[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
先日、写真の整理をしていて、
ちょっと違和感のある虫が見つかった。
・・・私の場合、普通にあることなのだが!?
写真撮影時には、そんな南方系の虫が、
茨城の東海村にいるなんて、思っても見なかったので、
さりげなく、良く似た別の虫のフォルダーに入れてしまった。
フォルダーは、オオクモヘリカメムシ Anacanthocoris striicornis (Scott)
入れ間違えたのは、ミナミトゲヘリカメムシ Paradasynus spinosus Hsiao
⇒別属のヘリカメで、和名からは、
似てることが、全く想像できない??
まずは、オオクモヘリカメムシの写真から!!
オオクモヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
2011年6月11日 東海村・茨城
撮影場所の公園にあるネムノキで、ときどき見かける。
ただのクモヘリカメムシとは全く雰囲気が異なり、
緑色と黒褐色のコントラストがはっきりして、
個人的に好きな部類の大型ヘリカメである。
【さりげなく大きい?! オオクモヘリカメムシ】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131113/1/
2年前の上記のページで、ミナミトゲヘリカメムシについて、
ちょっとだけマニアックであるが、
一見間違えやすいミナミトゲヘリカメムシというのがいる。
でも、南方系の種なので、少なくとも関東から北では、
別によく見なくても、大丈夫だ
と書いてしまったように、そのときには、
茨城で見つかるとは、まったく思っていなかった。
そして、お待たせしました。
・・・噂のミナミトゲヘリカメムシ!!
⇒写真撮影は、さらにその1年前(2012年)である。
ミナミトゲヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
2012年10月2日 東海村・茨城
どうだろうか? 体型も大きさも、
オオクモヘリカメムシそっくりだ。
撮影したのは上の写真と同じ公園で、
当然付近には、ネムノキが沢山ある。
⇒撮影場所が近いということも、
間違えた原因かもと、多少の自己弁護?
ただ、よく見れば、緑色の部分がなく、
名前の由来となった前胸の鋭い棘が特徴的だ。
ミナミトゲヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)
2012年10月2日 東海村・茨城
カメムシ図鑑第3巻には、寄主植物はクスノキ科だが、
かんきつ類を加害することもあり、侵入害虫とされ、
「別属のオオクモヘリカメムシと、しばしば誤認される」
と、わざわざ書かれているほどである。
なお、当該図鑑の出版時(初版:2012年)には、
関東地方が北限と記述されている。
⇒私の記憶では、10数年ほど前までは、
和歌山県が北限とされていたはずで、
わずか10年で、関東まで北上した。
今回の発見場所は、茨城県のほぼ真ん中の東海村なので、
この時点で、北限に近い場所だったのだろう。
当然、地球温暖化の影響もあるのだろうが、
今後も、どんどん北上していくのか微妙なところだ。
⇒さすがに青森県には、クスノキもかんきつ類も、
おそらく自生していないので・・・・
前回に続いて、玉川ダムのカメムシ。
ダムサイト以外でも普通に見られる種類が、
ツノカメほどの迫力はなく集まってくる。
・・・・でも、この際なので!!
アオクチブトカメムシ(カメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
高名な昆虫写真家U氏の真似をして、
ダムサイトの雰囲気が伝わるように、
背景をボカさないで撮ってみた。
この子が、こちらを向いていたらベストなんだろうが、
平気でシャッターを切ってしまうのがアマチュアだ。
多分、プロのUさんなら、向きを変えるまで、
じっと待っているのだと思う。
⇒Uさん、ネタにしてゴメンナサイ!
