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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ヤミイロカニグモ 交尾ではない!!!


以前、このブログで、コフクログモの、
上四方固めのような交尾(交接?)を紹介した。

ちょとだけ不思議なクモの交尾(?)
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150722/1/


その印象が強かったためか、
今回の写真を撮ったときには、
また交尾中のクモが撮れたと思った。

 


・・・しかし、

 


交尾(交接?)か??

2015年8月11日 安曇野・長野

上四方固めではない!!!

これは、横四方固めか?


下になっている雌(?)の腹部が黄色だ。

 ⇒よく見ると、脚の雰囲気が全く異なる。

 

 


2枚目の写真を撮ったときに、ようやく気付いた。

 

これは、捕食だ!!!!!!

 

 

 


多分ヤミイロカニグモ捕食中

2015年8月11日 安曇野・長野

タイトルにあるように、捕食者は、
おそらくヤミイロカニグモだろう。

近縁種が多く、写真だけでは、同定は無理のようだ。


巣網を張らず、獲物を待ち伏せして捕獲するタイプだ。

 

 

 


犠牲者はカバキコマチグモ?

2015年8月11日 安曇野・長野

そして、腹部の黄色の犠牲者は、
おそらくカバキコマチグモだろう。

こちらも、もちろん徘徊性の捕食者だ。


昼間は、ススキの葉を巻いた独特の巣の中にいて、
夜になると捕食活動をするとされている。


ただし、今回は・・・???

 

 


という訳で、写真の正式タイトルは以下のようになる。

 

多分ヤミイロカニグモがカバキコマチグモを捕獲

2015年8月11日 安曇野・長野

この写真のようになると、明らかに、
クモがクモを捕食しているのが分かる。


捕食性の虫たちが、被食者になることは、日常茶飯事で、
どちらがより強力な武器を持つか、だけの問題なのだろう。

ただし、今回は、両種が似たような体型なので、
おそらく先に見つけたヤミイロカニグモが、
先制攻撃を仕掛けたのだろうか?

もしかしたら、カバキの方が猛毒を持っているので、
その分、攻撃力(早期発見能力や敏捷性など?)が、
ヤミイロに、ちょっとだけ劣っていたのかも・・・





という訳で、思い出すのが、全国各地で行われている、
同種のコガネグモが戦う「クモ合戦」だ。

数回、テレビ番組で映像で見たことがあるのだが、
そのときの印象は、何か無理矢理に戦わせている感じだった。

やはり、今回の異種のクモの戦いの方が、迫力があるに違いない。

一度、激突の瞬間を見てみたいものだ。

    

 


 

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ん!? どっちが食べてる??


カメラを片手に、林道をブラブラ歩いていると、
「ん! どっち??」
という捕食者と被食者との関係が、
一瞬、分かりにくい光景に出会うことがある。


もちろん、ある捕食者が別の捕食者の餌となることは、
自然界では、普通にあることだろう。


ただ今回は、両者の位置関係が微妙なので、
おそらく「ちょっとだけ不思議な写真」になっているのだ。

 

 


多分カニグモの仲間がヤニサシガメを捕獲

2014年6月1日 東海村・茨城

両者とも、ほぼ同じサイズの捕食者だ。

できるなら、直前のバトルを、見たいものである。


おそらく、クモの方が先に、より有利な位置で、
獲物をじっと待ち構えていたのだろう。

獲物を探して茎を登ってきたサシガメにとって、
不運は、クモが動くものに敏感に反応することだ。

このような「待ってる捕食者」と、
多少でも「動きながら探してる捕食者」との、
わずかな位置関係の違いが、この結果になったようだ。

 

 

 

サキグロムシヒキが多分ナツアカネを捕獲

2013年9月4日 白岩森林公園・青森

両方の捕食者は、飛びながら捕獲するタイプだ。
特に強力な武器を持っているわけでもない。

だから、捕獲出来るかどうかは、一瞬で決まる!!!

