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さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
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いつものように、カメラ片手に林道をブラブラ歩いていると、
ちょっとだけ不思議な光景に出会った。
かなり不自然な恰好で、多分2匹のクモが重なっているのだ。
コフクログモ(フクログモ科)
2015年6月3日 座頭石・青森
捕食?
交尾??
喧嘩???
写真で見ると、頭胸部は、明るい赤褐色で、
腹部は淡黄褐色だが、白色の微毛が密生する。
クモの種類は、コフクログモで間違いないだろう。
・・・近づいても、逃げる気配が全くない!!
コフクログモ(フクログモ科)
2015年6月3日 座頭石・青森
小さい雄(多分)の方が、身体の大きい雌の上に、
正面から乗りかかって、動きを停止させているようだ。
⇒クモは、この格好で交尾(?)する?!
・・・そのまま、ぎこちなく(?)移動した!!
コフクログモ(フクログモ科)
2015年6月3日 座頭石・青森
徘徊性の雌グモの多くは、カマキリなどと同じように、
交尾するために近づいてくる雄を、
餌と思って(?)、捕獲しようとするのだ。
だから、雄は、餌と間違われないように、
交尾すべき雌に、接近しなければならない。
しかも、最終的に正面から向き合った形で、
雄が雌に覆い被さり、精子の付着した触肢を、
雌の生殖口に挿入しなければならないのだ。
だから、クモの場合は、交尾ではなく「交接」と言う。
コフクログモ(フクログモ科)
2015年6月3日 座頭石・青森
それにしても、この体勢は、雌が仰向けなら、
柔道の上四方固めではないのか?
これなら、雄グモは、交接中に間違って、
雌に食われてしまうことはないだろう。
⇒雄グモも、自分の遺伝子を残すために、
命をかけて(?)いるのだ・・・多分
写真をよく見ると、雄の脚が不自然に曲がって、
触肢を挿入しているのかもしれない・・・?
関東以西では山地に咲くカラマツソウ、
昔は、北アルプスの山麓で良く見かけたのだが、
葉っぱの形と付き方が、個人的に好きな植物である。
何故、カラマツソウと言う名前なのか?
⇒ネット情報では、花の付き方が、カラマツに似てるから!
その仲間に、だんぶり池周辺の林道でも、
春になると良く見かけるアキカラマツという種類があって、
名前がちょっとだけややこしい。
しかも、花のイメージが、カラマツではない。
そんなアキカラマツで見つけた、ちょっとだけ不思議なアブラムシ。
アキカラマツオナガアブラムシ(アブラムシ科)
2015年6月24日 だんぶり池・青森
まるで透けているような単黄色のアブラムシだ。
写真のように、尾片が角状管より長いので、
アキカラマツオナガアブラムシという名前が付いたのだろう。
アキカラマツオナガアブラムシ(アブラムシ科)
2015年7月3日 だんぶり池・青森
アブラムシ類の生活史は、ちょっとだけ不思議だ。
普段見られる無翅胎生雌虫は、このように、卵ではなく子供を産む。
⇒アブラムシが単為生殖する植物は、
夏寄生(2次寄生)と呼ばれる。
アキカラマツは、単為生殖する2次寄生の植物なのだ。
一方、越冬卵を産むための冬寄生(1次寄生)は、
ハマナスやノイバラなどのバラ科の植物だ。
だから、別名をハマナスオナガアブラムシという。
アブラムシの分類は、これがあるからややこしい。
⇒さらに、アブラムシが虫えい(ゴール)を作る種の場合は、
もっともっと、ゴールの名前がややこしいことになる。
そんなアブラムシなのだが・・・・
新鮮なアキカラマツの葉っぱに、
ちょっとだけ不思議な白い塊が見える。
⇒この時期になると、新鮮な葉っぱは、
結構色々な虫に食われて、傷だらけになることが多い。
さすが、有毒キンポウゲ科のアキカラマツには、
そんな食痕が、あまり見られない。
しかし、一体、この白い点々は何だ!!
