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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ミラクル擬態? ハグロケバエ

お互いに、類縁関係の全くないのに、
目(もく)を超えて、非常に良く似ている虫たちがいる。

多くの場合、その良く似た虫たちは、
擬態者とそのモデルの関係にあるようだ。

 

 

この子は、まるで、サシガメだ。

 


ハグロケバエ(ケバエ科)

2011年6月7日 志賀坊森林公園・青森

遠くからでは、サシガメにしか見えない。

 

 


ハグロケバエ(ケバエ科)

2011年6月7日 志賀坊森林公園・青森

近づいても、(私には)サシガメに見える。

でも、よく見ると、触角がカメムシではない???


 

 

ハグロケバエ(ケバエ科)

2011年6月7日 志賀坊森林公園・青森

前方からみると、何となく違うか?

「君は何組なの?」と言う雰囲気ではあるが・・・・




ハグロケバエ(ケバエ科)

2013年5月29日 芝谷地湿原・秋田

今年になって、別の場所でも見つけた。

やっぱり、サシガメと間違えた。

 


しかし・・・・今までの写真は、全て雌だったのだ。

 

 

ハグロケバエ雄(ケバエ科)

2013年5月29日 芝谷地湿原・秋田

これは雄で、普通に、ハエの仲間に見える。

この写真のように、ハグロケバエの雄の複眼は、
大きい(普通のハエと同じ?)ので、
まさに、ハエやアブなのだ。

一方の雌の複眼は、雄に比べて、はるかに小さかったので、
当然、頭部も小さく、サシガメのように見えたのだ。

雌雄で複眼の大きさが違うのは、
交尾行動に関係してるのだろうか?

 

 

しかし、これって、もしかして???

 

 

雌雄で見た目がかなり違う現象は、
カブトムシやクワガタの例を出すまでもなく、
他の虫たちにも、しばしば見られる。

多くは、配偶行動に関係する性的2型であるが、
中には、ベイツ型擬態に関係する場合もある。


有名なのは、ツマグロヒョウモンやその他チョウで、
雌だけが、鳥が食べない味の不味い種に、擬態している。

(ブログ)ちょっとだけ不思議な虫たち ツマグロヒョウモン
↓   ↓   ↓ 
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130319/1/

 

ハグロケバエの複眼サイズの違いも、
配偶行動に関係する可能性もあるが、
まさに、雌だけのベイツ型擬態の例に、
入れても良いのかもしれない。

 


 

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ミラクル擬態? マルウンカ

お互いに、類縁関係が全くないのに、
目(もく)を超えて、
姿かたちがが非常に良く似た虫たちがいる。
 
多くの場合、その良く似た虫たちは、
擬態者とそのモデルの関係にあるようだ。
 
 
 
 
 
この子は、まるで、テントウムシだ。

 


マルウンカ(マルウンカ科)

2013年6月7日 御前山自然公園・茨城

最初に見つけたときには、珍品テントウだと思った。

 

 


マルウンカ(マルウンカ科)

2013年6月7日 御前山自然公園・茨城

かなり近寄っても、マルウンカだと気付かなかった。

でも、何か歩き方が、ちょっと違っていた。

 

 


マルウンカ(マルウンカ科)

2013年6月7日 御前山自然公園・茨城

少し前方から、写真を撮って、
ようやくマルウンカだと分かった。

テントウムシとは、顔が違う?

 

 


マルウンカ(マルウンカ科)

2013年6月7日 御前山自然公園・茨城

雲の切れ目から、直射日光が当たった。

マルウンカであることが、分かっているのに、
ますます、テントウムシに似てきた感じがした。

 

もちろん、他のウンカ類は、体が細長いのが特徴である。

だから、この子たちは、テントウムシに似せるために、
もの凄い努力をしてるのだと思う!?     ⇒(注)

 

テントウムシの仲間は、体液が不味いようで、
良く目立つ色(警戒色)をしており、
多くの捕食者は攻撃しないようだ。


ちなみに、下の写真が、手持ちの写真の中で、
一番良く似ていると思われるシロホシテントウである。

 


シロホシテントウ(テントウムシ科)

2010年9月15日 白岩森林公園・青森

でも、よりによって、何で、
シロホシテントウがモデルになったのだろう。

もっと普通種(個体数の多い!)のテントウがいるはず・・・

 

ただ、ネット情報では、斑紋の変異もかなり大きいようで、
全身真っ黒のマルウンカも、しばしば発見されているようだ。

ある地域で、実際にその場所で見つかるモデル種と、
同じくその場所にいる擬態者の数(出現頻度)を観察すると、
擬態の効果を考える際の重要なヒントになりそうである。

 
(注)記事の掲載直後に、大学時代の友人から、このような書き方は、
   現代の進化論(総合説)に反する「誤解を招く表現」である、
   というような趣旨の指摘がありました。

