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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ちょっと不思議④ ヤナギの虫えい

カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
何か、得体のしれないものに出会うことがある。

その場では、なんだか全く分からないこともあり、
さりげなく写真だけは撮っておいたりする。

 

 

果実?

2013年7月20日 弘前市・青森

弘前市内の自宅から、歩いて1分ほどの雑草地で、
何かおいしそうな果実を見つけた。

でも、植物は、ヤナギ???



 

 


果実??

2013年7月20日 弘前市・青森

近づいて、よく見ると、
一枚の葉っぱを挟み込むような「不思議な果実」?



 

 


果実? 違う!!

2013年7月20日 弘前市・青森

しかし、これは、果実の付き方ではない。

前回紹介した桜の葉っぱと同じように、
植物の方が、虫によって、
異常に反応を起こした「虫えい」のようだ。

葉っぱの裏側と表側の両方にふくれているので、
ヤナギハアカコブフシというのが、
図鑑の絵合わせでは、一番近いような気がする(注)





 


ヤナギハアカコブフシ(コブハバチ幼虫)

2013年7月20日 弘前市・青森

割ってみると、かなり広い部屋の中に、
多分コブハバチの幼虫が一匹だけいた。

葉っぱの内部に、ハバチの1種が卵を産み付け、
植物組織が異常な発達を起こして、このように形になるのだ。

このような見た目の変化は、実に興味深い現象であると思う。

虫と植物の関係の中で、植物を食べる虫の方が、
餌である植物に働きかけて、その組織を変更させ、
自分の住む隠れ家を作らせているのだ。

 

 


(注)この名前は、初めての人には何の事だか分からないかもしれない。
    手持ちの図鑑によると、虫えいの命名法は、
   
寄主植物名形成される部分形態的特徴フシ
   の順で名付けられることが多いようだ。
   だから、この名前は、柳(ヤナギ)の葉()に作られた、
   瘤状(コブ)の虫えい(フシ)ということになる。
   

      
   

 


 

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ちょっと不思議③ サクラの虫えい

カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
何か、得体のしれないものに出会うことがある。

その場では、なんだか全く分からないこともあり、
さりげなく写真だけは撮っておいたりする。

 

 

警戒色のイモムシ?

2013年7月15日 鶴田町・青森

こんな雰囲気のチョウ目の幼虫を、
どこかで見たことがある。

今にも、歩き出しそうな感じだが、
近くに食痕が全く見当たらない・・・

 

 

 


アブラムシの虫えい!!

2013年7月15日 鶴田町・青森

近づいてみると、明らかに葉っぱそのものが、
イモムシのように盛り上がっているだけだ。

ちょっとだけ不気味だが、これは「虫えい」だろう。

盛り上がりの前後が黄色に変色し、
中央部は、赤褐色の模様(?)になっているので、
よく見られる全体が緑色の「虫えい」とは、
全くイメージが違うと思う。

 

 

 


多分サクラハトサカフシ

2013年7月15日 鶴田町・青森

近くの別の葉っぱを探すと、さりげなく、いた。

このような虫えいは、サクラの葉っぱで、よく見かける。

ただ、この写真は、イモムシに似ていない?!

 

家に帰って、図鑑で調べてみると、間違いなく(?)、
アブラムシが作り出した「虫えい(gall)」であった。

おそらく「サクラハトサカフシ」と呼ばれるものだろう(注)

 

葉っぱの内部に、アブラムシが卵を産み付けることによって、
植物組織が異常な発達を起こして、このように形になるのだ。

このような見た目の変化は、実に興味深いも現象であると思う。

虫と植物の関係の中で、植物を食べる虫の方が、
餌である植物に働きかけて、その組織を変更させ、
自分の住む隠れ家を作らせているのだ。


これから、「虫えい」については、
ときどきこのブログでも取り上げる予定だが、
植物側の反応が、かなり複雑であり、
多種多様な形状に、自分の体を変化させるのが、
さりげなく、素晴らしいと思う。

 

(注)黒石市のnabita氏の情報により、同定することができた。
   この名前は、初めての人には何の事だか分からないかもしれないが、
   手持ちの図鑑によると、虫えいの命名法は、
   寄主植物名形成される部分形態的特徴フシ
   の順で名付けられることが多いようだ。
   だから、この名前は、桜(サクラ)の葉っぱ()に作られた、
   トサカ状(トサカ)の虫えい(フシ)ということになる。
   

   


 