アキカラマツオナガアブラムシのマミー
2015年6月24日 だんぶり池・青森
近づいてよく見ると、葉っぱの真ん中に、
ほとんど一匹ずつ、白いアブラムシがいる。
でも、全く動かないし、身体に穴が開いている個体も見える。
これは、アブラムシの世界では、有名なマミーと呼ばれるものだ。
実は、アブラバチ類が寄生し、羽化脱出したミイラなのだ。
⇒ちょっとだけ不思議なことに、最終的には、
このように、葉の表に点在していることが多い。
アキカラマツオナガアブラムシのマミー
2015年6月24日 だんぶり池・青森
この寄生蜂(多分アブラバチの仲間)の雌成虫は、
1匹のアブラムシに、1個ずつの卵しか生まない。
だから、孵化した幼虫は、だれに邪魔されることなく、
アブラムシの内部を食べつくすのだ。
そして、最終的に、蛹になる時期がくると、
宿主のアブラムシの体は、パンパンに膨張し、
なぜか、白っぽくなって、まさにミイラ(マミー)のよう・・・
大きな穴が見えるのは、アブラバチの成虫が脱出した穴だ!!!
そして、7月も中旬を過ぎるころから、かなり不思議なことに、
だんぶり池周辺では、可憐なアキカラマツは、
他のヨモギやススキなどの植物に、覆われたようになって、
我々の視界から姿を消してしまうのだ。
・・・アキカラマツアブラムシも一緒に!
いつものように、白岩森林公園の林道をブラブラ歩いていると、
ちょっとだけ不思議な光景に出会った。
ムネアカオオアリが3匹、道路の真ん中で、
何やら、不審な行動をしているのだ。
ムネアカオオアリ(アリ科)
2015年5月23日 白岩森林公園・青森
最初は、共同で餌でも運んでいるのかと思ったが・・・
ムネアカオオアリ(アリ科)
2015年5月23日 白岩森林公園・青森
左と中の2匹が、互いに齧っているのは、
どうも、第4の個体の頭部のようだ。
ムネアカオオアリ(アリ科)
2015年5月23日 白岩森林公園・青森
この写真で、第4の個体の頭部であることが、
触角があるので、はっきり確認できる。
ただし、真ん中の個体は、他の2匹から、
明らかに攻撃を受けているようだ。
当然、2:1では、勝負の決着は目に見えている。
ムネアカオオアリ(アリ科)
2015年5月23日 白岩森林公園・青森
最終的には、こんな風になってしまった。
⇒写真の詳細データを、改めて確認すると、
この4枚の写真は、わずか1分間の出来事だった。
どうやら、違う巣の個体が偶然出会って、
喧嘩(縄張り争い?)になったようだ【注】。
しかし、これは、明らかに「同種間の殺し合い」なのだ。
虫たちの世界でも、縄張り争いは少なからず見られる。
多くの場合は、侵入者の方を追い払うだけなのだが、
ちょっとだけ不思議なことに、アリの世界では、
偶然出会った別の巣の(同種の!)ワーカーの間で、
今回の見られたように、相手を殺すまで戦うのだ。
いわゆる食物連鎖や弱肉強食とかの世界とは違って、
このような同種間の戦いは、配偶者の争奪や縄張り争いなど、
どちらかが死ぬまで戦うことはないはずなのに・・・
【注】おそらく、他の多くのアリの仲間と同様に、
体表ワックスの微妙な組成の違いによって、
同じ巣の仲間かどうかを識別しているのだろう。
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この記事は、新ブログへの移行に伴い、写真を最新のものに入れ替えて、
サイズも大きくして見やすくし、説明文も加筆・修正を行っています。
お手数ですが、以下のURLをクリックして、新ブログ記事の方をご覧ください。
【不思議な白い泡(改定)】
↓ ↓ ↓
http://sallygenak.livedoor.blog/archives/2019-09-25.html
もちろん、そのまま下にスクロールしていただければ、
元の記事をご覧になることもできます。
