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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

マジカル・ムシトリー・ツアー カメムシ③

(前回のつづき)

このシリーズの写真を見てお気づきのように、
私の基本的なスタンスとして、いつからか(?)、
歩きながら、目についた虫だけを撮っている。

自然状態での虫たちの姿を、ありのままに、
できるだけ妨げないように撮りたいからだ。


というわけで、、倒木や石をひっくり返したり、
ビーティングやスイーピングはしない。

だから、緑色の葉っぱの上にいる虫たちが、
被写体になることが、比較的多いことになる。

このスタンスは、野鳥類が餌である虫を探す場合と、
ちょっとだけ似ている(と思う)。


そんな視線で、自然状態の虫を探していると、
多くの虫たちは、捕食者の餌とならないように、
様々な工夫をしていることに気付く。

 

 


シマサシガメ(サシガメ科)

2014年5月31日 筑波山・茨城

昔は、もっともっと良く見かけたような気がする。

もしかしたら、生息環境が良く似ているヨコヅナサシガメの影響か?

 

 


ヤニサシガメ(サシガメ科)

2014年5月31日 筑波山・茨城

こっちは、マツの木で良く見かけるサシガメ。

成虫を見るのは、かなり久しぶりか。

 

 


チャバネアオカメムシ(カメムシ科)

2014年5月31日 筑波山・茨城

クサギカメムシと並んで、果樹害虫の代表。

この子の放出する匂いは、かなり強烈で、
少なくともアリに対しては、強い防御効果を持っている。

 

 


ナシカメムシ(クヌギカメムシ科)

2014年5月31日 東海村・茨城

良く探せば、桜の木でたまに見かけるが、
今回は、なぜか下草で発見・・・

桜の木を見上げて探すと、葉っぱの裏にいることが多い。

 

 


ホシハラビロヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

2014年5月31日 東海村・茨城

クズで良く見かけるヘリカメで、
近縁種のただのハラビロヘリカメムシより、
個体数は、だいぶ多いような気がする。

 

 


クヌギカメムシの仲間(クヌギカメムシ科)

2014年5月31日 東海村・茨城

上からの写真では、区別しにくい近縁種3種がいる。

その場で捕まえて、交尾器を見ればすぐ分かるのだが、
最近は、可哀そうなので、それもしなくなった。

 

 


アカヘリサシガメ(サシガメ科)

2014年6月2日 滝川渓谷・福島

今回のMMTでは、サシガメ科だけで、
5種を撮影したことになる。

この子が、一番見る機会が多い種類だったが、
最近はヨコヅナサシガメに抜かれたか???

 

 


アカスジキンカメムシ幼虫(キンカメムシ科)

2014年6月2日 五色沼・福島

キンカメムシ科では、最も普通種。

幼虫集団を見かけることが多いが、
成虫に出会うことは少ない。

 

 

オオヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

2014年6月2日 五色沼・福島

大型のヘリカメで、個体数も多い。

歩き方も、悠然としてカッコイイ!?

逆に言うと、ドンクサイのか!!

 

        

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マジカル・ムシトリー・ツアー カメムシ②

(前回のつづき)

MMT中は、基本的には、道の駅で車中泊する。

最近は、どこにでもコンビニがあって、
立ち寄り湯やスーパー銭湯も、結構目立つようになった。

それでも、3日に1回は、
ネット環境のあるビジネスホテルに泊まる。


今回のMMTで、カメラのシャッターを押した回数は、
SDカードの記録から、4231回。

もちろん、その場ですぐに削除したのもあるので、
パソコンに残された写真は、約3000枚だ。

その中から、今回は26種類のカメムシの写真を、
日付順に、紹介していることになる。

 

 


アカアシクチブトカメムシ(カメムシ科)

2014年5月29日 常念岳山麓・長野

俗に言う「珍品」のカメムシである。

年に1回でも出会えれば、良しとするレベルだ!

 

 

 

多分オオツマキヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

2014年5月29日 常念岳山麓・長野

写真だけでは、ツマキヘリカメムシと識別不能だが、
北日本では、圧倒的にオオツマキヘリカメムシが多い。

長野県では、どうなんだろうか?

 

 

 

エゾアオカメムシ(カメムシ科)

2014年5月30日 荒船山・群馬

直射日光を斜めから浴びて光沢があるので、
最初は、ツヤアオカメムシのように見えたが、
膜質部は、明らかに茶色に見える。

 

 


ムラサキナガカメムシ(ナガカメムシ科)

2014年5月30日 荒船山・群馬

普段は、見逃してしまいそうな、小さなカメムシ。

今回が、初撮りである。

 

 


セアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年5月30日 荒船山・群馬

大型ツノカメのなかでは、最も普通種だろう。

でも、何となくツノカメは気品がある?

