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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

緊急報告 再びヤマアカガエル(だんぶり池)

(カメムシの集団シリーズの途中ですが)

雪の上を飛び跳ねるカエルを、
もう一度見たくなって、
ようやく雪が溶けた「だんぶり池」に、
今年初めて行ってみた。

 

探すまでもなく・・・


いた!!!!


昨年の衝撃が再び!!!!!

 

雪の上のヤマアカガエル

2013年4月22日 だんぶり池・青森

(写真を拡大して、ご覧ください)

雪の上に、カエル(赤丸2か所)がいる!!!

しかも、活発に動いている。

 


雪の上のヤマアカガエル

2013年4月22日 だんぶり池・青森

近寄ると、かなり、俊敏に飛び跳ねて逃げる。

本当に、君は、変温動物なのか?(注)

 

 

雪の上のヤマアカガエル

2013年4月22日 だんぶり池・青森

奇蹟的に、飛び跳ねる瞬間の写真が撮れた。

何か、SF小説に出てくる宇宙人・・・・

 

 

ヤマアカガエル(アカガエル科)

2013年4月22日 だんぶり池・青森

雪解けの澄み切った水中を、
カエルが悠然と、泳いでいる。

逃げ回って、慌てている様子はない。

というか、水温が低すぎて、動きにくいのか?


多分、カエルがこんな感じで泳いでる写真は、
今の時期しか撮れないだろう。

 

 


ヤマアカガエルの卵塊

2013年4月22日 だんぶり池・青森

昨年ほど多くはないが、
雪解け水が流れ込む小さな池に、
多数の卵のかたまりを発見。

複数の雌が同じ場所に産卵しているようだ。

 

 

ヤマアカガエルの幼生

2013年4月22日 だんぶり池・青森

同じ池の少し日当たりの良い場所には、
沢山のオタマジャクシが・・・・

枯れ葉以外のばしょで、赤黒く見えるのは、
すべてオタマジャクシだ。

これも、天敵からのエスケープになるのだろうか?

 


この日、見つけた天敵(捕食者)は、以下の2種。

 

多分ヤンマの幼虫(ヤゴ)

2013年4月22日 だんぶり池・青森

この写真も、雪解け水の今の時期しか、撮れない。

 

 

マツモムシ(マツモムシ科)

2013年4月22日 だんぶり池・青森

こちらは、かなり活発に泳ぎ回っていた。

 

 

(注)普通のカエルは、冬になると冬眠し、
   暖かい春になると出てきて交尾後、卵を産む。

   しかし、ヤマアカガエルは、普通ではないのである。

   雪や氷で付近が覆われているような寒い頃、
   一時的に冬眠から覚めて、水中に卵を産み、
   その後、信じられないが、再び寝てしまうのだ。

 

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カメムシの集団④ ヒメツノカメムシ

多くのカメムシ類は、卵塊で卵を産むので、
孵化した幼虫(兄弟姉妹)が、そのまま、
集団で行動することが多い。

有名なのが、このブログで、何度か紹介した
ヒメツノカメムシの幼虫集団である。

 


(最初は、若齢幼虫だけかと思った・・・)

 


ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2010年6月20日 弘前市・青森

ヤマグワの葉裏で見つけた孵化幼虫の集団。

おそらく1卵塊からの兄弟姉妹の集団だろう。
近くに母親がいて、暖かく(?)見守っている。

 

 


ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2011年7月3日 白岩森林公園・青森

こちらは、少し成長した若齢幼虫の集団。

おそらく、このころになると、
近くに母親の姿は見えなくなることが多い。

 

 

ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年7月19日 梵珠山・青森

さらに成長した終齢幼虫の集団。

ツノカメ類に見られる密な集団は、
若齢幼虫だけで、齡が進むにつれて、
次第に分散していくと思っていたのだが、
まさか終齢(5齢)になるまで、
一緒にいるとは!! 

ちょっとだけ驚き!!!

