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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ブログの引っ越し




突然ですが、大人の事情により、

さりげなくブログの引っ越しを行いました。





新ブログは、以下のアドレスになります。

【ちょっとだけ不思議な昆虫の世界(2)】
 ↓   ↓   ↓
 http://blogs.yahoo.co.jp/sallygenak



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また、お気に入りの変更もお願いいたします。


なお、多分このブログの記事は、
しばらくの間は、消去されないはずですが、
これを機会に、私自身の思い入れのある記事について、
新ブログの方に、再度紹介できればと思っています。

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不思議なシリアゲムシの世界② プライヤシリアゲ


普通に考えれば、シリアゲムシの種類を、

写真だけの同定するのは、かなり無理がある。
普段は、翅の下に隠されている部分の特徴が、
決め手になることが多いからだ。

しかし、今回のプライヤシリアゲの場合は、
翅の斑紋の変異が大きいことだけがネックなので、
慣れれば、少なくとも頭が混乱することはない(?)。


ネット情報では、写真でも分かりやすい外観の違いから、
ふたつのグループに分けられるようだ。

【Aタイプ】: 
胸部の背中側、及び吻に黄色い線が入る。
【Bタイプ】: 胸部と吻に黄色い線が入らず真っ黒になる。

 ⇒それでも、A・Bの両タイプが、
  さりげなく同種であることが、 
  ちょっとだけ不思議なのだが・・・ 


ネット情報では、本種の和名のプライヤは、
発見者の Henry Pryer に由来するようだ。

東北から九州にかけて広く分布し、
日本産のシリアゲムシ属の中においても、
最も普通に見られる種のひとつである。

 ⇒ただし、本種に近縁な未記載種の存在も、
  指摘されているようなので、注意が必要である。
  また、北海道にはプライヤはいないようで、
  よく似たエゾシリアゲという種類がいる。







まずは、写真から・・・





プライヤシリアゲ(シリアゲムシ科)


2014年6月21日 白岩森林公園・青森

背中の黄色い線と、口吻の側面が黄色なので、
典型的な【Aタイプ】の個体である。

前翅には、複雑な帯状紋があるが、
個体変異もかなり大きいようだ。









プライヤシリアゲ(シリアゲムシ科)


2013年8月7日 風穴の里・長野

この子は、胸部の背中側や口吻に、
黄色い部分がない【Bタイプ】だ。

羽の斑紋のパターンも、違うようなので、
この点でも、同定に注意が必要だ。









プライヤシリアゲ(シリアゲムシ科)


2015年5月22日 小泉潟公園・秋田

和名のイメージほど、珍しい昆虫ではない。
ただ、この写真の珍しい(?)のは、
ヨモギの虫えいを食べているところである。


虫えいは、多分ヨモギハエボシフシだろう。

詳しくは、観察していないが、もしかして、
内部のヨモギシロケフシタマバエの幼虫を食べているかも?

 ⇒虫えいは、果実のように見えるものもある。
  ネット情報では、野鳥類が食べることもあるようで、
  内部の柔らかい部分をそのまま食べる場合と、
  中にいる幼虫だけを食べる場合があるようだ。










プライヤシリアゲ(シリアゲムシ科)


2015年6月2日 白岩森林公園・青森

この子は、生きている蛾の幼虫を食べているようだが、
シリアゲの仲間は狩りをするための武器を持たないので、
たまたま見つけた死骸を食べていると考えられる。
(この点に関しては、Nabita 氏からもコメントを頂き、
 徘徊性のクモの食べ残しの可能性があるとのこと)

しかし、あの細い口で、どうやって食べるのだろうか?

細い顔のイメージから、カメムシのように、
捕獲した獲物の体液を吸い取ることができそうだが・・・

 ⇒ただ、ちょっとだけ不思議なことに、
  口吻の先端には、牙のような突起があり、
  柔らかい餌をかじりとることもできるようだ。






(次回に続きます)






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不思議なシリアゲムシの世界① ヤマトシリアゲ


いろいろな意味(?)で不思議なシリアゲムシ。

その不思議さのレベルは、半端ではない!!!

 ⇒今回から始まるシリーズで、その不思議さが、
  さりげなく表現(?)できればと思う。


初夏のころ、林道をカメラ片手に歩いていると、
葉っぱの上にいるシリアゲ類が、普通に目に付く。

体長1~2cmと大き目の種類が多く、
近づいてもあまり逃げないイメージがあり、
飛び方も、決して上手とはいえない。

雄は、腹部末端の把握器が大きく発達し、
これを背側に持ち上げる姿勢をとることから、
そのまんま(!!)シリアゲムシという和名になった。

また、雌雄ともに、頭部の口吻が細長く突き出して、
馬の顔のように見えるのも特徴のひとつだ。

ただ、シリアゲの仲間は、個体変異が大きく、
写真だけの同定はかなり難しいとされているのだが、
何とか確定できた種類を、数回に分けて紹介していきたい。



最初は、最も目につきやすいヤマトシリアゲ。

以前ツノアオカメムシのところで紹介したときに、
この子をリストに挙げられなかったのだが、
ヤマトシリアゲの学名は、Panorpa japonica である。

【虫たちの親子-45 ツノアオカメムシ】

 ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20160316/1/

この記事の最後に、種小名が japonica と付く虫たちを、
比較的有名な種を中心にリストアップしています。



ヤマトシリアゲ雄(シリアゲムシ科)

