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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

カメムシも餌食に!! 匂いの防御効果は??

虫を探しながら、林道をブラブラと歩いていると、
ふと、カメムシの匂いがするのに気づくことがある。

以前紹介したように、カメムシは物理的な刺激がなければ、
決して匂いを出すことがない。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101107/1/

だから、何もしないで、カメムシにそっと近づいても、
その匂いを感知することはないのだ。

普通に歩いていて、カメムシの匂いがするときは、
多分、カマキリやクモなどの捕食者が、
カメムシを攻撃している可能性が高い。


カメムシの放出する匂い成分は、防御物質と言われることが多く、
その強烈さから、外敵に対する防御効果が完璧であるかのような印象を与える。

しかし、実際に捕食者との出会ったときには、
ちょっとだけ攻撃を躊躇させる「ビックリ効果」しかないのである。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101109/1/

そのため、カメムシは、いたるところで、
捕食者の餌食となっている場面を見ることが出来る。


もちろん、放出する匂い成分の防御効果は、全く”0”ではないのだが・・・

 

 

トゲカメムシ(カメムシ科)

2010年9月4日 だんぶり池・青森

最初は、トゲカメムシしか見えなかった。
しかし、動き方は、いつもと違って何となく違和感があった。

そして、トゲカメムシの背後にクモの姿を発見。

⇒カメムシが自然状態で、クモに捕獲されていた!!!

 

 

ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2010年6月5日 だんぶり池・青森

ちょっと分かりにくいが、被食者はヒメツノカメムシである。

このときは、写真は撮れなかったが、
捕獲される瞬間を見ることが出来た。

⇒カメムシの匂いが、付近に立ち込めていた!!!

 

 


チャバネアオカメムシ(カメムシ科)

2011年10月17日 東海村・茨城

匂いが強烈なカメムシのベスト10に入るカメムシも、
完全に、ジョウロウグモの餌食となっている???

ただ、クモの糸でグルグル巻きにされていないので、
もしかしたら、食べられていないのかもしれない。

⇒現場で確認すべきだった!!!!

 

 

オオトビサシガメ(サシガメ科)

2012年10月22日 浅瀬石ダム・青森

晩秋のダムサイトに集まる膨大な数のクサギカメムシも、
同じくダムサイトに来たオオトビサシガメの餌食に・・・

⇒ちょっとだけ、恐ろしい光景!!!

 

 

ナガメ(カメムシ科)

2011年5月20日 だんぶり池・青森

このように、ナガメの体色は、典型的な警戒色であり、
成虫になると匂いを出さない。
そのかわり(?)、体内に不味成分を持っていて、
多くの捕食者は、ナガメを食べないと思われていた。

⇒取りあえず、捕まえただけ???

 

 

多分オオホシカメムシ(オオホシカメムシ科)

2011年10月18日 東海村・茨城

この警戒色のカメムシも、不味成分を体内に持っているので、
野鳥類は食べないと思う。

⇒これも、網に捕獲しただけ???


 


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カメムシの匂いの不思議【05-05】 警報フェロモン効果

(前項を先にお読みください)

一般的に集合性をもつ種において、その集合の構成メンバーの一部が、
外敵に対して臭気成分放出した直後に、
その臭気を近くにいる同種の他個体が感知して、
その場を速やかに離れることができれば、
その臭気成分は「警報フェロモン」とみなされる。

多くのカメムシ類は、同種の他個体が放出した臭気成分の臭気を感知することにより、
その現場から落下したり、遠ざかるような行動をとることが観察されている。
(⇒⇒ ただし、警報フェロモンの場合は、種特異性はないことが推定される)
 

つまり、直接捕食者に襲われた個体は助かることはないが、
近くにいる仲間(多くの場合は兄弟姉妹等の近親者であることが多い)に危険を知らせ、
現場から速やかに逃亡させることができる。

警報フェロモンは、近くに同種の他個体が存在しているからこそ、
有効に危険を知らせる手段となる。



したがって、臭気成分を、警報フェロモンとして使用している種は、
例外なくある程度の集合性が認められるはずである。

カメムシ類の集合は、
(1)ふ化直後から吸汁開始時期まで卵塊上でおこる若齢幼虫のかなり密な集合、
(2)摂食・静止時におこる幼虫時期の集合、
(3)寄主植物の一部分に成虫・幼虫が混在するルーズな集合、
(4)交尾のための成虫のルーズな集合、
(5)越冬場所での集合等、
いろいろなタイプのものが知られており、
いずれの場合も警報フェロモンが有効に働く状況にある。

ただし、(3)と(4)では、カメムシが保護色の場合、
警報フェロモン活性は、ほとんど観察されない。

たとえば、まるでクズの新芽のように見えるマルカメムシ幼虫は、
葉や茎の分岐部分に集合していることが多いが、
地面に落下したり、その場から離れるような行動は認められない。

