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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

天敵からのエスケープ?! ハルニレフクロフシ


前回紹介したコガタルリハムシの集団摂食は、
天敵からのエスケープの可能性もあると思うが、
今回の例は、明らかに何か意味(?)がありそうだ。

 

比較的良く整備された松本市内の公園で、
ちょっとだけ不思議な光景に出会った。

 

 

ハルニレハフクロフシ

2015年5月11日 松本市・長野

こんな感じで、沢山あるハルニレの木のうち、
数本だけに、物凄い数のハルニレハフクロフシが見られた。

このピンク色は、まるで花が咲いているような雰囲気だ。


これも、天敵からのエスケープなのだろうか?

 

 

 

ハルニレハフクロフシ

2015年5月11日 松本市・長野

近づいてみると、ほとんどすべての葉っぱに、
かなり変化に富んだ形状の「虫えい」が出来ていた。


 ⇒まあ、普通のイモムシやケムシの食害と違って、
  緑色の葉っぱの部分は残っているので、光合成はできるはずだ。

  だからこれほどの集中分布をしても、
  樹木へのダメージはそれほど多くないのかもしれない。

 

 

 

ハルニレハフクロフシ

2015年5月11日 松本市・長野

形成者は、オカボノクロアブラムシということで、
イネ科植物の害虫として記載された種なのだろう。


この第1世代の幹母によって、ハルニレの葉表に、
上部が膨らんだ筒状の虫えいが形成される。

 

薄葉先生【注】の「虫こぶハンドブック」によると、
6~7月になると、虫えいのサイドに開いた穴から、
有翅虫が脱出し、オカボなどのイネ科植物に移住する。

そして、秋に、二次寄生上で産性虫を生じ、
再びハルニレの枝に集まって、産卵するようだ。


だから、1本の木に集中するのは、
産卵する雌成虫の選好性(?)なのだろう。

 

 

 


ハルニレハフクロフシ

2015年5月11日 松本市・長野

ネット情報では、街路樹などで、多発することが知られている。

そんなときには、晩秋にハルニレのまわりを、膨大な数の成虫が飛び、
遠目には煙のように見えるらしいので、やはり、
ハルニレハフクロフシが数本の木に集中分布するのは、
天敵からのエスケープなのかもしれない。

 

 

【注】高校時代の恩師である薄葉先生が、
   今年3月9日に亡くなられたことを、
   虫えい掲示板の湯川先生の情報で知った。

   数年前から、いつもの楽しい年賀状が届かなくなり、
   心配していたのだが・・・


   学問としての昆虫学というものを、
   教えていただいた最初の先生だった。

   在学当時は、いわゆる受験校と呼ばれた高校だったが、
   生物部の雰囲気だけは、かなり異なっていたと思う。

   無謀にも、「3年間で100種のカメムシを採集する」
   と、みんなの前で宣言してしまったのだが、
   卒業直前の3月に、それを達成したときには、
   一番喜んでくれた(?)のが、薄葉先生だった。
   

   心からご冥福をお祈りいたします。

    

 


 

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何故そんな食べ方をするの? コガタルリハムシ幼虫


昨年春のこのブログで、だんぶり池のイタドリの葉っぱで見つけた、
多分コガタルリハムシの孵化幼虫の物凄い集団の写真を紹介した。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140601/1/


多分コガタルリハムシ幼虫集団

2014年5月19日 だんぶり池・青森

 


そして、この100匹以上の大集団は、
何故か、イタドリの葉っぱを食うことはなく、
18日後に見に行った時点で、全く姿を消していた。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140623/1/

この不思議な出来事の理由が全く分からず、
いくつかの可能性を推測することしかできなかった。

 

 

そんなことがあったので、今年は、
コガタルリハムシの本来の食草であるギシギシを見つけると、
その近くにあるイタドリの葉っぱを、さりげなく観察することにした。


ただ、今のところ、何の手がかりも得ることはできていないのだが・・・

 

 

 


コガタルリハムシ幼虫(ハムシ科)

2015年5月1日 七ツ洞公園・茨城

これが、普通に見かけるギシギシの葉を食べる幼虫である。

まるまると太って、いかにも大食漢という雰囲気である。


しかし、この場所では、近くにあったイタドリには、
ハムシ類の食痕を見つけることが出来なかった。

 

 


・・・それどころか、

 

 


ギシギシのコガタルリハムシ食痕

2015年5月1日 七ツ洞公園・茨城

何故か、周囲には新鮮なギシギシの葉っぱが沢山あるのに、
このように、集団で同じ株を食べる性質があるようだ。

 

 

 


