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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

早春の美しい虫たち③/⑧

ルージュの伝言: ハネビロアカコメツキ

早春の美麗種の三番目は、多分珍品です。
しかし・・・・・タイトルがちょっと古いか?

 

ハネビロアカコメツキ(コメツキムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり池・青森

だんぶり池のフキの葉の上で、偶然に、しかも幸運にも、
ハネビロアカコメツキ【注1】を見つけた。

おそらく、近くの朽木から羽化して、飛んできたのだろう。

 

ハネビロアカコメツキ(コメツキムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり池・青森

実際のサイズは、こんな感じで、
写真では地味な赤い色であるが、
太陽の光に当たると、上翅がまさに紅色に輝く。

 

ハネビロアカコメツキ(コメツキムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり池・青森

拡大した写真で見ると、微妙な黒い縦線が入っている。
これが何ともいえず、良い!!

 

ハネビロアカコメツキ(コメツキムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり池・青森

この写真が一番分かりやすいが、
この子は明らかにベニボタル類に擬態していいる。
6月2日のブログでも、取り上げたが、
おそらくベイツ型擬態であろう。

 

ハネビロアカコメツキ(コメツキムシ科)
 
2011年6月3日 だんぶり池・青森

約10日後、別な場所で、別の個体を発見。
一枚だけ、マクロレンズで撮影できたが、
あっという間に飛んで行ってしまった。

 

【注1】種名不詳の甲虫類は、例によって、
    当ブログの唯一のリンク先の記野直人氏にお願いしたが、
    近似種が多く、しかも標本がないので、
    種名は「確定」ではないとのことです。

    ここでは、一番近い(?)とされたハネビロアカコメツキとしておきます。



 

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早春の美しい虫たち②/⑧

男と女のキンキラキン: スゲハムシ


スゲハムシも、だんぶり池の林道で、
早春に見られる美麗種の甲虫のひとつだろう。


(⇒当初、アオハムシダマシとしていましたが、
友人記野直人氏の指摘により、スゲハムシに訂正しました。)

  

スゲハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日13時59分 だんぶり池・青森

昔は「この子は何組?」と思っていた。

ハムシでもない感じがしたが、ジョウカイでもない。
もちろん、カミキリやゾウムシでもない。

 

 

スゲハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日14時17分 だんぶり池・青森

この写真では、2種のスゲハムシがいるように見える。



スゲハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日14時18分 だんぶり池・青森

しかし、わずか1分後には、別の場所で、このカップルを発見!!!

何だ、雄と雌で色が違うんだ、と(再び)一瞬思った。

 


スゲハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日14時20分 だんぶり池・青森

しかししかし、その2分後には、別の場所で、このカップルを発見!!!

体色の違いは、雌雄によるものではなく、
もちろん種による違いでもないらしい。

一体どうなってるんだ。

 


スゲハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日14時22分 だんぶり池・青森

ちょっと落ち着いたところで、改めてこの写真を・・・

一枚目の写真と、同じ種とは思いにくい。
昔だったら、迷わず、これが一般的なスゲハムシのような気がする。


というわけで、「ちょとだけ不思議な昆虫の世界」でした。
 

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早春の美しい虫たち①/⑧

動く宝石: アカガネサルハムシ


本日より、早春に見られる比較的美しい昆虫たちを、
連続8回に分けて紹介したい。

昆虫マニアの間では、「美麗種」と言う言い方があるが、
まずは、まさにそん言葉がピッタリ(?)の虫である。

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 だんぶり池・青森

弘前では早春(!)のだんぶり池の林道で、
比較的良く目にする美麗種である。

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月27日 だんぶり池・青森

緑色の葉っぱの上では、小さい虫ではあるが、
このように、金属光沢は良く目立つ。

 


アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月27日 だんぶり池・青森

思い切って拡大してみると、
上翅が赤銅色、その他の部分は金緑色に輝く美しい。

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2011年5月24日 だんぶり池・青森

これは、まるでハムシ界のタマムシである・・・

 

アカガネサルハムシ(ハムシ科)
 
2010年8月22日 白岩森林公園・青森

成虫は、このように夏まで見られる。

昔、中国で、こんなイメージの生きている甲虫を、細い鎖で繋いで、
女性のブローチにしていたのを、テレビで見た記憶があるが・・・
 

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ミューラー型? ベイツ型? 君の擬態はどっちだ?

何らかの防御手段を持っているもの同士がよく似た形態・色彩になる現象を、
その発見者の名前をとって、ミューラー型擬態と呼ぶ。

有毒昆虫は、独自に別々の警戒色を持っているよりも、
同じような形態・色彩であった方が、捕食者の学習の回数が増えて、
より効率的に、攻撃を避けることができるからである。

捕食者に覚えられる形態・色彩パターンの少ない方が、
被食者にとっては、生き残る上では有利であり、
必然的に、似たような色や形の種類が多くなるのだろう。

これ、本当だろうか?