 

 


スコットカメムシ(カメムシ科)

2014年5月30日 荒船山・群馬

冬季、家屋に浸入する不快害虫とされる。

ここ数年、晩秋のダムサイトで見る限り、
発生量は、かなり多いようだ。

 

 


ビロードサシガメ(サシガメ科

2014年5月31日 筑波山・茨城

サシガメの仲間で、一番好きな種類だが、
まあ希少種だと思う。

この写真では、色が良く出ていないが、
名前のとおり、微妙なビロード色は秀逸である。

 

 


エビイロカメムシ(カメムシ科)

2014年5月31日 筑波山・茨城

ススキの葉で良く見かける種類だが、
そういえば、最近見る機会が少なくなった。



(つづく)

        

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マジカル・ムシトリー・ツアー カメムシ①


今年(2014)の5月22日から6月5日まで、
約2週間のMMTに、ひとりで出かけた。

今回は移動距離がいつもより長いので、
主として幹線道路を、車で走りながら、
林道や森林公園などを見つけては、ハンドルを切って、
適当(適切な!)な場所に車を停め、その前後を、
10分から30分程度歩いて、見つけた虫の写真を撮った。


そして、このブログでは、初めてのことになるが、
今回のMMTで、26種類のカメムシの写真が撮れたので、
1種1枚ずつの写真を、日付順に3回連続で紹介したい。

 

 

 

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年5月24日 金沢市・石川

つい最近、春の珍事⑧で紹介したハート紋のツノカメ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140527/1/


やっぱり、ツノカメの仲間は、見つけるとちょっと嬉しい・・・

 

 


オオメカメムシ(ナガカメムシ科)

2014年5月24日 金沢市・石川

名前のとおり、目の大きなカメムシ。

容姿に似合わず、小昆虫をとらえて、体液を吸汁する。

ただ、植物からも吸汁するのが、ちょっとだけ不思議だ。

 

 


ヨコヅナサシガメ(サシガメ科)

2014年5月24日 金沢市・石川

この子も、春の珍事②で紹介した。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140506/1/


以上3枚の写真の撮影地は、
金沢市の中心部にある山の公園である。

全くの個人的な感想であるが、やっぱり、
外来種は、都会の公園で見つけることが多いかも?

 

 


ヨコヅナツチカメムシ(ツチカメムシ科)

2014年5月25日 津山市・岡山

車中泊した道の駅のトイレの灯りに来ていた。

良く見かける普通のツチカメムシよりも、
一回りも二回りも大きい(変な日本語?)。

この子の写真撮影は、今回が最初である。

 

 


ナガメ幼虫(カメムシ科)

2014年5月27日 大垣市・岐阜

同じ場所で撮った成虫は、すでに紹介した。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140614/1/

アブラナ科の植物からしか吸汁しないはずのナガメ幼虫が、
1枚のクズの葉っぱに複数いた、という衝撃の写真である。

 

 


ブチヒゲカメムシ(カメムシ科)

2014年5月27日 大垣市・岐阜

クズの葉っぱで見つけた成虫と幼虫。

成虫が一緒にいなかったら、おそらく、
幼虫の同定には、かなり苦労しただろう。

 

 


マルカメムシ(マルカメムシ科)

2014年5月27日 大垣市・岐阜

クズの葉っぱの常連。

というか、クズでしか見たことがない。

 

 


 スカシヒメヘリカメムシ(ヒメヘリカメムシ科)

2014年5月27日 大垣市・岐阜

普段は、さりげなく見つけても、
シャッターを押すことがないカメムシ?

 

 


ジュウジナガナガカメムシ(ナガカメムシ科)

2014年5月29日 常念岳山麓・岐阜

赤、白、黒の典型的な警戒色のカメムシ。

この子の幼虫は、有毒植物イケマから大集団で吸汁する。

以前、このブログで紹介したことがあるので、
衝撃の写真をもう一度ご覧ください。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120902/1/



(つづく)

         

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春の珍事?! ⑧ エサキモンキツノカメムシ


エサキモンキツノカメムシは、以前、
背中に、大きな黄色のハートがあるツノカメとして紹介した。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131109/1/

 

背中の黄色の紋がハート型になっていない、
ただのモンキツノカメムシという種類もいるが、
こちらは、珍品のようで、私も写真を撮ったことがない。


そんな珍品が、だんぶり池にいた????


