警戒色の虫たちと有毒植物② 虫たちにも好き嫌い?
(当然、その虫たちを食べる捕食者にも、)
どうやら「好き嫌い」があるようなのだ。
栄養源(餌!)とする植物は、
ある程度、限定されていることが多い。
食べようと思えば食べられるものを、
単に、「嫌いだからという理由で食べない」
ということは、有り得ないと思っていた。
普段は絶対に食べないものでも、
さりげなく食べることがあるのだ。
アメリカのブラウワー博士が、半世紀も前に行った、
ベイツ型擬態に関する実験の内容である。
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110116/1/
オオカバマダラ幼虫は、それしかない場合、
キャベツだけを餌として食べ続けても、
普通(!)に、成虫になるのだ。
有毒植物のトウワタ(ガガイモ科)である。
それを、体内に蓄積して羽化するため、
鳥は、オオカバマダラ成虫を食べない。
オオカバマダラ幼虫をキャベツで飼育すると、
実験的に、毒のないオオカバマダラ成虫が得られるのだ。
一度もオオカバマダラを経験していない鳥は、
何の抵抗もなく、喜んで(?)食べる。
こんなことは、起こらないのだろう。
オオカバマダラ幼虫には、
好き嫌いがあることが分かったのだ。
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140614/1/
偶然にクズの葉に、成虫が飛来したのではない。
アブラナ科植物の害虫として、よく知られている。
大量に飼育してきた経験があるのだが、
当時は、どんなにエサが枯渇してきても、
アブラナ科植物以外で飼育しようとは思わなかった。
自然状態で、ナガメの成虫と幼虫を、
同時にクズの葉っぱで発見したときは、
かなりのショックを受けた。
付近のアブラナ科植物を探したのだ。
実験的に食べさせたものではない。
マメ科のクズから、吸汁しているのだ。
カイコは、何故クワの葉っぱしか食べないのか、
沢山の人たちが研究していた。
クワの葉に含まれる特有の物質を見つけ出そうとしたが、
実験は、ことごとく失敗に終わった。
「クワの葉には、カイコガ嫌う成分が含まれていない!」
というものだった・・・最新の研究結果は知りません(?)。
クワにしか含まれていない物質を頼りに、
食物選択をするとしか思えなかったのに・・・
クワの葉っぱだけだったとは!!!
クサギカメムシなどの広食性(何でも食べる?)虫たちは、
植物側の防御物質(2次代謝物)を巧みに避けて、
エサとなる植物を探し出している可能性もあるはずだ。
微妙に弱い毒性を示す植物成分の存在だ。