ギシギシのコガタルリハムシ食痕

2015年5月1日 七ツ洞公園・茨城

だから、最終的には、こんな状態になってしまう。


 ⇒近くのイタドリどころではなく、同じギシギシの別株にも、
  全く手を付けることはなく、ひとつの株を食べつくすのだ。

 

これも、天敵からのエスケープの手段なのかもしれない。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 


今年も、だんぶり池の同じ場所で、イタドリの葉っぱを探したが、
昨年見たような幼虫の大集団は、発見できなかった。

そして、昨年と全く同じように、現時点では、
イタドリの葉っぱには、ほとんど食痕は見られず、
数頭のイタドリハムシの成虫を見かけただけだった。


一体、あの大集団は、なんだったのだろうか?

 

 

   

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空飛ぶイッカク ビロウドツリアブ


早春にしか見られない、ちょっとだけ不思議なアブがいる。


この子を撮るのは、今回が初めての撮影であったが、
残念ながら「ついに撮れたシリーズ」の4回目ではない。

 

実は、こんな「さりげなく面白いアブ」がいることを、
今まで、全く知らなかったのだ。

アブの世界(?)には、写真だけの同定が困難なこともあって、
ハチに擬態する種類にしか、興味がなかったのだが、
これを機会に、写真だけでも撮るようにしたい・・・??

 

 

 

ビロウドツリアブ(ツリアブ科)

2015年5月1日 県民の森・茨城

最初は、「変な飛び方をするアブがいる?」と思ったが、
残念ながら、写真は1枚しか撮れなかった。


身体は、全身に細かい毛の生えた普通のアブなのだが、
まるで海中のイッカクのような、前方に長く突き出した口吻が特徴的で、
ちょっとだけ異様な雰囲気であった。


ネット検索で、ビロウドツリアブであることを知った。

 

 


・・・それから3日後、

 

 


ビロウドツリアブ(ツリアブ科)

2015年5月3日 裏磐梯・福島

今度は、裏磐梯の五色沼の遊歩道で見つけた。

4才の孫を含めた総勢7名の集団の最後尾を歩いていたが、
道路わきの空き地に、全く人を怖がらない感じで、飛び回っていた。


今度は、かなり沢山写真を撮ることが出来た。


 ⇒確かに、空飛ぶイッカク!!!

 

 

 


ビロウドツリアブ(ツリアブ科)

2015年5月3日 裏磐梯・福島

ネット情報では、この長い口吻で、
ホバリングしながら花の蜜を吸うとされている。

 ⇒ただ、別の観察では、吸蜜ではなく、
  唾液を出して花粉を溶かしてから、
  その液を吸っている可能性もあるようだ。


そのホバリングの様子が、まるで上から吊り下げられたように見えるので、
ツリアブと言う名前が付いたそうだ。

個人的には、イッカクのような口吻にちなんだ名前の方が、
良かったと思うのだが・・・

 

そして、もうひとつ不思議なことがある。


ツリアブ科の幼虫は、寄生性であることが知られている。

まだ見たことがないのだが、この子の幼虫は、
土中に巣を作るヒメハナバチ類の幼虫や蛹に寄生するのだ。

もちろん、内部寄生ではなく、巣の中の卵や幼虫を、
普通に生きたまま食べ尽くしてしまうタイプのようだ。


 ⇒軽くネット検索したが、産卵の方法や場所など、
  どうやって土中のヒメハナバチの巣に入り込むのかが、
  まだ分かっていないようである。

 

 

   

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ついに撮れた!! シロシタホタルガ幼虫


ついに撮れたシリーズ(?)、3回目は、
別に大騒ぎすることでもないのだが・・・


今回紹介するシロシタホタルガの幼虫は、
成虫ほど頻繁には見かけることがない。

というか、今回が初めての出会い(確認!)だった。

 

 

 

シロシタホタルガ(マダラガ科)

2015年5月14日 安曇野・長野

フトハサミツノカメムシの雄成虫に出会った後の興奮状態のまま、
多分サワフタギの葉っぱに、典型的な警戒色のイモムシを見つけた。


 ⇒偶然とは言え、同じ日に、同じ場所で、
  撮りたかった虫に、連続で出会ったことになる。

 

見た目の雰囲気は、ホタルガの幼虫に似ているので、
一瞬、ホタルガの幼虫かと思ったが、餌の植物が違う【注】

 

 

 


シロシタホタルガ(マダラガ科)

