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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

だんぶり池のカメムシ【3】

だんぶり池には、山地性のツノカメムシの仲間も見られる。

周辺地域で、その他にあと数種ほど撮れているので、
だんぶり池でも、そのうち見つかるはずである(?)。

 


013 ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)
 
2011年5月31日 だんぶり池・青森

だんぶり池で最も普通に見られるツノカメである。

クワの葉の裏を探すと、以前紹介したように、
母親が、卵や幼虫を保護しているのが見られる。
 ↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101004/1/

 


014 セグロヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)
 
2010年6月15日 だんぶり池・青森

比較的少ないツノカメの仲間である。
だんぶり池で見つかったのは、この個体のみである。

 

 

015 セアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)
 
2010年8月3日 だんぶり池・青森

多分最も個体数の多い大型のツノカメだろう。

それでも、腐ってもツノカメである。
エゾアオカメムシやクサギカメムシと比べると、
発見される個体数は、はるかに少ない。

 


016 ハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
 
2011年6月21日 だんぶり池・青森

残念ながら、だんぶり池では、雄はまだ見かけない。
取り合えず、全ての個体を写真には撮っているが・・・

 


017 ベニモンツノカメムシ(ツノカメムシ科)
 
2011年6月25日 だんぶり池・青森

赤と緑のバランスが良い、ツノカメである。
だんぶり池では、あまり多くない。

 


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だんぶり池のカメムシ【2】

今回は、だんぶり池で見られるやや小型のカメムシ類である。

 

007 ナガメ(カメムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり池・青森

警戒色のカメムシで、成虫は匂いを出さない。

ただし、幼虫時代には、匂いを放出することができ、
この場合は、そのにおい成分は、
警報フェロモンとして作用することが証明されている。

 


008 イシハラカメムシ(カメムシ科)
 
2011年5月29日 だんぶり池・青森

いわゆる珍品に属するカメムシで、
だんぶり池ではこの1個体のみ確認。

学名【Brachynema ishiharai Linnavuor】が示すとおり、
愛媛大学の故石原保教授の名前が付いたカメムシである。

 

009 オオトゲシラホシカメムシ(カメムシ科)
 
2011年6月5日 だんぶり池・青森

近似種が多いが、オオトゲはお腹が黒っぽい。

だんぶり池で見つかったシラホシカメムシ類は、
次種を含めて、2種のみである。

 

 

010 ズグロシラホシカメムシ(カメムシ科)
 
2011年6月26日 だんぶり池・青森

よく見ると、背中の黒と白の配色が強烈で、
他のシラホシカメムシ類には見られないインパクトがある。

かなり希な種であると思う。

 


011 ハナダカカメムシ(カメムシ科)
 
2011年6月29日 だんぶり池・青森

アカスジカメムシと一緒に、セリ科植物の花や種子で見られる。

だんぶり池では、あまり見かけない地味なカメムシである。

 

 

012 トゲカメムシ(カメムシ科)

2011年9月4日 だんぶり池・青森

関東以西では、山地にしか見られない種であるが、
さすが北国だんぶり池には、沢山いる。

何故か懐かしいカメムシである。

 


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だんぶり池のカメムシ【1】

だんぶり池に通い始めて1年ほど経った。
周辺の林道も含めて、予想以上に昆虫の種類が多いと感じた。

だんぶり池周辺で見られるカメムシ類を、
数回に分けて紹介する。

 

001 アカスジカメムシ(カメムシ科)
 
2011年6月25日 だんぶり池・青森

赤と黒の縞模様が目立つ警戒色のカメムシである。

ただし、特に晩秋、セリ科植物の種子にいる場合には、
この色の組み合わせは、見事な隠蔽色となる。

成虫は匂いを放出しないが、体液が不味いらしく、
鳥は捕食されることはない。


 

002 クチブトカメムシ(カメムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり池・青森

チョウ目の幼虫などの体液を吸う。

近似種にオオクチブトカメムシがいて、かなり紛らわしいが、
こちらは卵で越冬するので、5月に成虫が見られることはない。

したがって、間違いなく写真は、クチブトカメムシである。

 


003 クサギカメムシ(カメムシ科)
 
2010年8月25日 だんぶり池・青森

リンゴやナシなどの果樹害虫として有名であるが、
越冬のため民家に入りこむ不快害虫でもある。

だんぶり池の林道では、予想外に個体数は多くない。


 

004 ツノアオカメムシ(カメムシ科)
 
2010年8月1日 だんぶり池・青森

Pentatoma japonica とい学名を持つ。
そのまま訳せば、日本のカメムシという意味だろう。

私がカメムシが好きになったキッカケのひとつでもある、
ちょっと「カッコいい大型のカメムシ」である。

 


005 エゾアオカメムシ(カメムシ科)
 
