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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

大きい虫と小さい虫

今から10年近く前に、与那国島の林道で、
世界最大の蛾と言われるヨナグニサンに、初めて出会った。

同じ日に、日本最小のセミも見ることができた。

今回は、蛾、セミ、トンボ、カメムシの仲間で、
身体のサイズが比較的大きい種と小さい種を、
手持ちの写真から選んで、紹介する。


ヨナグニサン(ヤママユガ科) 
 
 
2003年4月5日 与那国島・沖縄 【前翅長:100~140mm】

羽化間もないと思われる蛾の、間近に見るその大きさに、
同行オジサン3人ともに、全く言葉がなかった。

野生のヨナグニサンは、かなり貴重である。




マドガ(マドガ科)
 
 2011年7月3日 白岩森林公園・青森 【前翅長:14~17mm】

もっと小さい蛾は沢山いるが、この蛾の小ささには、
ちょっとだけビックリ。

昼間活動するこの蛾が、花から花へ飛び回る姿は、
まるで、小さなセセリチョウのようだ。




クマゼミ(セミ科)

 
2005年8月6日 鳴門市・徳島  【体長:60~70mm】

昔、徳島市に住んでいたときに聞いていた、
うるさいほどの鳴き声が懐かしい。

温暖化が原因か、生息域が拡大しているようで、
東京でも、しばしば鳴き声が聞かれる。




イワサキクサゼミ(セミ科)
 
 2003年4月5日 与那国島・沖縄  【体長:20mm】

初めて見たときは、興奮して、写真を撮りまくったが、
サトウキビの害虫としても、よく知られている。



オニヤンマ(ヤンマ科)
 
 2010年8月3日 だんぶり池・青森 【後翅長:55~65mm】

迫力のある大きさである。
同じ場所を行ったり来たりする飛び方も、
悠然としていて、さりげなくカッコイイ・・・・



ハッチョウトンボ(トンボ科)
 
2011年7月25日 酸ケ湯温泉・青森 【後翅長:15mm】

意外に思われるかもしれないが、一円玉の直径が20mmもある。
だから、この子は、それよりわずかに小さいのである。




オオヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

 2010年9月8日 だんぶり池・青森  【体長:22~25mm】

だんぶり池の林道では、比較的多く見かける、
大きすぎるカメムシである。

小さな草の上には、全く似合わない大きさである。




ズグロシラホシカメムシ(カメムシ科)
 
2011年7月3日 だんぶり池・青森 【体長:6mm】

よく見ると、背中の黒と白の配色が強烈で、
他のシラホシカメムシ類には見られないインパクトがある。
 

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本当に親子なの?

昆虫は、変態をするので、
成虫と幼虫の見た目が全然違う場合が多い。

特に、完全変態をする蛾の場合には、
成虫と幼虫のイメージのギャップが大きい。

当ブログでも、成虫と幼虫が、別々のジャンルで登場した3種について、
もう一度、親子一緒に紹介するので、さりげなくご覧ください。




ベニスズメ幼虫(スズメガ科)

2010年10月20日 白岩森林公園・青森

グロテスクなヘビそっくりの幼虫であるが、
成虫になるとピンクのジェット機になるとは・・・・



ベニスズメ成虫(スズメガ科)

2011年7月7日 豊浦・北海道

何を隠そう、最初は全く信じられなかった。
このギャップは凄い!

君は、エルビス・プレスリーか? (いくらなんでも、古すぎる!)





クスサン幼虫(ヤママユガ科)

2011年7月24日 だんぶり池・青森

別名シラガタロウというが、クリなどの害虫扱いされる。
身体の横にある青い目玉模様が多少カッコいい!?