14日の昆研懇親会には、出席できません。
クサギカメムシ(カメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
沢山いると、あまり撮りたくないカメムシの代表だが、
今回のように、見つけたのがこの子だけなので、
さりげなく1枚シャッターを切る。
⇒近くの森吉ダムで見かけるカメムシは、
おそらく、ほとんどクサギなのに・・・
これも、ちょっとだけ不思議だ。
スコットカメムシ(カメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
上のクサギカメと並ぶ、ダムサイトの常連。
やはり、何故か、玉川ダムでは、あまり多くない。
⇒上のクサギカメムシ、近似種のツマジロカメムシとともに、
人家の中に入り込んで越冬する不快害虫としても知られている。
多分ヘラクヌギカメムシ(クヌギカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
クヌギカメムシの仲間は、日本に3種いるが、
外観での識別は困難である。
ただ秋田・青森では、ヘラクヌギが多いようである。
⇒夏の個体は、全身が光沢のある緑色だが、
晩秋には、このように脚や体の縁が赤くなって、
いわゆる越冬色(?)になる。
しかも、ちょっとだけ不思議なことに、
この子は、成虫越冬ではなく、卵越冬なのだ。
ハラビロマキバサシガメ(マキバサシガメ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
このように、普通は翅が短いのだが、
たまに、長翅型の個体も見られるようだ。
⇒当然、写真の子は短翅型なので、飛べないはずだが、
歩いてダムサイトに来るのは、獲物を探すためだろう。
晩秋のダムサイトには、沢山のカメムシが集まる。
おそらく越冬場所を探すための移動途中に、
太陽の熱で温められたコンクリートが、
絶好の休憩場所なのだろう。
⇒たかだか100年程度前からの、新しい習性かも?
そして、晩秋のダムサイトの魅力は、
何と言っても、普段なかなか出会うことのない、
珍品カメムシが、「えっ、こんなところで!」という感じで、
いとも簡単に、見つけられることだ。
なかでも、玉川ダムは、おそらく東北のダムでは、
ツノカメの種類と数がダントツに多く見られる。
だから、秋になると、快晴の日を見つけて、
毎年、必ず一度は訪れている!!!
・・・まずは、ツノカメ6種!!
ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
赤と緑のコントラストが、素晴らしいツノカメである。
晩秋のダムサイトでは、普通に見かけるのだが、
普段は、なかなか出会うことのない種類だ。
・・・と言うか、
弘前に来てからは、ダムサイトでしか見かけない。
ビーティング採集をやらなくたったからかも・・・
ツノアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
上のミヤマツノと良く似ているが、ツノの形状が違う。
より長く突き出していて、後方に少し曲がる。
この赤と緑のコントラストが、なかなか良い雰囲気で、
個人的には、ダムサイトに良く似合うと思う?
ただ、個体数は、ミヤマツノより少ないようで、
年1回出会えれば、良しとするレベルの珍品だ。
イシハラハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
今回の目玉商品(?)を、さりげなく・・・
2011年に、新種として記載されたツノカメの仲間で、
カメムシ図鑑3巻によると、本種はブナ帯から採集されているが、
発見される個体数は、かなり少ないようだ【注】。
結局は、このツノカメを見たいので、ダムサイトに行くのだ。
⇒でも、ちょっとだけ不思議なことに、
ダムサイトで出会うのは、今回が最初だ。
セアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
この子は、いつでもどこでも見かけるが、
いわゆる越冬色なので、夏に見るイメージはない。
大型のツノカメの仲間では、おそらく、
最も個体数が多い(よく見かける!!)種だと思う。
ヒメハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
この子も、越冬前には、赤~褐色になることが多い。
こうなると、上の普通種セアカツノカメに、
雰囲気が似てしまうが、ツノ(側角)の色が違う。
夏の緑色の綺麗な頃のイメージが多少とも残っている。
多分ベニモンツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年11月4日 玉川ダム・秋田
腹部背面の膜質部が、黒くないので、
ただのベニモンツノカメムシだと思う。
ダムサイトでは、あまり見かけないようだ。
【注】過去の記事を、是非ご覧ください。
【新種イシハラハサミツノカメムシ(仮称)】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121113/1/
【もう一度 イシハラハサミツノカメムシ】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121204/1/
青森県でウズラカメムシに出会うのは、
おそらく、今回が最初のはずだ。
四国では、結構頻繁に見かけたのに・・・・
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
実際に見つけたときは、こんな感じで、
慣れないと、かなり分かりにくいが、
赤矢印の先に、交尾中のウズラカメムシがいる。
植物は、イネ科の多分カモガヤだろう。
⇒オーチャードグラスという別名の方が、
馴染みがあるかもしれないが・・・
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
この場所では、数個体を発見したが、
微妙な保護色が、少なくとも人には効果的(?)だ。
⇒この子の名前は、体色がウズラに似ているから付いたと思っていたが、
ネット情報で、ウズラの卵に似ているという説もあるようだ。
確かに、カメムシにしては、身体が卵型か?
