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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

真昼の訪問者? ヨコヅナサシガメ

今から数十年前、ヨコヅナサシガメは、
少なくとも、東京にはいなかった侵入害虫である。

九州でもかなりの珍品で、サイズ的にもあこがれの虫であった。


おっと間違えた!! 
サシガメ類は、害虫を捕食するので、
少なくとも、侵入害虫とは言わないのか・・・

でも侵入益虫と言うのも、何となくおかしいかので、
普通に外来種で良いのか?

 


ヨコヅナサシガメ成虫(サシガメ科)

2013年6月1日 東海村・茨城

その名前のとおり、大型の強そうなサシガメ。

腹部の側面が大きく外側に張り出して、
その部分がは、黒と白の不気味な縞模様になっている。

この格好で、予想外に機敏に動き、他の小昆虫を捕獲し、
口吻を突き刺して、体液を吸うのだ。

近年、急速に分布が増加したようで、
東京付近はもちろん、茨城県でもみられるようになった。
比較的大きな肉食性の種なので、在来種(ライバルや餌種)に、
どの程度の影響を与えるか、注目される(注)

 

 

 

ヨコヅナサシガメ幼虫集団

2013年8月4日 ひたちなか市・茨城

こんな不気味な恰好をした幼虫も、茨城県内の雑木林や公園で、
サクラやケヤキなどの樹皮の割れ目や、
大木の幹のくぼみを探すと、比較的簡単に見つかる。

 

 

 

ヨコヅナサシガメ幼虫集団

2013年8月4日 ひたちなか市・茨城

肉食性の昆虫にしては珍しく、
幼虫時代は、集団で生活するようだ。

よく見ると、この集団の中には、
真っ赤なテネラル個体が混じっている。

あまり密集しない集団内で、さりげなく脱皮するようだ。

 

 


ヨコヅナサシガメ脱皮中

2013年9月28日 東海村・茨城

別の公園で、偶然にも、脱皮中の個体の写真が撮れた。

こんな感じで、結構目立つ場所なのに、
真昼間から、堂々と脱皮している。

 

 


ヨコヅナサシガメ脱皮中

2013年9月28日 東海村・茨城

これは、かなり無防備な状態での脱皮であり、
しかも付近には、沢山のアリがウロウロしている・・・・


襲われる可能性は、十分あると思うのだが、
予想以上に素早く脱皮は、完了するようだ。

 

 


ヨコヅナサシガメ脱皮後

2013年9月28日 東海村・茨城

このような状態になれば、おそらく、
アリに襲われることもないのだろう。

 

(注)そういえば、東海村にあるこの公園では、
   他種のサシガメを見ることはなかった。

   外来種であるヨコヅナサシガメは、
   多少とも、ライバル(?)の在来種に、
   影響を与えているのだろうか?

     

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真夏の昼の夢? ヤブキリとエゾゼミ

今回の写真は、かなり刺激的である。

現場を目撃し撮影した私でさえ、
ちょっとだけ戦慄を覚えるような写真である。


決して、小さなお子様には、見せないように!!

 


⇒(いや、もしかしたら、見せた方が良いのかも・・・後述)

 

 

ヤブキリ(キリギリス科)

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

普段見慣れない場所にいるヤブキリ。

ちょっとだけ殺気!!!
(いつから? ⇒○○○から!) 

 

 

エゾゼミ(セミ科)

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

こちらは、もっと見慣れない場所いるエゾゼミ。

ちょっとだけ、疲れている(?)ような・・・

 

 

ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

このツーショットから、予想外の展開が?!


 

 

ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

いきなりのあびせ倒し!!!!

ヤブキリは、基本的に肉食性なので、
動物性タンパクを摂らないと生きていけない。

 



ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

翅が写らないほど、必死にもがくエゾゼミ・・・

 

 


ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

ちょっとだけ身震いするような戦慄!!

 

 

ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

プロレスのスリーカウントを、
かろうじて逃れるような雰囲気。

 

 

ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

まだ、かすかに翅を震わせて抵抗するエゾゼミ。

 

 


ヤブキリとエゾゼミ

2013年9月4日 志賀坊森林公園・青森

これが、現実なのだ!!!!

まさか、ヤブキリがセミを襲って食べるなんて!!!

 


最初に書いたように、この写真を、
子供に見せるかどうかについては、
いろいろな状況が考えられる。

今の子供たちは、ゲームの世界で戦争ゴッコをやり、
その中で、何のためらいもなく人や動物を殺し、
うまくいかなくなると、簡単にリセットボタンを押す。


だから、子供のときから、
「生きるということ」
「生きるためにしなければいけないこと」
「生き物とは、こういうもの」
こんなことを、分かってもらうために、
命の大切さを、まだ理解できない子供たちに、
さりげなく見せるような写真なのかもしれない。

      

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目立ちたいの? 目立ちたくないの? オオエグリシャチホコ

シャチホコガ科に属する蛾は、
幼虫も成虫も、形態や色彩が多種多様で、
ちょっとだけ不思議な雰囲気を持っているものが多い。

 

このブログでは、何種か紹介してきたが、
今回は、オオエグリシャチホコという蛾の成虫である。

 

 

ん!

