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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

枯れ葉のような蛾【2】 マエキカギバ

コノハチョウやアケビコノハのように、
枯れ葉に擬態する虫は多く、隠蔽的擬態の好例とされる。


だから、「枯れ葉に擬態する虫は、枯れ葉の上に居ないと意味がない」

・・・・こんな表現を、ネット上では、しばしば見かける。

 

これ、本当だろうか?

 

確かに、緑色の葉っぱの上に、枯れ葉に擬態してる虫がいれば、
逆に良く目立ってしまう印象がある。

でも、下の写真のように、緑の葉っぱの上にある枯れ葉は、
良く目立っても構わないのだ。

 

 

 

枯れ葉??
 
2012年6月7日 芝谷地湿原・秋田

枯れ葉が緑の葉っぱに落ちている。

これは、良く見かける光景である。

(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)

 

 

枯れ葉????
 
2012年7月4日 白岩森林公園・青森

これは、どうだ??

どうやら、これも枯れ葉のようである。

(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)

 

 


マエキカギバ(カギバガ科)
 
2012年6月7日 芝谷地湿原・秋田

では、これはどうか?

ちょっと、蛾のような感じがする??!!

(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)

 

 


マエキカギバ(カギバガ科)
 
2012年6月7日 芝谷地湿原・秋田

これは、間違いなく蛾だ!!!

 

 

ウスイロカギバ(カギバガ科)
 
2012年6月7日 芝谷地湿原・秋田

しかし、どちらかと言うと、枯れ葉だ!!!

 


このように、緑色の葉っぱにある目立つ枯れ葉は、
食べられないものとして大きくアピールしているのだ。

世の中に枯れ葉を食べる動物(捕食者)なんていないからだ。


これは、むしろ標識的擬態になるのかもしれない。


良く目立つが、それは無視する対象なである。

だから、葉っぱの上にある鳥の糞と全く同じで、
それに擬態する虫たちも多いのだ。


(前回と本文が一部ダブっていますが、手抜きではありません)

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枯れ葉のような蛾【1】 ウスイロカギバ

コノハチョウやアケビコノハのように、
枯れ葉に擬態する虫は多く、隠蔽的擬態の好例とされる。

 

だから、「枯れ葉に擬態する虫は、枯れ葉の上に居ないと意味がない」

・・・・こんな表現を、ネット上では、しばしば見かける。

 

これ、本当だろうか?

 

確かに、緑色の葉っぱの上に、枯れ葉に擬態してる虫がいれば、
逆に良く目立ってしまう印象がある。

でも、下の写真のように、緑の葉っぱの上にある枯れ葉は、
良く目立っても構わないのだ。

 

 

 


枯れ葉??
 
2012年6月7日 芝谷地湿原・秋田

枯れ葉が、緑の葉っぱの上に落ちている。

これは、良く見かける光景である。

(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)

 

 


こっちはどうかな???

2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

枯れ葉のように見えるが・・・・

どうだろうか????

(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)

 

 

ウスイロカギバ(カギバガ科)

2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

これは、葉っぱが2枚重なっているように見えるが、
実は、ウスイロカギバという蛾なのだ。

 

 


ウスイロカギバ(カギバガ科)
 
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

良く見れば、葉っぱが2枚重なったのではなく、

雄と雌が交尾しているのだ。

 

 


ウスイロカギバ(カギバガ科)
 
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

これだけ近づいて、じっくり見れば、枯れ葉には見えない。

明らかに蛾である。

 

このように、緑色の葉っぱにある目立つ枯れ葉は、
食べられないものとしてアピールしているのだろう。

世の中に枯れ葉を食べる動物(捕食者)なんていないからだ。


これは、むしろ標識的擬態になるのかもしれない。


良く目立つが、それは無視する対象なのである。


だから、葉っぱの上にある鳥の糞と全く同じで、
それに擬態する虫たちも多いのだ。

 

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そんなに集まらなくても!!!

色々な理由で、集団になる虫たちがいる。

 

まず、下の写真の集団は、何となく愛嬌がある。


フキバッタ幼虫(バッタ科)
 
2012年6月14日 白岩森林公園・青森

その名のとおり、大きなフキの葉を食べる。

葉っぱの端から食べ始める習性がある場合には、
最初は、集団になって食べる方が、
(結果的に端っこが沢山できるので?)効率が良いのだろう。

しかし、フキバッタの場合には、別に、
規則正しく並ぶわけではなく、葉っぱの中程からでも、
十分に食べ始めることができるようなので、
写真のように、自由自在に、食べまくっている。


カメラを向けると、ほんのちょっとの気配を察知して、
とりあえず、ピョンピョンとあちこちに分散してしまう。

 

 

オビカレハ幼虫(カレハガ科)