   もちろん私は、いわゆるラマルキストではないし、
   創造論(デザイナー説?)やウィルス進化論などの進化説とは、
   基本的に一線を画して、理解しているつもりです。

   だから、文中でさりげなく使用した「ものすごい努力」という言葉は、
   現代進化論(総合説)の枠組みの中での「擬人的な表現」であることを、
   ご理解いただければと思います。   
   
   
   

 

 

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ミラクル擬態? アリグモ

お互いに、類縁関係が全くないのに、
目(もく)を超えて、
姿かたちがが非常に良く似た虫たちがいる。

多くの場合、その良く似た虫たちは、
擬態者とそのモデルの関係にあるようだ。

 

 

この子は、まるで、アリだ。

 


アリグモ(ハエトリグモ科)

2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城

遠くからは、アリにしか見えない。

 

 


アリグモ(ハエトリグモ科)

2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城

近づいても、(私には)アリのように見える。

前脚をまるで触角のように動かして、
アリのように、セカセカと歩いているからだ。

 

 


アリグモ(ハエトリグモ科)

2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城

少し前方からみると、何となく違うか?
と、いうような雰囲気ではあるが・・・・

 

 


アリグモ(ハエトリグモ科)

2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城

非常に残念ながら(?)、写真の子は雄なので、
上顎が太くて、長くなっている。

雌ならば、こんなに上顎が発達しないので、
もっともっと、アリに見えるのだ。

 

でも、この子、本当にクモなの?

 


・・・・・・・・・・・・・・・・・

 


アリに、ベイツ型擬態(注1)して、身を守る虫は、意外と多い。

ただし、アリに似ている程度は、千差万別というか、
ピンからキリまで、様々である。

どの程度の完成度で、捕食者が騙されるかは、
個々の捕食者の餌の探し方、視力、空腹度などによって、
変わってくるに違いない。

以前、ムネアカオオアリに良く似たカミキリを、
やはりミラクル擬態の好例として紹介した。

マツシタトラカミキリ? ムネアカオオアリ??
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120704/1/


おそらく、アリグモは、これを超えたミラクル擬態(注2)だろう。

 


(注1)アリは、最強の捕食者とも言われ、かなり攻撃的で、
    お尻近くの毒腺から蟻酸を吹きかけたり、
    集団で生き物を襲ったりする。

    だから、アリを食べる捕食者は、限られており、
    アリに擬態することで、捕食を免れる可能性は高い。

 

(注2)これまで、なかなか良い専門用語が見つからなかったので、
    便宜上「ミラクル擬態」として、区別している。
    もちろん、このブログ内だけで通用する新しい「言葉」だ。
    
    現代進化論【総合説】のワクを、多分超えて(?)、
    そこまで似せなくても、捕食者は騙されてくれるよ!!
    と、いうような「やりすぎ感のある擬態」を指す。

    一部の虫たちだけが、何故、ミラクル擬態になったのかは、
    非常に興味深い問題である。
    (⇒昔、赤の女王仮説というものがあった!!!)

    ⇒日を改めて、ミラクル擬態については、紹介したいと思う。


  
    このブログで紹介したミラクル擬態の例:

    ハイイロセダカモクメ幼虫【隠蔽的擬態】
    ↓   ↓   ↓
     http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121012/1/

    ムラサキシャチホコ成虫【枯れ葉擬態】
    ↓   ↓   ↓
     http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130626/1/
 
    セスジスカシバ成虫【ベイツ型擬態】
    ↓   ↓   ↓
    http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110926/1/
     
               

 



 

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温泉で見つけた不思議な虫たち(?)

このブログでは珍しく、真面目な話が続いた(?)ので、
気分転換に、もっと真面目な話題を・・・・

 

今日は、温泉で見つけたちょっとだけ不思議な虫たち(?!)を紹介する。

 


弘前市の自宅周辺には、私のお気に入りの3か所の温泉がある。
匿名ブログで、名前を出すのも、ちょっとだけ抵抗があるので、
温泉名は、頭文字で・・・・・ (⇒地元の人は、すぐ分かるが!)