2015年5月14日 安曇野・長野

付近を探すと、合計10個体ほどが見つかった。

シロシタホタルガの幼虫は、ホタルガ幼虫と違って、
両サイドに赤い模様が一列に並んでいる。


 ⇒それにしても、このように昼間によく目立つ葉っぱの表側で、
  堂々と摂食行動をしているのは、自分は鳥に食われないとう、
  確かな裏付けがあるからなのだろう。

 

 

 

 

シロシタホタルガ(マダラガ科)

2015年5月14日 安曇野・長野

写真をよく見ると、白っぽい短い毛が生えているが、
これは、毒針毛ではなく、触っても大丈夫だ。

もちろん、マダラガ科なので(?)、体内に不味成分を持っている。


 ⇒ただ、ホタルガの場合も同じであるが、幼虫の食草は、
  一般的な有毒植物には分類されていないはずだ。

  他のマダラガ類のように、植物起源の成分を、
  そのまま体内に蓄積しているのではないのかも?

 

一般的に「有毒植物」と呼ばれるグループには、
キンポウゲ科やガガイモ科のような強力な毒性を示すものから、
セリ科やアブラナ科のような穏やかな(?)毒性を示すものまで、
多種多様な植物が知られている。

だから、それらを食べて体内に蓄積する側にも、
それに応じて、完全な警戒色のものから、
どちらとも言えないような微妙な色合いのものまで、
多種多様な昆虫類が知られている。


この非常に興味深い現象については、日を改めて紹介したい。

 

 

【注】以前このブログで紹介したホタルガの幼虫は、
   都市部の公園でも、比較的良く見かける多分普通種で、
   ヒサカキやマサキなどの常緑の葉を食害することが知られている。

   成虫と同様に、幼虫も警戒色のイモムシ(ケムシ?)で、
   どっちが前か分からない不思議な体型をしている。
   ↓   ↓   ↓
   http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130610/1/

 

 

 

 

 

   

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ついに撮れた!! 野生のタヌキ


虫の写真を撮ろうとして、林道を車で走っていると、
さりげなく他の動物に出会うことがある。

そんなときは、慎重に車を停めて助手席のカメラを手にするが、
運が良ければ(相手がすぐに逃げなければ!)、何枚か撮影できる。


これまでに、野生の哺乳類にはしばしば遭遇したことがあるが、
撮影に成功し、このブログで紹介した種類は、以下の7種類である。

エゾシカ、キタキツネ、エゾリス、ニホンザル、
ニホンカモシカ、イノシシ、テン・・・

  


ところが、ずっと気になっていた野生のタヌキには、
写真はおろか、出会ったこともなかったのだ。
 
   ⇒交通事故にあったタヌキは、よく見かけるのだが・・・


そして、今回の信州MMTで・・・

 

 

 


タヌキ(イヌ科)

2015年5月10日 安曇野・長野

最初に見つけたときには、「またアライグマか?」と思った。

カメラを向けても、逃げないし・・・・

 

 

・・・と、思った瞬間??

 

 

タヌキ(イヌ科)

2015年5月10日 安曇野・長野

肩の部分に黒い三角形の模様が見えた。

確か、これはタヌキの証拠?

 

よく似ているアライグマは、アライグマ科なので、
分類学上は、大きな違いがあるはずなのだ。

なのに、遠目には、どっちか判断できないほど良く似ている。

 

 

・・・しょうがない! 逃げるとするか?!

そんな感じで、動き出して、ようやく横からのショット・・・

 

 

 

タヌキ(イヌ科)

2015年5月10日 安曇野・長野

横から見ると良く分かるのだが、
肩の三角形の黒い模様が、はっきり見えるし、
尻尾は短く、リング状の模様もないので、
間違いなくこの子はタヌキだろう。


野生のタヌキに出会ったのは、これが最初だった。

 

 

人間に慣れているのか、あるいは性質なのか、
タヌキの行動は、予想外にゆっくりしている気がする。

 

 

・・・だから

 

 

 

タヌキ(イヌ科)

2015年5月10日 安曇野・長野

タヌキは、夜に道路を横断しているときに、
偶然通りかかった自動車のライトに照らされると、
動けなくなってしい、交通事故に遭う件数が非常に多いとされる。

特に高速道路では、事故死する動物の約4割がタヌキと言われているほどだ。


個人的には、一般道路では、イタチが多いような気がするのだが・・・


また、イリオモテヤマネコやツシマヤマネコのように、
離島にも車が増えて、大きな問題になっているようである。


イヌやネコなどの哺乳類に限らず、このようなロードキルの問題は、
昆虫類にも、昔から指摘されており、昆虫学会で、
ずいぶん前のことであるが、講演を聞いたことがある。

彼らにとって、どんな天敵よりも、車の方が怖いのかもしれない。

 

 

 

 


 

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