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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

越冬した虫たち【4】 水や泥の中

北国にも、ようやく遅い春が来た。

それまで氷や雪で覆われた池や沼の中で、
おそらく、じっと寒さに耐えていたのだろう。

生き物たちが、そのうっぷんをはらすように、
一斉に活動を始める。

 


コオイムシ(コオイムシ科)
 
2012年4月28日 だんぶり池・青森

これは、自画自賛の写真!!

全くの自然状態で、コオイムシを見るのは初めてである。

というか、水の表面ではなく、中にいる「水生昆虫」を、
写真で撮った記念すべき第1号である。


普通は、灯火に集まってくるものしか、見ることはできない?!

 


 

マツモムシの仲間(マツモムシ科)
 
2012年4月28日 だんぶり池・青森

この子も、一応「水生昆虫」であるが、
水の表面近くで、泳ぎ回っているので、
比較的写真には撮りやすい種類である。

基本的に、泳ぎは背泳である!!

日本には、数種いるようであるが、
写真では、同定出来ない。

 

 

オオミズスマシ(ミズスマシ科)
 
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田

人が近づくと、水面をクルクル回りながら逃げる。

それでもじっと見ていると、このように葉のそばで、
さりげなく静止する・・・・シャッターチャンス!!


他の仲間は、全身黒色であるが、写真のように、
オオミズスマシは、翅に薄黄色の縁取りがある。

 

 

多分コセアカアメンボ(アメンボ科)
 
2012年4月28日 だんぶり池・青森

その名のとおり、小さい背中が赤いアメンボ

集団でいることが多く、動きも活発である。

 

 


多分ヒメアメンボ(アメンボ科)
 
2012年5月1日 芝谷地湿原・秋田

背中の黒い模様が特徴的なアメンボ。

北国では、何処にでもいるようだ。

泳ぎながら、上手に(?)交尾する。

 

 


淡水エビの仲間
 
2012年5月1日 芝谷地湿原・秋田

湿原の池に流れ混む透明な水の中で、自由に泳ぎ回っている姿は、
ちょっと赤っぽいメダカのように見えた。


そういえば、テレビで見た水中を泳ぐペンギンは、まるで魚のようだし、
海の上を飛ぶトビウオは、鳥のように見える。

こんな現象を、確か平行進化と言うが、
場合によっては、擬態と間違われやすいので、注意が必要だ。


このことについては、別の機会に紹介したい。

 

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越冬した虫たち【3】

雪の多い北国では、ちょっと信じがたいことであるが、
チョウや蛾の仲間でも、成虫で越冬する子がいる。

多分、落ち葉の隙間や、樹木の空洞などで、
じっとしているだけなのだろうが・・・

 

 

シータテハ(タテハチョウ科)
 
2012年4月25日 だんぶり池・青森

この子は、多分、雪の中で、
落ち葉の布団に包まって、越冬したのだろう。


ちょっと見て、間違えるほど、キタテハに似ているが、
翅の切れ込みや表面の薄紫の斑紋の有無などで、識別可能である。


後翅の裏面に「C」マークが、シータテハの名前の由来である。

残念ながら、近似種にも同じようなマークがあり、
それだけでは識別不能であるが・・・

 

 

キタキチョウ(シロチョウ科)
 
2012年4月12日 東海村・茨城

最近、本州で見られるキチョウは、
キタキチョウと呼ばれるようになったようだ。

見た目では、全く区別がつかないらしいのだが、
南西諸島や世界各地に分布するの(従来の)キチョウとは、
DNAが違うので、こう呼ぶようになったらしい。


なんだかな~

 

 

 

ルリタテハ(タテハチョウ科)
 
2012年4月12日 東海村・茨城

飛んでいるときに、瑠璃色の翅の白っぽい輪が良く目立つ。

ただし、一旦止まって翅を閉じると、
裏面は、樹皮や落ち葉に似た模様であり、
その姿を一瞬で見失ってしまう。

写真の子は、成虫越冬したチョウの常で、
翅は破れ気味である。

 

 

ハスオビエダシャク(シャクガ科)
 
2012年4月10日 東海村・茨城

桜の咲く時期に表れる春の蛾の代表。

普通は、うす黄色の翅に、黒い斜線が入るが、
この写真の子のように、点線になる場合もある。


当日は、かなり寒い日だったが、
公園の自販機にさりげなく止まっていたので、
最初はフユシャクの仲間だと思った。

帰ってから図鑑とネットで調べてみると、
日本列島で桜の咲くころに見られる蛾のようだ。

 

 


イカリモンガ(イカリモンガ科)
 
2012年4月30日 中野紅葉山・青森

このブログでも、何回か紹介した昼間飛ぶ蛾である。

良く目立つ翅の模様や、飛んでる姿から、
ジャノメチョウやセセリチョウよりも、
変な言い方だが、チョウらしい(?)。

というより、この子はチョウだ!!!!!
 