しかも、この戦いは、体の大きな方が有利に違いない。

 

だから、この写真の撮影時には、
トンボがアブを食べてるのかと思った。

アブの体が、空中にあるように見えたからだ。


後で、別アングルの写真を含めて、良く見ると、
明らかに、トンボの方は脚が全て空中にある。

それに対して、アブの右側の脚は、
全て、葉っぱに接しており、
間違いなく、トンボの体を支えていたのである。


おそらく、両種の体調(?)の違いがあったのかもしれないが、
この結果は、個人的には、かなり予想外のことだった。

 

 

 

種名不詳のクモがムネアカオオアリを捕獲

2010年6月19日 だんぶり池・青森

この関係も、どちらが食べてるのか、全く分からなかった。

アリよりも小さく見えるクモ(もしかしたら幼生?)が、
何と獰猛なムネアカオオアリを捕獲しているのだ。

明らかにクモの脚が、アリの頭部と胸部を包み込んでいる。


上の2枚の写真とは違って、この1分前には、
葉っぱの上で、壮絶な戦いがあったはずだ。

どちらが先に見つけたかが重要だとは思うが、
多少の条件の違いで、逆の結果になっていた可能性もあるはずだ。

 


これって、例えがすごく悪いが、
ライオンがヒョウを襲ってるようなものなのだろうか?



 

 


  

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虫を食べる野鳥類⑯ あと6種類


(このシリーズ、今回が、さりげなく最終回です)

 


カケス(カラス科)

2011年5月10日 笹子峠・山梨

尾や翼は黒色だが、一部に青色の目立つ模様がある。

昆虫類が主食とされるが、果実や種子も食べるようだ。

昔、読んだ擬態や保護色の効果を調べる実験で、
アメリカの野球チームのような【blue jay】と言う
鳥の名前が良く出てきた記憶があるが、
おそらくカケスのことだったのだろう。

有名なのは、アメリカのブラウアー博士が、
オオカバマダラの有毒成分と警戒色との関係を、
実験的に確かめた一連の実験で、
多くがカケスの仲間が実験材料だった(と思う)。

カケスは、一度嫌な経験をした獲物を学習し、
次からは、同じように見えるものを攻撃しないのだ。

 

 


コゲラ(キツツキ科)

2011年10月18日 東海村・茨城

日本に生息するキツツキとしては最も小さい。

食性は雑食だが、主に昆虫などの節足動物を捕食し、
木の実を食べることもある。

手持ちの胃内容物を調べた文献によると、コゲラは、
各種のアリ類の他、ヒラタムシ、コメツキムシ、カミキリ幼虫、
ゾウムシ、ハムシ、コガネ類、蛾の幼虫、アブラムシ類、ハエ、
カマキリ、ハサミムシなどを食べていた。

 

 

 

ジョウビタキ(ツグミ科)

2010年3月27日 石廊崎・静岡

ほぼスズメと同じ大きさの典型的な冬鳥であるが、
日本国内での繁殖も、北海道で観察されているようである。

当然日本国内では、基本的に子育てはしないが、
昆虫やクモを捕食することが確認されている。

良く見かける野鳥類のようだが、私が見たのは、
この子が最初で最後(?)だった。

 

 

 

ガビチョウ(チメドリ科)

2010年3月23日 深谷市・埼玉

何か、保護色の虫たちの写真のような雰囲気の写真・・・

落ち葉の中に埋もれて虫を探すのは、変な名前の鳥。


もともと、中国南部から東南アジア北部にかけて生息するが、
日本では、ペットとして輸入された個体が逃げ出し、定着したとされる。

また、特定外来生物に指定され、侵略的外来種ワースト100選に入る。

 

 

 

セグロセキレイ(セキレイ科)

2006年8月6日 徳島市・徳島

これは、かなり古い写真であるが、
セグロセキレイが、虫を捕獲した直後である。

実は、私が初めてその瞬間を撮影した「貴重な写真」でもある。

セグロセキレイは、留鳥として九州以北に生息し、
日本各地の平野の川沿いなどで見られる日本固有種で、
このように、頻繁に虫を食べてる姿を見かける。

 


 

キジ(キジ科)

2006年8月6日 弘前市・弘前

知らなかったが、キジも、昆虫やクモなどを食べるのだ。
ときにはヘビも!!