これは、隠蔽的擬態(あるいは保護色)をするカメムシが、
捕食者と出会った場合には、
臭気成分のビックリ効果がより出やすいからなのだろうか。


一方、不味成分を体内に持っている警戒色の被食者は、
鳥には喰われないが、別のある捕食者には平気で喰われてしまうこともある。

その目立つ色彩が逆に捕食者の発見の手助けとなる可能性があるが、
この時に放出される臭気成分が警報フェロモン活性を持っていれば、
同種の他個体に対しては、効果的に働くことになる。

したがって、警戒色=不味成分というタイプの昆虫にとっては、
「集合すること」と「防御物質が警報フェロモン活性を持つ」ことは、
同時に成り立つことが必要であり、それが生存にとって重要な戦略となる。


また、樹上性のカメムシは、警報フェロモンに対する行動が特異であり、
例えばチャバネアオカメムシ1令幼虫には、樹上からの落下行動は見られず、
バラバラに、葉の裏に回り込むだけである。
落下する距離が長いと、その場所に再度集合しにくいためかもしれない。



さらに興味深いことは、臭気成分は、集団でが警報フェロモンで落下したり、
分散してしまったりした個体を、もう一度集団化させる役割をも果たしている。

カメムシ類の臭気成分は、
(E)-2-hexenalや(E)-2-decenal等の直鎖アルデヒド類とその類縁化合物であり、
さらにn-tridacane等の無臭の飽和炭化水素類を含んでいる。

(E)-2-hexenalは青葉アルデヒドとも呼ばれ、
植物の青臭い匂いの成分にもなっているかなり揮発性の高い物質である。
n-tridacaneは、溶媒的な役割を果たし、アルデヒド類の揮発を調整する。

アルデヒド類は、大量に放出された場合には、
仲間をその場から分散させる警報フェロモンとしての役割を持ち、
これが微量の場合には、あるいは、時間が経過して、匂いが少なくなったら、
再び集団化させる集合フェロモンとして機能する。

カメムシは、集合と分散にそれぞれ別の物質をフェロモンとして、
使用していない。これは、無駄を省くという面があるのと同時に、
何らかの事故で両方放出してしまった場合の混乱を避けているのかもしれない。

 

以上のように、カメムシの放出する臭気成分の役割として、

 (1)アリに対しては「防御物質(接触毒)」として有効に作用し、
 (2)その他の捕食者に対しては、捕獲行動を一瞬の間躊躇させる「ビックリ効果」を持ち、
 (3)近くにいる同種の他個体を分散させる「警報フェロモン」として機能し、
 (4)微量の場合には、幼虫の集団化を促す「集合フェロモン」の役割を果たす

ことがわかった。

カメムシの臭気成分が、捕食者と被食者の様々な出会いの場面で、
いくつかの役割を同時に果たしているということは、大変興味深いことである。

当然のことであるが、最初からこのような多面性が備わっていたとは考えにくい。

おそらく、最初は、捕食者に対する直接的な防御手段として、進化してきたものが、
幼虫期の集団生活の発達に伴い、ビックリ効果や警報フェロモンとしての役割を果たし、
さらに、一度バラバラになった個体を、ある程度時間が経過してから、
もう一度集団化させる集合フェロモンとしての二次的な役割を、
持つようになったものと推察される。

現在では、臭気成分は警報フェロモンとしての有効性がかなり高くなり、
不味成分を持つ警戒色のカメムシ、たとえばナガメやアカスジカメムシは、
集団生活する幼虫期には、臭気成分を放出するが、
単独生活になる成虫期には、ほとんど臭気を放出しない。

これは、ある程度、理にかなったことであるように思える。
 

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カメムシの匂いの不思議【04-05】: 警戒色と不味成分

(前項を先にお読みください)

普通、警戒色のカメムシ類は臭気成分を放出しないか、
あるいは放出してもごく僅かであり、
多くの場合、体液に食草起源の不味成分を含んでいる。

特にカメムシ類のような植物吸汁性の種では、
植物体の有毒成分をそのまま体内に蓄積している可能性が高い。

最初の実験で述べたように、
飼育中の捕食性の動物類に、さまざまな種類のカメムシを与えた場合、
匂いを大量に放出する保護色のカメムシは平気で食われてしまったが、
あまり匂わない警戒色のカメムシは食われなかった。

さらに、警戒色のカメムシ類は、前述のように、
野鳥類の胃の内容物のリストには発見されないので、
不味成分を体内に蓄積するカメムシは、
野鳥類に食われない可能性が高いのである。


 

 被食者が不味成分を持つことによって、
捕食者の攻撃から逃れようとする場合は、
学習できる捕食者が対象となるので、
ほとんど例外なく被食者の体色は目立ちやすい警戒色になっている。

