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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

二庄内ダムのカメムシ(2014)

前回紹介した浅瀬石ダムの近く、
ランプの宿で有名な青荷温泉への道を行くと、
二庄内ダムという、あまり有名でない、
というか、人がほとんど来ないダムがある。

ただし、ロックフィル式のダムなので、
集まってきた虫が分散されて(?)、
ダム道路からでは、多少探しにくくなっている。


このダムでも、当然、スコットカメムシがメインなのだが、
真面目に探すと、チラホラ他のカメムシも見つかる。

 

 

・・・そんな中で、

 

 

ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 二庄内ダム・青森

比較的良く見つかる緑色系のツノカメである。

このコントラストが、なかなか良い雰囲気だ。


晩秋のダムサイトでは、普通に見かけるのだが、
普段は、なかなか出会うことのないツノカメだ。

ビーティング採集をやらなくたったからかも・・・

 

 

 

ツノアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 二庄内ダム・青森

上のミヤマツノと良く似ているが、ツノの形状が違う。

より長く突き出していて、後方に少し曲がる。


個体数は、かなり少ないようで、ダムサイトを含めても、
年1回出会えれば、良しとするレベルだ。

 

 

 

ベニモンツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 二庄内ダム・青森

この写真で見る限り、上の2種と似ている。

実際には、サイズの違いもあるので(1まわり以上小さ目)、
遠くからでも、十分識別可能だ。

 

膜質部が黒っぽいと、別の珍品の可能性があるのだ【注】

⇒手持ちの標本がある方は、ぜひ再チェックしてみてください。

 

 

 

多分ヘラクヌギカメムシ(クヌギカメムシ科)

2014年10月26日 二庄内ダム・青森

この子は、多分成虫越冬ではないはずだ。

確か、ゼリーに包まれた卵塊で途中まで越冬し、
厳冬期に孵化した幼虫が、そのゼリーを餌とする。

ただ、産卵は晩秋から初冬にかけて行われるようで、
そのころは、体や脚が赤っぽくなって、
まるで成虫越冬するような雰囲気である。


もう少しだけ、がんばれ!!!

 

 

 

オオトビサシガメ(サシガメ科)

2014年10月26日 二庄内ダム・青森

サシガメの仲間は、幼虫越冬のイメージが強い。

このブログの常連であるヨコヅナサシガメや、
ヤニサシガメ、シマサシガメなどが、幼虫越冬である。

だから、ダムサイトでは、サシガメ類をほとんど見かけないが、
この子だけは、沢山見かける。

 

 

【注】腹部背面が黒っぽいベニモンツノカメムシ類【Elasmostethus属 】は、
   
   標本と寄生植物を確認しないと、正確な同定はできない。

   特に、ダムサイトで撮った写真では、ホスト植物が確認できないので、
   全くの問題外であるのだが・・・・

 

   ベニモンツノカメムシ(腹部背面は褐色)
   Elasmostethus humeralis Jakovlev, 1883 全国 ホスト:ハナウド、ウコギ

   セグロベニモンツノカメムシ
   Elasmostethus interstinctus (Linnaeus, 1758) 北海道 ホスト:ダケカンバ

   ヒメセグロベニモンツノカメムシ
   Elasmostethus kerzhneri Yamamoto, 2003 本州 ホスト:ダケカンバ

   フトセグロベニモンツノカメムシ(新称)
   Elasmostethus brevis Lindberg, 1934 北海道・本州 ホスト:ドロノキ

   クロスジベニモンツノカメムシ(新称)
   Elasmostethus hasegawai Yamamoto, 2003 本州 ホスト:カツラ

   ヤナギベニモンツノカメムシ(新称)
   Elasmostethus amabilis Yamamoto, 2003 北海道・本州 ホスト:オオバヤナギ


   
   したがって、このブログの以下のページのまとめで、和名なしとされたものは、
   上記の新称に変更される。
   ↓   ↓   ↓
   http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120322/1/

 

     

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ダムサイトのカメムシ(2014) 浅瀬石ダム


晩秋のダムサイトには、沢山のカメムシが集まる。

昔、四国のダムに毎年訪れていた頃は、あまり感じなかったのだが、
北国のダムサイトでは、いわゆる普通種の個体数の年次変動が、
かなり激しくあるようだ。

 ⇒四国のダムサイトでもあったのかもしれないが、
  当時は、普通種にあまり関心がなかった???


自宅から一番近い浅瀬石ダムでは、2012年までは、
クサギカメムシしかいない(?)状況だった。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121103/1/


ところが昨年(2013年)は、何故か、
クサギカメムシの個体数が激減して、そのかわりに、
スコットカメムシがかなり目立つようになったのだ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131123/1/

 

 

そして、今年は・・・・・?