 

 

ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年7月19日 梵珠山・青森

このような大集団になると、
1卵塊の姉妹兄弟だけではないはずだ。

多分、すぐ近くの別の卵塊の幼虫が、
合体してひとつの集団になったのだろう。

 

 

ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年7月19日 梵珠山・青森

この比較的小さな集団には、
何と、成虫が3匹も混じっている。

幼虫集団は、成虫になるまで、
一緒に生活していたのだ。

そんなに、集団化のメリットがあるのだろうか?

 

 

ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年7月19日 梵珠山・青森

ちょっと引いた写真を見ると、同じフレームに3ケ所、
ヒメツノカメムシの集団が確認できる。

しかも、かなり目立つ場所に!


野鳥類は、一体どこを見て、餌を探してるんだ!?!?

 

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カメムシの集団③ アカスジキンカメムシ

日本に生息するキンカメムシの仲間で、おそらく、
アカスジキンカメムシが、最も北に分布する種類だろう。

ただ、アカギカメムシやオオキンカメムシと違って、
成虫が集団でいるのを、見かけたことがない。

成虫で越冬しないからなのだろうか?

というか、そのことと、北へ分布拡大できることとが、
もしかしたら、無関係ではないのかもしれない。

⇒近似種のニシキキンカメムシも幼虫越冬であるが、
 こちらは明らかに、寄主植物のツゲの分布域と、
 関係しているようだ。

 


アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)

2011年9月8日 白岩森林公園・青森

弘前市周辺でも、このような終齢幼虫の集団が、
白岩森林公園で、さりげなく見つかる。

もともと南方系のキンカメムシの仲間は、
当然、北海道には分布していないなので、
この集団は、北限に近いものなのかもしれない。

 

 

アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)

2010年9月30日 福島市・福島

このような、白と黒の模様で集団になっていると、
緑色の葉っぱの上では、良く目立つ。

福島や茨城では、まあ普通に見られるが、
あまり大きな集団には、ならないようだ。

 

 


アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)

2011年10月18日 東海村・茨城

こちらは、ヒノキの球果に集まっている終齢幼虫。

全部で4匹いるのだが、お分かりだろうか?

アカスジキンカメムシの幼虫は、このように、
ほとんどの個体が、黒地に白い模様であるが、
何故か、ときどき白線が赤い線になることがある。

 


(以下、追加写真??)

 


アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)

2011年10月18日 東海村・茨城

赤色が強く出ている個体。

この背景にいると、警戒色というより、
保護色や隠蔽的擬態のような雰囲気もある。

 

 

アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)

2012年5月29日 南湖公園・福島

せっかくの機会なので、集団になってはいないが、
美しい成虫の写真も、どうぞ!!!

不完全変態のカメムシには珍しく、
成虫と幼虫の形態が、劇的に変化する。

成虫は、このように、緑地に赤色の模様が美しい。

 

脱皮する様子は、こちらにあります。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120608/1/

 


 

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カメムシの集団② オオキンカメムシ

高知県の室戸岬には、オオキンカメムシが,
さりげなく集団越冬する場所がある。

そこは、(多分)文献等で公開されてはいないが、
四国の虫好きならば、誰でも知っている秘密の場所でもある。

 

オオキンカメムシ(キンカメムシ科)

2006年2月12日 室戸岬・高知

当時は、その場所の入口には、
手作りの看板がぶらさがっていて、
一般の観光客が入りこまないように、
「道が整備されていないので危険である」と、
オオキンカメムシの越冬場所については触れずに、
別のとってつけたような理由が書かれていた。

今でもそうなのだろうか?

 

 

オオキンカメムシ(キンカメムシ科)

2006年2月12日 室戸岬・高知

この写真のように、オオキンカメムシは、
前回のアカギカメムシとは違って、
互いに重なり合うような密な集団にはならない。

多くの個体は、頭を内側にして、
お互いに、ただ寄り添っている感じである。

 

 


もうひとつアカギカメムシとは違うところがある。

それは、葉っぱ(多分ヤブツバキ?)の裏側にしか、
集団を形成しない(らしい?)のだ。


オオキンカメムシ(キンカメムシ科)

2006年2月12日 室戸岬・高知

だから、普通に写真を撮ると、こんなになってしまう。

もしかしたら、直射日光を避けているのかもしれない。

 