2012年5月23日 長者原SA・宮城

この子たちは、全く逆に、整然と並んでいる。

というか、この長さで、整然と並んでいない状況は、
どうなってしまうのか、すぐには想像できない・・・・

後ろの枝にも、ピンボケであるが、
整然と並んでいるのが分かる。

直接間近で見ると、写真では伝わらない迫力がある。

 

 


多分クリオオアブラムシ(アブラムシ科)
 
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

アブラムシの仲間は、
特に、無性生殖でどんどん増えるときには、
このように、密な集団になることが多い。

真っ黒な大型のアブラムシが集まると、
ちょっとだけ不気味である。

天敵からのエスケープにもなっているのか・・・

 

 

マルカメムシ(マルカメムシ科)
 
2012年5月29日 南湖公園・福島

カメムシの仲間も、幼虫期には、
集団になることが多いが、成虫になっても、
そのまま集団を維持する場合もある。

でも、マルカメムシが、
このように密な大集団になることは、
比較的珍しいようである。

 

 

オオツマキヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

このブログで、何回も紹介したオオツマキヘリカメムシ。

典型的な交尾のための集団である。

いわゆるハーレムではない状態であり、
ほぼ全ての個体が、寄り添うように交尾している。

一体どんな意味があるのだろうか?

 

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マツシタトラカミキリ? ムネアカオオアリ??

アリに擬態して、身を守る虫は、意外と多い。

このブログでも、つい最近紹介したところである。
↓   ↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120611/1/

 

このときは、アカネトラカミキリであったが、
実はあまり似ていなくて、それでも擬態として、
十分機能してるはずだと思っていた。


そして、そのページの最後に、
これ以上良く似ている場合には、それは、
ミラクル擬態の範疇に入るだろうと書いた。

 


それから、わずか一週間後に、白岩森林公園で、
こんなカミキリを発見してしまったのである。

その名を、(多分)マツシタトラカミキリという。

この子は、間違いなく、
ミラクル擬態の範疇に入るだろう!!!


容姿やサイズもそうだが、なんと動き方まで、
ムネアカオオアリそっくりなのである。

さらに、驚くべきことに、この子がいる付近の葉っぱには、
かなりの数のモデル(ムネアカオオアリ)がウロウロしていた。

何故か、ムネアカオオアリは、
単独で葉っぱの上に居ることが多いようだ。




さりげなく前置きが長くなったが・・・


 

 

まずは、少し引いた写真から・・・


マツシタトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2012年6月19日 白岩森林公園・青森

実際には、こんな風に見える。

最初に見つけたときには、
また、ムネアカオオアリか? と思ったほどである。

(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)

真ん中にアリがいるのがわかりますか????


 

 

マツシタトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2012年6月19日 白岩森林公園・青森

もいっと近寄ってみると、こんな感じである。

これは、普通に見れば、ムネアカオオアリである!?

 

 

マツシタトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2012年6月19日 白岩森林公園・青森

まあ・・・・

このように、静止画で、良く見れば、
まさに、カミキリなのであるが・・・・

 

 


マツシタトラカミキリ(カミキリムシ科)
 
2012年6月19日 白岩森林公園・青森

実際に動いてるところを、(遠くから)見ると・・・・

アリにしか見えない!!!!!

 

・・・・というわけでした。

 

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虫にも病気が!!!!

だんぶり池の林道で、ちょっとだけ異常な気配の蛾に出会った。

いや、最初は、新種の蛾だと思ったほど、奇妙な格好であった。

 

 
2010年7月30日 だんぶり池・青森

近づいても、全く逃げる気配がない。

とりあえず、触角がおかしい!!

 


 

 
2010年7月30日 だんぶり池・青森

3本見える触角のような角は、一体何だ!!

どう見ても、蛾の触角ではない!!

 

 


白きょう病に犯されたハマキ
 
2010年7月30日 だんぶり池・青森

真横から撮ると、足も見えないし、
体が、白いセメントで固定されているような感じだ。

 


どうやら、この奇妙な蛾の正体は、
白きょう病に犯されたハマキガのようである。

カビの胞子が昆虫の皮膚に付着すると、
ある条件が整った場合(おそらく体力の衰えた蛾?)に、
胞子は発芽して、菌糸が蛾の体内に侵入していく。

菌糸が体内で増殖すると、蛾はそのままの状態で死亡してしまう。

その後も菌糸は増え続け、体内の水分を奪うので、
蛾はミイラ化し、菌糸がこのように表面に出てくるのだ。

 

 

 

そして、もう一枚の写真!!!

 

多分アトジロサビカミキリ(カミキリムシ科)
 
2012年4月15日 長者原SA・宮城

通れば必ず良く立ち寄る高速道路のサービスエリアで、
季節外れのカミキリを見つけた。

何で今の時期に?


しかし、どうも様子がおかしい。

体の隙間に、白いものが見える!!!


これは、上のハマキガと同じように、
白きょう菌に犯されたようだある。


この写真も、ちょっとだけ不気味だ。

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