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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ちょっとだけ綺麗な虫たち 小さな蛾


昼行性の蛾の仲間は、チョウに負けず、美麗種が多い。

特に、比較的小型の蛾の場合には、
もっと大きかったら大人気になるだろう(?)、
そんな雰囲気の種類が、さりげなくいるのだ。

 

ただ、野鳥類の餌としてのサイズ的な問題からか、
いわゆる警戒色の範疇には入らない種類がほとんどである。

 

 

 

オオギンスジハマキ(ハマキガ科)

2012年6月8日 だんぶり池・青森

オレンジ色と銀色の絶妙の組み合わせ。

初夏のだんぶり池で、昼飯の弁当を食っていたら、
ふと目の前に飛んできたので、すぐに分かった。

やっぱり、よく目立つ配色だ。

 

 

 


アオスジアオリンガ(コブガ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

この子は、春型の雄で、何故か逆さに静止している。


 ⇒君は、人面カメムシか??!!

 

ちょっとだけ不思議なことに、常夜灯で良く見かける雌は、
全体がうす緑色なので、見た目は別種のようなのだ。

【不思議な緑色の虫たち② アオスジアオリンガ】
 ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120131/1/

 

 

 


クロモンベニマルハキバガ(マルハキバガ科)

2014年5月31日 筑波山・茨城

小さい蛾にしては、複雑な模様だ。

名前の由来となった黒い紋が、重要なアクセント?


幼虫は、ミズキの枯れ枝を食べるとされている。

 

 

 


クロスジノメイガ(ツトガ科)

2010年8月21日 だんぶり池・青森

オレンジ色の地に、黒い線があって、よく目立つ

葉っぱの表面でさりげなく(?)交尾中だが、
撮影は、早朝のだんぶり池である。

もちろん、付近に常夜灯はない。


明け方に、交尾するのだろうか?

 

 

 


ギンモンシマメイガ(メイガ科)

2012年6月30日 上州武尊山・群馬

この子は、常夜灯に来ていて、帰りそびれたようだ。


軽く調べたネット情報では、
幼虫が、スズメバチ科のハチの巣そのものを食ベるらしい。

ただ、幼虫がどのような経緯でハチの巣の中に潜入できるのか?

おそらく、成虫がハチの巣の中か、周辺部に産卵するのだろうが、
時期や方法など、まだ謎が多いようで、おそらく、
この子は、比較的珍品なのであろう。

 


というわけで、「警戒色とは無縁の小さな蛾たち」でした。

    





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ちょっとだけ綺麗な虫たち ヒトリガの仲間


昼行性の蛾の仲間には、チョウに負けず、美麗種が多い。

体内に不味成分を持つマダラガの仲間が、その代表であるが、
他にも、地味な(?)存在ながら、派手な模様を持つ種がいる。


今回のヒトリガの仲間は、良く知られているように、美麗種も多い。

どちらかと言うと、警戒色になるのかもしれない(?!)、
そんな雰囲気の色彩と模様の種がいるのだ。

 

つい最近、虫たちの親子シリーズで、ヒトリガ科の2種を紹介したが、
いずれも、幼虫時代に微妙な有毒植物を食べているので、
成虫もその成分を引き継ぎ、鮮やかな警戒色であった。
↓    ↓    ↓
スジモンヒトリ: http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150326/1/
ヒトリガ:    http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150329/1/

 


今回は、ヒトリガ科のファイルにある写真の中で、
まだ幼虫が同定できない美麗種が少なからずいるので、
「虫たちの親子シリーズ」とは別に、まとめて紹介したい。

 

 

 

アカスジシロコケガ雄(ヒトリガ科)

2014年8月19日 木賊峠・山梨

この赤と白の配色は、シンプルだが、素晴らしい。

アクセントの黒い点は、左右に2個ずつあるのが雄で、
1個ずつしかないのが雌である。


幼虫は、ものすごいケムシのようだが、
その名のとおり、地衣類などを食べるので、
餌に由来する有毒物質は待たない。


当然、成虫も無毒のはずだが、
何故こんな目立つ色彩なのだろうか?

 

 

 


スジベニコケガ(ヒトリガ科)

2012年6月21日 道の駅みしま・福島

オレンジ色の地に、赤色の細かい筋模様と黒色の点が配列されるが、
この模様には、かなり個体差があるようだ。


幼虫は、サクラなどの樹皮に着生するウメノキゴケなどの地衣類を食べる。

前種と同様に、無毒と考えられるが、この色彩は目立つ。

 

 

 

 

ヨツボシホソバ雄(ヒトリガ科)

2013年7月22日 志賀坊森林公園・青森

雄の場合は、全身が黄色っぽいだけの雌と違って、
ものすごい配色である。

このように、頭と胸が鮮やかなオレンジ色で、
何と脚が青藍色の金属光沢があるのだ。


雌は、灯火で良く見かけるが、何故か、
雄には、ほとんど出会うことはない。


上のコケガ類と同じように、幼虫は地衣類を食べるが、
この体色は、明らかな警戒色だ。


野鳥類は、捕食するのだろうか?