逆に言えば、鳥類に対して有効でない臭気成分を持つカメムシが、
警戒色をしているはずがないのである。

もっと言えば、保護色のカメムシに擬態してる種もないだろう。


カメムシ類の、不味=警戒色=学習という系は、
まさに捕食者として鳥を対象として進化してきた防御法であるといえる。

一方、学習できない捕食者に対しては、
その都度行う防御行動によるビックリ効果の方が有利である。
捕食者があまり印象に残らない(?)ような目立たない色彩の方が、
びっくりさせる効果は大きくなると考えられるからである。


昆虫図鑑によると、カメムシの70%以上が保護色である。
しかも、そのほとんどが強烈な臭気(臭気成分)を放出する。

警戒色のカメムシは、30%以下であり、
そのほとんどが弱い臭気を放出するか、あるいは全く臭気を放出しない。

もちろん、警戒色を持つカメムシの臭気成分が、
自らの体表に流れ出させる種もおり、
それらは、ある種の捕食者にとっては、
不味成分として作用する可能性はあるが・・・・
 

 

鳥類に対して有効な不味成分は、アリに対して無効であるが、
アリに対して有効な防御物質成分は、鳥類に対して無効であることが多い。

それぞれの最重要(になったと思われる)な捕食者に対して、
効力のある防御方法というのは、
他の捕食者に対してはあまり良い方法とはいえなくなるのも、当然かも知れない。

また、寿命が長い種ほど、外敵に対する防御手段をうまく、
発達させている可能性が高い。

例えば、捕食者に対する防御手段を全く持たないカゲロウの成虫は、
短命の代表のように考えられているし、
体内に有毒物質を蓄積して、鳥類に捕食されることのないマダラチョウの成虫の寿命は、
1年近くあることが知られている。

カメムシの場合も、もちろん例外もあるとは思うが、
ひとつの傾向として、警戒色を持ったカメムシは産卵前期間が長く、
逆に保護色を持ったカメムシは短い。

また、警戒色のモデルになっている不味成分を持った種は、
繁殖後期間が明らかに長く、擬態者は逆に短い傾向があるとも言える。
 

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カメムシの匂いの不思議【03-05】: ビックリ効果

(前項を先にお読みください)

前項までで、カメムシの臭気成分は、
それが接触毒として直接大きな影響を与えることが可能な小型の捕食者に対して、
最も効果的な防御手段であり、その放出行動及び実際の防御効果からみて、
アリ類の攻撃に対して進化してきたものであることがわかった。

しかしこのことは、カメムシの臭気成分がアリ以外の捕食者に対して、
全く無効であることを意味するわけではない。

実際に、捕食者と被食者の出会いの場面においては、
何回かに1回でも、逃げることができるような防御手段であっても、
それは、ある程度有効であると言えるのかもしれない。

自然界では、どんなに天敵(捕食者)に対する防御手段を発達させても、
その効果が完全であることはあり得ない。
捕食者の方も、対抗手段を進化させるからである。

 

 防御物質と言われるものが、それを放出する個体の生存に対して、
どの程度の有利性をもたらすかについては、
行動観察だけではなく統計処理も含めた数学的な検証が必要である。

一般に被食者が行う防御手段の有効性を評価するには、
次のような状況を考慮しなければならない。

(1)捕食者の好き嫌い、
(2)捕食者の捕獲技術の巧拙(攻撃の成功率)、
(3)捕食者の空腹度、
(4)捕食者の過去の経験(学習の有無)、
(5)捕食者と被食者の体サイズの妥当性、
(6)被食者の逃げ場所の有無、
(7)被食者が行う防御行動の正確さ(臭気成分放出の頻度および命中率)、
(8)被食者の体内に蓄積された不味成分等

これらの要因が複雑に絡み合って、野外での実際の防御効果が評価される。
 

 

 約50個体のハエトリグモの捕食実験の例を示そう。

透明容器で単独飼育中のハエトリグモに、
14種類のカメムシをそれぞれ一日に一回与えて、
一連の捕獲行動及びそれに対するカメムシの防御行動を詳しく観察した。

観察容器内でのハエトリグモの最初の攻撃【First Attack】の成功率は、
保護色(緑色~褐色)のカメムシ(幼虫)に対して約30~60%程度であり、
予想以上に捕獲行動が失敗に終わることが確認された。

さらに詳しくその原因を分析すると、
ハエトリグモのカメムシに対する最初の攻撃行動は、
以下のような4つの段階で終了することが明らかになった。

 ① 捕獲直後の拒絶: 保護色のカメムシ
 ② 捕獲数秒後の拒絶: 多くが警戒色のカメムシ
 ③ 捕獲後一部試食: マダラナガカメムシの一部
 ④ 捕獲後すべて捕食: 保護色のカメムシ

