、
最近になって、ベッコウクモバチという呼称に変わったようだ。

 

 

 

キスジベッコウ(ベッコウバチ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

手持ちの図鑑には、翅の黄色いベッコウバチは載っていないし、
ネットで検索しても、よく似た種はヒットしなかった。


12月になって、弘前市の山田雅輝氏とお会いする機会があり、
この写真を見ていただいて、写真だけの同定をお願いした。

山田氏は、キスジベッコウだと思うが、
詳細は「写真を持ち帰って調べてから」と即答を避けられた。

後日、「これは、やはりキスジベッコウであり、
私も、津軽半島西岸で見かけている種であるが、
青森県では、稀な種である」とのご連絡をいただいた。

 

 

話は、これでは終わらない・・・・・?

 

 

上のハチを見かけた後、全く偶然に、
ハチとクモの瞬間的な戦い(バトル?)を見かけた。

 

 

キスジベッコウ(ベッコウバチ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

この写真を撮ったのは、バトル直後の状態である。

本当に、一瞬の接触で終わってしまった。
無理やり例えて言うなら、
昔、映画で見た「座頭市の居合い抜き」のようであった。


あまり大きくない捕食者が、どのような種であっても、
クモを捕獲するという行動は、かなりの危険を伴うだろう。
一歩間違えば、逆に餌にされてしまう可能性があるからだ。

ここが、通常の捕食者と被食者の関係とは、大きく異なるところだ。
⇒カマキリがバッタを捕まえるのとはわけが違う!!

 

 

 


キスジベッコウ(ベッコウバチ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

もちろん、クモを狩るのは、幼虫のエサにするためだ。

通常は、自分よりも体重が重い麻痺したクモを、
砂地に作った巣穴に運んで、卵を1個だけ産むのだ。

成虫は何を食べているのか、ちょっと不思議だが、
捕えたクモを、そのまま食べることは多分ないのだろう。

 

 

 

キスジベッコウ(ベッコウバチ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

どうやってクモを運ぶ様子を見たくて、
しばらく観察を続けることにした。

しかし、その後、数分間は、両者ともほとんど動かなかった。

もちろん、クモは、動けなかったのかもしれないが・・・

 

 

 

キスジベッコウ(ベッコウバチ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

ハチだけが、ときどき付近を歩いていたが、
全く動かないクモに触れることはなかった。

それとも、あまりの大物に運ぶのを、躊躇したのだろうか。

 

・・・・・・・・・

 

すぐ近くで、アオクチブトカメムシの食事中の写真を撮って、
数分後、戻ってみると、両方とも姿が見えなくなっていた。

・・・・・・・残念!!!

      

 

 

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ちょっと不思議⑤ ニシキギの枝

カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
何か、得体のしれないものに出会うことがある。

その場では、なんだか全く分からないこともあり、
さりげなく写真だけは撮っておいたりする。

 


何だ!! これは??

2013年8月4日 ひたちなか市・茨城

木の枝に、虫の卵のようなものが見える。
少なくとも、カマキリの卵のうではなさそうだ。

仮に何らかの卵(卵のう)だとしても、
ちょっと数が多すぎる?


前回に続いて、また「虫えい」なのか?

 

 

 

ニシキギ(ニシキギ科)

2013年8月4日 ひたちなか市・茨城

近づいてよく見ると、虫の卵ではなさそうだし、
虫が関係する「虫えい」でもないようだ。

 

例によって、家に帰ってから調べてみると・・・


どうやら、この不思議な平べったいものは、
ニシキギの枝にしか見られない「コルク質の翼」のようだ(注)

 


 

 

ニシキギ(ニシキギ科)

2013年9月29日 国見SA・福島

キバラヘリカメムシの集団が邪魔で見にくいのだが
寄主植物のニシキギには、ほとんどの枝に、
コルク質の翼が認められることが分かった。

まさか、このブログで、こんな発言が飛び出すとは、
全く信じられないことなのであるが・・・




 

 

ニシキギ(ニシキギ科)

2013年9月29日 国見SA・福島

本当に見事な翼だ!!!

もちろん、コルクそのものは、
細胞壁が厚くなった死んだ細胞である。

ここが、前回までの「虫えい」とは違うのだ。

 

 

 

ニシキギ(ニシキギ科)

2013年9月29日 国見SA・福島

なぜ、エネルギーを無駄に使ってまで、翼を作るのだろうか?

⇒素人がちょっとだけ考えてみると・・・・

 1)コルクで 補強することにより、枝の強度を増す。
 2)バラのとげのように、草食動物から食べられるのを防ぐ。
 3)毛虫やイモムシが枝を歩きにくくする。
 4)太陽の熱を受けやすくする。
 5)逆に、放熱板の役割もする。 ⇒植物も体温(?)調節するのか?

こんことしか、思い浮かばない。


もちろん、コルクの翼を持つことが、ニシキギの生存にとって、
何の意味もない可能性だって、十分ありうるのである。

ニシキギの枝から、この翼を取ってしまっても、
その枝の成長が衰えたり、枯れてしまうようなこともないようだ。


⇒かなり不思議????

 

 

(注)ニシキギ Euonymus alatus の種内変異では、
   ケコマユミ、ケニシキギ、オオコマユミなどが知られている。
   ただし、これらのほとんどは、ニシキギのようなコルクの翼は持たない。
   
   また、ニシキギの中でも、コルク層の著しく発達するものから、
   それほどでもないものまで、変異が見られるので、
   ニシキギの翼は、一種の奇形と位置づけられるようだ。

   さらに、この翼は、鑑賞的価値が高いので、
   人為的に繁殖を助けられたこともあり、
   世の中に、広く分布するようになったとされる。

   

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