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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

だんぶり池のカメムシ 匂いの不思議

だんぶり池で見つかるカメムシ類

関東以西では、山地性のカメムシが簡単に見つかる。


しかも、比較的珍しい種類がいる!!!

ナガメ以外・・・・・・

 

 

 
2010年8月1日【ツノアオカメムシ】だんぶり池

よく知られているように、多くのカメムシ類は、
体内の臭腺【scent gland】で生合成された臭気成分(液体)を、
幼虫期には、腹部背面の開口部から、
成虫期には、後胸部腹面の後脚の碁部付近の開口部から、
様々な方法で体外に放出することができる。

 

 
2010年10月8日【オオトゲシラホシカメムシ】だんぶり池

大半の人間が、悪臭と感じる臭気成分の種類は、
炭素数6~10個の直鎖アルデヒド類と、その類縁化合物であり、
さらに、無臭の飽和炭化水素類を、溶媒的な役割として含んでいる。

ちなみに、緑色植物に含まれている青葉アルデヒド (E)-2-Hexenal も、
主成分のひとつである。

 

 
2010年9月14日【ヨツボシカメムシ】だんぶり池

これらの臭気成分の放出行動は、主として外敵に出会ったときに起こり、
放出の方向を変化させて狙い打ちができる種や、
自らの体表に流れ出させる種などが知られている。

だから、静止状態のカメムシが匂うことはない!

 

 
2010年8月21日【クチブトカメムシ】だんぶり池


そして、臭気成分の直撃を受けたアリなどの小型の捕食者は、
以後の攻撃を躊躇したり、その場から離れたりすることがあるので、
カメムシ類の放出する臭気成分は、一般的に、
外敵から身を守るための防御物質であるとみなされている。

しかし、アリ以外の捕食者(クモ、カマキリ、鳥など)は、
平気でカメムシを喰ってしまう。

 


 
2010年8月3日【ナガメ】だんぶり池

ナガメの成虫は、臭気成分を放出しない。
幼虫時期は人並み(?)に、かなり強烈な匂いを発するのに・・・・

でも、ハエトリグモやカマキリは、ナガメを食べない。

ナガメ成虫の体色は、明らかに警戒色である。

 

何か、不思議なことが沢山あるぞ!!!

 近日公開予定: カメムシの匂いの不思議【5回シリーズ】

 【1】実際の防御効果
 【2】アリに対する防御効果
 【3】ビックリ効果
 【4】警報フェロモン
 【5】警戒色と不味成分

乞うご期待
↓ ↓ ↓

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不思議な昆虫、この子は何組?



生物多様性?!   COP10?!
  
でも、昆虫の世界は、あまりにも多様性が過ぎる。

見方を変えれば、種を細かく分化することによって、
地球上のどんな場所にでも、昆虫類は棲息できるとも言えるが・・・


我々の子供のころは、動物の種類が100万種で、
そのうち昆虫の種類が75万種とされていた。

最近では、分類学の進歩(?)と、
世界各地(秘境)への交通手段の発達によって、
昆虫は、数百万種程度はいるだろうと言われている。

これだけ種類が多いと、ちょっと見ただけでは、
その子が何組なのか分からない場合がある。


今日、手持ちの写真で紹介する子は、???の程度は低いが・・・・

 

 

 
2006年8月20日【オオヒョウタンゴミムシ(オサムシ科)】徳島・吉野川河口

大あごの感じが、一見クワガタにも見えるが、この子はゴミムシの仲間だ。

比較的綺麗な砂浜周辺に棲息するらしい。
県(地域)によっては、絶滅危惧種にもなっている。

 


 
2010年5月30日【マダラガガンボ(ガガンボ科)】青森・白神

この子も、ちょっと見たところでは、何組かわからない。
結構大きい!!(体長で約30mm以上)

まさか、ガガンボとは?

 


 
2010年7月4日【クロテングスケバ(テングスケバ科)】北海道・厚間林道

セミを小さくしたような雰囲気を持っているが、
この仲間は、結構ユニークな形をしていることが多い。

でもあと、ひと工夫欲しかったか。

 


 
2010年7月30日【ウスバカゲロウ(ウスバカゲロウ科)】青森編傘林道

一見トンボだが、この子が有名なアリジゴク(蟻地獄?)の親だ。
もちろん、この和名は薄馬鹿下郎ではない。

しかし、飛び方はヨロヨロである。

 


 
2003年8月10日【オオクシヒゲシマメイガ(メイガ科)】青森・深浦

この子は、何かに擬態してるつもりのようだが、
最初に見たときはちょっとびっくり。。。。

でも、やっぱり、蛾だね、君は。
 

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昆虫クイズ【その3】の答え

昆虫クイズ【その3】の正解発表です。

今回、都合でまだ問題を見ていない方へ!