 


モンキ? エサキモンキ??

2014年5月11日 だんぶり池・弘前

これは!!

背中の紋が、確かにハート型ではないぞ!

 

 


モンキ? エサキモンキ??
9593
2014年5月11日 だんぶり池・弘前

ついに、モンキツノカメが撮れたのか!?

 

 

しかし、・・・・

 

 

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年5月11日 だんぶり池・弘前

残念ながら(!?)、これが噂の・・・

マル紋型のエサキモンキツノカメのようだ。

 


実は、黄色の紋が「ハート紋」か「まる紋」かだけでは、
厳密に両種を識別することはできないのだ。

マル紋なのに、エサキモンキツノカメの場合があるのだ。
(多分逆のパターンはない)

 

 


エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年5月11日 だんぶり池・弘前

基本的には、前胸背側角(ツノ)の形状で見分けるようで、
モンキツノの方が、エサキモンキより長く張り出している。

逆に、先端部の形状は、エサキモンキの方が尖っており、
長く突出するモンキの方が、丸みを帯びている。

私にはは、前胸背の色が褐色か緑色かで区別しやすい。
エサキモンキが褐色で、モンキツノが緑色なので、話は簡単だ。

ただし、これは、どうも正式な同定法ではないらしい。


さらにマニアックな同定法がある。
触角第1節と2節の長さが等しいか、
わずかに1節の方が長いのが、エサキモンキツノカメムシで、
第2節の方が明らかに長いのが、モンキツノカメムシである。

 

 


 
エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

こちらが、別の場所で撮った、
通常のハート型のエサキモンキツノカメ。


確かに、紋の形状以外の違いは見当たらない。

 

 

・・・・一応、春の珍事?!

      


 

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かなりの珍品? ヒウラカメムシ


今日は、久しぶりに、カメムシの話である。

しかも、超(!)希少種であるという噂の、
ヒウラカメムシ【Holcostethus breviceps Horvath】だ。


実際にヒウラカメムシの生きている姿を見た幸運な人は、
そんなに多くないはずである(多分?)。

 


ヒウラカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 七里長浜・青森

実際には、何の変哲もない普通の薄茶色のカメムシだ。

1993年発行のカメムシ図鑑(Ⅰ)によると、
本種は、図鑑発行時点では、青森県と茨城県からしか、発見されていない。
(⇒極東ロシア、中国にもいるらしいが・・・)

全くの偶然であるが、青森と茨城は、
私の主要な活動地域と一致する!?

 

 

 

ヒウラカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 七里長浜・青森

・・・しかし、その図鑑には、稲の穂を吸汁して、
斑点米を産出すると、さりげなく書かれている。

⇒確かにイネ科植物から見つかってはいるが、
 いわゆる珍品害虫なのか(注)
 

 

 


ヒウラカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 七里長浜・青森

青森県内の生息地は、津軽半島の日本海側である。

結構、湿地や沼が多いところであるが、
ヒウラカメムシは、そんなところに生息するようだ。

本来は、撮影場所を詳細に特定すべきなのだが・・・・

 

 

 


ヒウラカメムシ(カメムシ科)

2013年7月15日 七里長浜・青森

そして、昨年発行されたカメムシ図鑑第3巻には、
ヒウラカメムシの国内分布は、「本州」に変更されていた。

おそらく青森・茨城以外でも見つかったのだろう。

 

 

 

ヒウラカメムシ幼虫(カメムシ科)

2013年7月15日 七里長浜・青森

あまり良い写真ではないが、幼虫も見つかった。

今回、紹介した一連の写真が撮れたのは、
黒石市在住の nabita 氏に、同行させてもらったからだ。

生息場所であるイネ科植物が繁茂する湿地には、
一人のときには、決して行かない場所だ。

しかも、目視で見つけるのは、かなり難しい。

写真の背景の雰囲気でバレバレであるが、
今回の写真は、スウィーピングで捕獲したものである。


ちなみに、ヒウラカメムシのヒウラとは、
カメムシ研究で有名な日浦勇氏に由来する。

 

(注)この情報源はどこだろうと、軽く調べてみたが、
   日本応用動物昆虫学会が2006年に編集・発行した
   「農林有害動物・昆虫名鑑(増補改訂版)」
   には、ヒウラカメムシの名前はなかった。

   日本以外の極東ロシア・中国での観察記録かもしれない。
    

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