 

 

 


シロヒトリ(ヒトリガ科)

2012年8月1日 志賀坊森林公園・青森

真っ白で、比較的大きな蛾である。

翅を広げると、脚と腹部の側面は赤い。


幼虫の食草はスイバ、ギシギシ、イタドリ、タンポポなどで、
一応これらは、微妙な有毒植物である。

幼虫には、毒針毛はなく、触っても大丈夫なのだが・・・

 

 

 

 

ヒメキシタヒトリ北海道亜種(ヒトリガ科)

2014年7月5日 層雲峡・北海道

ネット情報では、産地によって4亜種に分かれるようで、
上の写真の子は、北海道で撮ったので、間違いなく北海道亜種だろう。

模様の白色部分が多い(太い?)のが、特徴のようだ。

幼虫の形態および餌植物は、不明とのことで、おそらく珍品なのだろう。


白黒の模様で、こんな雰囲気の蛾は少なくないので、
おそらく警戒色ではない可能性が高いと思われる。

 

 

 

という訳で、今回の5種のヒトリガ科の蛾は、
いずれも警戒色であるとは断定できないのだが、
捕食者が食べるのかどうかは、不明である。


 ⇒私の想像では、捕獲すれば食べるかもしれないが、
  「やっぱりマズイ!、出来れば、次からは食べるのは止めよう!!」
  と感じているのではないだろうか?

 

後日、微妙な有毒植物とそれを食べる虫の体色との関係を、
まとめて紹介する予定です。

     

 


 

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ちょっとだけ綺麗な虫たち ハバチ類


ハチに対しては、嫌いというほどではないが、
どうも、あまり良いイメージはない。

あまり刺されたことはないのだが・・・


黄色と黒の警戒色っぽい色彩が多いし、
種の同定がややこしいからだろうか?

 

こんな前振りでは、先が見える???

 

 


ただ、ハチの仲間でも、特にハバチ類には、
色彩に変化が多く、美麗種が多いのだ。

 

 


キムネコシボソハバチ(ハバチ科)

2012年6月14日 白岩森林公園・青森

黄色と黒色の縞模様は、本当によく目立つ。

名前にケチをつけるつもりはないのだが、
この子は、ムネは黒色部分が多いし、
コシはそんなに細くない。


昔は、広腰亜目と呼ばれていたハバチ類だが、
多少とも、腰の部分が狭くなっているかも・・・

ギリギリのところで、ベイツ型擬態なのだろうか?
 

 

 

 


多分セマダラハバチ(ハバチ科)

2012年6月3日 白岩森林公園・青森

この子は、完全な黄色ではなく、どちらかというと、
うす緑色が、葉っぱの色に負けていない気がする。

セマダラハバチの仲間は、近縁種が多いので、
写真だけでの同定は、難しいのだが・・・

 

こんな、か弱い雰囲気なのに、
自分と同じくらいの大きさの虫を捕獲して、
ガリガリと食べているのだ。


 ⇒下に、切り落とされた犠牲者の頭部が!


ハバチの成虫は、基本的に肉食なのだ。

 

 

 


モンキハバチ(ハバチ科)

2012年6月27日 白馬岳山麓・青森

この子は、オレンジ色に近い黄色で、
翅も同じような色合いなので、
葉っぱの上で、良く目立つ。

近縁種はいないようで、同定は間違いないかも・・・


ハバチの仲間は、雌でも人を指すことはないので、
安心して手で触れるが、ハバチでない場合もあるので、
むやみに手で掴まない方が良いうだろう。

 

 

 


クロムネアオハバチ(ハバチ科)

2014年5月30日 荒船山山麓・群馬

この子のうすい青緑色は、なかなか良い雰囲気を出してる。

東北の5~6月は、新緑の綺麗な季節だが、
それにさりげなく調和(?)したハバチが結構見られる。


 ⇒名付けて、新緑のハチ??


でも、これで肉食系とは、ちょっと不思議?!

 

 

 

ルリチュウレンジ(ミフシハバチ科)

2012年9月25日 東海村・茨城

ハチの仲間で、金属光沢を持つ種類は、
おそらく、あまり多くないだろう。

幼虫は、有毒ツツジの葉っぱを食べるので、
おそらく成虫も、野鳥類に食べられることはない。


お気づきのように、この金属光沢の雰囲気は、
前回のブログで再掲したヒメツチハンミョウにそっくり・・・

 

もしかしたら、ツチハンミョウの仲間とミュラー型擬態??
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110504/1/

 

 ⇒ハバチに対するこれまでのイメージが、
  ちょっとだけ変わった・・・・ 




 

    

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緊急報告 早春の虫たち


林道を歩ける日を待ちきれなくて、
そして、少しでも早く【早春】を感じたくて、
息子と娘の暮らす茨城県に来てから、
早くも2週間が経過した。


ひたちなか市内のお気に入りの場所は、
早春の雰囲気になりつつあった。

でも、目につく緑色の葉っぱは、全て常緑樹で、
ようやく下草が緑色になってきたが、
多くはロゼット状態のまま・・・

 

 

そんな中で、早春にしか見られない虫を探す!!!

