警戒色の虫たちと有毒植物⑤ セリ科
植物の葉っぱには、多かれ少なかれ、
有毒成分が含まれており、他の動物から、
無作為に(?)食べられるのを防いでいる。
有毒成分が含まれており、他の動物から、
無作為に(?)食べられるのを防いでいる。
これに対抗して、虫たちの方は、
特別の解毒機構を発達させたり、
場合によっては、その有毒成分を体内に蓄積して、
自らが、捕食者に食われるのを防ぐようになった。
ただ、その毒性の程度はピンからキリまである。
だから、虫たちが食べて、体内に蓄積する場合にも、
毒性の強さに応じて、完全な警戒色のものから、
どちらとも言えないような微妙な色合いのものまで、
多種多様な昆虫類が知られていることが分かった。
今回の例は、人間も食べることがあるセリ科植物である。
この赤と黒の縞模様は、警戒色の典型である。
有毒とされるセリ科の植物ではあるが、
ときどき人間も食べて、独特の味を楽しんでいる(?)。
もちろん、好き嫌いはあるだろうが・・・
⇒ただし、キアゲハの若齢幼虫は鳥の糞に似ている。
もしかしたら、有毒成分の蓄積が十分でない時期には、
明瞭な警戒色にならないのかもしれない。
明瞭な警戒色にならないのかもしれない。
と、ここまでは良い!!
実は、アブラナ科のナガメとモンシロチョウ幼虫のように、
虫の種類によって、体色が明らかに異なる場合があるのだ。
虫の種類によって、体色が明らかに異なる場合があるのだ。
ネット情報では、幼虫も警戒色ではないようで、
捕食者がどのような反応を示すのか、興味深い。
⇒全くの想像であるが、もしかしたら、
警戒色のアカスジカメムシと、
警戒色でないハナダカカメムシでは、
全く同じ植物から吸汁するのに、
体液に蓄積される不味成分の種類が、
微妙に違うのかもしれない。
この他にも、微妙な毒性を示す植物は、
数え切れないほど存在する。
もしかしたら、全ての植物種は、
それを食べようとした(!)動物種に対して、
微妙に毒性を示すのかもしれない。
だから、このシリーズの最初に書いたように、
そのような植物側の2次代謝物の存在が、
虫たちの食物選択(寄主選択)の手がかりであり、
さらには、好き嫌いの原因になっているのだろう。
・・・というわけで、
大別すると3種類に分けられる植物の有毒成分の中で、
これまであまり取り上げられることのなかったような、
弱い毒性を示す成分の存在にも、注意すべきなのかなと思う。
(このシリーズ、今回で終了します)
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