2013年6月12日 安曇野・長野

松本から乗鞍へ向かう途中にある道の駅「風穴の里」で、
まるでミノムシのような蛾を見つけた。

 

 


オオエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月12日 安曇野・長野

近づいて、斜めからよく見ると、
図鑑で見てから、写真を撮りたいと思っていた
オオエグリシャチホコだった。


例によって、説明がうまくないのだが、
枯れ葉のようなうす茶色の身体に、
細い葉っぱのような縦筋が沢山あり、
数か所に、濃いめの横筋が入っている。
背中の数か所に微妙な盛り上がりがあり、
体の前後は、先端が二つに割れた突起があって、
多少とも、蛾の輪郭を消している。

ちょっとだけ不思議な姿かたち・・・・

 

 


オオエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

上の写真を撮った日から約10日後、
今度は、いつもの矢立峠の道の駅のトイレの壁で、
偶然、この子を見つけた。

上から見下ろすような位置に止まっていたので、
こんな写真になったが、枯れ葉のイメージは全くなくなり、
ネコ科の動物の顔のようにも見える。

前方から近づく、小さな捕食者は、ちょっと躊躇する?

 

 


オオエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

ちょっと雰囲気の違う別個体もいたが、
こちらは、思わず、大好きなエビフライの
調理前の姿を連想してしまった・・・

この子は、見る角度によって、印象が大きく変化する!!!


 
  


オオエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

例によって、いったい何故、こんな姿かたちなのか?

やっぱり、枯れ葉に似せることで、
鳥などの捕食者には、よく目立つが食べ物と認識されないような、
(ムラサキシャチホコやツマキシャチホコと同様に!!)
いわゆる「非食物擬態」の範疇に入れるべきなのだろう。

   

 

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目立ちたいの? 目立ちたくないの? ツマアカシャチホコ

シャチホコガ科に属する蛾は、
幼虫も成虫も、形態や色彩が多種多様で、
ちょっとだけ不思議な雰囲気を持っているものが多い。

 

このブログでは、何種か紹介してきたが、
今回は、ツマアカシャチホコという蛾の成虫である。

 

 


枯れ葉??

2013年7月27日 白岩森林公園・青森

公園の看板に、落ち葉が引っかかってる?

 

 

 

ツマアカシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年7月27日 白岩森林公園・青森

近づくと、枯れ葉ではなく、どうやら蛾のようだ。


それにしても、何なんだ、この奇妙な姿は!!

 

 


ツマアカシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年5月29日 矢立峠・秋田

例によって、説明がうまくないのだが、
枯れ葉のような色合いの身体に、白い筋があり、
数か所に、染みののような濃褐色部分が見え、
背中の部分が、盛りあがって、
しかも、腹端を持ち上げている。

昔から、シャチホコガという名前は、
幼虫の姿から、付けられたと思っていたが、
この子がそのまま、名古屋城の天守閣にいても、
おかしくないだろう?!?!

ネット検索では、幼虫は普通のケムシのようである。

 


ツマアカシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年5月29日 矢立峠・秋田

名前の「ツマアカ・・」の意味が良く分からないが、
先端近くに、赤い数個の紋が見えるので、
これから来ているのだろう(注)


しかし、何か・・・・・・
もっとインパクトのある名前は、どうなのだろうか?

 

 

 

ツマアカシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年5月29日 矢立峠・秋田

例によって、いったい何故、こんな姿かたちなのか・・・・

やっぱり、枯れ葉に似せることで、
鳥などの捕食者には、よく目立つが食べ物と認識されないような、
(ムラサキシャチホコやツマキシャチホコと同様に!!)
いわゆる「非食物擬態」の範疇に入れるべきなのだろう。

 


(注)実際に図鑑で、展翅された標本写真を見ると、
   前翅の先端に赤い模様が見える。
   でも、図鑑の展翅写真しか見たことのない人は、
   上の生態写真の姿が想像できるのだろうか?


    

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目立ちたいの? 目立ちたくないの? ハガタエグリシャチホコ

シャチホコガ科に属する蛾は、
幼虫も成虫も、形態や色彩が多種多様で、
ちょっとだけ不思議な雰囲気を持っているものが多い。

 

このブログでは、何種か紹介してきたが、
今回は、ハガタエグリシャチホコという蛾の成虫である。

 


ん!

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

植物の果実?

 

 


んん!!??

2012年8月3日 白布温泉・山形

じゃ、これは??

ウロコのような感じが良く似てる!!

 

 


ハガタエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2012年8月3日 白布温泉・山形

真上から見ると、前方に脚が見える。

このような鮮やかな模様は、何かに似せているのだろうか?

 

 

 

ハガタエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2012年8月3日 白布温泉・山形

近づくと、頭から胸にかけて、独特の飾り毛が見える。


もし、直射日光下にいたら、サイケデリック(死語?)な模様が、
微妙に光を反射して、よく目立ちそうだ。

逆に、多少薄暗い木漏れ日の中にいたら、
背景に溶け込んで、枯葉のように見えるのだろうか?


こんな微妙な雰囲気の蛾は、あまり例がないだろう(多分!?)。
だから、他の虫には真似のできない「不思議な魅力」があるのだ。

 

 


この色は、目立たせないようにする保護色なのか?

あるいは、逆に目立たせるような警戒色なのだろうか?

まるで正反対の色彩であるはずなのに・・・・・・

 

 

(現時点での結論?)

 

 

ハガタエグリシャチホコ(シャチホコガ科)

2012年8月3日 白布温泉・山形

やっぱり、最初の写真のような植物の果実に似せて、、
鳥などの捕食者には、よく目立つが食べ物と認識しないような、
(ムラサキシャチホコやツマキシャチホコと同様に!!)
いわゆる「非食物擬態」の範疇に入れるべきなのだろう。

幼虫は、カバノキやクルミなどの葉を食べるようだが、
成虫の模様は、それらの果実に多少とも似せているのかもしれない。

 

     

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