 

オオキンカメムシ(キンカメムシ科)

2006年2月12日 室戸岬・高知

上と同じ集団を、カメラの条件を変えて、
ようやく撮れたのが、この写真である。

まるで、ジグソーパズルのように、
隙間なく並んで、見事な集団になっている。

 

 

オオキンカメムシ(キンカメムシ科)

2006年2月12日 室戸岬・高知

多くの個体は、越冬中のため、動きが遅い。
だから、こんな感じの写真を撮ることができる。

写真では、(下手糞なので)分かりにくいが、
直射日光下では、青藍色の金属光沢もあって、
いわゆるキンキラキンのカメムシである。

 

 

オオキンカメムシ(キンカメムシ科)

2008年1月3日 室戸岬・高知

2年後に行ってみると、越冬場所は無事だった。
例の看板も、まだ有った?!

もう一度行ってみたい場所である。


ブログで紹介してしまってから言うのも変であるが、

このような貴重な場所は、
いつまでも残していきたいものである。

 

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カメムシの集団① アカギカメムシ

今回から、数回に渡って、色々なカメムシが、
様々な目的で、集団になっている写真を、
まとめて紹介したい。

一部、既出の写真もあるが、
(⇒そんなことは誰も覚えていないと思うし)
改めて、もう一度ご覧ください。

 

最初の写真は、もう10年近く前に、
妻と二人で行った真冬の石垣島旅行のときに、
ようやく見つけたアカギカメムシの集団である。

 

この感動は、今でも忘れられない!!

 


さすが南国の石垣島でも、1月は真冬である。

於茂登岳の麓付近の空き地に、レンタカーを停めて、
周回する林道を、さりげなく二人で歩いた。


アカメガシワの葉っぱだけを見ながら・・・


この日は、小雨模様で、普通に林道を歩いていたのでは、
ほとんど虫の姿は、見られなかった。

 


そして、カメムシの採集をしなくなってから、
久しぶりの胸がワクワクした瞬間は、
さりげなくやってきた。

 


アカギカメムシ(キンカメムシ科)

2004年1月12日 石垣島・沖縄

そこらじゅうに沢山あるアカメガシワの中で、
たった1本の木だけに、アカギカメムシはいたのだ。

これだけの数が、まとまって見られるのは、
多分、この時期だけ・・・・かもしれない。


左下に見えるカップル(?)は、交尾中・・・

 

 

アカギカメムシ(キンカメムシ科)

2004年1月12日 石垣島・沖縄

そして、これが、同じ木で最初に見つけた、
待望のかなり密な集団。

アカメガシワの高い木の葉っぱの表面に、
本当に寄り添うように静止しているのが見えた。

このような集団は、同じアカメガシワの木で、
10ヶ所以上で、次々に見つけることができた。

 

 

アカギカメムシ(キンカメムシ科)

2004年1月12日 石垣島・沖縄

この林道には、他にも良く似た環境に、
アカメガシワの木が沢山あったが、
この木以外では、どうしても、
見つけることはできなかった。


何故、アカギカメムシは、一本の木だけに、
いくつかの集団を形成するのだろうか?

また、このような折り重なるような集団は、
次回紹介するオオキンカメムシには、
基本的に見られない行動だ。

両種とも、単独で十分目立つような警戒色であり、
おそらく鳥は、その色を覚えていて、食べないだろう。

このような密な集団になることによって、
警戒色の効果を強調しているのだろうか?

 

 

アカギカメムシ(キンカメムシ科)

2004年1月13日 石垣島・沖縄

次の日、竹富島観光を中止して、
妻に「ブーブー」言われながら、
小雨の中、レンタカーを走らせて、
再び、於茂登岳の林道に向かった。

そして、今度は、こんな写真を撮ることができた。


間違いなく、重なっている!!!

 

 

アカギカメムシ(キンカメムシ科)

2004年1月13日 石垣島・沖縄

この日は気温が一段と低かったせいか、
見つけたアカギカメムシの集団は、
すべて、お互いに折り重なるように静止していた。


 

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