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さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
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だんぶり池の林道で、ササの葉の食痕を探していると、
あまり見かけないヒロバカゲロウの仲間(?)に出会った。
昔は、見つけても捕虫網を振ることもなく、
もちろん写真を撮ることもなかったのに!!
何か枯れたササの葉に、翅の色がそっくりだし、
「ブログネタにも!」と思って、シャッターを切ったのだが・・・
スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)
2015年6月1日 だんぶり池・青森
家に帰ってから、種名を調べると、
よく目立つ黄色の頭部が特徴的な、
表題のスカシヒロバカゲロウが一番近そうである。
この名前は、翅が広く薄い紋があるから、付いたのだろう。
ただ、翅の薄い斑紋の濃さ(?)には、かなり個体差があるようだ。
スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)
2015年6月1日 だんぶり池・青森
ネット情報では、山地の沢沿いの森で見られるとのことで、
さすが、「水棲昆虫の宝庫 だんぶり池」である。
気になるのが、翅の模様のように見える白い点々だ。
・・・と思った瞬間、飛んだ!
スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)
2015年6月1日 だんぶり池・青森
数メートル追いかけてると、ヨモギの葉っぱに着地。
私でも十分追いかけられるほどの、弱々しい飛び方だ。
そして、翅の白い模様は、水滴であることが分かった!
一度飛行したことで、全て水滴は落下したようだ。
⇒もし、この写真が撮れなかったら、
翅に水玉模様のある新種かもししれないと、
ずっと期待してたかもしれない。
・・・そして、また飛んだ!!
スカシヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)
2015年6月1日 だんぶり池・青森
ブログ写真だから、こんなピンボケでも、平気で掲載する(?)。
甲虫やカメムシの場合には、
「もうすぐ飛ぶぞ!」という雰囲気は、
なんとなく分かるのだが・・・
というわけで、幻の新種(?)でした。
以前、このブログで、紹介したことがあるが、
バッタやカメムシの仲間を除くと、
身体全体が緑色の昆虫は、意外に少ないような気がする。
美麗種が予想以上に多い蛾の中でも、
私の中では、ベスト10に入るほどの緑色の蛾がいる。
白色の2本の線が入った、前翅全体が緑色の蛾なのだが、
名前はシロスジ~~ではなく、アオスジアオリンガという。
まずは、写真を見ていただこう
アオスジアオリンガ春型♀(コブガ科)
2015年6月11日 酸ヶ湯温泉・青森
・・・・・・どこにいるのか、分からない???
普通は、夜間常夜灯のもとでしか見ることはないのだが、
この緑色は、やはり保護色として十分機能していた。
酸ヶ湯温泉付近の遊歩道のダケカンバには、
比較的多くの種類のカメムシがいるので、
葉っぱの表裏や果実などを、結構まじめに探すのだが、
至近距離で、これだけのサイズの虫を、見逃す寸前だった。
まさに「・・・ん!?、何だ!!!」と言う感じだった。
居場所がすぐに分かった方は、相当のマニアである。
この時期のダケカンバの新葉と、まさに同じ色あいの蛾なのだ。
⇒幼虫は、ブナやミズナラ以外に、
カバノキ科植物の葉も食べるようで、
多分ダケカンバにも産卵するのかもしれない。
アオスジアオリンガ春型♀(コブガ科)
2015年6月11日 酸ヶ湯温泉・青森
近づいて良く見れば、まさに蛾なのだが・・・
こんな感じで、常夜灯以外で見つかるのは、
滅多にないことなので、ちょっとだけ嬉しくなる。
いずれにしても、典型的な保護色だと思う。
上の写真タイトルに「春型♀」と表示した理由は、
翅に赤い帯がある警戒色のような「春型♂」がいるからである。
アオスジアオリンガ春型♂(コブガ科)
2014年6月5日 矢立峠・秋田
この子は、道の駅の常夜灯付近にいたが、
良くあることなのだが、森の中に帰りそびれたのだろう。
もし仮に万が一、この子が、ダケカンバの葉っぱにいたら、
やっぱり、良く目立つことだろう。
むしろ、以前このブログで紹介した「人面」のようにも見える??
