北限(?)のミナミトゲヘリカメムシ
先日、写真の整理をしていて、
ちょっと違和感のある虫が見つかった。
・・・私の場合、普通にあることなのだが!?
写真撮影時には、そんな南方系の虫が、
茨城の東海村にいるなんて、思っても見なかったので、
さりげなく、良く似た別の虫のフォルダーに入れてしまった。
フォルダーは、オオクモヘリカメムシ Anacanthocoris striicornis (Scott)
入れ間違えたのは、ミナミトゲヘリカメムシ Paradasynus spinosus Hsiao
⇒別属のヘリカメで、和名からは、
似てることが、全く想像できない??
まずは、オオクモヘリカメムシの写真から!!
オオクモヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
2011年6月11日 東海村・茨城
撮影場所の公園にあるネムノキで、ときどき見かける。
ただのクモヘリカメムシとは全く雰囲気が異なり、
緑色と黒褐色のコントラストがはっきりして、
個人的に好きな部類の大型ヘリカメである。
【さりげなく大きい?! オオクモヘリカメムシ】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131113/1/
2年前の上記のページで、ミナミトゲヘリカメムシについて、
ちょっとだけマニアックであるが、
一見間違えやすいミナミトゲヘリカメムシというのがいる。
でも、南方系の種なので、少なくとも関東から北では、
別によく見なくても、大丈夫だ
と書いてしまったように、そのときには、
茨城で見つかるとは、まったく思っていなかった。
そして、お待たせしました。
・・・噂のミナミトゲヘリカメムシ!!
⇒写真撮影は、さらにその1年前(2012年)である。
ミナミトゲヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
2012年10月2日 東海村・茨城
どうだろうか? 体型も大きさも、
オオクモヘリカメムシそっくりだ。
撮影したのは上の写真と同じ公園で、
当然付近には、ネムノキが沢山ある。
⇒撮影場所が近いということも、
間違えた原因かもと、多少の自己弁護?
ただ、よく見れば、緑色の部分がなく、
名前の由来となった前胸の鋭い棘が特徴的だ。
ミナミトゲヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
2012年10月2日 東海村・茨城
カメムシ図鑑第3巻には、寄主植物はクスノキ科だが、
かんきつ類を加害することもあり、侵入害虫とされ、
「別属のオオクモヘリカメムシと、しばしば誤認される」
と、わざわざ書かれているほどである。
なお、当該図鑑の出版時(初版:2012年)には、
関東地方が北限と記述されている。
⇒私の記憶では、10数年ほど前までは、
和歌山県が北限とされていたはずで、
わずか10年で、関東まで北上した。
今回の発見場所は、茨城県のほぼ真ん中の東海村なので、
この時点で、北限に近い場所だったのだろう。
当然、地球温暖化の影響もあるのだろうが、
今後も、どんどん北上していくのか微妙なところだ。
⇒さすがに青森県には、クスノキもかんきつ類も、
おそらく自生していないので・・・・