しかし、以前紹介した
 【1】外敵を驚かす効果も、
 【2】外敵の攻撃をそこに向けさせる効果も
ありそうもない目玉模様である。




クスサン成虫(ヤママユガ科)

2008年9月22日 碇ヶ関・青森

幼虫時代の目玉模様とは明らかに違って、
まるでフクロウの目のように見える。

これならば、外敵をビックリさせる効果は十分ありそう。




アケビコノハ幼虫(ヤガ科)

2010年10月12日 弘前市・青森

この子も、衝撃の幼虫時代である。

マンガのような目玉模様と、
独特の静止ポーズで、一世を風靡した(?)。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101224/1/




アケビコノハ成虫(ヤガ科)

2010年11月27日 三春PA・福島

幼虫時代に、外敵をビックリさせるのは、
ベニスズメと同じであるが、
成虫がまったく違って、全くの枯れ葉である。

幼虫は目立つ標識的擬態、
成虫は目立たない隠蔽的擬態の典型である。

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君は虫か? ベッコウハゴロモ幼虫

だんぶり池の林道を、カメラ片手に、ブラブラ歩いていると、
「おやっ? 君は虫か?」と思うものに出会うことがある。


水平に開いた葉っぱの上には、色々なものが落ちている。

そのほとんどが、糞、塵、種、花、枯れ枝、枯れ葉などであるが、
みんな、緑色の葉の上では、良く目立つ。


注意深く見ると、それらのものによく似た虫がさりげなくいる。

以前紹介した、鳥の糞に擬態する虫たちや、
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110624/1/


塵を身体に付着させているクサカゲロウの幼虫である。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110107/1/




そして、今回紹介する虫も、ちょっとだけ衝撃的である。

まずは、下の写真をご覧ください。





2011年8月2日 だんぶり池・青森

最初は、風に乗って分散するタンポポの種子のように見えたが、
これは、何だか様子がおかしい。

微妙に動いているぞ!!!




 
2011年8月2日 だんぶり池・青森

ちょっと見る角度を変えてみると、
フワフワの白い毛の中心部に脚がありそう・・・・




 
2011年8月2日 だんぶり池・青森

どうやら、白い毛は、虫の尻尾の部分から出ていて、
見事に花が開いているように見える。

しかも、その長い毛の束を自由に動かすことができるようで、
自分の体を覆い隠したり、すぼめたりする。




ベッコウハゴロモ幼虫(ハゴロモ科)
 
2011年8月2日 だんぶり池・青森

動くスピードは、意外に早い!

これは、前から一度見たいと思っていた
おそらくベッコウハゴロモの幼虫である。




ベッコウハゴロモ幼虫(ハゴロモ科)
 
2011年8月2日 だんぶり池・青森

もっと近づいてみると、
確かに、カメムシ目の昆虫のような顔をしている。

白い毛のようなものは、自分で分泌したロウ状の物質で、
同じ仲間のカイガラムシなどでも見られるものだろう。




ベッコウハゴロモ成虫(ハゴロモ科)

2010年8月12日 だんぶり池・青森

これが、成虫の写真であるが、やはり、やや奇妙な格好である。

始めてみた人は、「この子は何組?」と驚く・・・・


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保護色と警戒色

野外で、虫の写真を撮ろうとする人は、大抵の場合、
林道などを、普通に立って歩きながら、
自分の目で見える範囲にいるターゲット(虫)を探す。

そのときに、できるかぎり沢山の虫を、いかに効率良く発見できるかが、
カメラマンの腕の見せ所のひとつでもあると思う。

この「効率良く」というのが、実は、かなり重要であり、
特に被食者の体色の違い(保護色か警戒色か)が、
捕食者から発見されやすさに関する興味深い問題を含んでいる。



そんな訳で、やや遠目で撮った以下の写真をご覧ください。

虫たちの目立ちやすい「警戒色」と、
目立ちにくい「保護色」の見え方の違いが、はっきり分かります。



カノコガ(カノコガ科)

2011年7月27日 だんぶり池・青森

このように目立つ虫ならば、かなり遠くからでも発見できる。
以前に何度も紹介しているが、
黄色と黒の警戒色をした昼間飛ぶ蛾である。




ヨツスジヒメシンクイ(ハマキガ科)