【RJ温泉】浴槽周辺のタイルに、温泉成分がウロコ状に析出している温泉。
      
【MM温泉】炭酸泉と大きな露天風呂が売りの市街地にある温泉。

【SS温泉】スーパー銭湯のように多種類の浴槽がある最近できた温泉。


これらの温泉施設には、ある程度ローテーションしながら、
回数券を購入して、ほぼ2日に1回は、お世話になっている。

 


今回は、そんな温泉施設で出会った虫たち(?)である。
ただし、残念ながら、(盗撮になるので)写真はない。

写真ブログなので、タイトルとは無関係(!)の写真を掲載・・・

 

 


予想外に速かったアシグロツユムシの脱皮

2011年8月31日 白岩森林公園・青森

⇒昔テレビで見たカゲロウの脱皮の速さは、
 それこそ本当に、あっという間だった。


あっというま虫: 

特に冬の間は、北国のお爺さんたちは、
結構、沢山重ね着をしている。

脱衣所で、一枚一枚服を脱いでいくのに、
結構、苦労している人もいるようだ。

そんな中で、もの凄いスーパーお爺さんを見かけたのだ。


何が凄いのかって・・・?


まず、上半身の多分5~6枚の重ね着している服を、
一度に、それもアッと言う間に脱いでしまったのだ。

そして、ズボンやモモヒキやパンツも一緒に、
同じく、一瞬の間である。

だから、わずか2回の動作で、全部脱いでしまったことになる。

今考えると、靴下はどうしたのかな、と思うが、
もしかしたら、ズボンやパンツと一緒に脱いだのかもしれない。


出てきたときも、2回の動作で、全部まとめて着るかどうかは、
残念ながら、観察していない。


家族に話をしたら、みんな「大爆笑・大受け」で、
一度、実物を見てみたいと言う。

本当に、見たいのか?

 

 


ちょっとうるさいクマゼミとアブラゼミ

2006年8月6日 鳴門市・徳島

⇒公園でのこの大合唱は、傍にいると、
 うるさいなんてもんじゃない。


うるさ虫:

多分、かなり暇なんだろう。
やたら話しかけてくるお爺さんもいる。

だけど、生粋の津軽弁(!?)がワザワイして、
話の内容がよく聞き取れない。

それでも、私が分かりにくそうにして、聞き返したりすると、
少しだけ標準語を混ぜてくれたりするので、何とか通じる。

でも、このお爺さんが、地元の人と会話しているのが、
ときどき聞こえてくるが、そのときの話の内容がさっぱりわからない。

聴きながら、思わず笑ってしまいそうになるが、
まるで、韓国に来てるようである。
(行ったことはないが・・・)

 

 

 


絞り出すように鳴くアオサギ

2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

⇒容姿に似合わない「しわがれたうめき声」は、
 風邪をひいたカラスの声に聞こえる。


がまん虫:

いずれの温泉も、基本的にお湯の温度は高めである。

特に、SS温泉の「高温湯」には、入るのにかなりの勇気がいる。

その風呂に浸かるときに、本人は全く意識していないのだろうが、
大声で「あぁ~!!」とか「うふ~!!」とか、
うめき声を出しながら入るお爺さんがいる。

ときどき見かけるので、常連さんなんだろう。
大体いつも、同じ掛け声(?)をかけて、
気合を入れてから、ことに及ぶようだ。

でも、ちょっとだけ、声が迷惑?

 

 

 

場所を間違えたシャクガ幼虫

2012年6月19日 白岩森林公園・青森

⇒緑色の葉っぱの端から枝が!!!
 これは完全に居場所を間違えている。


おかしくないか虫: 

温泉に浸かりながら、本を読んでるヤツがいる。

別に構わないが、そうまでして、読みたい本なのだろうか?

誰に迷惑をかけている訳ではないが、ちょっとだけ気になる。


読んでる本が濡れないのか、多少心配になるが、
ベテランらしく、そこは実にうまくやっているようだ。

何回か見かける同一人物なので、どんな本なのか、
覗いてみたい気がするが・・・

 

 

 

この原稿を書いているとき、昔のことを、ふと思い出した。


寒くないのかヤマアカガエル

2013年4月22日 だんぶり池・青森

⇒信じられない光景だが、変温動物であるはずのカエルが、
 雪の上を歩くし、氷の水の中を泳ぐ・・・


ごうけつ虫:

徳島県板野郡の町営温泉施設に行ったときだ。

普通は、脱衣所から浴室に入ってくると、
かけ湯をして、まあ体を馴染ませてから湯につかる。


でも、このお爺さんは違った。

冬の寒い日、かけ湯も何もせず、
いきなりサウナの出口にある水風呂に、飛び込んだのだ。

そして、そのまま数分間、中で動き回っている。

おそらく体は、完全に冷え切っているはずで、
すぐに、となりの浴槽(お湯)に入りなおすのだろう。


後で考えると、寒中水泳の練習をしていたようだ。

それにしても、見てるだけで寒くなる。

良い子は、絶対にマネをしないように・・・・

 

 

