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さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
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全国に分布するヨツボシカメムシだが、
関東以西では、むしろ珍品扱いで、
昔住んでいた四国では、見かけた記憶がない。
ただ、何故か、弘前周辺では普通に見られる【注】。
非常によく似た名前のヨツモンカメムシと、
全く同じ状況であることが、ちょっとだけ不思議だ。
【昔は珍品だった?? ヨツモンカメムシ】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131117/1/
・・・まずは、幼虫から!!
ヨツボシカメムシ幼虫(カメムシ科)
2010年8月19日 梵珠山・青森
淡褐色を基調にしたカメムシ科の幼虫は、
みんな雰囲気が似ており、同定が難しい。
しかも、出会いが初夏の頃に集中する。
前回のブチヒゲカメムシ幼虫と、
見た目はかなり似ているのだがが、
以下の3点の特徴で、さりげなく同定できた。
① 前胸側角の形状が成虫と同じ。
⇒下の写真が分かりやすい!
② 触角先端部付近の黄色の部分。
⇒これは、成虫と全く同じ!
③ 脚の色が白っぽい。
⇒前回のブチヒゲカメムシとは、明らかに違う!
ヨツボシカメムシ幼虫(カメムシ科)
2010年8月1日 だんぶり池・青森
腹部背面に、目立つ黄色の紋が4個あるが、
このホシ(?)が、和名の由来ではない。
⇒カメムシ類の幼虫の腹部背面には、
悪臭成分の放出孔(臭腺の開口部)があって、
この雰囲気の模様が見られることが多い。
この子は、マメ科植物上で発見されることが多いので、
ギリギリ同定のヒントにもなっている。
・・・そして、成虫!!
ヨツボシカメムシ成虫(カメムシ科)
2015年7月12日 だんぶり池・青森
偶然見つけた交尾中のカップルで、
マメ科植物上で発見することが多い。
ちょっとだけ分かりにくいが、成虫の胸部には、
4個の紋(ホシ?)が一列に並んでおり、
こちらの方が、和名の由来だと思う。
ただ、分かりにくい和名であることは間違いない。
【注】ヨツボシカメムシ Homalogonia 属には、
2004年に、新たに2種が確認されて、
日本産の種類は、3種に増加したようだ。
ただ、新たな2種は、産地が限られ、
発見個体数も、かなり少ないようなので、
なかなか、手持ちの標本や写真を、
再検討する気にはならない??
一般的に、よく目立つ標識的擬態の虫たちは、
目立たない保護色や隠蔽的擬態する種に比較して、
その完成度は、かなり高くなければならないはずです。
⇒もともと警戒色の虫がモデルなので、
捕食者の目に付きやすい色彩であり、
不完全な擬態だと、捕食者に、
簡単に見破られてしまうからです。
だから、ハチに擬態するアブの場合も、
前回①・②・③で見たように、その完成度は高く、
よく見ないとハチと間違えるほどだったのです。
ただ、今回④は、どちらかというと、
簡単に、擬態を見破ることが出来ると思います。
その理由のひとつは、モデルとなるハバチ類が、
スズメバチやクマバチほど危険な種類ではなく、
際立って目立ちやすい姿かたちでもないからです。
もしかすると、ハバチの仲間に擬態したアブ(ハエも!)は、
ベイツ型擬態ではなく、偶然似ているだけかもしれません。
・・・という訳で、
今回の疑似体験では、かなり分かりやすいと思います。
あなたは、以下の写真の中で、
どの子を手で掴みますか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・回答です。
まずは、モデルとなったハチは、右下と左上です。
左上:モンキハバチ(ハバチ科)
2012年6月27日 白馬岳山麓・長野
オレンジ色に近い黄色と黒色が目立ちます。
薄黄色の翅にも、同じような黒い紋があるので、
葉っぱの上にいると、すぐに発見できます。
近縁種はいないようで、同定は間違いと思います。
右下:ツマグロハバチの仲間(ハバチ科)
2011年7月16日 温根湯・北海道
この子は、翅端まで2cmほどの大きいハバチです。
翅の先が黒いので、ツマグロハバチと名付けられたのでしょう。
⇒いずれにしても、今回の2種のハチは、
ベイツ型擬態のモデルになるのか、
非常にまぎらわしいところですが・・・
・・・右上と左下の2種が、アブ・ハエです。
右上:クロバネツリアブ(ツリアブ科)
2012年6月27日 ひたちなか市・茨城
襟元に茶色いスカーフを巻いて、
裾が真っ白のラインのあるミニスカート・・・???
ネット情報ですが、他のツリアブ科の幼虫と同じように、
ハチ類の幼虫に、寄生するようです。
ただ、具体的なハチの種類や、
どのように寄生するのかについては、
詳しくはわかっていないようです。
左下:ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月27日 だんぶり池・青森
この写真だけを見れば、ほとんどの人がハチと言いそうです。
ただ、ハチ擬態にしては、金属光沢が強すぎて、
モデル種のハチがすぐには思いつかないのですが・・・
⇒気になる点を挙げれば、複眼にある縞模様で、
これはアブの仲間に多く見られます。
・・・という訳で、4回続いた「アブ・ハチ」問題でした。
(蛇足)
このブログを見ていただいた方の多くは、
自他共に許す「虫マニア」だと思います。
そして、多くの「虫マニア」の人たちは、
アブ・ハチを見つけて、毒ビンに入れるのは、
どちらか一方の種だけのような気がします。
独断と偏見ですが、私の予想では、
「ハチが好きな人は、アブが嫌い」で、逆に、
「アブが好きな人は、ハチが嫌い」だと思います。
両方とも、同じように好きな人は、
多分、そんなに多くないと感じています。
⇒その理由は、お互いに良く似ているので、
瞬間的に、間違えやすいから・・・・??