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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

その獲物、大きすぎないかい!?

だんぶり池の林道を、カメラ片手にブラブラ歩いていると、
捕食者と被食者が出会った直後の状態(食事中!?)を、
たまに、目の前で見ることができる。

ただし、カエルとか野鳥類のように、比較的大型で、
あっという間に飲み込んでしまう捕食者の場合には、
その瞬間をカメラに記録することは、まず不可能である。

ところが、ちょっとだけグズグズ食べる捕食者の場合には、
比較的簡単に、食事中の写真を撮ることが出来る。

その中でも、クモの仲間が捕食する(注)写真は、
だんぶり池では、思う存分撮ることができる。

 

それにしても、以下の写真の被食者は、
捕食者のに比べて大き過ぎるような気がするが・・・ 

 

イオウイロハシリグモがシラフシロオビナミシャクを捕獲
2011年5月31日 だんぶり池・青森

これは、捕獲する瞬間を見たかった。
一体どうやって捕まえたのだろうか?
いきなり、腹側から攻撃することはできないはずだ。

最終的に、この体勢になったのだろうが、
重力に逆らわずに、自分より大きな獲物を、
食べ続ける(?)には、これしかないだろう。

 

 


ワカバグモがガガンボの仲間を捕獲

2011年6月2日 だんぶり池・青森

これは、間違いなく背後からそっと近づき、
飛び立つ瞬間にお尻を捕まえたのだろう。

多分、クモ方がもうちょっと小さければ、
一緒に飛んでしまったかもしれないほどのバランスだ。

 

 


コハナグモがクロスジノマイガを捕獲

2011年8月30日 だんぶり池・青森

この写真では、明らかに蛾の頭部を攻撃している。

サイズ的には、蛾はクモの2倍以上はありそうだが、
この程度なら、簡単に捕獲できそうだ。

 

 

ワカバグモがハエの仲間を捕獲

2010年6月6日 だんぶり池・青森

この写真でも、クモは腹側から攻撃しているが、
捕獲の瞬間は、背中からだったのだろうか?

これは、比較的良く見る光景である。

 

 

コハナグモがオドリバエの仲間を捕獲

2010年7月1日 だんぶり池・青森

これは、理想的な攻撃部位なのだろう。

完全に、首根っこを押さえている!?

 

(注)クモの網に残された虫の死骸を見ると、
体液だけを吸われてしまったような状態なので、
クモは獲物を捕獲してその体液を吸う、
と誤解されることが多い。

実際には、クモは消化液をかけて虫を溶かし、
ドロドロに溶けた獲物(液体)を吸いこむのだ。

だから、捕まえた獲物に直接口吻を突き刺して、
体液を吸い込むカメムシ目の昆虫とは、
全く違う食事方法(体外消化という)なのだ。

 

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名誉回復 イオウイロハシリグモ捕食中

前回のイオウイロハシリグモ君、
ハナバチの捕獲に、さりげなく失敗した。

今回は、彼ら一族の名誉回復のための写真(?)・・・

 

とりあえず、下の写真を見てください。

これだと、どっちが捕獲したのか、全く不明。

 


イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)

2011年6月1日 白岩森林公園・青森

この体制は、両種とも正常であるだろう(!?)


多分、上のクモが、下のアブを捕獲したんだと思う。

でも、微妙~


これがジガバチの仲間だったら、大逆転もあり得る!!!

 

 


もう少し見てみよう・・・・

 

 


イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
 
2011年6月1日 白岩森林公園・青森

アブの方が、何か、もがいている感じ?

今のところ、クモは、微動だにしてない?

 

 

イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
 
2011年6月1日 白岩森林公園・青森

やっぱり・・・・クモが捕まえたんじゃん。

良く見ると、アブの足が取れてるし!!


イオウイロハシリグモ君、名誉挽回・・・


これで、一件落着。

 

ところで、今回犠牲になったアブ君、
多分キアシホソルリミズアブというちょっとした美麗種である。

 

 

続いて、これも衝撃!!!