【擬態??②/④ 動物の顔】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141204/1/
アオスジアオリンガ春型♂(コブガ科)
2014年6月5日 矢立峠・秋田
このように、雌雄で体色が正反対(保護色と警戒色)になるのは、
動物の世界では、決して珍しいことではないと思う。
そんな体色は、多くは交尾行動に関係しているようだ。
ネット情報では、本種には、春型と夏型があって、
一部の春型の♂が、翅の横線に沿って赤色の帯が出る。
と言うことは、全ての春型の♂が赤い訳ではなく、
もちろん、夏型には見られない現象でもある。
だから、この赤色が、特に生存に有利に働くことはないのだろう。
このように、生存に有利でも不利でもない形質が、
一世代を飛ばしても(春型のみに出現!)、
子孫に伝えられていくということは、
やっぱり、ちょっとだけ不思議なことだと思う。
・・・・不思議で片づけてはいけない。
翅に赤色帯のある個体の出現(突然変異?)と、
その形質の生存価値の可能性(自然淘汰?)については、
交尾行動を含めた、より詳細な生態観察が必要だと思う。
そうすれば、「一部の雄だけに一世代おきに」出現するような、
不思議な赤色帯の存在理由が、少しずつ明らかになってくるだろう。
青森県でウズラカメムシに出会うのは、
おそらく、今回が最初のはずだ。
四国では、結構頻繁に見かけたのに・・・・
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
実際に見つけたときは、こんな感じで、
慣れないと、かなり分かりにくいが、
赤矢印の先に、交尾中のウズラカメムシがいる。
植物は、イネ科の多分カモガヤだろう。
⇒オーチャードグラスという別名の方が、
馴染みがあるかもしれないが・・・
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
この場所では、数個体を発見したが、
微妙な保護色が、少なくとも人には効果的(?)だ。
⇒この子の名前は、体色がウズラに似ているから付いたと思っていたが、
ネット情報で、ウズラの卵に似ているという説もあるようだ。
確かに、カメムシにしては、身体が卵型か?
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
昔は、斑点米カメムシ類として、
完全に害虫扱いされていたが、今では、
なかなか出会うことのないカメムシになった?
⇒そういえば、アオクサカメムシも、イネカメムシも、
クロカメムシも、害虫なのに最近見かけない?
私のメインのフィールドが、変わったためなのか?
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
交尾中のウズラカメムシを見るのも、久しぶりだ。
カメムシ類は、交尾時間が比較的長いので、
交尾中に出会う確率は、かなり高いと思われるのだが・・・
以下の記事で、カメムシの交尾時間が長い理由を、
ちょっとだけ考察していますので、ご覧ください。。
↓ ↓ ↓
カメムシ交尾中【2】 何故カメムシの交尾時間が長いのか?
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111212/1/
どんな生き物の場合でも、たった1枚の写真があれば、
細かく文章で記載するより、遥かに多くの情報を、
ほんの一瞬で伝えることが出来る。
場合によっては、動画よりも、写真の方が適していることもある?
ただし、虫たちの場合には、その1枚の生態写真だけを見ると、
(図鑑に掲載されている写真とは、全く異なって、)
例えばその虫が、ハチのなか、アブなのか、
瞬間的には、判断に迷うことがあるのだ。
ただ、このことは、写真の限界を示しているのではなく、
虫たちの「驚くべき適応戦略」の方を、驚嘆すべきなのだろう。
・・・例えば、
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2010年7月21日 だんぶり池・青森
この写真だけを見れば、ほとんどの人がハチと言う。
私も最初は、ハチが肉団子を作っていると思った??