ただし、①の場合には、容器内では捕食者の最初の攻撃が失敗しても、
続いて第2、第3の攻撃が可能であり、
結果的にカメムシはハエトリグモに食われてしまった。

野外ではハエトリグモが最初の攻撃に失敗した直後に、
カメムシはその場から離れることができるので、
通常は2回目の攻撃が起こらないものと思われる。

このことは、カメムシの臭気成分が、ハエトリグモやカマキリのような、
獲物を前脚で捕獲した後に、体の一部分に噛みつくようなタイプの捕食者に対して、
一瞬の間捕獲行動を躊躇させる(ビックリさせる)効果を持つことを予想させる。

逃げ場所が豊富な野外では、①のような臭気成分のビックリ効果によって、
その個体の食われる確率を、少しでも減らすことができるはずである。

また、②および③のような状況が観察された場合には、
不味成分によるものと推定されたが、今回の実験では、
ほとんどの場合が、警戒色をもつカメムシであった。

以上のように、保護色のカメムシが放出する臭気成分は、
ハエトリグモの攻撃を一瞬の間躊躇させることにより、
その成功率を半分程度に抑えられることが確認された。

 実際に野外でも、保護色で臭気成分を放出する方が、
相手をビックリさせるには、効果的である可能性が高いはずである。

これは、静止状態では保護色の蛾が、突然、目玉模様を提示して、
捕食者をビックリさせる効果と似ているのかもしれない。


このような機能を持つ臭気成分は、アリ以外の捕食者に対しても、
防御物質としてある程度機能していることが推察される。

 

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カメムシの匂いの不思議【02-05】アリに対する防御効果

(このページは前回の続きです)

前項で、カメムシの放出する臭気成分は、
アリ以外の捕食者に対して、
防御効果はほとんど認められないことが分かった。

しかし、別の言い方をすれは、アリに対して防御効果があれば、
実は、それだけで十分なのである。

アリは地上で最も攻撃的で、しかも個体数の多い捕食者といわれており、
その生息範囲に生活する小動物が、
何らかの形でアリに対する防御手段をもつことは、
その個体の生存の上で、必要不可欠であると思われる。


 

もう少し詳しく、カメムシとアリとの関係を考えてみる。

多くのカメムシ類は、特に捕食者が近くにいる場合には、
臭気成分を狙い打ちできる機能(前項)を備えている。

その正確さ(命中率)に関しては、以下のように数値化することができる。

カメムシを濾紙上で静止させた後、ピンセットで,
6脚のうちいずれかの1脚のふ節を軽く挟んで臭気成分を放出させると、
ピンセットの先端部が臭気成分の直撃によって濡れるのが観察される。

このような場合を命中(=放出成功)とすると、
テストした10種のカメムシにおいて、
臭気成分放出の命中率は、どの場合でも95%以上になった。

またこの実験では、カメムシ類の臭気成分は、
物理的な刺激があった場合にのみ放出され、
外敵の接近を察知しただけでは決して放出されないことも明らかになった。


このように、カメムシ類が狙い打ち可能な放出器官を持っているという事実は、
臭気成分の接触毒としての効果を裏付けるものであり、
臭気成分放出行動は、主として対アリ対策用に進化してきたことは明らかである。

 

 

また、前述のように、アリに対して防御効果をもつのは、
臭気成分(液体)が体表を直撃したときのみである。

決して、アリはカメムシの匂いを忌避しているのではない。

そのことを確かめてみる。

アリの巣の入り口付近に実験的に置かれたカメムシは、
攻撃してくる数匹のアリに対して臭気成分を放出して防御行動を行うが、
すぐその場から逃げ出さないかぎり、
次々と襲ってくる別のアリによって最終的に殺されてしまう。

臭気成分の直撃を体表に受けなかったアリは、
周辺にただようアルデヒド類の臭気を避けることはないのである。

このことをさらに確認するため、カメムシの臭気成分の有機溶媒抽出物、
あるいはその主成分である(E)-2-hexenalを、ハマキ類の幼虫の体表に塗布し、
トビイロケアリの巣の入口付近に置いてみると、
処理をしていない幼虫と全く変わりなく、簡単に巣の中に運び込まれてしまう。

アルデヒド類は体表を直撃したときは接触毒として有効であるが、
その臭いだけではアリに対しても忌避効果がないのである。


また、カメムシの臭気成分がアリに対して防御効果がなければ、
後述するアリ以外の捕食者に襲われた時の警報フェロモン効果によって、
特に幼虫が地上に落下するのは危険である。

アリに対する完璧な防御手段を持っているからこそ、
アリ以外の捕食者に攻撃されたときに、
近くにいる同種の他個体は地面に落下することができるのである。


次回は、アリ以外の捕食者に対する防御効果を検討する。

 

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