 

 

イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)

2011年9月23日 白岩森林公園・青森

獲物は、同じクモの仲間のザトウグモ。

それにしても、ザトウグモの足、長過ぎ・・・

 

 

イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)

2011年9月23日 白岩森林公園・青森

どのような状態になっているか、分かりますか?

クモは、正確に、ザトウグモの小さな胴体の部分を捕えている。



 

イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
 
2011年9月23日 白岩森林公園・青森

もちろん、おいしくなさそうな足には、見向きもしない?

しかし、ザトウグモが長い足を広げているときには、
イオウイロハシリグモの射程圏内を、遥かに超えているはずである。

ちなみに、ザトウグモの生きているときは、こんな感じ・・・・

http://kamemusi.no-mania.com/Entry/8/

どうやって、胴体に飛びついたのだろうか?


捕獲の瞬間を見たかった!!!


 

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惜しい!!!  でもヘタクソ??  イオウイロハシリグモ

虫を探しながら、ブラブラと歩いていると、
カマキリやクモなどの捕食者が、獲物を狙っている場面に、
出会うことが少なくない。

運が良ければ、獲物を捕まえる瞬間を、偶然見ることもできる。

ただし、その瞬間を写真に撮るのは難しい。

一度だけ、ヨモギの花穂にいたクチブトカメムシが、
ハイイロセダカモクメ幼虫を捕獲するところを、
連続写真で記録することができたが・・・・

  ↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111018/1/


今回の捕食者は、イオウイロハシリグモ
だんぶり池では、多分一番良く見かけるクモである。

しかし、地上徘徊性の網を張らないクモは、
以前にも紹介したように、予想外にヘタクソである。

実験的には、クモの種類にもよるが、
30~60%程度の捕獲成功率であることが分かっている。


  ↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101109/1/

さて、今回はどうだろうか・・・・・・

 

 

 

イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

シシウドの花の真ん中に陣取って、
イオウハシリグモが獲物を待っている。

目の前に、マルハナバチ(多分!)がいる。

 


2011年6月29日 白岩森林公園・青森

多分、クモがいることに気付いていないハチは、
より近くに移動してきた。

 

 

 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

これは、完全に射程距離に入っているだろう。

 

 


 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

クモは、ここまで、全く動いていない。

 

 


2011年6月29日 白岩森林公園・青森

クモの足の位置が、微妙に変化して、
ハチに飛びつく寸前である。

 


イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

しかし、その衝撃の瞬間は、訪れる事はなかった。

 


ヘタクソグモのやっちゃった瞬間・・・・

 

 

 

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だんぶり池の捕食者【4】

だんぶり池には、脊椎動物の捕食者も沢山いる。

過去に、【1~3】で紹介してきた無脊椎動物の捕食者のように、
捕獲の瞬間をカメラで撮ることはできない。
小さな虫などを、一瞬で飲み込んでしまうからである。

しかし、体の大きなカエルやトカゲなどの捕食者の食べる量は、
これまで見てきたようなクモやアブの比ではないだろう。

今回は、だんぶり池で見られる、そんな大型の捕食者を紹介する。

 

ニホンアマガエル(アマガエル科)
 
2011年5月29日 だんぶり池・青森

だんぶり池の林道を歩いていると、葉っぱの上で、
獲物が来るのを待っている捕食者が目立つ。

一番目立つのが、このニホンアマガエルである。

 
 

シュレーゲルアオガエル(アオガエル科)
 
2010年7月16日 だんぶり池・青森

少し大きめのシュレーゲルアオガエルの個体数も多い。

カエルは、ペットとしての人気もあるようだが、
良く見ると、目は怖い・・・・捕食者の目をしている。

 


ヤマアカガエル(アカガエル科)
 