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月10日 だんぶり池・青森
これは、ハチに似せた典型的なベイツ型擬態の種だろう。
写真では分かりにくいが、胸と腹の間が細くなっており、
このブログで言うところの「ミラクル擬態」だろう。
ただ、ハチ擬態にしては、金属光沢が強すぎて、
モデル種のハチがすぐには思いつかない。
⇒気になる点を挙げれば、複眼にある縞模様で、
これはアブの仲間に多く見られる。
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月12日 だんぶり池・青森
この子は、名前の由来となった(?)大きな口で、
葉っぱの水分を舐めているのだろうか?
ネット情報では、ヒロクチバエ科は熱帯性の種類が多く、
本種が、一番北に分布しているようだ。
それにしても、翅の付き方(位置)が、ちょっとだけ不思議だ。
翅の付く場所が、かなり後方寄りに見えるのは、
頭と胸が、異常に発達(長く!)しているからだろう。
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月12日 だんぶり池・青森
この写真では、2匹が重なり合っているようにも見える。
まるで、雌雄が交尾しているようだ。
前胸と後胸が大きく、頭部(口?)が長いだけで、
こんな不思議な雰囲気になるのだ。
⇒何故、名前がヒゲナガなのかは、不明だ。
個人的には、クチナガだと思うのだが・・・
だんぶり池周辺の林道では、普通に見ることが出来るが、
最初は、ハチと間違えてカメラを向けることが多い。
⇒もっと言うと、ハチだと思って写真を撮ると、
何を隠そう半分近くが、アブだったりするのだ!!
恐るべし、アブのハチ擬態!!!
イオウイロハシリグモと呼ばれる微妙な名前の普通種のクモがいる。
しかし、体色や模様には、かなり変異が見られ、
種の判別・同定には、長く混乱があったようである。
⇒虫たちの世界では、色彩や模様が全く違っていても、
実は同種であるというのは、良くあることで、
特に、驚くことはないのだが・・・
イオウイロハシリグモも、ナミテントウのように、
いくつかの基本型があって、名前が付けられているが、
これが、ナミテントウほど簡単にはいかないのだ。
⇒ネット情報では、体色や模様には性差がないとされ、
基本は、3パターンに分けられるようだが、
まず、その3パターンが、なかなか特定できないのだ。
なんとか、イオウイロ型とスジブト型は、
かろうじて識別できそうだが、
もう一つのスジボケ型が良く分からない・・・
イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
2011年6月4日 だんぶり池・青森
暗い褐色の地に、両側を縦走する白い帯があるので、
この子は、典型的なスジブト型だろう。
ただし、同じような模様の明確な別種も存在するので、
注意が必要とされるが、どこに注意するのかが分からない。
イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
2010年10月11日 だんぶり池・青森
この子は、淡褐色で模様がないので、
間違いなく、イオウイロ型だろう。
本種は、このタイプが標準的とされており、
硫黄色の名は、やや黄色っぽい体色から、
名付けられたのだろう。
イオウイロハシリグモ(キシダグモ科)
2010年8月25日 だんぶり池・青森
この子は、薄い褐色の地に、白色の斑模様があるので、
スジボケ型(?)になるのだろうか?
これだけ、体色や模様が違っていると、
別種とされていた時期があってもおかしくない。
ただ、異なる模様の雌雄が、ナミテントウのように、
交尾(交接?)するのかどうかは、情報が少ない。
徘徊性のクモの場合、滅多に交接の場面に、
遭遇することはないからだろう。
前回のコフクログモの場合も、少なくとも私は、初めて見たものだ。
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150722/1/
・・・最後に、未同定の写真??
これは、4年間も同定が出来ずにいたクモで、
ネット上では、似たような模様の種類が見当たらない。
もしかしたら、この子が、白黒の斑模様でも、
スジボケ型のイオウイロハシリグモなのだろうか?
⇒こんな鮮やかな(?)白黒の模様は、
テネラルの可能性もありそうな雰囲気だ。
実は、これ以外にも、だんぶり池で撮った、
イオウイロハシリグモと思われるクモの写真があるのだが、
現時点では、正確に同定できそうもないので、
また、機会があれば、ということで・・・
イオウイロハシリグモが、獲物を捕獲する様子は、こちら!!
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120224/1/
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120227/1/