 


スコットカメムシ(カメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

やっぱりスコットカメムシの個体数が、ダントツに多い。
しかも、相変わらず(?)、交尾してるカップルも見かけた。

成虫越冬する虫たちの交尾は、春~秋の活動期に行われるが、
スコットカメムシだけ(多分?)は例外で、
越冬中(越冬前後!)に交尾することが知られているのだ【注1】


  

 


ヨツモンカメムシ(クヌギカメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

次に多く見つかったのは、昔は珍品だったヨツモンカメムシだ。
(珍品ではなく、カメムシ図鑑に載っていなかっただけかも?)

こんな写真を見て、結構驚いてくれる四国のカメムシマニアが、
少なくとも何人かは、いるはずだ。

 

 


そして、今年は、珍しい来客がチラホラ・・・

というか、昨年までは、他のカメムシを探す気にならないほど、
クサギとスコットの天下だったのだ。

というわけで、予想どおり(?)2年連続でクサギカメムシの姿は、
数えるほどしかいなかったのだ【注2】


 


ハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

見つかったのは、この1匹だけ。

やっぱり、緑色系のカメムシを見つけると、ホッとする。

四国のダムサイトでは、頻繁に見つかったのだが・・・


フトハサミツノカメや、イシハラハサミツノカメには、
いつになったら出会えるのだろうか?

 

 

 

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

この子も、1匹だけ見つかった。

上の、ハサミツノカメも、もともとカッコイイのだが、
背中のハートが目立つエサキモンキは、その上を行く・・・?

 

 

 

トホシカメムシ(カメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

この子も、1匹だけ・・・

ダムサイトでなくとも、この周辺には、結構見かける。

というか、ダムでは、初めて見たような気がする。

 


その他に、ベニモンツノカメムシ、ミヤマツノカメムシ、
ツノアカツノカメムシが、少数見られた。


次回紹介予定の二庄内ダムでも見かけたので、写真はそっちで・・・


 


【注1】スコットカメムシの雄は、越冬前後の交尾時に、精子とは別に、
    栄養的価値の高い分泌物を雌に移送することが知られている。
    おそらく、卵巣成熟に寄与しているのだと思う。

    
    交尾時に雄が雌に食物をプレゼントをする虫たちは、
    シリアゲムシやオドリバエなどでも良く知られているが、
    スコットカメムシの場合は、それほど露骨ではない?

【注2】もともとクサギカメムシは、数年おきに大発生する傾向がある。

    本種は、果樹害虫あるいは家屋に浸入する不快害虫として有名なのだが、
    幼虫がヒノキの球果を餌とすることで、森林害虫でもあるのだ。

    そして、個体数の大きな年次変動を起こす最大の要因が、
    ヒノキの結実量の年次変動であることが分かっている。





   

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北海道MMT中のカメムシ③

(つづき)

このシリーズの写真を見てお気づきのように、
緑色の葉っぱの上にいる虫たちが、
被写体になることが、比較的多い。

私の撮影スタンスは、野鳥類が虫を探す場合と似ている。

そんな視線で、自然状態の虫を探していると、
多くの虫たちは、捕食者の餌とならないように、
様々な工夫をしていることに驚かされる。

 

 

マダラナガカメムシ(マダラナガカメムシ科)

2014年7月6日 清水町・北海道

様々な工夫のうちのひとつである警戒色。

その典型的な例でもある赤白黒のカメムシだ。


体内に不味成分を持つ虫たちは、
学習した鳥たちが記憶しやすいように、
こんな目立つ体色をしているのだ。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130209/1/

 

 


シマアオカスミカメ(カスミカメムシ科)

2014年7月6日 清水町・北海道

同定が難しいカスミカメの仲間でも、
特徴的な色彩や模様の種は、比較的容易だ。

あまり本州では見かけないが、
特に、北海道に多いわけではなさそうだ。

 

 


ヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

2014年7月6日 清水町・北海道

この子は、さりげなく珍品だ。

最初は、オオヘリカメムシだと思ったが、撮影場所は北海道。
体色やツノの形が、明らかに違うのがすぐ分かった。

個人的は、初めての撮影種である。

 

 

 

クサギカメムシ(カメムシ科)

2014年7月7日 札幌・北海道

ここに出すのが申し訳ないくらいの種・・・

都会の公園にある1本のナナカマドの木に、
同時に3種のカメムシを発見した。

最初は、まあ、この子からということで?