だから、このシリーズ最後を飾る(?!)野鳥類に・・・

それにしても、金属光沢が見事だ。

 


このシリーズで、写真を撮ることのできたものだけで、
合計21種類の「虫を食べる野鳥類」を紹介したことになる。

野鳥類の餌となる虫たちの生存戦略としては、やっぱり、
食べられるのを見越して、沢山卵を産むことが、
子孫(遺伝子)を確実に残す上で、ベストだったのだろう。

そんな中で、一部の虫たちは、ほんの少しでも、
自分が食べられてしまう可能性を減らす工夫をする。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130201/1/


・・・がんばれ! 虫たち!!

 

 

      

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虫を食べる野鳥類⑮ キセキレイ


前回紹介したツバメは、飛行中の虫を、
飛びながら捕獲することが多いが・・・・

他の野鳥類では、どうなんだろうか?


野鳥類が餌となる虫を探し出し、捕獲するときは、
以下のような状況がありそうだ。

 ①木の近くをゆっくり飛びながら探す。
 ②木の枝を、歩きながら探す。
 ③見通しが良い場所に止まり、そこから見える範囲をじっと探す。
 ④木の枝を飛び跳ねながら移動し、
  びっくりして飛び立った獲物を空中で捕まえる。
 ⑤飛んでいる虫を飛びながら捕獲する。
 ⑥地面を歩いて、隠れている虫を探す。
 ⑦水場付近に集まる虫たちを探す。

 

今回は、キセキレイを例に、野鳥類が、
虫を探し出して、捕獲する状況を想像(!)してみよう。

 

 

キセキレイ(セキレイ科)

2010年5月10日 弘前市・青森

桜の花も散ると、北国の弘前にも、
ようやく虫の季節がやってくる。

水田が耕起されると、驚いた虫たち(?)が這い出てくる。
それを狙って、色々な捕食者たちが集まってくるのだ。

目の前を、お腹の黄色い鳥が舞った。


上記の①~⑦の捕獲方法のどれだろうか?

⇒多分⑥

 

 


キセキレイ(セキレイ科)

2012年6月27日 白馬岳山麓・長野

大雪渓から流れ出てくる冷たい雪解け水も、
流れも淀んだ場所では、水温も上がるのだろうか?

キセキレイは、このように、水辺を好み、
水中や岩陰などに棲む虫たちを捕えて食べる。


石をひっくり返すと水棲昆虫の幼虫がいる。

⇒間違いなく⑦

 

 

 

キセキレイ(セキレイ科)

2013年5月17日 白岩森林公園・青森

キセキレイは、地面だけでなく、枝にもいる。

野鳥類が、飛んでいる小さな虫たちを見つけて、
あっという間に、飛びかかっていくのは、
林道を歩いていると、比較的良く目にする。


この子は、数秒後には、ゆっくりヒラヒラ飛ぶ小さな蛾を、
飛んでる方向に回り込むように先回りして、空中で捕獲した。

⇒③または⑤

 

 

 

キセキレイ(セキレイ科)

2013年5月17日 白岩森林公園・青森

夏季の渓流沿いなどでは、
セグロセキレイ、ハクセキレイとは、
概ね棲み分けているとされている。

口にくわえているものは、
虫のように見えるが、違うかもしれない。

⇒⑥・・・・やはり、このタイプが一番多いのか?

 

 

しかし!!!