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このブログで、以前2回に分けて紹介したように、
普段目につきやすい葉っぱの「白い泡」には、
微妙に異なる様々な形状や質感のものがあり、
アワフキの仕業ではないものも、予想外に多かった。
良く似てるのに! 葉っぱの白い泡塊【その1】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150429/1/
今回は、シダの「ちょっとだけ不思議な泡」について、
現在までに分かっていることを、まとめて紹介したい。
ヨフシハバチ類の泡巣(葉の表面)
2015年7月5日 だんぶり池・青森
こんな感じで、オシダの葉の裏側に見え隠れする白い泡は、
ヨフシハバチ類【注】の幼虫の泡巣であることが分かっている。
⇒この時期になると、だんぶり池の林道では、
本家のアワフキの泡巣は、あまり見られなくなり、
オシダの泡巣が、結構目立つようになる。
周辺には、他に数種のシダ類があるのだが、
この白い泡は、オシダにしか出現しないようだ。
ヨフシハバチ類の泡巣(葉の裏面)
2015年7月5日 だんぶり池・青森
逆に、本家のアワフキの泡巣が、シダ類にもできるのかどうかは不明だ。
⇒ただ、ヨフシハバチの泡は、粒が小さく、
クリーミー(?)な印象があるので、識別は十分可能だ。
とりあえず、シダの泡の中には、幼虫は見つからない。
ただ、泡で隠れた葉柄の部分には、さりげなく穴が開いていて、
内部に虫が隠れていそうな気配が十分あるのだ。
カッターナイフで、穴の周辺を切り取って、
中にいるはずの虫を探してみよう。
予想どおり、中から小さな幼虫が出てきた。
幼虫の齢は不明だが、良く見かけるハバチ類とは、
全く違う雰囲気で、ウジムシ状(?)である。
⇒サイズ的には、葉柄の直径よりも大きくなることはないので、
成虫は、かなり小さいことが予想される!!!
・・・可哀そうだが、もう1匹だけ、確認しよう。
この子は、ハバチ(葉蜂?)の幼虫なのに、
シダの葉っぱを、食べるわけではなく、
葉柄の中に潜んで、汁を吸っているのだろう。
⇒本家のアワフキの幼虫は、口針を道管に差し込み、
そこを流れる液の中のわずかな栄養分を吸収し、
残りは全て排泄して、泡巣を形成する。
シダ類にも維管束(道管と師管)があるはずで、
ヨフシハバチの幼虫が、葉柄のどの部分にいるのかは不明だが、
アワフキと同じような仕組みで泡が出来るのだろう。
・・・こんな不思議な泡も見つかる!!!
ヨフシハバチ類の3連結の泡巣
2015年7月8日 だんぶり池・青森
たまに2連結のものは見つかるのだが、
3連結は、今回が最初の出会いだった。
⇒本家のアワフキでは、絶対に見られない現象だ。
しかも、かなり不思議なことに、
泡巣の左側の部分に、3ヶ所の穴が確認できる。
脱出した幼虫3匹分の穴なのだろうか?
⇒産卵する雌が、思わず(?)3個も、
同じ葉柄に産卵してしまったのか?
または、別々の3匹の雌が、
偶然近くに産卵したのか?
とりあえず、マーキングして、
その後の様子を見ることに・・・
・・・そして、2日後、
ヨフシハバチ類の泡巣(泡除去)
2015年7月10日 だんぶり池・青森
マーキングしておいた3連の泡巣は、
前々日と全く同じ状態で見つかった。
⇒泡のない3個の穴もそのままで、
内部に幼虫がいる気配は全くなかった。
早速、泡を取り除いてみると、予想どおり、
泡の真下に3ヶ所の穴(赤矢印)が確認された。
写真左の青矢印は、2日前に見つけた、
泡がない部分にあった3個の穴である。
そして、真ん中の赤矢印の先には、幼虫が見える。
他の2個の穴の中にも幼虫がいるはずで、
破壊検査をすれば、見つかるだろう。
これは一体、何が起こっているのだろうか??