・・・・・・イカリモンチョウ ?!





 

 

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越冬した虫たち【2】 寒いのに!!

冬越しする虫たちは、基本的には隙間にもぐりこむ。

彼らは、ためらいもなく、人間の作った建物の中や隙間に入り込んで、
寒い冬を乗り越える千恵(?)もある。

⇒もちろん暖房のある部屋は、不適であるが・・・

 

 

多分フユユスリカの仲間(ユスリカ科)
 
2012年4月4日 東海村・茨城

フユユスリカの仲間は、その名のとおり、
晩秋から冬の間に、寒い時期に成虫になる。

不思議なことに、春から夏の間は、
繭を作って川底で夏眠(!)をしているのだ。


この子は、男子用(ここ、強調!)トイレの中で、
さりげなく、休憩しているようであるが、
少しでも、暖かい方が良いのか?

 

 

オナシカワゲラの仲間(オナシカワゲラ科)
 
2012年4月2日 ひたちなか市・茨城

多分、この銀色のシートは、光を反射して暖かいのだろうか?

オナシカワゲラの仲間は、このように、まだ寒い時期に、
成虫になって、飛び回っていることががある。

上のフユユスリカと同じように、張りきって寒い時期に出てくるが、
やっぱりちょっとでも暖かい方が良いのだろうか?

 

 

ナワコガシラウンカ(コガシラウンカ科)
 
2012年4月12日 東海村・茨城

この子は、公園の建物の隙間にいたようだが、
暖かい日差しに誘われて、外に出てきた。

何となく、珍品くさい容姿だが・・・

⇒当初は多分スジコガシラウンカとしていましたが、
 Nabita氏のご指摘により、ナワコガシラウンカに訂正しました。

 

ワラジムシ(ワラジムシ科)
 
2012年4月10日 東海村・茨城

普通は、石の下などで見つかる。

子供のころは、冬でも、ダンゴムシとワラジムシで良く遊んだ。


この公園では、ダンゴムシは見ていない。

というか、真面目に探していないが・・・

 

 

ツヤアオカメムシ(カメムシ科)
 
2012年4月13日 東海村・茨城

カメムシは、寒い冬をやり過ごすために、
人の作った建物の中に入り込んでくる代表(?!)である。


大部分のカメムシ類は、残念ながら、成虫越冬した後は、
ほとんどが体色がくすんでしまう(最初からくすんでいる?)。

しかし、ツヤアオカメムシだけは、例外である。

この鮮やかな色が、全くあせることがなく、
春を迎えるのである。

 

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越冬した虫たち【1】 樹皮の下

だんぶり池の虫たちシリーズをやっていて、
完全に時期を逸しているが
弘前は・・・ようやく・・・なので?


例によって、春が来るのが待ちきれなくて、
カメラ片手に都会の公園をウロウロしてると、
ちょっとだけ不思議な、こんな光景に出会う!!


意外に、公園で見つかる虫たちも、あなどれないぞ!


・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


ケヤキの木は、大木になると、何故か、樹皮(木の皮)にヒビが入り、
たいてい下側が浮き上がって、隙間ができる。

その隙間が、冬越しをする小さな虫たちの絶好の隠れ場所になる。

浮き上がった樹皮は、人の手でも簡単に、はがすことができる。

ちょっとかわいそうだが、そっとめくってみると、いるいる・・・


 


ウスアカフサヤスデ(フサヤスデ科)
 
2012年4月10日 東海村・茨城

このちょっとだけ気味悪いこの子たちは、集団越冬するようだ。

良く見ると、お尻の先に白い房がある。

ネッと情報では、この房を襲ってきたアリに打ちつけて、戦うらしい。


しかし、そんなことでビックリするようなアリではないと思うのだが・・・

 

 


クロスジオチバカニグモ(カニグモ科)
 
2012年4月10日 東海村・茨城


その名のとおり、①黒い筋のある、②落ち葉にいる、
③カニのようなクモ、という意味なんだろう。


ただ、越冬場所は、落ち葉の中ではなく、
このように、樹皮のすきまのようである。


それにしても、背景に見えるウスアカフサヤスデは、
なかなか良い味を出している!?


 

 

ヒメアカボシテントウ(テントウムシ科)
 
2012年4月10日 東海村・茨城

この子も、その名のとおり、小さな、
赤い星(斑紋)があるテントウムシである。

赤い斑紋は、ナミテントウの二紋型の感じに似ているが、
明らかに小さい!!!