 

 

 

トホシカメムシ(カメムシ科)

2014年7月7日 札幌・北海道

同じナナカマドの木のやや高い位置にいた。

撮影アングルが悪いが、大型のやや珍しいカメムシ。


本州では、山地性だが、さすが北海道だ。

まさかの都会の公園で、さりげなく発見・・・

 

 


そして、3種目のカメムシは、セアカツノカメ。

すでに北海道MMT①で、掲載しいるので、
ちょっとだけ苦労して、3種の同時撮影を敢行!!!

 


ナナカマドの3種のカメムシ

2014年7月7日 札幌・北海道

クリックして拡大しても、全く分からないと思うが、右から、
セアカツノカメムシ、クサギカメムシ、トホシカメムシ、
の順に写っている。

まあ、3種同時の証拠写真である。



     

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北海道MMT中のカメムシ②

(つづき)

今回の北海道MMTで、カメラのシャッターを押した回数は、
SDカードの記録から、1608回。

もちろん、その場ですぐに削除したのもあるので、
パソコンに残された写真は、約1400枚だ。

その中から、今回は16種類のカメムシの写真を、
日付順に、紹介していることになる。

 

 


チャバネアオカメムシ(カメムシ科)

2014年7月1日 早来・北海道

樹木の葉っぱや果実で見かけることが多い。

この子は、おそらく草本のヒメジョオンの茎にいて、
微妙に翅を震わせていた。

 

 

 

多分クロヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年7月3日 樽前山・北海道

普通のヒメツノカメムシかもしれない・・・

普通は腹部にある黒色点刻の有無で見分けるが、
残念ながら、確認することはできなかった。

 

 


ベニモンツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年7月5日 層雲峡・北海道

セリ科植物上に多いツノカメ。

このような交尾個体も、普通に見かける。

北海道では、膜質部の黒いベニモンツノカメを探したが、
結局1匹も見つけることが出来なかった。

 

 

 

ウスイロヒラタナガカメムシ(ナガカメムシ科)

2014年7月6日 十勝川温泉・北海道

駐車場にあるシラカバの果実で見つけた。

酸ヶ湯温泉のダケカンバの果実にいた幼虫と同じ種だ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131129/1/


ただ、写真をよく見ると、下にもいる?

交尾しているようだが、この状況は??

しかも、下にいる方が小さい???

 

 


モンシロサシガメ(サシガメ科)

2014年7月6日 清水町・北海道

ようやく、北海道特産種を見つけた。

最初はシマサシガメと思ったが、
脚にマダラ模様がない!!!!


ただ、軽く調べたネット情報では、
本州中部地方での記録があるようだが・・・

 

 


ミドリカスミカメの仲間(カスミカメムシ科)

2014年7月6日 清水町・北海道

この仲間(すべてのカスミカメ類)に関しては、
写真だけの同定を、ギブアップするしかない?

とりあえず、この写真の子は・・・・分からない???

 

 

(つづく)

 

      

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北海道MMT中のカメムシ①

    
今年(2014)の6月30日から7月7日まで、
約1週間の北海道旅行に、夫婦で出かけた。

今回は、3日間は札幌に住む娘も同行したので、
主として観光地周辺での撮影だった。

 

そして・・・


前回、一部の人たちに好評だったので(?)、
今回も、MMTに撮れた16種類のカメムシの写真を、
撮影日付順に、3回連続で紹介したい。

 

 

 

多分ツノアオカメムシ5齢幼虫(カメムシ科)

2014年6月30日 豊浦・北海道

このブログで何回か紹介したツノアオカメムシ。

私のカメムシ収集の原点でもある。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101021/1/


もし、この子が本当にツノアオの幼虫ならば、
ようやく写真を撮ることができたことになる。

いや、脚が結構黒っぽいので、もしかしたら別種かもしれない。

 ⇒今のところ、五分五分かも?

 

 

 

セグロヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年6月30日 倶多楽湖・北海道

背中の紋が黒い、小さなツノカメ。

最初見つけたときは、赤みがかった体色から、
珍品臭が漂っていたが・・・・

 

 


トゲカメムシ(カメムシ科)

2014年6月30日 倶多楽湖・北海道

本州では、山地性の種類だが、青森や北海道では、
どこでも見られるようだ。

今回のMMTで、最も出会いが多かったカメムシだ。

 

 


エゾツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年7月1日 早来・北海道

エゾという名前が付いているが、
日本各地の山地でも、稀に見かける。

ただ、写真が撮れたのは、今回が初めてで、
ちょっとだけ嬉しかった。

 

 

 

セアカツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年7月1日 早来・北海道

写真は雄だが、小さなハサミがあり、結構カッコイイ。

大型のツノカメの中では、比較的個体数は多いようで、
日本各地で普通に見かける。

 


(つづく)

 

 

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