2010年8月23日 だんぶり池・青森

前2種と比較すると、このカエルの個体数は少ない。

ある場所で、生物の数(個体数)がほとんど変化しないような場合には、
それは、捕食者と被食者のバランスが保たれている証拠であると考えられてきた。

しかし、最近の生態学での研究結果は、意外なものだった。
野外での個体数の変化と、それをもたらした死亡要因を詳しく調べたところ、
天敵による捕食が個体数のバランスをもたらすことは、
あまりないことがわかってきたのである。

 


ツチガエル(アカガエル科)
 
2010年8月23日 だんぶり池・青森

つまり、餌となる種の個体数が増えた場合でも、
天敵は、その増加を抑えるほど効率よく捕食することはなく、
逆に、餌種が減ったからといって、捕食者は食べる量を控えたりはしない。

結局、天敵は餌種の個体数を減らしはするが、
個体数の調節はしないということが分かったのである。

 
 

ニホンカナヘビ(カナヘビ科)
 
2010年7月15日 だんぶり池・青森

現在では、捕食者でも被食者でも、個体数が増えてくると、
餌条件が悪くなるので、過密をさけるように移動・分散するのが一般的で、
その結果、個体数の調節が空間的に生じるのだと考えられている。

自然界では食うものと食われるものの関係によって、
バランスが保たれるという「教科書にも載っているような考え」は、
ほとんどの場合、誤りだということになってしまう。


今年は、青森県の相馬ダムの川沿いに、アカシジミが大発生し、
夕方、山の尾根筋を数キロにわたって群舞して、新聞でも大きく報道された。

ナラ類の葉を幼虫の餌とする「害虫」ではない虫が、
このように大発生した原因は、まだ正式に確認はされていないようだが、
少なくとも、捕食者が制御することは出来なかったのは確かである。

 

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ちょっとだけ不思議な捕食者

今回紹介する捕食者は、あまり怖そうでない。

クモやカマキリのように、「私は捕食者だ!」と、
まわりに鼓舞していないのである!?

それでも、以下のような衝撃のシーンに遭遇して、
君は捕食者だったのか? と確認できる!?!?

 


コアリガタハネカクシ(ハネカクシ科)
 
2011年6月7日 志賀坊森林公園・青森

後翅が退化して飛ぶことが出来ない小さな虫が、
良く見ると、他の小昆虫を捕食している。

この時期に、たまに見かける光景ではあるが、
獲物は立派な翅があって、飛ぶことができる。

一体どうやったら、この状態にまでもっていけるのか、
ちょっとだけ不思議である。

 
 

キバネハサミムシ(クギヌキハサミムシ科)
2010年8月20日 酸ケ湯温泉・青森

ハサミムシの仲間は、お尻に立派なハサミを持っている。
これが獲物を捕えるときの武器になる。

一度だけ、その現場を見たことがある。

後ろ向きに、かなり素早く動くことができ、
やはり、ハサミで挟み込むように捕獲する。

 
 

アオジョウカイ(ジョウカイボン科) 
 
2011年6月29日 白岩森林公園・青森

カミキリに似ているが翅が堅くない、ジョウカイの仲間である。
そして、もうひとつカミキリとは違うのが、
成虫も幼虫も、肉食性であるという点である。

食べられているのは、同じ甲虫類のようで、
あまり蛾の幼虫を食べているのは見かけない。

 * 当初クロジョウカイとしていましたが、
   友人 記野直人氏の指摘により、クロジョウカイではなく、
   アオジョウカイの色彩変異型の可能性が高いとのことで、
   名称変更しました。


ヤマトシリアゲ(シリアゲムシ科)
 
2010年8月25日 だんぶり池園・青森

基本は雑食性であり、死んだ虫の体液も吸うと言われていた。

生きた虫を捕獲して、その体液を吸うことも確認されて、
捕食者の仲間入りとなった??

この写真は、イモムシの体液を吸っているところであるが、
最初は生きていたかどうかは不明である。
 

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