このまま、正解を見る前に、
左側のカレンダーの10月23日をクリックして、
是非、「レベル33」の問題にチャレンジしてみてください。

 


「レベル1」に関しては、
特に説明はいらないと思います。
トビナナフシが2匹います。


「レベル2」に関しては、
カマキリが予想外に大きく写っていた・・・
と感じていただければ嬉しいです(?)。


そして、「レベル33」の写真です。

  
2010年10月8日【ハイイロセダカモクメ】青森・だんぶり池


 ピンクのマル印の中に、
ハイイロセダカモクメという蛾の幼虫がいます。
写真をクリックして、拡大画像をご覧ください。


体の形・色・模様・サイズすべてにおいて、
寄主植物であるヨモギの花穂と、
全く見分けがつかないほどの見事な擬態です。




 マル印の中でも、わかりにくいと思いますので、
強制的に別の葉っぱの上に置いた写真を貼ります。

  
2010年10月8日【ハイイロセダカモクメ】青森・だんぶり池


この写真を見ても、
日本の昆虫の隠蔽的擬態のベストワンと言ってもおかしくない
すばらしい芸術的な擬態だと思います。


やや興奮状態で、この子の写真を撮りまくりましたので、
別の機会にまた紹介しますので、どこに写っているか探してみてください。



しかし、このハイロセダカモクメという名前は、
もう少し何とかならなかったのかなぁ~!

このブログの開始ページ(9月9日)で紹介した
アシナガバチそっくりの蛾「セズジスカシバ」の和名と同様、
もう少し、この努力に敬意を表した名前でも良かったのかと・・・・・

いずれにしても、
この子に拍手です。
↓ ↓ ↓

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ちょっとだけ、不思議な動物の世界


このブログには、
「ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界」
というタイトルが付いていますが、
当然ここは、無法地帯です(?!)。

何でもです。

 

そこで今日は、「ちょっとだけ、気になる動物」を紹介します。


 
2006年4月29日【白いカモ】愛媛・四国中央市

何時からか「四国中央市」という名前になった、川之江の公園で、
アルビノの(白い)マガモを見つけた。

少なくとも、一緒にいる仲間と同じ行動をしているようで、
ちょっと不思議な光景だった。

確かマガモは渡り鳥のはず、そのままここにいると、アヒルになっちゃうよ?

 


 
2004年7月3日【河原に集まるシラサギ】愛媛・西条市

車中泊した朝、ぼ~と車を走らせていると、
河原から、異常な鳴き声が聞こえてきた。

多分、数百頭はいるだろうシラサギ類の群れだった。

こうした集団営巣地は「サギ山」とよばれているが、
民家に近い場所は珍しいのかも!

 

 


 
2009年10月15日【電線のニホンザル】青森・下北半島

君たちが北限のニホンザルと呼ばれているのか?

でも、電線にいる! しかも、2本以上同時に触ってる。
感電しないの?

後から写真を良く見ると、電線はすべて被覆してあった。

 

 

 
2005年6月18日【モリアオガエルの卵】滋賀・御在所山

木の上に卵を産むモリアオガエル。
卵から孵ったオタマジャクシは下の池に落下する。

でも、この写真を撮った場所には、
真下はもちろん、近くに池なんかなかったぞ!

どうするんだ? オタマ君!

 

 

 
2010年6月27日【不貞寝したサル】北海道・旭山動物園

大の字になって寝ていた旭山動物園のサル、
最初は、病気か、死んでいるのではと思った。

しばらく見ていると、別のサルがきて、
さりげなく毛づくろいを始めた。
よく見ると、すご~く気持ちよさそうだった

 

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そんなにビタくっつきしなくても

(この項目は、PC操作ミスにより消えてしまったページを、
 一部変更して再掲載したものです。)


【アカギカメムシ】 2004年1月12日沖縄・石垣島

南方系のキンカメムシの仲間は、集団になることが多い。

石垣島で出会ったアカギカメムシの集団は、
互いに折り重なるように、くっつき合っていた。


 

しかもその集団は同じアカメガシワの木の数か所で見られた。

林道には、他にも良く似た環境にアカメガシワの木があったが、
そこにはアカギカメムシの集団はなかった。

 

 
 

集団には必ず直射日光が当たっていたような気がする。

 もしかしたら、太陽の位置によって、
日陰になることが少ない木を選んでいるのかもしれない。

 


 

一方、高知県の室戸岬には、
同じキンカメの仲間のオオキンカメムシが、
集団で越冬する場所がある。

 
【オオキンカメムシ】2006年2月16日高知・室戸岬


そこは、虫好きならば、誰でも知っている秘密の場所である。




 

オオキンカメムシは、アカギカメムシとは違って、
互いに重なり合うような集団にはならないようだ。
多くの個体は頭部を内側にして、寄り添っている。


 
 

もうひとつアカギカメムシとは違うところがある。
主として、葉の裏側に集団は作られ、
どうやら直射日光を避けている可能性がある。

写真が暗くなりがちであるのも、そのためである。
・・・と、写真撮影テクニックの未熟さを棚に上げてみたりする。

 


同じ種類の昆虫が、このように集団で生活するというのは、
やはり不思議である。
交尾、産卵、天敵からの防御等、メリットは多くありそうであるが、
逆にデメリットも考えられる。
 

また、別の機会に紹介したい。

 

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