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ちょっと不思議② ササの葉の食痕

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この記事は、新ブログへの移行に伴い、写真を最新のものに入れ替えて、
サイズも大きくして見やすくし、説明文も加筆・修正を行っています。

お手数ですが、以下のURLをクリックして、新ブログ記事の方をご覧ください。

【ササの葉の一列穴(改訂)】
  ↓   ↓   ↓
 http://sallygenak.livedoor.blog/archives/2019-09-28.html

もちろん、そのまま下にスクロールしていただければ、
元の記事をご覧になることもできます。
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カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
何か、得体のしれないものに出会うことがある。

その場では、なんだか全く分からないこともあり、
さりげなく写真だけは撮っておいたりする。

 


何だ! これは??

2013年8月12日 蔦温泉・青森

ササの葉っぱの中央部分を、横断する穴が見える。

このようなササの葉っぱは、比較的多く見かける。
たまに、小さな丸い穴も見かけるが、ほとんどが、
一直線に真横に並んだ(四角の大きな)穴だ。


ちょっとだけ、異様な雰囲気だ。

 

 

ん!!!

2013年8月12日 蔦温泉・青森

近づいてよく見ると、穴の大きさは、
左から右へ少しずつ大きくなっている。

一体、だれが何のために明けた穴????

 

 


葉が開く前のササ?

2010年7月5日 伊達市・北海道

これは、まだ幼いササの葉が広がる前、
こんな状態のときに、何らかの食葉性の虫が、
例えば、赤矢印の箇所から、一直線に内部に、
食べ進んで、開けた穴だったのだろう。

 

 


しかし!!

2013年8月12日 蔦温泉・青森

でも、ササの葉を食べた犯人(虫)は、
一か所だけ、穴が開く程度しか、
ササの葉を食べていない。

そんなに大きな虫ではないような気がする【注】

 

 


微妙に立っている?

2010年7月4日 室蘭・北海道

このような食痕がどうやってできるのかを、もう少し考えてみる。

実際に、紙で模型を作って、切り取ってみると、
ほぼ同じような雰囲気の穴を作りだすことができる。


犯人(幼虫?)が、おそらくまだ柔らかい葉の外側(=外周)を食べ進まずに、
葉の内部へと穿孔していくのが、まず不思議である。
さらに、「中心部分までしか穿孔しない食べ方」をしていて、
反対側へ突き抜けることはない。

あなが四角くなるので、中心部分まで穿孔した幼虫は、
その後、穴を広げながら、食べ続けるようである。

このように、内部に穿孔する食べ方の方が、
外敵に見つかりにくいのかもしれないが、
それにしても、不思議な食べ方だ。

 

 

しかし!!!

 

 

ちょっと不思議??

2013年8月8日 志賀高原・長野

この写真をよく見ると、何と穴が開いていないのだ!!

イメージは、ひとつ上の写真と同じなのだが、
この写真で見る限り、3ヶ所の食痕(?)には、
葉っぱに穴が開いていないのだ。

一体どうやったら、葉っぱを貫通しない食痕ができるのだろうか?

 

 

【注】ササの葉を食べるチョウ目の幼虫は、
   ジャノメチョウの仲間が有名である。

   だから、穴が一直線に開くこのような食痕は、
   ヒカゲチョウの幼虫によるものとされることもあるが、
   幼虫サイズや食べ方の違いから、
   おそらく真犯人(?)ではないと思う。

   一方、同様にササが食草である、
   ホソハマキモドキの幼虫が開けた穴とされることもあるが、
   こちらも、おそらく製造現場を直接観察した人は、
   いないのかもしれない。




追記(2015年6月17日)

以下の記事を追加しました。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150617/1/

このような穴に関しては、カミキリ類の後食痕でも、
全く同じような状況が起こる可能性があることを、
3回に分けて、詳細な記事にしましたので、ぜひご覧ください。

 

     

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ちょっと不思議① 多分トリノフンダマシの卵のう

 カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
何か、得体のしれないものに出会うことがある。

その場では、なんだか全く分からないこともあり、
さりげなく写真だけは撮っておいたりする。


今回から、そんな写真をまとめて紹介したい。

 

 

何だ??

2013年9月11日 白岩森林公園・青森

真ん中の丸印の中に、変なものが・・・

 

 

えっ!!

2013年9月11日 白岩森林公園・青森

植物の種のようにも見えるし、虫の蛹にも見える。

 

 

 

多分トリノフンダマシの卵のう

2013年9月11日 白岩森林公園・青森

この独特の形態は、トリノフンダマシか、
あるいはオオトリノフンダマシのいずれかである。

ただし、卵のうだけでは、簡単に識別はできない(と思う)。


何故、空中に浮かせる必要があったのだろうか?