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
昔は、斑点米カメムシ類として、
完全に害虫扱いされていたが、今では、
なかなか出会うことのないカメムシになった?
⇒そういえば、アオクサカメムシも、イネカメムシも、
クロカメムシも、害虫なのに最近見かけない?
私のメインのフィールドが、変わったためなのか?
ウズラカメムシ(カメムシ科)
2015年6月3日 大和沢川・青森
交尾中のウズラカメムシを見るのも、久しぶりだ。
カメムシ類は、交尾時間が比較的長いので、
交尾中に出会う確率は、かなり高いと思われるのだが・・・
以下の記事で、カメムシの交尾時間が長い理由を、
ちょっとだけ考察していますので、ご覧ください。。
↓ ↓ ↓
カメムシ交尾中【2】 何故カメムシの交尾時間が長いのか?
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111212/1/
今回は、なりふり構わずの「自画自賛」をご容赦ください。
道の駅で車中泊した後の2015年5月14日早朝、
安曇野の有名な公園(道路上に案内板が多数!)で発見。
標高の高い場所は、まだまだ雪が残る早春の雰囲気で、
しかたなく、緑の濃い公園に足を運んだのだ。
これが、とりあえずの選択成功・・・【自画自賛その①】
フトハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年5月14日 安曇野・長野
そして、とっくに花の時期が終わったサクラの葉っぱの陰に、
隠れるように静止していたフトハサミツノカメムシの雄を見つけた。
もちろん、知る人ぞ知る「珍品中の珍品ツノカメ」だ。
普通よりも遅い速度で歩きながら、一瞬通り過ぎた後で、
『・・・ん!? なんだ!!』
と、後戻りしたときの、感動の出会いだった。
多分、重なり合ったような葉っぱの奥の方にいたので、
普通の虫マニアでは、多分見つけられなかったと思う。・・・【自画自賛その②】
実は、まだ自然状態で、雄に出会ったことがなかったのだ。
⇒昔は、妻に「今回は、どこに行くの?」と聞かれると、
さりげなく「ちょっと、フトハサミを採ってくる」と答えていたほど・・・
⇒これで、あとはツシマオオカメムシと、キマダラカメムシだけ?!
・・・レンズをマクロに変えて接写!!
まだ気温が高くないのに、比較的活発に動く!!!
フトハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年5月14日 安曇野・長野
この子が、どれほどの珍品であるかは、以下の事実でも想像できる。
⇒ネット上で見かける本種の写真は、
おそらく、ビーティング採集や夜間の灯火採集、
晩秋のダムサイトで得たもののようで、
寄生植物上での生態写真は、ほとんど見かけない。
フトハサミツノは、それほどの希少種なのだ。・・・【自画自賛その③】
フトハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年5月14日 安曇野・長野
巷での噂どおり、やっぱり寄生植物は「サクラ」だった。
⇒サクラの枝をビーティングする人は、あまりいないのだろう。
成虫越冬のはずなのに、新鮮な体色がちょっと不思議だ。
フトハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2015年5月14日 安曇野・長野
これで、おしりにあるハサミ(?)の形状が、明らかに違う、
Acanthosoma属の4種の雄の写真を、全て撮ったことになる。
もちろん、新種イシハラハサミツノカメムシも含まれる。・・・【自画自賛その④】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121204/1/
というか、この4種の分布域は、それほど変わらないので、
何故、雄のハサミの形態が明らかに異なる種分化が起こったのかは、
ちょっとだけ不思議だ。