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この記事は、新ブログへの移行に伴い、写真を最新のものに入れ替えて、
サイズも大きくして見やすくし、説明文も加筆・修正を行っています。
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【ササの葉の一列穴(改訂)】
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http://sallygenak.livedoor.blog/archives/2019-09-28.html
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この記事をお読みいただく前に、以下のページをご覧ください。
ササの葉のミシン穴の謎【1/3】 製造者は誰?
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150617/1/
ササの葉のミシン穴の謎【2/3】 ちょっとだけ解明?
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150620/1/
上記のページについて、誤解のないように、もう一度記述するが、
ササの葉のミシン穴には、同じ【タイプA】でも、
微妙に形状、サイズ、穴の間隔などの異なるものがあり、
前回、製造者の可能性があるとした「カミキリ類」は、
沢山ある候補の中のひとつにすぎない。
少なくとも、【1/3】の写真(05)のように、
両側の穴の方が、大きくなっているのは、
潜孔性の幼虫が、中心部分(写真の右側)まで来て、
ウロウロと追加摂食したようなイメージだ。
・・・ちょっとだけ弱気になったところで、
それでは、穴の開いていない【タイプB】のミシン目は、
どのようにしたら、再現できるのだろうか?
ホソハマキガの雌成虫の産卵管なども想定して、
色々なことを試したが、最も単純な「つまようじ」を使うと、
かなり雰囲気が似ているものが出来上がった。
⇒虫たちの産卵管を想定した虫ピンなどでは、
ほとんど目立つような痕跡にはならない。
もちろん、仮に産卵痕だとしたら、
産まれた卵は、どこへ行ってしまったのだろうか?
どちらかというと、産卵痕より、吸汁痕の方が近いと思うのだが・・・
さりげなく、実験開始!!
(18)つまようじ処理直後
2015年6月10日 だんぶり池・青森
このように、つまようじを使って、
反対側まで突き抜けるように、穴を開ける。
⇒つまようじを使用した場合には、
反対側まで貫通させずに、中心部で止めるのは、
野外での手作業では、技術的に難しい。
(19)つまようじ処理(抜いた直後)
2015年6月10日 だんぶり池・青森
約5分程経過してから、静かに引き抜いて、
そのままの状態で放置する。
⇒この写真で見る限り、手品ではないのだから、
この時点では、確実に穴は開いている。
(20)処理後2日目
2015年6月12日 だんぶり池・青森
処理後2日目で、葉は早くも半分ほど展開している。
中央部分の穴を見ると、すでに塞がっているようだ。
(21)処理後3日目
2015年6月13日 だんぶり池・青森
この3日目の写真の感じは、
まさに【タイプB】のミシン穴である。
ただ、処理時に、つまようじが反対側に突き抜けているので、
穴(の痕跡)の数は、通常のミシン穴の2倍になっている。
(22)処理後8日目
2015年6月18日 だんぶり池・青森
日数が経過して、リアルにクズの新芽の蔓が巻き付いている。
こうなると、穴(?)は、人工的なものとは思えない?
・・・つまようじ2本の実験も!!
(23)つまようじ処理直後
2015年6月10日 だんぶり池・青森
つまようじを2本使用した場合も、同様である。
(24)処理後3日目
2015年6月13日 だんぶり池・青森
見事な横一直線の穴(?)ができた。
⇒下段の穴は、かろうじて、
まだ塞がっていないように見える。
(25)処理後8日目
2015年6月18日 だんぶり池・青森
まさに【タイプB】のミシン穴である。
⇒元穴(?)の変色した周辺部分が、上下に伸びている。
・・・・
さて、写真(19)のような穴を開ける虫は、
一体どんな種類が考えられるだろうか?
⇒穴は細いようで、意外に太いのだ。
個人的には、カメムシ類の口吻が、第一候補だと思う。
他にも、ウンカ・ヨコバイなどのカメムシ目の虫たちが、
もしかしたら、柔らかそうな展開前の棒状の葉から、
吸汁する可能性もありそうだ。
・・・・例えば、
(26)ヨツモンカメムシ(クヌギカメムシ科)
2015年6月21日 梵珠山・青森
カメムシ目の虫たちは、季節や発育ステージによって、
餌植物を変更することが、必須の種類も多い。
⇒春先に、ササの葉から吸汁する種類が、
さりげなく存在するかもしれない。
前回紹介した【タイプA】の場合と同様に、
今回の【タイプB】にも、異なる形状・サイズのものがある。
だから、おそらくが製造者がそれぞれ異なる可能性も十分ある。
もちろん、写真のヨツモンカメムシは、
偶然ササの葉にいたので、写真を撮ったのだが、
製造者の可能性は、全く「0」では無いように思う?
・・・という訳で、
長々と3回に分けて紹介してきたのに、現時点では、
製造者の実行現場を確認することが出来ていない。
しかも、ササの葉のミシン穴を開けた虫の種類は、
間違いなく1種類ではない。
だから、運よく製造現場を確認できたとしても、
それは、候補者リストの中から、1種類が当選したにすぎない。
当選者は、まだ他にいるかもしれないのだ。
だから、前回の「カミキリ類の後食痕」も、
今回の「カメムシ類の吸汁痕」についても、
製造者のの可能性が、おそらく「最も高い」のではないか、
というだけの話である。
ここが、やっぱり、
『ちょっとだけ不思議な昆虫の世界』
なのだろう。
追記(20150702)
ササの新葉が展開するまでの期間の短さに関して、
それを裏付ける証拠写真が撮れたので、追加記事にしました。
また、ササの葉の上で偶然見つけた、
製造者の可能性のある虫たちの写真も追加しました。
是非ご覧ください。
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150702/1/