忍者ブログ

ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

日本のセミ【2】

(4月22日のつづきです)

セミの写真を撮るのは、なかなか難しい。
多くのセミは、木の高いところで鳴いているからである。

だから、大好きなヒグラシの声が聞こえてきても、
樹上を探して、写真を撮ろうとは思えない。


でも、ひとつだけ(?)良い方法があるのだ!!!
それは、「早起きをする」ことである。

朝早く林道を歩くと、まだ湿って、
水滴がついているような下草の表面に、
日中では絶対見られない状態で、
セミが、さりげなくいることがある。

以下の5枚の写真は、全てセミが草の上にいる(???)

 


ヒグラシ
 
2010年7月18日 だんぶり池・青森

何を隠そう!!!
私は、日本の風景の中では、ブナ林も良いが、
唯一の落葉針葉樹であるカラマツ林も好きである。

特に、夕暮れ迫る頃に、ヒグラシが鳴いていると、
何となく涙が出て、泣いてしまいそうになる。

太宰治は「富士山には、月見草が似合う」と言ったが、
私は「カラマツ林には、ヒグラシの鳴き声が似合う」と、
昔からさりげなく思っていた。

  


コエゾゼミ
 
2010年7月28日 酸ヶ湯・青森

北方系の種類で、ブナ林などで見られるが、
頭部を下向きに止まって鳴くらしい。

エゾゼミの方が個体数は多いと言われているが、
何故か、コエゾゼミしか撮影できていない。
たまたま、写真を撮りやすい場所にいるのが、
コエゾゼミなのかも知れないが・・・

それでも、早朝にしか撮れていないが・・・・


 

エゾハルゼミ
 
2010年6月24日 登別温泉・北海道

冷涼な地域の、ブナなどで構成された落葉広葉樹林に生息する。
成虫はハルゼミより少し遅く、5月下旬から7月にかけて発生する。

鳴き声は、風邪をひいたヒグラシのような感じで、
どこからともなく聞こえてくる。

ただ、純粋な森林性の種のようで、
市街地で鳴き声が聞かれることは少ない。

 


イワサキクサゼミ
 
2003年4月5日 与那国島・沖縄

八重山諸島に生息する日本最小のセミである。

初めて見たときは、興奮して、写真を撮りまくったが、
サトウキビの害虫としても、よく知られている。

実は、同じ日の午前中に、すぐ近くの林道で、
世界最大の蛾(?)ヨナグニサンに出会っているので、
この日は、さりげなく「興奮の一日」であったのだ!!!

 


ツマグロゼミ
 
1999年6月20日 与那国島・沖縄

今回紹介した中で、唯一の希少種である小型の美しいセミ

宮古島では、保護運動が起こっていると聞く。

前翅の先端部に黒い紋があるので、この名前がついたらしいが、
この写真では、分かりにくい。

実は、撮影時点では、イワサキクサゼミと思っていた。
後で調べると、ツマグロゼミと分かった。

もっと、沢山写真を撮っておけば良かった。

 

 

拍手[49回]

PR

日本のセミ【1】

セミは、昆虫の中でも、かなり大きな声(?)で鳴く。
オスの腹部には、大きな空洞があり、
ギターのように音を増幅することができるからである。

日本では、新緑の季節を過ぎると、松林などで、
さりげなくハルセミが鳴いていることに気がつく。

そして、夏にかけて、いろいろなセミの声が聞こえてくる。

しかし、日本国内で、普通に見られるセミの種類は、
わずか20種程度しかない。
だから、昆虫に興味のない人でも、
鳴き声を聞けば、~~ゼミとわかるほどである。

そのせいか、昔から文科系の人たちにも、
少なからず興味を持たれていたようで、
多くの文学作品の題材になっている。



今回は、日本の代表的なセミ4種を紹介する。

 

クマゼミ
 
2005年8月6日 鳴門市・徳島

鳴き声の大きさでは、多分日本一だろう。

徳島市に住んでいたころ、阿波踊りの季節が近づくと、
ギンギラギンにさりげなく、クマゼミが鳴き出す。

だから「阿波踊りには、クマゼミの鳴き声がよく似合う」と思う。

ここ数年、クマゼミの分布域が北上していると言われるが、
これも、地球温暖化の影響なのか?