全く問題なく、同定可能である。


 

 

ウスキホシテントウ(テントウムシ科)
 
2012年4月9日 東海村・茨城

ちょっと見ると、ヒメカメノコテントウに似ているが、
背中にある6個のうす黄色い斑紋が、はっきりと分かる。

近縁種にムツキボシテントウというのがいるが、
前翅の外側部分にある黒い模様の違いで、
比較的簡単に、識別できる。


ただ、いずれも、比較的珍しい種類らしい。

 


 

ヨコヅナサシガメ幼虫(サシガメ科)
 
2012年4月10日 東海村・茨城


以前にも紹介したヨコヅナサシガメの幼虫である。

この子たちは、幼虫で越冬する。


それにしても、東海村にあるこの公園は、
ヨコヅナサシガメが半端でなく多い。


外来種であり、昔は、珍品扱いされていたのに・・・

 

 

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真冬の虫たちとヤマコウバシの葉っぱ

今の季節、虫の写真を撮るのは難しい。

と言うか、真冬に虫を見つけるのが難しい。

 

いつものように、歩きながら探しても普通は、見つからない。

特に、北国では、林道を歩くこともできないのだ。


今回は、比較的暖かい(?)関東の冬の虫たちである。

 

 

アオゴミムシ(オサムシ科)

2011年1月15日 渡良瀬遊水地・埼玉

日当たりの良い朽ち木を、ひっくり返してみると、
中からあわてて出てきたが、気温が低いので、ヨロヨロ・・・(ゴメン!!)

ゴミムシとは言え、まあ美麗種である。


防御物質を噴射するが、越冬中はどうだろうか?

 

 


ムナビロオオキスイ(ケシキスイ科)
 
2011年1月15日 渡良瀬遊水地・栃木

こっちは、朽木の中でじっとしていた。

光沢のある黒緑色の虫であるが、前翅に4つの黄色い紋がある。


この子は、最初ヨツボシオオキスイとしていたが、
同行した友人ニャオト氏によると、
やや珍しい方のムナビロオオキスイとのことで、訂正します。


 

 

 

トホシテントウ幼虫(テントウムシ科)

2011年1月15日 渡良瀬遊水地・埼玉

上の写真の上下に、ぼんやりと映っていたのが、この子です。

体中に、棘が・・・しかも挑戦的に分岐したトゲだ。

 

どれだけの防御効果があるのかは、不明であるが・・・

まさか、有毒のイラガの幼虫に擬態してるわけではないだろう。

 

 


ヨコヅナサシガメ(サシガメ科)
 
2011年12月15日 東海村・茨城

むしろ、秋から冬にかけての方が、良く目につく。
少なくとも、学生時代には、東京にはいなかったはずだ。

最近北上を続ける侵入害虫である。


おっと間違えた!! 

農業害虫を捕食するので、侵入害虫とは言わないのか・・・


でも侵入益虫と言うのもおかしいか?

 

 


ヒラタアブの一種(ハナアブ科)

2011年12月19日 鹿嶋市・茨城

知る人ぞ知る「里山環境生物学研究所」に、夫婦でお邪魔したときに、
所長自らが造った遊歩道(?)で、さりげなく見つけた。

比較的暖かい日だったので、普通に、飛んでいた。

 ⇒ヒラタアブ類の同定は、標本がないと無理?


真冬に飛んでる虫を見つけると、何故かホッとする!?

 


ちなみに、上記の研究所は霞ケ浦と太平洋に挟まれた丘陵地にあり、
そこは、典型的な里山の風景が広がる場所である。

我が国の昆虫フェロモン研究の先駆けである玉木佳男博士の庭でもあるが・・・


ここに、一本の不思議な木があるのを教えてもらった。

 

 

ヤマコウバシ(クスノキ科)
 
2011年12月19日 鹿嶋市・茨城

この時期、当然、里山の雑木林は、ほとんどが落葉しているのだが、
その中にあって、完全に茶色になった葉がそのまま残っている木があった。

考えてみれば不思議な話で、一体何の意味があるのだろうか?


玉木所長によると、この木は「ヤマコウバシ」というクスノキ科の植物で、
茶色の葉っぱは、春が来るまで決して落ちないとのことであった。


そして、このヤマコウバシの葉は、最近の受験生に引っ張りだこらしい。
その理由は、葉が「落ちない」ことから、受験にも「落ちない」ことになるから??
 

だから、この葉は、今や受験生のお守りになっているらしいのである。

 

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