2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城

この姿が、典型的なシリアゲムシの雄の姿である。

お尻の上げ方が、サソリの毒針のように見えるので、
英名では、スコーピオンフライと呼ばれている。

 ⇒さそり座という星座があるほど有名なのだが、
  日本には分布していないので、
  和名は、シリアゲの方が採用されたのだろうか?


ただ、サソリにベイツ型擬態しているのかどうかは、
以下の理由から、微妙である。

サソリは、強力な武器を持っているのに、
いわゆる警戒色の種は存在しないようで(多分?)、
この点で、ベイツ型擬態のモデルにはならない。

あまりにも毒性が強すぎるために、
攻撃した捕食者は、学習することなく、
死んでしまうからなのだろうか?

この関係は、以下の記事で紹介したように、
フグやトリカブトの毒性に似ていると思うのだが・・・

【警戒色の虫たちと有毒植物① 葉っぱの味は?】
 ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20160319/1/






ヤマトシリアゲ雌(シリアゲムシ科)

2014年7月26日 美山湖・秋田

雌は、このように尻上げ(シリアゲ)はしない。
・・・というか、短くて持ち上げられない?

見た目は、どちらかというとアブに近い体型だろう。

ヤマトシリアゲの前翅には、写真のように、
先端部分と中心付近に真っ黒な帯があるのが特徴だ。

 ⇒ただ、これら2本の帯状紋以外に、
  様々な黒い小紋が生じる個体があり、
  翅の斑紋の個体変異は大きい。


目立つ2本の帯状紋を持つ種類に、
マルバネシリアゲやキバネシリアゲがいるが、
この2種は、写真では正確に区別できない・・・?








ヤマトシリアゲ雄(シリアゲムシ科)

2010年8月25日 だんぶり池・青森

たまに、このような食事中の個体にも出会う。
基本的に、幼虫・成虫ともに肉食性だが、
花粉や死骸も食べることもあるようだ。

特に強力な武器を持たないので、
積極的な狩りをする捕食者ではないようだ。

 ⇒同じ雰囲気のムシヒキアブの方が、
  よっぽど、狩りは上手である。

また、シリアゲの仲間には、交尾の際に、
雄が雌に食べ物をプレゼントする行動が知られている。
【ヤマトシリアゲ 交尾中だったのか】
 ↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150904/1/
 ⇒ヤマトシリアゲは、婚姻贈呈を行う場合と、
  行わないで交尾する場合があるようだが・・・





多分ヤマトシリアゲ雌(シリアゲムシ科)

2010年9月24日 東海村・茨城

さらに、不思議な特徴として、
春(4~5月)と夏(7~9月)に見られる成虫は、
体色が、全然違うことが知られている。
写真の第2世代の成虫は、やや小型で、
体がベッコウ色を基調としており、
昔はベッコウシリアゲとして、
別種扱いされていたそうだ。
 ⇒ただ、この子は、前翅の斑紋パターンが、
  多少違っているようなので、
  もしかしたら別種かもしれない。


(次回に続きます)


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警戒色の虫たちと有毒植物⑤ セリ科

植物の葉っぱには、多かれ少なかれ、
有毒成分が含まれており、他の動物から、
無作為に(?)食べられるのを防いでいる。

これに対抗して、虫たちの方は、
特別の解毒機構を発達させたり、
場合によっては、その有毒成分を体内に蓄積して、
自らが、捕食者に食われるのを防ぐようになった。

ただ、その毒性の程度はピンからキリまである。

だから、虫たちが食べて、体内に蓄積する場合にも、
毒性の強さに応じて、完全な警戒色のものから、
どちらとも言えないような微妙な色合いのものまで、
多種多様な昆虫類が知られていることが分かった。

今回の例は、人間も食べることがあるセリ科植物である。





アカスジカメムシ(カメムシ科)