 


ミンミンゼミ
 
2010年8月10日 東海村・茨城

独特の鳴き声は、どことなく懐かしい。
個人的には「ミンミンゼミの鳴き声は、かき氷とよく似合う」と思う。

ただし、西日本の平野部には、ミンミンゼミは、ほとんどいない。
昔の九州が舞台のテレビドラマで、ミンミンゼミが鳴いていて、
多少、違和感を覚えたことを覚えている。

したがって、ミンミンゼミとクマゼミが、
合唱することは、基本的にはないと思う。

 
 

 ニイニイゼミ
 
2010年7月11日 筑波山・茨城

鳴き声も、サイズ的にも、非常に地味なセミである。

多分、日本人の多くは、神社やお寺の境内にいると、
一種独特な雰囲気を感じると思う。
「ニイニイゼミの鳴き声は、そんな雰囲気によく似合う」と思う。

そういえば、松尾芭蕉が山寺で詠んだ有名な俳句のセミは、
ニイニイゼミである可能性が高いという。

 


アブラゼミ
 
2005年7月31日 鳴門市・徳島

子供のころは、東京にもアブラゼミが沢山いたし、
千葉県の梨畑では、立派な(?)害虫であった。

しかし、関東以西の市街地では、環境の変化によって、
生息数が減少しているといわれている。

ほとんどのセミの種類は、透明の翅を持っているが、
アブラゼミの翅は、前後とも不透明の褐色であり、
世界でも珍しい翅全体が不透明のセミである。

そのためか、アブラゼミは人が近づくと、
幹の反対側に歩いて逃げようとするが、
クマゼミなどは、すぐに飛んで逃げる。

しかし、この行動パターンが、アブラゼミの
個体数減少の直接原因ではないだろう。

 

拍手[50回]


多摩動物園昆虫館

弘前に住んでいて、寒い~寒い~冬の間は、
さりげなく「水族館」や「動物園のチョウの温室」に行くのがベスト!!

東京にある「多摩動物園」は、軽く遠いが、
土曜・日曜の高速料金1000円ならば、何かの行事と引っかけて、
まあ、比較的簡単に行ける。

今年の冬は、12月と1月の2回、いずれも昆虫園だけ訪れた。

ちなみに、多摩動物園の入園料は、大人600円で、
周辺の駐車場料金は、その倍の1200円(休日)であった。


今回は、昆虫園で見たちょっとだけ不思議な生き物を、
ほとんどが、2枚のガラス越しに、さりげなく撮ったものである。

 


コノハムシ ナナフシ目コノハムシ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

これまでは、隠蔽的擬態の典型のように扱われてきた。

最近は、ペットショップでも販売され、
その人気は、クワガタに迫る勢いである。

ところが、このブログで何回も紹介した、
日本代表のハイイロセダカモクメ君が、
ついに、隠蔽的擬態の代表の座を脅かすところまで来ている(?)

 


ハナカマキリ カマキリ目ヒメカマキリ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

約1カ月の、間をおいて訪れたが、
彼女は全く同じ格好で静止していた。

でも、なんか卵、産んでる!!