2010年6月10日 だんぶり池・青森

だんぶり池で最も普通に見られるカメムシである。

アオクサカメムシやミナミアオカメムシのように、
だんぶり池で、全身が黄色の色彩型があることを知った。


 

006 ツマジロカメムシ(カメムシ科)
 
2010年10月1日 だんぶり池・青森

光沢のある瑠璃色の中央に白い紋が目立つカメムシ。
民家侵入の不快害虫としても、知られている。

だんぶり池では、個体数は多くない。

 

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アシグロツユムシの羽化

ヤママユの劇的な写真が撮れた同じ日、偶然にも、
ツユムシの羽化の瞬間を、撮影することができた。

羽化途中のため、完全に同定はできないが、
幼虫の脱皮殻の脚の色や、触角の白紋などから、
この個体は、アシグロツユムシと推定した。

 


アシグロツユムシ(キリギリス科)
 
2011年8月31日 07時57分 白岩森林公園・青森

朝の8時前、ヨモギの花穂の先端近くで、
遠くからかなり目立つ場所で、脱皮中のツユムシを発見した。

完全に抜け出した翅の部分が、膨らむ前の風船を連想させる。

 

 

アシグロツユムシ(キリギリス科)

2011年8月31日 07時58分 白岩森林公園・青森

中脚と後脚がもう少しで抜け出せそうな瞬間である。

劇的なのは、あの細長い触角がピンっと張って、
強引(?)に、引き抜こうとしている瞬間である。

 

 


アシグロツユムシ(キリギリス科)
 
2011年8月31日 08時24分 白岩森林公園・青森

前の写真から、わずか30分ほどで、
このように、後翅が完全に膨らみ、
前翅は、さあこれから!という感じである。

長い触角は、パーフェクトに抜き出されている。

 

 

アシグロツユムシ(キリギリス科)
 
2011年8月31日 08時28分 白岩森林公園・青森

アらに数分後、前翅が膨らみ初めている。

右の後脚は、完全に伸びきっていないのか、
弓なりになっているのが、リアルである?

 


アシグロツユムシ(キリギリス科)
 
2011年8月31日 08時31分 白岩森林公園・青森

前・後翅ともに伸びきって、胸の黒い点々も鮮明になってきてた。

こんな無防備な状態のときに、外敵(鳥)に襲われなかったのは、
カメラを構えた人間が近くにウロウロしていたからだろうか?

ちょっとだけ不思議である。

 

 

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ヤママユの夕べ

まず、下の写真を、じっくりとご覧ください。

この中に、ヤママユが5匹写っていますが、お分かりでしょうか?

(紛らわしいタイトルですが、以下の4枚の写真の撮影時刻は、朝の8時半ころです)



ヤママユ(ヤママユガ科)

2011年8月31日 白岩森林公園・青森

この写真を撮っているとき、昔の愛読書「ファーブル昆虫記」を思い出していた。

今から100年ほど前に出版された「ファーブル昆虫記」には、
個人的に最も感銘を受けた【オオクジャクガの夕べ】という章がある。

長年、性フェロモンを用いた害虫防除の実用化試験を行っていて、
大量の雄蛾が誘引されるのを毎日のように見てきたが、
こんなことを思い出したのは初めてであった。

 

 

ヤママユ(ヤママユガ科)
 
2011年8月31日 白岩森林公園・青森

確認出来ただけでも、20匹以上の蛾は、
触角がクシ状になっており、すべて雄であることがわかる。

おそらく、ファーブルもこのような光景を見たのだろう。

たった一匹の雌蛾の入った網かごの周りに、
20匹以上の雄蛾が集まってくる様を観察したファーブルは、
当時考えられるあらゆる方法で、それが、
匂い(今でいうフェロモン)によるものであることを証明した。


そんなことを、思い出しながら、シャッターを切っていた。

 


ヤママユ(ヤママユガ科)
 
2011年8月31日 白岩森林公園・青森

もう一度、木の周りをぐるっとまわて見ると、このような太い幹や、
細い枝先にも、雄蛾は止まっていた。

今ここに残っている彼らは、(ほぼ間違いなく)、
たった一匹の雌の蛾に誘引されて集まってきたのだろう。

残念ながら、最終目的である交尾は出来なかったが・・・・

 

 

ヤママユ(ヤママユガ科)
 
2011年8月31日 白岩森林公園・青森

4枚の翅には、それぞれ1個ずつの目玉模様を持っているが、
ほとんどの個体は、最初から目玉模様を見せている。

昆虫の持っている目玉模様には、色々な役割がありそうだが、
このヤママユ君の場合には、どれも微妙である。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110308/1/

 


そして、何故か、周辺の葉っぱにも、沢山の目玉模様がある?

 


このことに気付いたとき、思わずひとりで笑ってしまった。

 

木の葉の目玉模様って、何なんだろうか・・・・・

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