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ついに撮れた ムラサキシャチホコ

もう10年以上も前から、いつも頭の片隅にあって、
撮りたい!、撮りたい!! 
と、思い続けていた不思議な蛾がいる。

それが、幸運にも、全く予期しない状況で、
さりげなく撮ることができたのだ。

 

(ちょっとだけ前置きが長くなるが・・・)

 

国道7号線の秋田と青森の県境にある矢立峠の道の駅は、
旅行の前後には、必ず寄ってみるお気に入りの場所だ。

駐車場のトイレがある建物には、特に朝早ければ、
前夜に明るい電灯に集まった虫たちが帰りそびれて、沢山残っている。

だから、なんの苦労もせずに、珍しい虫たちを、
いとも簡単に撮ることができるのだ。


ただ今回は、状況がちょっとだけ違って、
旅行予定がなかったのに、朝起きたときに、
ふと思い立って道の駅まで出かけてみた。

しかし道路は、通勤ラッシュで7号線も大混雑。
さりげなく高速に1区間だけ乗って、
朝8時ごろに、誰もいない道の駅に到着した。

青森県側は、あいにくの小雨模様だったが、
峠が近づくにつれて、空が明るくなって、
雨はすっかり止んでいた。


そして、憧れのムラサキシャチホコは、
他の沢山の蛾たちと一緒に、トイレの建物のガラスに、
さりげなく止まっていたのだ。

 


ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

 

ん!!


これが、アコガレの蛾なのかい!?!?

 

失礼しました。

 

このように、真上から撮ると、
ムラサキシャチホコは、普通のどこにでもいる蛾なのだ。

 


しかし、ななめ横から撮ると・・・

 

 

ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

これが、国内で最もやりすぎ感のある「枯れ葉に擬態した蛾」だ。

こんな写真を初めて見た人は、
ムラサキシャチホコの翅が、
「まるで枯れ葉のように、うまく巻いてるな」
と錯覚するかもしれない。

 

しかし、不思議なのは、ここからだ。

 

実際には、この子の翅そのものが、
枯れ葉のように巻いてるわけではないのだ。

驚くべきことに、平坦な翅にある鱗粉の色と濃淡で、
見事に「枯れ葉の模様」を、立体的に描いているのだ。


葉脈まである枯れ葉が、上下に、ごく自然にカールしており、
しかも、影になった部分の微妙な「ぼかしと濃淡」は、
ほぼ完璧な出来栄えと言っても過言ではない。


そうやったら、こんなに上手に描けるんだ!!!

ベテランの画家でも描くのが難しそうなのに・・・・

 

 

 

ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

もちろん、反対側も同じような模様だ。

明らかに、ななめ上方からの捕食者(多分鳥類)を意識(?)して、
自分の翅に、枯れ葉の模様を描き出したのだ。

このような模様の出来上がる過程(進化)は、
鳥類の捕食圧(自然淘汰)だけで、本当に説明できるのだろうか?

(⇒出来るとは思うが、明らかにミラクルの部分もありそうである)

 

 

 

ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

以前紹介したように、枯れ葉に似せた蛾の擬態は、
マエグロツヅリガというミラクル擬態が思い浮かぶ。
しかし、実際に翅の端を丸めて枯れ葉になっているマエグロツヅリガとは、
ムラサキシャチホコは、明らかに次元が違う擬態なのだ。
↓  ↓  ↓
マエグロツヅリガ 保護色から隠蔽的擬態へ

http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120729/1/


いずれの場合も、「どっちが有利か?」とか、
「勝っているか?」とかは、全く無関係に、
進化の最終段階にまで来てるような印象を受ける。

しかし、立体的に見せているムラサキシャチホコの「芸術作品」も、
マエグロツヅリガにはない、大きな欠点がある。

 

それが、最初に示した写真である。

 

もう少し拡大してみると・・・・

 

 

ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科)

2013年6月21日 矢立峠・秋田

平面に立体的に描いた「芸術作品」も、
この角度から見ると、ただの蛾にしか見えないのだ。

ここまで完璧な隠蔽的擬態ができたのに、
真上から一直線に飛んで来る鳥には、
その「芸術作品」を全く見せることができないのだ。

そんな捕獲行動をする鳥なんて、実際にいるのかどうかは別にして、
これは、平面に描く立体画の宿命的な欠点であることは間違いない。

おそらく、この欠点をカバーするためにも(?)、
ななめ上からの捕食者の視線に対しては、
パーフェクトな立体画でなければならなかったのだろう。

 

すでに、この擬態の進化は、現代進化論で説明がつくと書いた。

でも、本当は、神様の「いたずら」だったのか? 
と、ふと思ってしまうほどの出来栄えの「芸術作品」なのだ。




 

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