攻撃擬態の例として取り上げられることが多いが、
以前述べたように、ピンクの花に静止している場合は、
隠蔽的擬態の典型であると思う。


 

タガメ カメムシ目コオイムシ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

もう20年以上も前の話であるが、
徳島の家でタガメを飼育していたときに、
テレビ局が取材に来たことがある。

その大きさに、当時大人気の女性レポーターが、
かなりオーバーに、ビックリしてくれたのを、覚えている。

自分より大きな獲物を捕らえることも多く、
その獰猛さから「水中のギャング」とも呼ばれるが、
普段はひっそりと、水草の陰に隠れている。

 


ゲンゴロウ コウチュウ目ゲンゴロウ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫園本館

タガメほどではないが、実際に見ると、
かなり迫力のある大きさである。

基本的には、水中生活であるが、写真のように陸にも上がり、
夜間の灯火採集でも採れることがある。
 



ナガサキアゲハ チョウ目アゲハチョウ科
 
2011年2月17日 多摩動物公園昆虫生態園

日本では南の個体群ほどメスの白色部が広くなる傾向があり、
九州や沖縄では前翅にまで白い部分が広がる。

特に西表島の個体群は、翅全体に白い部分が広がることで知られる。
これで、オオゴマダラに擬態していると言われているが、
ちょっと、違うか?


冬の動物園に乾杯!!!

 


 

拍手[51回]


だんぶり池で食事中

朝食前の早朝、だんぶり池の林道を、
カメラを片手に歩いていると、
色々なタイプの捕食者が、獲物を捕えて食事中の場面によく出会う。

カマキリやスズメバチのような強力な武器を持っていない捕食者が、
自分の体より大きな獲物を捕獲している。

これは、ちょっと不思議である。

 

 

 
2010年8月25日 だんぶり池・青森

やや小さ目のムシヒキアブの仲間が、
蛾を捕獲して食事中。

飛行速度の絶対的な違いがありそうだが、
飛んでるときの空中での捕獲は、ちょっと無理か?

 

 

 
2010年8月25日 だんぶり池・青森

同じくムシヒキアブの仲間が、
多分カワゲラの仲間を捕獲して食事中。

どうやって捕まえたのか?

 
 


 
2010年8月25日 だんぶり池・青森

シリアゲムシの仲間が、
蛾の幼虫を捕獲して食事中。

この場合は、簡単に捕まりそう?


 


 
2010年6月6日 だんぶり池・青森

ワカバカニグモが、ハエを捕獲して食事中。

このクモは、捕獲用の前脚を広げると、
自分の体より大きい獲物を捕えることができそうである。

 

 

 
2010年6月19日 だんぶり池・青森

種名が全く分からないクモ(もしかしたら幼生?)が、
何と獰猛なムネアカオオアリを捕獲して食事中。

この1分前には、壮絶な戦いがあったのだろうか?

 

しかし、こんな情景を見ていると、
食べられる方は、食べる方に対して、
「やっぱり、何らかの防御手段が必要なのかな?」
と、思ってしまう。
 

拍手[47回]


何なんだ! この模様は!!

普通に、どこでも見かけるムシ達も、
よく見ると、不思議な模様をしていることがある。

今回は、そんなムシ君達を、軽く紹介する。

 
【セスジナミシャク】

2010年9月2日 青森・だんぶり池

昔、テレビで見た演歌歌手が来ていた着物の柄に似ている。
しかし、ちょっと古すぎるか・・・

  

【ジョロウグモ】

2010年10月9日 青森・弘前市

チョイワル系のお兄ちゃんが着てそうなTシャツの模様。
これは、「新しいか?」と思ったら、すでに流行遅れ・・・

 


【ヒメシロモンドクガ幼虫】

2010年7月25日 青森・だんぶり池 

何で、ここまで凝りに凝ったカッコしなければならないのか?
この姿を見て、捕食者が、ちょっとだけビビル・・・

 

【シロオビアゲハ幼虫】

2011年1月9日 東京・多摩動物園

これは、どう見ても、カラオケのマイクじゃん!!
今はこんなマイクなんて、骨董屋行くか・・・

 


【トホシテントウ幼虫】

2011年1月15日  栃木・渡良瀬遊水地

自分の身を守るにしても、これはちょっとやりすぎ!!
まだ、イラガ類幼虫のトゲトゲの方が、可愛げがある・・・


 

拍手[53回]