 


野鳥類以外の捕食者【カマキリ、ハチ、クモなど】は、
動いているものだけを、敏感に察知し攻撃する。

逆に言うと、カマキリやクモは、全く動かないものに対して、
基本的に攻撃はしない、というか複眼の構造から、出来ないのだ。

だから、良く見かける光景で、
食うものと食われるものが向かい合って、
数分間全く動かないことも良くある。


これが、知能がある野鳥類の捕獲方法とは違うのだろう・・・

   

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虫を食べる野鳥類⑭ ツバメ


昔は、春になると必ず見かけたツバメが、
何故か、最近はあまり見かけなくなった。


実際に、日本野鳥の会によると、
全国各地で行われた調査では、ほとんど例外なく、
ツバメが減少しているという結果が出ているようだ。

 

 

 

ツバメ(ツバメ科)

2013年6月3日 道の駅きつれがわ・栃木

ツバメが虫を捕獲する瞬間を見た人は多いと思う。

とにかく、物凄いスピードで、目の前を通り過ぎて、
あっという間に飛んでる虫を捕まえる。

そんな光景からは、虫たちが持っている防御手段、
たとえば、擬態とか、保護色とか、警告色とかとは、
全く無関係に、虫たちは捕獲されてしまうようだ。

 


 ツバメ(ツバメ科)
 
2013年8月7日 道の駅風穴の里・長野

このように、ツバメが餌を入手する方法は、
飛翔中の小さな虫たちを、空中で捕獲するのがメインだと思われる。

ネット情報では、ツバメの主要な餌は、
カ、ハエ、アブ、ユスリカなどのハエ目類が過半数で、
その他に、小型のガ、チョウ、トンボ、カゲロウなどを、
子育て中のヒナに与えているようだ。


さらに、子育て中の両親が餌を運ぶ回数も、詳細なデータがあり、
1日当たり500匹の虫をヒナに与えている。

この数字は、このシリーズ最初に紹介したシジュウカラ夫婦が、
ヒナのいる巣に運ぶ餌の数と、ほぼ同じである。

 

 

 

ツバメ(ツバメ科)

2013年8月7日 道の駅風穴の里・長野

また、日本各地でツバメが減少している原因については、

 ①自然環境の変化によりエサとなる虫たちの減少、
 ②人家に軒先がなくなり、住民がツバメの糞を嫌がり、巣を作らせない、
 ③カラスなどの天敵の増加、
 ④集団ねぐらのヨシ原の減少、

などが挙げられており、いずれも人間の生活に関係している。

この中で、ツバメが集団でねぐらを形成することは、
あまり知られていないことだと思う。





 

ツバメ(ツバメ科)

2003年4月5日 与那国島・沖縄

ツバメは、繁殖期前の3月下旬頃から日本に飛来し、
4月~7月上旬にかけて、夫婦で子育てをする。

繁殖終了後から、10月上旬までに、河川や湖沼周辺の湿原に、
場合によっては、数万羽の個体が集まり、集団ねぐらを形成するのだ。

だから、上記④の河川敷のヨシ原の減少が、
ツバメが少なくなった大きな原因なのかもしれない。


ただ、ヨーロッパやアメリカの各地でも、
ツバメの個体数が急速に減少していることが知られており、
何か別の原因がある可能性も残されている。

 

・・・・・

見かける機会が減ったというだけで、
全く姿を見ることがなくなったわけではない。

すでに、今年になって、何度も元気な姿を見ている・・・


⇒今年4月中旬に、東北自動車道を、弘前から東京まで、
 ゆっくり南下する機会があった。

 出発するときの車窓は、道路脇に、まだ残雪が見えていた。
 盛岡を過ぎるころから、畑に緑色が目立つようになり、
 チラホラ桜が咲き始めたなと思っていると、
 仙台あたりで満開になり、福島では、やや散り始めていた。
 常磐道に入った茨城では、ほとんど葉桜になっていた。

 
 そんな景色の移り変わりを体感していると、
 立ち寄った宮城・福島県内の数か所のSAでは、
 ツバメが活発に飛び回っているのを見かけた。

 

    

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