2010年6月14日 だんぶり池・青森

セリ科と言えば、すぐに頭に浮かぶカメムシだ。

この赤と黒の縞模様は、警戒色の典型である。

有毒とされるセリ科の植物ではあるが、
ときどき人間も食べて、独特の味を楽しんでいる(?)。

もちろん、好き嫌いはあるだろうが・・・








キアゲハ幼虫(アゲハチョウ科


2011年6月26日 だんぶり池・青森

同じく、セリ科植物を食べることで有名なキアゲハも、
成虫と幼虫ともに、よく目立つ警告色である。
 
 ⇒ただし、キアゲハの若齢幼虫は鳥の糞に似ている。
  もしかしたら、有毒成分の蓄積が十分でない時期には、
  明瞭な警戒色にならないのかもしれない。






と、ここまでは良い!!
実は、アブラナ科のナガメとモンシロチョウ幼虫のように、
虫の種類によって、体色が明らかに異なる場合があるのだ。



ハナダカカメムシ(カメムシ科

2011年6月29日 だんぶり池・青森

この子は、いわゆる警戒色ではないが、
セリ科植物のみから吸汁することが知られている。

ネット情報では、幼虫も警戒色ではないようで、
捕食者がどのような反応を示すのか、興味深い。

 ⇒全くの想像であるが、もしかしたら、
  警戒色のアカスジカメムシと、
  警戒色でないハナダカカメムシでは、
  全く同じ植物から吸汁するのに、
  体液に蓄積される不味成分の種類が、
  微妙に違うのかもしれない。







この他にも、微妙な毒性を示す植物は、
数え切れないほど存在する。

もしかしたら、全ての植物種は、
それを食べようとした(!)動物種に対して、
微妙に毒性を示すのかもしれない。

だから、このシリーズの最初に書いたように、
そのような植物側の2次代謝物の存在が、
虫たちの食物選択(寄主選択)の手がかりであり、
さらには、好き嫌いの原因になっているのだろう。




・・・というわけで、

大別すると3種類に分けられる植物の有毒成分の中で、
これまであまり取り上げられることのなかったような、
弱い毒性を示す成分の存在にも、注意すべきなのかなと思う。


(このシリーズ、今回で終了します)


 

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警戒色の虫たちと有毒植物④ イラクサ科


虫を探しながら、夢中で写真を撮っていると、
突然、手に鋭い痛みが走ることがある。

その原因の多くは、ノバラ類のトゲであるが、
イラクサ(刺草)に触ってしまった場合も少なくない。


良く知られているように、イラクサの仲間には、
葉っぱと茎に刺毛があり、無意識に触ってしまうと、
鋭い痛みと痒みが残ることがあるのだ。

バラのトゲのように、物理的な痛みだけでなく、
イラクサには、化学物質による痛み(!)もある。

ただ、何故イラクサ類の有毒成分が、
このような痛みの原因にあるのか、
ちょっとだけ不思議な気がする。

 ⇒ネット情報では、多くの種にはギ酸、
  セロトニン、ヒスタミンなどが、
  含まれているとされるが、それが、
  本当に鋭い痛みの原因なのだろうか?




そんなイラクサ科の植物の葉っぱを、
さりげなく食べる虫たちが結構たくさんいる!!






フクラスズメ幼虫(ヤガ科)

2010年8月23日 だんぶり池・青森

フクラスズメの幼虫は、イラクサ科のイラクサや、
カラムシ、ヤブマオなどの葉っぱを食べる。

体色は、黄色と黒色のツートンカラーに、
赤い斑紋が並ぶ明らかな警告色である。

 ⇒ただ、この雰囲気の幼虫を、
  野鳥類が、食べるかどうかは不明である。

  もし、食べたとしても、
  あまり好きではなさそう・・・?









サカハチチョウ幼虫(タテハチョウ科)


2013年7月14日 蔦温泉・青森

この子は、上のフクラスズメ幼虫の身体に、
いかにも危なそうなトゲトゲで武装している。

食草は、イラクサ科のコアカソとされるが、
アカソの仲間(ヤブマオ属)では、
毒性は確認されていないよだ。

 ⇒目立ちやすい警戒色であるが、
  フクラスズメ幼虫と同様に、
  野鳥類が食べるかどうかは、
  余り情報がないのだ。


ただ、どう考えても、捕食者は、
一般的な「好き嫌い」の範疇で考えれば、
前報のモンシロチョウ幼虫よりも、
好んで食べることはないように思う。








その一方で・・・・







ウコンノメイガ幼虫(メイガ科)


2013年6月12日 安曇野・長野

アカソの葉っぱをよく観察すると、
数枚の葉を縦長の円筒状に巻き込み、
糸でつづり合わせたようなものが見つかる。

巻葉と呼ばれるウコンノメイガ幼虫の巣である。

内部を調べると、右上の写真のような、
ウコンノメイガ幼虫が見つかる。


この子は、大豆の葉っぱも食べるので、
基本的に体色は、警告色ではない。






・・・というわけで、


イラクサ科の植物を食べる虫たちの中にも、
明らかな警戒色と保護色の種類がいるので、
前回のアブラナ科植物と同じ状況と考えられる?



(次回、セリ科植物に続きます)






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