2010年8月7日 だんぶり池・青森

警戒色とは言えない微妙な青色であるが、
緑色の葉っぱの上では、意外に目立つので、
これも遠くからでも見つけられそうである。




アトボシハムシ(ハムシ科)

2011年7月24日 だんぶり池・青森

体長5mm程度の小さな虫であるが、
これでも、緑色の葉っぱにとまっていれば、すんなり見つかる。




キリギリスの仲間の幼虫

2011年6月26日 白岩森林公園・青森

上の写真のハムシよりは、ずっと大きな体であるが、
普通に歩いているとまず見つけることは出来ない。

体全体が緑一色で、完全に背景の葉っぱの中に溶け込んでいる。




チャマダラエダシャク(シャクガ科)

2010年8月23日 だんぶり池・青森

葉っぱの上でなくても、条件は同じである。

この蛾は、かなりミラクルな止まり方をしているが、
立ち止まって、探さないと見つからないだろう。




そして、最後は、よく見かける写真であるが、
どこに虫がいるか、是非クリック拡大して、確認してみてください。


ニイニイゼミ(セミ科)

2011年8月5日 白岩森林公園・青森

これを見つけたときには、自分でもややビックリ。
多分、この写真でも、じっくり探さないと見つからないと思う。

⇒画面の中央部に上を向いて止まっています。






【蛇足】

当然のことであるが、虫たちが目立つか目立たないかは、
静止する背景によるだろう。

昼間は見つけにくい(上の写真の)ニイニイゼミが、
明け方に、緑色の葉っぱの上に止まっていれば、かなり良く目立つ。

保護色と呼ばれる緑色の虫が、木の幹や枯れた葉っぱの上にいれば、
逆に、良く目立ってしまうだろう。

イギリスの工業黒化で有名なオオシモフリエダシャクの実験では、
自分の体色に合った背景を選んでいるという実験結果もある。

私の記憶では、かなり微妙な差だったような記憶があるが・・・・

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断崖絶壁のエゾシカと舗装道路のキタキツネ

7月の北海道旅行で出会った2種類の動物である。


断崖絶壁で生活するエゾシカと、
昼間、舗装道路に平気で出てくるキタキツネ

どちらも、ある意味かなり厳しい環境で生きていることになるのか?

 

 

エゾシカ(シカ科)
 
2011年7月9日 知床フレベの滝・北海道

断崖から海に落ちる滝で有名な場所。
約100mの絶壁に、エゾシカがいた。


 

エゾシカ(シカ科)
 
2011年7月9日 知床フレベの滝・北海道

一歩足を踏み外したら、そのまま海へ落下するだろう。
なんでこんな処にいるのか?

しかも小鹿が無邪気に、飛び回って遊んでいる。


 


エゾシカ(シカ科)
 
2011年7月9日 知床フレベの滝・北海道

知床のエゾシカは、出会う頻度からみて、
かなり数が増えているように感じる。

危険な場所ほど、食べ物が豊富なのか?


 


エゾシカ(シカ科)

2011年7月9日 知床フレベの滝・北海道

人間(観光客)が行けるところは、厳重な柵があって、
それを超えて中に入る気には、普通ならない。

エゾシカは、その柵のはるか向こう側に、
それこそ、いつ落ちてもおかしくないような場所に、
さりげなく、いるのである。

この写真、高所恐怖症の人には、絶対撮れない!!!





キタキツネ(イヌ科)
 
2010年7月9日 知床半島・北海道

キタキツネは、エゾシカとは、ちょっと違うのかもしれない。

知床でも、ときどき見かけるが、みんな痩せている。
かなり過酷な生活をしているようにも見える。



 

キタキツネ(イヌ科)
 
2010年7月9日 知床半島・北海道

やはり人間に慣れているのだろうか、
車を止めて写真を撮ろうとしても、全く怖がらない。

舗装道路にも、平気で出てくるような子は、
多分、餌をやったら、
なんでも躊躇なく食べるだろう。


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