⇒もっとも考えやすいのは、同一の葉柄内に、
3匹の幼虫がいたのでは、食物不足になって、
お互いに、場所を移動したかったのだろう・・・???
・・・そして、さらに2日後の衝撃!!!
ヨフシハバチ類の泡巣(完全修復!)
2015年7月12日 だんぶり池・青森
まさかと思ったのだが・・・
驚くべきことに、右側の泡3個分が、
さりげなく、完全修復されていたのだ。
見た目も、最初の写真と、ほとんど一緒だ。
⇒こんな泡巣が、少なくとも2日で完成してしまうのだ。
しかも、3個同時に!!!
まだまだ、この葉柄で十分に泡が出来るということは、
最初に見つけた泡のない部分(左側3個)の穴は、
栄養不良で放棄したものではなかったようだ。
この「ちょっとだけ不思議な現象」を解明するには、
ヨフシハバチ類の生態や生活史について、
まだまだ、知らないことが沢山ありすぎる。
⇒残念ながら、成虫の姿を確認することも
まだ出来ていないし・・・
という訳で、もう少し(?)謎のままにしておこう。
【注】ネット情報では、日本産ヨフシハバチ科には、
Blasticotoma属が4種、Runaria属が2種知られている。
また、別の情報では、幼虫がシダを食べるヨフシハバチ科に、
13種が記載されて、やや分類が混乱してるのかもしれない。
新緑の季節が始まるのとほぼ同時期に、
色々な植物の緑の葉っぱや茎の部分に、
白い泡の塊が見つかるようになる。
この時期に普通に見つかるのは、
ほとんどが、アワフキムシの仕業だと思って良い。
例えば、ヨシの葉っぱにも、こんな感じの泡が見つかる。
試しに、木の枝で泡を取り除いてみると・・・
アワフキの仲間の幼虫(アワフキムシ科)
2015年6月12日 だんぶり池・青森
中から、必ずアワフキの幼虫が現れる。
ちょっと可哀そうだが・・・丸裸?
ところが、7月になると・・・・
本当に、6月には全く見つからなかったのだが、
弘前周辺では、7月に入るとオシダの葉の裏側に、
アワフキの泡巣と同じような白い泡が見え隠れする。
⇒今年は、別件でほぼ毎日だんぶり池に通って、
比較的真剣に(?)探していたのだが、
結局、6月中には1個も発見できなかったのだ。
だんぶり池の林道周辺には、数種類のシダがあるが、
白い泡が確認できたのは、オシダ【注】だけだ。
【注】当初はベニシダとしていたが、
別件でシダの虫えいを調査中に、
青森には、ベニシダは分布しないことが判明したので、
同属のオシダに訂正した(20150729)。
もちろん、私には両種の識別が全く出来ないが・・・
葉をめくってみると、こんな感じで、
普通のアワフキの泡巣よりも、
クリーミーな感じの細かい泡なのだ。
⇒製造者のサイズの違いだけなのか?
・・・この泡の中から、どんな虫が出てくるのだろう?
しかし、ちょっとだけ不思議なことに、
この泡をいくらかき回しても、取り除いても、
泡の中には、虫(製造主?)が見つからないのだ。
・・・そんな馬鹿な!?
別の泡も、慎重に取り除いてみると、
虫の姿は見えないのだが、葉柄の部分に、
小さな穴があるのが分かる。
この穴の奥に、泡の製造主の虫がいるのだろうか?
⇒もしそうだとしたら、穴の中に、
完全に隠れているのに、何で、
わざわざ泡を作って、身を隠す必要があるのか?
しかも、その泡は、シダの葉っぱの裏側にあるので、
本物のアワフキの泡のように、すぐには見つからないのに・・・
次回予告!!
この穴の中にいる虫の正体は?
・・・ヨフシハバチ類の幼虫!?
追記(20150710)
以下のページが確定しましたので、是非ご覧ください。
【不思議なシダの泡 ヨフシハバチ類の泡巣だった!!】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150713/1/