 

 

 

多分トリノフンダマシの卵のう

2013年9月11日 白岩森林公園・青森

すぐ近くで、別の卵のうを発見。

こっちの方が、支えの糸が弛んでいる?


結構不安定な、広葉樹の葉っぱに固定されているだけなので、
このまま冬を越すのではなさそうである。

 

 

 

多分トリノフンダマシの卵のう

2012年10月10日 白岩森林公園・青森

こちらは、雨風に耐えてきたという感じで、
ちょっと傷だらけ?

 

 


多分トリノフンダマシの卵のう

2012年10月10日 白岩森林公園・青森

すぐ近くで、2個ならんでいるのを発見。

この間隔だとだと、もしかしたら、
同じ雌が、同時に2個産んだのかもしれない。

 

 


トリノフンダマシ(コガネグモ科)

2012年8月6日 金山町・秋田

そしてこれが、有名な(?)成虫である。

こちらは、間違いなくトリノフンダマシであるが、
青森県には、オオトリノフンダマシもいるらしいので、
これらの卵のうが、どちらのものかは、結局分からない??

 


過去記事も、ぜひご覧ください。

鳥のフン擬態【3】 トリノフンダマシ
↓  ↓  ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120821/1/

       

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富士山に擬態する山

日本には、世界遺産の「富士山」に良く似た山が、
おそらく全国各地に「~~富士」として存在する。

このブログの流れで言うならば、
富士山に擬態している山と言える(?)写真は、
パソコンの「偽富士ホルダー」に保存している。


今回、そんな山の写真を、前回の枯れ葉に引き続いて、
まとめて紹介したい。

ただ、それだけでは、面白くもなんともないので、
さりげなく、本物の富士山の写真を混ぜてみた。

 

以下の8枚の写真の中に、「本物の富士山」が混ざっています。
どの写真か、分かりますか?

 

 

写真① 富士山?



写真② 富士山?



写真③ 富士山?



写真④ 富士山??



写真⑤ 富士山??



写真⑥ 富士山?



写真⑦ 富士山??



写真⑧ 富士山?



写真⑨ 富士山?


 

 

・・・・・・・・・・・回答です。

 

実は、上の写真のタイトル部分に、
【?マーク】が、2個ついているのが、
本物の「富士山」の写真なのである。

まあ、ミラクル擬態とは、とても言えないが・・・

 

 

写真① 羊蹄山 2008年11月11日 洞爺湖・北海道
⇒この景色を初めて見たときは、本当にびっくりした。
 頂上付近に雪が積もった様子が、絵ハガキで見る富士山だ。


写真② 伯耆大山 2007年4月29日 伯耆町・鳥取
⇒大山は、見る角度(方向?)で、まるで別の山のように見える。
 ここ方角から見たときだけが、富士山だ。


写真③ 開聞岳 2010年1月10日 池田湖・鹿児島
⇒付近で車中泊して、明るくなった時間に撮った写真。
 下の写真と雰囲気がにているが、やはりスケールが違う。 


写真④ 富士山 2007年8月12日 西湖・山梨
⇒上の写真と同じ状況で採った写真である。
 手前に写ってる車の持ち主は、ほとんどが釣り人のようだ。


写真⑤ 富士山 2010年3月26日 河口湖・山梨
⇒多分頂上付近は、3月も終わる頃なのに、猛吹雪だろう。

 背景はまさに快晴の空なのに・・・


写真⑥ 岩手山 2008年9月28日 岩手山SA・岩手
⇒高速道路のサービスエリアから、普通に見えるこの山も、
 見る方角によって、その雰囲気が全く異なる。


写真⑦ 富士山 2009年9月21日 裾野市・静岡
⇒周遊道路にある駐車場から撮った富士山。
 まるで砂山が崩れるときのような「えぐれ部分」が痛々しい。


写真⑧ 岩木山 2012年10月10日 志賀坊森林公園・青森
⇒津軽富士と呼ばれるこの山は、どこから見ても富士山のように見える。
 旅行から帰ってくるとき、この景色を見るとほっとする。


写真⑨ 不明山 2008年6月26日 瀬戸内海・香川
⇒瀬戸内海に浮かぶ島も、場合によっては富士山に見える。
 残念ながら、この島(山?)の名前は分からない。

        

 


 

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