 

 

ウスベニスジナミシャク(シャクガ科)

2015年3月10日 ひたちなか市・茨城

公園の日当たりの良いトイレの壁に、
さりげなく静止していた。

良く似た模様のシャクガ類は多いが・・・


旅先なので(?)、ネットで調べてみると、薄紅色ではないが、
春先にのみ出現するウスベニスジナミシャクの可能性が高い。


 ⇒色彩と模様には、かなり個体変異があるようだが、
  出現時期からも、同定には間違いないだろう。


何故、ウスベニという名前が付いたのだろうか?

 

 

 


イモキバガ(キバガ科)

2015年3月10日 ひたちなか市・茨城

この子も、別の公園の建物の壁にいた。

弘前でも、早春に良く見かける蛾なので、
かなりの(?)普通種だと思っていたら、
やっぱり、サツマイモの害虫のようだ。

そういえば、付近はサツマイモ畑が沢山あった。


弘前では、ヒルガオの葉を食べているらしい。


 ⇒残念ながら、ネット情報では、
  成虫で越冬する蛾なので、
  晩秋にも見られるとのこと。

 

 

 


ウスキボシテントウ(テントウムシ科)

2015年3月18日 ひたちなか市・茨城

珍品そうな小さなテントウムシも見つかった。


実は、昨年も同じころに見かけたのだが、
夏の活動時期には、出会ったことがない。


近似種に、ムツキボシテントウがいるが、
前翅の模様で、十分識別が可能である。

 

 


そして・・・・

 

 

ミズバショウ(サトイモ科)

2015年3月18日 ひたちなか市・茨城

夏が来れば思い出す「ミズバショウの花」を発見。


まだ、3月なのに・・・


 ⇒このミズバショウは、おそらく愛好家によって、
  植栽されたものだろう。





 

   

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君は一体何組?? 鳥の糞か?!


今月は、ブログ開設時の原点に戻って、
想定読者は、虫好きの高校生!!!


私の基本的な撮影スタンスとして、
いつからか(?)、歩きながら、
目についた虫だけを撮っている。

自然状態での虫たちの姿を、できるだけ、
ありのままに、写真に撮りたいからだ。


今回は、お気に入りの場所を歩きながら、
緑色の葉っぱの上で、さりげなく見つけた、
ちょっとだけ不思議な虫たち・・・・

 

彼らは、一体何組なのか、すぐに分かりますか?

 

 

⇒ページ最後に、まとめて正解を載せましたが、
 もし、軽く全問正解したら、あなたは、
 かなりの虫マニアです。

 

 

写真① ??

2011年5月31日 だんぶり池・青森

触角も、6本の脚も、全く見えない楕円形!

体色、模様、形状、サイズ的にも、
この子は、鳥の糞に擬態してるのだろう。

 

 

 

写真② ??

2012年6月13日 梵珠山・青森

葉っぱに、隙間なくピッタリ張り付いている。

脚が見えないし、雰囲気が上の子に似ている。

この子も、鳥の糞擬態?

 

 

 

写真③ ??

2011年7月1日 だんぶり池・青森

この子は、脚が見えるが・・・

どちらかというと、やっぱり、鳥の糞??

 

 

 

写真④ ??

2012年5月23日 長者原SA・宮城

この子は、鳥の糞には見えない。

ただし、4種類とも、カメムシ目っぽい。

 

 

・・・回答・・・

(以下を読もうとする方は、この時点で、間違いなく虫マニアです)

 

 


①クロヒラタヨコバイ(ヨコバイ科)

 ⇒ヒラタヨコバイと言う名前ほど、
    もっと言えば、ヒラタカメムシほど、
  平たくないような気がするのだが・・・

  でも、ヨコバイにしては、かなり平たいのだろう。
  


②ミミズク幼虫(ミミズク科)

 ⇒やはり、この形態と静止姿勢は、
  ある程度の物理的な防御手段と考えられる。

  体のどこも、掴みどころがないので、
  徘徊性のクモやカマキリ、アリなどから、
  十分に身を守れているようだ。


  
③ヤナギカワウンカの仲間(ヒシウンカ科)

 ⇒この子は、多少コケの生えた植物の樹皮にいた方が、
  保護色として、より目立たなかったと思う。

  ただ、鳥の糞擬態であれば、こんな感じで、
  葉っぱの上の方が効果的だろう。

 

④ムネアカアワフキ(トゲアワフキ科)

 ⇒体は光沢のある黒色で、胸部のみ赤色である。

  この色の組み合わせは、よく目立つので、
  警戒色(警告色)と考えられるが、
  野鳥類の餌としては、小さすぎるかもしれない。
  

 

という訳で、4種全てカメムシ目の昆虫でした。

    

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