その理屈から言うと、ミューラー型擬態の輪(?)は、
そんなに多くの種類がある訳ではない・・・はずである。

それでは、日本で見られるミューラー型擬態の例は、
何グループくらいあるのだろうか?

まず真っ先に思いつくのが、
多くのハチの仲間に見られるような「黄色と黒の縞模様」である。

でも、この場合には、近縁種同士が単に良く似ている現象でもあり、
あまり適切な例とは言えないのかもしれない。

良く知られているのは、昨年11月14日に紹介した赤と黒の模様のグループである。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101114/1/

その他に、真っ赤な胴体と黒い頭のグループや、
その逆のパターンで、黒い胴体に赤い頭のグループなどが思いつくが、
日本国内では、ミューラー型擬態の種類としては、
やはりそんなに多くはないと思う。


とりあえず、手持ちの写真の中で、
同じような形態・色彩を持つグループを見てみよう。
あまり鮮明に撮れているものはないが、以下の6枚の写真をご覧ください。

なんとなく見ていると、
おそらく皆同じ種類に見えなくもない・・・こともないか。

これぞ、ミューラー型擬態の典型的グループのようであるが・・・(?)

 

カクムネベニボタル(ベニボタル科)
 
2010年5月23日 梵珠山・青森

早春の明るい開けた林道で、よく見かける。
カメラを近づけても、逃げないことが多いので、
多分「自分は、不味くて食べられないぞ!!」と、
言っているようだ。

ベニボタルの仲間は、甲虫とはいえ、体は比較的軟らかく、
外敵に襲われたときに、体液が外に出やすい。

実際に捕食者が食べなかったとの観察例もある。

 

ヘリグロベニカミキリ(カミキリムシ科)
 
2010年6月6日 弘前市・青森

個体数は、そんなに多くないように思う。
幼虫時代には、朽木を食べており、有毒物質を餌から摂取し、
体内に蓄積しているとは思えない。

 

アカハネムシ(アカハネムシ科)
 
2010年5月30日 白神山地・青森

胸部の形状で区別しやすいが、
ベニボタルの仲間と間違えやすいほど良く似ている。

おそらく、本種も有毒であるとの知見はない。


 

ムナビロアカハネムシ(アカハネムシ科)
 
2010年6月13日 白神山地・青森

前種と同じ仲間ではあるが、あまり個体数は多くないように思う。

 


ハネビロアカコメツキ?(コメツキムシ科)
 
2011年5月25日 だんぶり・青森

この子も、どちらかと言うと珍品だろう。

なお、種名不詳の甲虫類は、例によって、
当ブログの唯一のリンク先の記野直人氏にお願いしたが、
種名は確定ではない。

この他に、同じ色彩のベニコメツキの仲間がいるが、
これも有毒種ではない可能性が高い。

 

ベニヒラタムシ(ヒラタムシ科)
 
2005年11月12日 長沢ダム・高知

名前から想像できるように、かなり扁平な虫であり。
樹皮の隙間に難なく入り込むことができるが、
ダムの上では、このように、なすすべもない。
おそらく、本種も有毒であるとの知見はない。

 


以上のように、この中で、間違いなく有毒なのは、
ベニボタルだけである。

したがって、この色彩・形態のグループ(胴赤・胸黒)は、
ミューラー型擬態とは言えないだろう。

個体数のバランスが問題になるだろうが、基本的には、
数種のベニボタル類をモデルとするベイツ型擬態の範疇と思われる。

しかしながら、何らかの理由で、捕食者が本能的に、
赤と黒の昆虫を食わない可能性も十分あるので、
さらなる検証が必要であると思う。

さすが、「ちょっとだけ不思議な昆虫の世界」である。
 

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日本の桜

日本の桜は、一本だけでも良いし、
一目で、数本~数100本の桜も良い。
もちろん遠景の千本桜も、また良いが・・・・

一本だけの桜は、背景が、何にでも良く似合う。

山でも、川でも、滝でも、湖でも、
お寺でも、神社でも、橋でも、灯台でも・・・

 
今回は、手持ちの写真の中から、
一本だけの桜を紹介したい。


 

 中尾温泉の一本桜
 
2011年5月13日 新穂高温泉・岐阜

個人的には、巨木から枝をしならせる滝のようで、
どこか妖艶なしだれ桜が好きである。

 


蔦川に咲く一本桜
 
2011年5月19日 蔦温泉・青森

さすが北国、新緑の中に咲く満開の一本桜である。

 


山寺付近の不思議な3色の桜
 
2011年5月17日 山寺・山形

思わず車を止めたほどの不思議さ。
原因は、何となく人為的なものを感じるが・・・

 


錫状岳をバックに山桜
 
2004年5月3日 新穂高温泉・岐阜

空が晴れていたら最高の状況だったが、
雨男の私には、到底かなわぬ夢である

 


メジロと桜
 
2008年4月1日 川之江公園・愛媛

さりげなく写真を撮っていると、何か動くものが・・・
良く見ると、メジロが上向きに・・・

 

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